有価証券報告書-第76期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
農業機械事業におきましては、エサづくり関連作業機の牧草・ワラ梱包作業機「ロールベーラ」の販売増や集草作業機「ツインレーキ」における新製品の投入効果があったものの、国の「畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業(畜産クラスター事業)」による導入の遅れが続く中で大型飼料収穫機「細断型シリーズ」の販売減に加え、初夏の天候不順や大型台風の影響、そして消費税増税後の反動や降雪不足による除雪作業機「スノ-ブロワ」の販売減により、国内売上高は減収となりました。また、「細断型シリーズ」を中心に欧州向けの輸出は増加したものの、中国・韓国向け輸出の減少により、海外売上高も減収となり、農業機械事業全体の売上高は減収となりました。軸受事業におきましては、風力発電用軸受等の受注が増加しました。
当事業年度における新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う業績への影響は、一定の営業活動自粛等による売上高減少がありましたが、その影響額の算定は困難であります。
以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ6億54百万円減少し、76億97百万円となりました。
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ7億43百万円減少し、14億80百万円となりました。
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ89百万円増加し、62億17百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度末の経営成績は、売上高64億32百万円(前年同期比10.0%減)、営業利益3億78百万円(前年同期比40.1%減)、経常利益4億20百万円(前年同期比38.4%減)、当期純利益2億62百万円(前年同期比39.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
農業機械事業は、売上高58億46百万円(前年同期比11.5%減)、セグメント利益3億20百万円(前年同期比45.6%減)となりました。
軸受事業は、売上高5億86百万円(前年同期比8.5%増)、セグメント利益42百万円(前年同期比218.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、仕入債務の減少などの要因により、前事業年度末に比べ25百万円減少し8億51百万円(前年同期比2.9%減)となりました。
また、当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、5億34百万円(前年同期比41.2%減)となりました。
この主な要因は、税引前当期純利益4億7百万円、仕入債務の減少額3億75百万円、売上債権の減少額2億35百万円などを反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、2億84百万円(前年同期比16.5%減)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出2億37百万円などを反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2億74百万円(前年同期比24.2%減)となりました。
これは主に配当金の支払額1億15百万円、短期借入金の純減額1億円などを反映したものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 農業機械事業(千円) | 5,021,296 | 79.9 |
| 軸受事業(千円) | 580,539 | 107.9 |
| 合計(千円) | 5,601,835 | 82.1 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 農業機械事業(千円) | 381,726 | 102.1 |
| 合計(千円) | 381,726 | 102.1 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 農業機械事業(千円) | 5,846,215 | 88.5 |
| 軸受事業(千円) | 586,055 | 108.5 |
| 合計(千円) | 6,432,271 | 90.0 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社クボタ | 1,812,405 | 25.4 | 1,620,348 | 25.2 |
| ヤンマーアグリ株式会社 | 912,054 | 12.8 | 903,402 | 14.0 |
| 日本ニューホランド株式会社 | 751,707 | 10.5 | 702,984 | 10.9 |
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ6億54百万円減少し76億97百万円となりました。これは主に商品及び製品が2億43百万円、電子記録債権が2億25百万円、有形固定資産が1億41百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ7億43百万円減少し14億80百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が2億24百万円、電子記録債務が1億78百万円、短期借入金が1億円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産合計)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ89百万円増加し、62億17百万円となりました。これは主に利益剰余金が1億47百万円増加したことによるものであります。
