有価証券報告書-第92期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 10:32
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114項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経済情勢及び業界の概況
当事業年度における経済環境は、海外ではロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の緊迫化といった地政学リスクの高まりに加え、各国の通商政策の影響などにより、先行き不透明な状況が続きました。わが国経済においては、為替変動等による不透明感は残るものの、景気は停滞局面を脱し、緩やかな持ち直しの動きが見られました。
しかしながら、物価上昇の影響が継続する中、賃金は上昇傾向にあるものの、実質賃金はマイナスで推移しており、個人消費を取り巻く環境は依然として慎重な状況にあります。
当社の販売先である電気自動車(EV)市場においては、需要拡大の鈍化が続いております。欧州における環境規制の動向や、生産ラインの整備、工場の新設・拡張といった製造設備への投資は一部で見られるものの、市場全体の本格的な回復にはなお時間を要するものと見込まれます。
また、車載用全固体電池については、将来的な商業化が期待されているものの、EV市場の成長鈍化の影響を受け、先行きは不透明な状況にあります。
このような中、中東情勢の緊迫化を背景として、一部原材料について原材料メーカーからの値上げ要請や出荷調整、受注停止といった動きが見られました。現時点では当社製品の納期に直接的な影響は生じていないものの、代替品の調査や情報収集を行うなど、工程管理の安定維持に努めております。
当社はこうした外部環境の変化を踏まえ、従来から強みとしてきたディスプレイ部品関連機器や機能性フィルム関連塗工機器の受注拡大に取り組むとともに、将来の成長が見込まれる分野においても積極的な営業活動を展開し、安定的な受注の確保に努めてまいります。
②売上及び損益の概況
売上高は、20,737百万円(前期比3.9%減)となりました。主な最終製品別売上高は、ディスプレイ部品関連機器が10,076百万円(前期比2.4%増)、機能性フィルム関連塗工機器が5,549百万円(前期比7.5%増)、電子部品関連塗工機器が279百万円(前期比28.1%減)、エネルギー関連機器が3,957百万円(前期比23.8%減)となりました。売上高に占める輸出の割合は、54.3%(前期は52.0%)となりました。売上総利益は、5,058百万円(前期比5.0%増)、売上総利益率は、24.4%(前期は22.3%)となりました。販売費及び一般管理費は、2,087百万円(前期比60.1%増)となりました。営業利益は、2,971百万円(前期比15.4%減)、経常利益は、2,968百万円(前期比16.5%減)、当期純利益は、1,791百万円(前期比25.1%減)となりました。
③受注の概況
受注高は、20,156百万円(前期比43.8%増)、その内輸出受注高は、11,371百万円(前期比56.5%増)となりました。受注高に占める輸出の割合は、56.4%(前期は51.9%)となりました。受注残高は、23,703百万円(前期比2.4%減)、その内輸出受注残高は、13,589百万円(前期比0.8%増)となりました。受注残高に占める輸出の割合は、57.3%(前期は55.5%)となりました。
④財政状態の概況
総資産は、30,507百万円(前期末比6.5%減)となりました。これは主に契約資産の減少によるものです。負債は、9,737百万円(前期末比25.0%減)となりました。これは主に電子記録債務の減少によるものです。純資産は、20,770百万円(前期末比5.8%増)となりました。自己資本比率は68.1%(前期末は60.2%)となりました。
⑤キャッシュ・フローの概況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ3,514百万円増加し、10,410百万円(前期末は6,896百万円)となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動の結果得られた資金は、5,074百万円(前期は使用した資金1,532百万円)となりました。これは主に税引前当期純利益3,025百万円と売上債権及び契約資産並びに仕入債務の減少によるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動の結果使用した資金は、659百万円(前期は使用した資金815百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動の結果使用した資金は、900百万円(前期は使用した資金366百万円)となりました。これは主に配当金の支払いによるものです。
⑥生産、受注及び販売の実績
当社は、全ての製品が一品一様の受注生産で事業部門別の組織とはならず、単一セグメントとなっています。よって、セグメントごとの記載に代えて、品目別に記載しています。
a.生産実績
品目別当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
ディスプレイ部品関連機器(千円)10,096,7094.3
機能性フィルム関連塗工機器(千円)5,567,7329.7
電子部品関連塗工機器(千円)270,076△29.3
エネルギー関連機器(千円)3,968,048△22.5
化工機器(千円)-△100.0
その他(千円)872,555△8.7
合計(千円)20,775,122△2.1

