有価証券報告書-第15期(平成25年10月1日-平成26年9月30日)
①事業上、財政上の対処すべき課題
当社グループは、前連結会計年度から売上高が急激に減少しており、当連結会計年度は前々連結会計年度に比して33%もの減収となっております。また、これを主因として、当期は重大な営業損失と、マイナスの営業キャッシュ・フローを計上いたしました。
これらは、当社グループが将来に亘って事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象であると認識しております。
これを解消するためには、まずは絶対的な不足状態にある売上高を少なくとも営業キャッシュ・フローをプラスに転換するレベルにまで増加させる必要があり、具体的には、以下に示す対処すべき課題を確実に実行していくことが重要であると考えております。
財政面につきましては、今後3年間の収益計画を策定し、その中で想定される業績下振れリスクを加味した局面においても、事業運営に支障が生じることのない十分な量の資金を既に確保済みであります。
以上の状況から、継続企業の前提に関する不確実性は認められないものと判断しております。
②基本課題
本年5月の大飯原発運転差止請求訴訟で、原告勝訴の判決が出る一方、9月には原子力規制委員会が九州電力川内原発の安全基準適合を決定するなど、東日本大震災以降停滞していた感のある原発を取り巻く状況に、大きな動きが現れているところです。
国のエネルギー政策では、原発は今後も重要電源と位置付けられ、安全が確認された原発は再稼働していくとの基本方針ですが、福島第一原発の汚染水問題は未だ根本的解決策を見出せず、他にも、除染廃棄物の処分方法、原発の高経年化問題、活断層問題、新規建設の方針などの先行き不確定要素が多く存在することに加え、将来の電力自由化の中で原発の立ち位置そのものがどうなっていくのかといった本質的な問題もあり、しばらくの間は、国内原発市場は縮小を前提とした、不透明感が拭いきれない中で推移するものと思われます。
これまでの当社グループのビジネスモデルは、バルブ製品の納入とその後に続くメンテナンスをセットとして捉えることを基本とするもので、国内原発向けのビジネスをその典型として位置付けてまいりましたが、このようなマーケット環境にあっては、まずは従来の過度の原発市場依存体質からの脱却を第一としたビジネスモデル再構築が必須であると考えております。
③バルブ事業部門
(新たなマーケットの開拓)
ご承知のとおり、著しい経済発展を続ける東南アジア諸国では多くの火力発電所建設計画があり、当社が現在の業容を維持しさらに拡大を目指すのならば、この海外電力マーケットに対しどのようなアプローチを行なっていくかが重大な鍵となります。
そしてこれを成功させるためには、当社が抱える課題である、コストダウン、販売力強化、調達力強化などに積極的に取り組む必要があり、これらを克服することにより、実現し得るものであると考えております。
また、国内の電力マーケットも、しばらくは火力発電が優勢に推移すると想定され、これまでの経験則に立つなら、特に価格面で相当に厳しい競争に晒されることは避けられず、ここで打ち勝っていくことも、海外マーケットに進出していくことも、基本とする条件は同じです。
海外子会社・ネットワークの活用、海外販売力・調達力の強化、海外マーケットの要望に見合う製品の開発・投入など、課題の解決に確実に取り組み、新たなマーケットの開拓を急ぎたいと考えます。
(既存マーケットでの収益力強化とコスト削減)
東日本大震災から3年以上が経過した現在も原発の再稼働が見込まれないことから、依然、原発関連の受注状況は低調なまま推移しております。
これまで、原発向けのバルブ製品、バルブメンテナンスが、売上高の50%以上を占めてきた当社グループでは、短期的には当座の業績維持のための代替収益源確保とコスト削減が最重要施策となっております。
原発以外の代替マーケットからの収益確保は、「七本の矢」作戦で網羅的に課題を把握し、それぞれに適切な経営資源を投入していくことで確実に実効に繋げていくよう、今後も強力に推進してまいります。
中・長期的には、原発マーケットは東日本大震災以前の規模にまで回復することは有り得ないと判断されることから、新たな収益基盤を早期に確立する必要がありますが、高温高圧弁の製造・メンテナンス以外の基盤技術を持たない当社にとって、関連・派生事業の拡大・展開は容易ではなく、既存事業・商圏の洗い直しにより、取りこぼしのない営業活動を展開する必要があります。そのための徹底した顧客フォローと、新たな改善提案を収益に繋げる活動を着実に行ってまいります。
また、当期の赤字は、一時的な経費削減では解消されない規模のものであり、短期的な人件費、間接経費等の削減とは別に、永続的な効果をもたらす徹底した業務効率の改善にこれまで以上に力を入れて取り組んでまいります。
(技術の伝承)