1株当たり純資産額は、前事業年度末と比較して6.85円増加し、535.54円となりました。
2)経営成績
(売上高)
当事業年度は創業110周年を見据えた中期経営計画「Offensive110」サードステージの初年度であり、『限りなき挑戦 強固な基盤 未来をかたちにOffensive110』をスローガンに各部門において目標達成に向けて邁進し、農業機械事業における新製品の投入効果や軸受事業における風力発電用軸受等の一定の受注回復があったものの、売上高は前事業年度に比べ7億15百万円減少し64億32百万円(前年同期比10.0%減)となりました。これは主に、農業機械事業において、国の畜産クラスター事業による導入の遅れが続く中で「細断型シリーズ」の販売減や、消費税増税後の反動、天候不順等のより国内売上高が減少し、海外売上高においても欧州向け輸出は増加したものの、中国・韓国向け輸出が減少した結果によるものであります。
(売上原価)
売上原価につきましては、資材高騰に加え、売上高の減少に伴う生産実績の減少により、労務費等の固定費を含めた製造原価の割合が上昇しました結果、売上原価率は前事業年度に比べ1.6ポイント上昇し69.8%となりました。
(営業利益)
売上総利益は19億40百万円となり、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は、売上高の減少により前事業年度に比べ2億53百万円減少し、3億78百万円となりました。
(経常利益)
営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、受取配当金や受取保険金の減少のほか、リース解約損の発生等の要因により前事業年度に比べ9百万円減少し、42百万円の収益計上となりました。営業利益から営業外損益を加減した経常利益は前事業年度に比べ2億62百万円減少し4億20百万円となりました。
(当期純利益)
特別利益から特別損失を差し引いた純額は、投資有価証券評価損の計上により13百万円の損失計上(前事業年度は66百万円の損失計上)となりました。
以上の結果、税引前当期純利益は4億7百万円(前年同期比34.0%減)となり、当期純利益は2億62百万円(前年同期比39.2%減)となりました。
また、1株当たり当期純利益は前事業年度に比べ14.68円減少し22.78円となり、自己資本利益率(ROE)は前事業年度に比べ2.96ポイント悪化し、4.28%となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)国内農業機械事業の拡大
現在、国内農業機械事業の売上高は、農業の構造的な問題や、国の畜産クラスター事業の導入の遅れに伴い、減収基調が続いており、農業の構造的背景への対応や畜産クラスター事業の採択が大きな課題となっております。
そのような中、当社は酪農家戸数・農業人口の減少と農業の大規模化等、農業の構造上の変化・問題に対応すべく、ICTの利用による農業の省力化を実現する新製品の開発や大型製品の開発にスピード感をもって取り組んでまいります。引き続き農政に沿った、食料自給力の維持向上に寄与する「強い農業づくり」や「スマート農業」に対応する製品の開発と提案を図るとともに、多様な市場のニーズに対してより柔軟に対応するために、既存の基軸製品であるエサづくり関連作業機のシリーズ化を強化してまいります。
一方で、政府による補助事業に依存しない小型製品や新規分野の製品開発・提案を並行して行うことにより、シェア拡大を図ります。
お客様に真の満足を提供するために、設備投資や人材育成を通じた品質の向上に注力するとともに、閑散期を中心にお客様の製品の点検の推進等、国産メーカーならではのアフターサービスの拡充により、ブランド力の向上を目指します。
2)海外農業機械事業の展開
中長期的な視点から当社のさらなる成長を図るためには、海外事業の拡大が重要であると考えておりますが、中国・韓国・欧州等の既存市場の深耕に加えて、新規市場の開拓が大きな課題となっております。中国山東省日照市の合弁会社との連携強化により、現地需要に沿った新製品の早期市場投入を通じて販売拡大を図るとともに、韓国や欧州についても既存の取引先との連携強化や、情報収集の活性化により、さらなる拡販に努めてまいります。その他の地域につきましても、当社の基軸製品への注目が高まっている地域を中心に情報収集の強化と積極的な市場参加により、事業拡大を図ります。
3)軸受事業における受注拡大
当社の軸受事業につきましては、生産性の向上と品質の確保による受注拡大が課題であります。加工設備に係る投資や人材の育成による品質管理・加工技術の向上と生産性の向上に努め、徹底的な納期のもと、より高品質な技術を提供することで受注拡大を図ってまいります。
4)収益力の向上
近年、当社の収益力は、売上高の減少に加え、原材料を中心とした資材高騰や人件費の影響により営業利益率が低下しております。優位性のある商品企画力と設計段階でのコストダウン、資材調達及び生産工程における一層の原価低減活動に努めるとともに、人材の育成・業務効率の改善に取り組み、事業の持続的な成長・発展を目指して業績の向上に取り組んでまいります。
5)新型コロナウイルス感染症による影響と対応策
新型コロナウイルス感染症の影響により、経済活動が抑制され、国産農産物の消費低迷等に伴う農業従事者における機械投資意欲などが変化し、厳しい状況下であるとともに、海外事業におきましても取引先の営業活動縮減の影響を受けて、引き続き不透明な状況が続いております。また、新型コロナウイルス感染症の社会・経済への影響が今後さらに拡大、長期化した場合には、需要の減退や、生産活動の停滞、受注済み案件の出荷延期に伴う売上の減少等の影響が生じる可能性があります。
このような状況下において、当社では政府や地域行政機関による基本的対処方針に基づいた「密閉」、「密集」、「密接」のいわゆる「3密」の回避や「人と人との距離の確保」、「マスクの着用」、「手洗い等の手指衛生」をはじめとした感染対策の徹底を基本方針として従業員に周知し、会社全体として感染防止に取り組んでおります。