(注)上記金額は販売価格によっています。
b.受注実績
品目別当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
ディスプレイ部品関連機器7,097,8397.69,115,656△24.6
機能性フィルム関連塗工機器10,250,319206.19,979,14389.1
電子部品関連塗工機器745,153362.01,296,59656.0
エネルギー関連機器1,153,894△61.92,911,690△49.1
化工機器17,750-17,750-
その他891,9060.9382,7994.9
合計20,156,86143.823,703,635△2.4

(注)上記金額は販売価格によっています。
c.販売実績
品目別当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
ディスプレイ部品関連機器(千円)10,076,2432.4
機能性フィルム関連塗工機器(千円)5,549,7367.5
電子部品関連塗工機器(千円)279,934△28.1
エネルギー関連機器(千円)3,957,191△23.8
化工機器(千円)-△100.0
その他(千円)874,185△10.5
合計(千円)20,737,290△3.9

(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先前事業年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
椿本興業株式会社9,874,78945.87,656,43936.9

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当社は、受注から完成までの納期が長期間に及ぶため、契約時の前受金獲得、試運転時及び検収時に区分して効率的な売掛金の回収を進めています。営業活動で生み出された資金により借入金を減少させ、健全な財務体質を目標としております。
なお、財政状態等の分析の具体的数値については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④財政状態の概況」に記載しております。
b.経営成績の分析
車載用リチウムイオン二次電池向けの電極用やセパレータ用の受注についてはEV市場減速の影響で従来の計画より下振れたものの、液晶テレビやスマートフォン、タブレット端末用の光学フィルム、タッチパネル用塗工乾燥装置及び電子部品関連塗工乾燥装置の受注については一定の受注量を安定的に獲得できております。その結果、売上高については昨年と比較してやや減少するにとどまりました。
売上総利益については、工程の効率化、外注管理及び仕様の標準化などの施策により、利益の確保に努めました。
販売費及び一般管理費については、主に貸倒引当金繰入額及びコミッションが増加いたしました。
営業外損益及び特別損益については、受注先との契約条件に応じて、契約履行保証などを支払保証料として計上しております。また、短期借入金及び長期借入金の借入を実施したことにより支払利息が増加いたしました。
なお、経営成績等の分析の具体的数値については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②売上及び損益の概況」に記載しております。
c.経営成績に重要な影響を与える要因
個別の受注金額は、中国市場や新興国を最終需要先とした国内企業向けをはじめ、中国や韓国企業向けでも、国内外の設備メーカーとの価格競争は依然として大変厳しいものとなっております。
今後も光学フィルム関連と合わせて、ペロブスカイト太陽電池及び全個体電池などの新エネルギー関連業界に対し、受注に取り組みたいと考えております。
また、当社の経営成績等に影響を及ぼすリスクにつきましては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ3,514百万円増加し、10,410百万円(前期末は6,896百万円)となりました。
なお、各キャッシュ・フローの状況と分析の具体的数値については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ⑤キャッシュ・フローの概況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社は、営業活動においてキャッシュ・フローを獲得し、中期的に安定して資金を獲得することが重要と考えております。また、財務活動においても取引銀行と当座貸越契約の枠を十分に設定して不測の事態に備えております。
また、2019年に新株予約権の発行及び行使による資金調達を行い、生産能力増強のため滋賀事業所の耐震工事及び増築工事に取組んでまいりましたが、2021年6月末に完成いたしました。また新実験棟の工事も完了し、新実験機が2025年3月に稼働を開始いたしました。顧客からの先端技術の実験要望に応え得る体制づくりと生産効率の向上を図り、更なる受注及び販売の増加を目指してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成において、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標
第3次中期経営計画(2023 年度~2025 年度)の各数値目標は、以下のとおりです。
(単位:千円)
2023年度
(計画)
2023年度
(実績)
2024年度
(計画)
2024年度
(実績)
2025年度
(計画)
2025年度
(実績)
売上高20,000,00019,242,40621,000,00021,578,66222,000,00020,737,290
営業利益2,200,0002,588,2482,500,0003,512,4882,600,0002,971,160
ROE(自己資本利益率)8%以上9.4%8.5%以上12.2%9%以上8.9%
DOE(純資産配当率)5%以上5.1%5%以上5.2%5%以上5.1%
(予定)

当事業年度におけるROEは8.9%(前期比3.3ポイント悪化)となり、DOEは5.1%(前期比0.1ポイント悪化)となる予定です。引き続き当該指標の改善に努めていきたいと考えております。
第4次中期経営計画(2026 年度~2028 年度)の各数値目標は、以下のとおりです。
(単位:千円)
2026年度
(計画)
2027年度
(計画)
2028年度
(計画)
売上高19,000,00020,000,00020,000,000
営業利益2,000,0002,200,0002,400,000
ROE(自己資本利益率)6~9%6~9%6~9%
DOE(純資産配当率)5.0%以上5.0%以上5.0%以上

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