訂正有価証券報告書-第71期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/12/25 15:03
【資料】
PDFをみる
【項目】
128項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日(平成27年6月24日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告金額及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に与えるような見積り・予測を必要とします。結果としてこのような見積りと実績が異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
① 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
② 賞与引当金
従業員の賞与の支給に備えるため、支給見込額に基づき計上しております。
③ 製品保証引当金
販売した製品に係る将来の無償アフターサービス等の支払いに備えるため、過去の実績保証費に基づき計上しております。
④ 返品調整引当金
将来の返品による損失に備えるため、過去の返品実績及び売上総利益率に基づき計算された将来の返品見込損失額のうち、当連結会計年度の負担額を計上しております。
⑤ 役員退職慰労引当金
役員の退職慰労金の支出に備えて、役員退職慰労金内規に基づく期末要支給額を計上しております。
⑥ 繰延税金資産
繰延税金資産について、将来の課税所得及び継続的な税務計画をもって検討し、繰延税金資産の全部又は一部について将来回収可能性がないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上しております。
⑦ 未払費用
未払費用に計上している売上割戻金について、当該期間に関わる費用を過去の一定期間の支払実績率により計上しております。
⑧ 退職給付に係る会計処理の方法
イ 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
ロ 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用については、その発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として10年)による定額法により費用処理しております。
数理計算上の差異については、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として10年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理しております。
⑨ 固定資産の減損
地理的な配置及び事業性の有無等、資産の性質を基本単位とし、連結子会社については原則として各社を一つの単位として、将来の使用が見込まれていない遊休資産については個別単位に資産をグルーピングしております。
当資産グループの回収可能価額は正味売却価額又は使用価値により測定しております。
(2)財政状態の分析
① 資産
資産合計は63,183百万円と前連結会計年度末に対し22,075百万円増加いたしました。これは、現金及び預金の増加3,561百万円、受取手形及び売掛金の増加3,179百万円、商品及び製品の増加4,204百万円、のれんの増加3,444百万円等によるものです。
② 負債
負債合計は37,557百万円と前連結会計年度末に対し18,452百万円増加いたしました。これは、未払費用の増加891百万円、長期借入金の増加14,781百万円、繰延税金負債の増加1,549百万円等によるものです。
③ 純資産
純資産合計は25,626百万円と前連結会計年度末に対し3,623百万円増加いたしました。これは、利益剰余金の増加1,878百万円、為替換算調整勘定の増加1,752百万円、少数株主持分の増加105百万円等によるものです。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度における経営成績については、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載のとおり、売上高は49,968百万円(前期比19.4%増)、営業利益は3,395百万円(前期比15.2%減)、経常利益は3,423百万円(前期比16.4%減)、当期純利益は2,026百万円(前期比14.2%減)となりました。
(4)戦略的現状と見通し
当社グループは、『真のグローバルNo.1のホイストメーカー』となるという目的のもと、平成24年3月期から平成28年3月期までの中期経営計画を実行しております。
骨子は以下のとおりであります。
① 平成28年3月期における業績目標
中期経営計画の最終年度にあたる平成28年3月期は、下記の各戦略の取組みを着実に実行することで、売上高600億円、営業利益55億円、営業利益率9.2%の目標達成を目指してまいります。
平成27年3月期(実績)平成28年3月期(目標)
連結売上高(億円)499600
連結営業利益(億円)3355
営業利益率(%)6.89.2

② 地域戦略
主要市場である日本及び米州は、これまでの顧客との信頼関係や強固な代理店網により、その地位を維持強化しつつ業容を拡大してまいります。米国では今後も現地生産によるサプライチェーン合理化を推し進めるとともに、品揃えを拡充しシェア拡大を図ります。中国では、特に内陸部地域での拡大が期待される需要を取り込むべく、代理店網の構築を進めます。タイ、インドネシア、インドなど新興国においては流通網が未整備なため、直販体制をとることで拡大する需要を取り込んでいくほか、クレーン事業の強化及びアフターサービスの充実を図ります。欧州その他の地域では、中心的な市場であるドイツを足がかりに、アフリカその他の地域に事業を展開します。
③ 製品戦略
日本及び米州においてワイヤーロープホイスト、シアターホイストなど製品の品揃えの拡充に注力しており、特に米州ではPEERLESS社の吊り具などのホイスト周辺機器、クサリ製品を品揃えに加えました。韓国、タイ、インドではクレーン製造能力の強化、及び日本のエンジニアリング機能強化により、ソリューション提案力の向上を図ります。
④ 生産戦略
生産コスト及びリスクを分散化するため、海外の生産能力の拡充に取り組んでおり、北米、中国での生産を拡大いたします。北米最大のクサリ製造会社PEERLESS社を加えたことにより、クサリ製品のサプライチェーン効率化に取り組んでまいります。為替リスクや調達価格の低減への取り組みを継続します。
⑤ 経営管理
地域事業組織と機能組織とのマトリクスによる組織運営を導入し、戦略アクション管理と損益管理を強化しました。加えて、グローバル企業としての生産性向上と経営品質の向上を目指し、人材のグローバル化に取り組んでおり、海外役員の登用、今後成長が見込まれる拠点への積極的な人員配置を実施しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは3,338百万円と前年同期比717百万円収入減となりました。これは、税金等調整前当期純利益が3,671百万円、たな卸資産の減少による収入1,004百万円、仕入債務の減少による支出が916百万円となったこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは△8,402百万円と前年同期比5,673百万円支出増となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が1,365百万円、有形固定資産の売却による収入が932百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が7,840百万円となったこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは7,050百万円と前年同期比6,584百万円収入増となりました。これは、長期借入れによる収入が15,824百万円、長期借入金の返済による支出が5,714百万円、配当金の支払額が653百万円となったこと等によるものです。
② 資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは人件費及び広告費等のマーケティング費用であります。
③ 研究開発費
当社グループの研究開発費は、販売費及び一般管理費の一部として計上されておりますが、研究開発部門に携わる人件費が主要な部分を占めております。
④ 借入金
当社グループは、株式会社三井住友銀行他3行と運転資金を対象としたコミットメントライン契約とPEERLESS社買収資金を対象としたシンジケートローン契約を締結しております。
平成27年3月31日現在、運転資金を対象としたコミットメントライン契約による借入金残高はなく、PEERLESS社の買収資金を対象としたシンジケートローン契約による借入金残高は14,180百万円(118百万USドル)であります。また、子会社の現地での借入金残高は2,327百万円であります。
⑤ 財務政策
当社グループは、運転資金及び設備投資資金については借入金、社債及び自己資金で賄っております。また、資金需要の高い子会社については外部からの借入も利用しております。
当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを中心に財務の健全性に気を配りつつ、外部からの借入金も活用し資金需要を賄っていく予定であります。