有価証券報告書-第94期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/24 15:22
【資料】
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【項目】
143項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、創業以来一貫して地下に係る資源開発・建設を通じて、社会のインフラ整備に貢献してまいりました。活動範囲も国内にとどまらず、海外においてもアジア・アフリカ各地をはじめとして、資源開発、ダム・トンネル工事等の地下開発事業や水不足に苦しむ人々を救済するための水井戸開発事業などに、ボーリングという業務を通じて取り組んでまいりました。また、常に新しい技術開発にチャレンジしており、時代のニーズを先取りした新製品および新工法、新事業の展開を積極的に推進し、地下に係るトータル・ソリューションを提供しております。
当社は、「ONE&ONLYの技術構築のために前進」という社是のもと、当社にしかない「ONE&ONLY」の製品と施工技術を国内外の市場に展開していく事で、地球と社会に限りなく貢献してまいります。
当社グループは、2018年度を初年度とする3か年の中期経営計画「2018中期経営計画」を策定し、「売上の拡大」、「粗利率アップ」、「固定費低減」をテーマとして、様々な取組みを推進してまいりました。最終年度である2021年3月期においては、コロナ禍による業務効率の低下や一部仕入品納期の遅れ等により売上高の伸びが鈍化し売上高目標に対しては未達であったものの、一人当たり売上高のアップ、粗利率アップ(原価率の良化)による営業利益の確保に繋がりました。
(2)中長期的な会社の経営戦略
国内の建設市場は東日本や熊本等の震災関連復興事業が減少しはじめ、建設投資についても全般的には先行き減少が見込まれているものの、国土強靭化計画に伴う全国規模の防災減災対策、インフラ老朽化対策、新幹線・高速道路延伸、リニア中央新幹線建設などの社会資本整備に関わる建設投資についてはこれまでと同水準で推移するものと見込まれております。
このような環境下、当社は“顧客の安心を以て信頼を得、全社員とその家族の幸福を追求し、地球と社会に限りなく貢献する会社となる。”という経営理念のもとに、2021年度を初年度とする5か年の新中期経営計画「STEPUP鉱研ACTIONS2025」を策定し、引き続き売上拡大と高収益の維持を達成すべく努力をしてまいります。
中期経営計画「STEPUP鉱研ACTIONS2025」
1)Action(行動)
・新たな企業のパーパスを策定し、社員の主体的行動を推進。
2) Cost reduction(コスト削減)
・国内に限定せず、品質を確保しながら海外の製品・材料の積極導入。
・全部門活用ソフトのクラウド化。
・適正在庫基準の明確化。
3) Topical production(話題性のある製品・部商品の開発)
・ユーザーニーズを捉えて、年間2~3種の機械・システム・ツールスを開発し市場へ投入。
・キーワードを“A”(Automatic) から“I”(Intelligence)へ
・生産機種の選択と製造の分散化(パートナーとの協創力)
4) Initiative marketing(創造性のある営業活動)
・コンカレントエンジニアリングの推進。
・創造的設計力を生かすカスタマーサービスの充実。
5) Organization reactivation(組織の再活性化)
・伊勢原新工場稼働に伴い、生産性向上の実現と諏訪工場における機械生産の開始。
6) New managing strength(新しい経営体質)
・役員のみならず中堅、若手社員の育成プランニングの策定。
7) SDG’s(持続可能な開発目標の達成)
・伊勢原新工場をRE100にて稼働開始。
・2030年までに持続可能なこうけんを地球に。

(3)業務上及び財政上の対処すべき課題
当社グループは、新たな中期経営計画に基づいて「売上拡大」と「高収益の維持」を目指してまいりますが、このためには計画目標達成に影響を与えるリスクを抽出し、それらに効果的に対処するためのリスク・マネジメントを強化します。
また、売上拡大のためにはグローバルな営業展開が不可欠であるため、海外販売につきましては、社会資本整備、資源開発が進んでいる中国、台湾、韓国、東南アジアを重点地域として、民間ベースの売上拡大に注力してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による業績への影響は、現時点で合理的に算定することが困難なため、当社グループへの影響については慎重に見極め、対処してまいります。