事業年度末日以降財務諸表作成時まで、足元では新型コロナウイルス感染症の影響により、少なからずの売上高減少はあるものの、感染防止対策を講じながら新製品の実演等の営業活動を実施しており、サプライチェーンにおいても特段の支障なく生産活動を継続しております。新製品の市場投入や補助事業に依存しない小型製品等の拡販に注力するとともに、畜産クラスター事業による受注残が採択されることも見込み、下期以降回復するとの仮定をおいております。
c.資本の財源及び資金の流動性
1)資金需要
当社の運転資金需要は主に製造用部品の仕入代金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。販売費及び一般管理費における主な資金需要は、人件費、支払運賃、旅費及び交通費等であります。また、設備資金需要としましては、生産設備投資や、研究開発投資に加え、情報処理のためのソフトウェア投資等があります。
これら運転資金あるいは設備資金につきましては、手持資金(利益等の内部留保資金)、銀行借入金及び売上債権の流動化により調達することとしております。また、今後につきましては、安定的な内部留保の蓄積や債権流動化による売上債権の早期資金化等を通じ、財政状態の健全化を図ってまいります。
2)財務政策
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、手持資金又は借入により資金調達することとしております。
このうち、運転資金につきましては、原則として手持資金で賄っておりますが、不足が生じた場合には、都度金融機関からの短期借入で調達しております。また、設備資金につきましては、設備投資計画に基づき、案件ごとに手持資金で賄えるか、不足するかの検討を行い、不足が生じる場には手持流動性資金を勘案の上、金融機関からの短期借入又は長期借入で調達しております。
なお、当事業年度末における借入金を含む有利子負債の残高は74百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は8億51百万円となっております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況
当社は、安定的に利益を出すことのできる体質を構築し、売上高及び営業利益を重視しておりますが、同時に安定性や効率性を計る指標として、自己資本比率及び自己資本利益率(ROE)を重要な指標として位置づけております。
当事業年度における自己資本比率は80.21%(前事業年度比7.23ポイント増)であり、自己資本利益率(ROE)は4.28%(前事業年度比2.96ポイント悪化)でした。今後も利益計画の達成を図るとともに、これらの指標について改善されるよう取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(農業機械事業)
エサづくり関連作業機の牧草・ワラ梱包作業機「ロールベーラ」の販売増や集草作業機「ツインレーキ」における新製品の投入効果があったものの、国の畜産クラスター事業による導入の遅れが続く中で大型飼料収穫機「細断型シリーズ」の販売減に加え、初夏の天候不順や大型台風の影響、そして消費税増税後の反動や降雪不足による除雪作業機「スノ-ブロワ」の販売減により、国内売上高は減収となりました。また、「細断型シリーズ」を中心に欧州向けの輸出は増加したものの、中国・韓国向け輸出の減少により、海外売上高も減収となり、農業機械事業全体の売上高は前年同期比7億61百万円減少し58億46百万円(前年同期比11.5%減)となりました。
セグメント利益は、売上高の減少に伴い、前事業年度に比べ2億68百万円減少し3億20百万円(前年同期比45.6%減)となりました。
(軸受事業)
売上高は、風力発電用軸受等の受注回復により、前年同期比45百万円増加し5億86百万円(前年同期比8.5%増)となりました。
セグメント利益は、売上高の増加に伴い、前事業年度に比べ29百万円増加し42百万円(前年同期比218.2%増)となりました。
②キャッシュフローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の資本の財源及び資金の流動性については、原則として自己資金を財源としておりますが、手許流動性資金を勘案の上、必要都度運転資金としての当座借越による短期借入金の調達や設備投資に係る長期借入金の調達をしております。手許資金として現預金のほか、電子記録債権等を保有しており、流動性を確保しております。
当社の資金需要の動向としましては、ものづくり体制の強化、新製品開発や新技術の研究開発、グローバル化への対応等のための投資に充当しつつ、株主還元を行っております。株主還元につきましては、経営基盤の強化を図り株主資本の充実に努めることにより、将来にわたり継続的、安定的に適正レベルの配当を実施しております。
当社の運転資金需要の主なものは、原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資(主として新製品対応・生産能力増強・合理化・更新・IT投資)等によるものであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。なお、本表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りには過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生や新型コロナウイルス感染症の社会・経済への影響が今後さらに拡大、長期化した場合には、需要の減退や、生産活動の停滞、受注済み案件の出荷延期に伴う売上の減少の影響等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。
当社の財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。