当社グループがこれからも原発用バルブのトップメーカーであり続けるためには、技術の確保は最優先課題であり、現状の業績低迷による影響がたとえどのような形であっても、そのことに支障を生じさせるようなものであってはならないと考えております。
新たな技術者の育成と技術の伝承は、今日、原子力産業全般に広く求められている課題であり、製造・設計といった技術レベルも、バルブメンテナンスの施工能力も一切低下させることなく、全役職員が高い使命感と明確な目標・目的意識を持ち、全社一丸となって技術伝承とコスト削減を実現していく決意であります。
(コストの低減)
当社グループのバルブは、一品一品をお客様の仕様に従い労働集約的に生産するため、性能・品質・耐久性で高い評価をいただいておりますが、コスト面ではまだまだ改善の余地を多く残すものと考えております。
これまでの業績低迷期には、「作る物」より「作り方」に重点をおいてコストダウン施策を実施してまいりましたが、昨今の品質管理の厳格化は必ずしもコスト削減施策とは相容れないことも否定できず、原発向けの厳しい品質管理体制を維持しながら、世界で通じる競争力確保のためのコストダウンを実現していく必要があります。そのためには今一度原点に立ち返り、図面、材質など基本からの見直しを図ることで、コストダウンに繋げる活動を進めてまいります。
(状態監視保全への対応)
当社グループのバルブメンテナンスは、高度なバルブ製造技術に裏打ちされた技術力と対応力に高い評価をいただいており、バルブ製造技術をバルブメンテナンスの現場に活かすことで、常にバルブメンテナンス技術の維持・開発・改良に努めております。
近年、原発においても、これまでの時間監視保全(TBM)から状態監視保全(CBM)へと基本的な考えを移しつつあります。これらバルブを分解することなく、バルブの健全性を評価する技術・手法の研究とこれを具体化した診断機器の開発は、新たなバルブメンテナンスの高付加価値化のために極めて重大な課題であり、さらにはバルブ製品と一体化したメンテナンスサービスと位置付けることで、バルブ製品の販売にも大きく寄与する可能性があります。
今後、これら診断機器の機能・バリエーションを強化・拡大し、CBMに着実に対応することで顧客満足度の向上に繋げていくことが課題であると考えております。
(ボルティング事業の展開)
「液圧ナット」は、バルブの配管との接合部やバルブボンネット部の締め付け用として使用することでバルブのメンテナンス性を大幅に改善し、特に原発での採用により、作業者の被ばく低減に絶大な威力を発揮します。しかし、東日本大震災以降の原発マーケットの状況からこれまで苦戦を強いられ、なかなか実績に繋げるには至りませんでしたが、前期に原発向けに売上を計上することができ、現在、新たな受注に向けて営業活動を展開中です。
今後は、当社グループのバルブ製品、或いはメンテナンス作業との組み合わせでさらに販売を拡大し、中・長期的にはこれをひとつの基盤事業とすべく取り組んでいきたいと考えております。
原発が停止している現況下においては、引き続き厳しい環境が続きますが、火力発電所はもちろん、ナットの組み付け・取り外しを頻繁に繰り返す業種及び分野のプラントや機器を中心に販売拡大を図っていく計画であります。
当社グループは、前連結会計年度から売上高が急激に減少しており、当連結会計年度は前々連結会計年度に比して33%もの減収となっております。また、これを主因として、当期は重大な営業損失と、マイナスの営業キャッシュ・フローを計上いたしました。
これらは、当社グループが将来に亘って事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象であると認識しております。
これを解消するためには、まずは絶対的な不足状態にある売上高を少なくとも営業キャッシュ・フローをプラスに転換するレベルにまで増加させる必要があり、具体的には、以下に示す対処すべき課題を確実に実行していくことが重要であると考えております。
財政面につきましては、今後3年間の収益計画を策定し、その中で想定される業績下振れリスクを加味した局面においても、事業運営に支障が生じることのない十分な量の資金を既に確保済みであります。
以上の状況から、継続企業の前提に関する不確実性は認められないものと判断しております。
②基本課題
本年5月の大飯原発運転差止請求訴訟で、原告勝訴の判決が出る一方、9月には原子力規制委員会が九州電力川内原発の安全基準適合を決定するなど、東日本大震災以降停滞していた感のある原発を取り巻く状況に、大きな動きが現れているところです。
国のエネルギー政策では、原発は今後も重要電源と位置付けられ、安全が確認された原発は再稼働していくとの基本方針ですが、福島第一原発の汚染水問題は未だ根本的解決策を見出せず、他にも、除染廃棄物の処分方法、原発の高経年化問題、活断層問題、新規建設の方針などの先行き不確定要素が多く存在することに加え、将来の電力自由化の中で原発の立ち位置そのものがどうなっていくのかといった本質的な問題もあり、しばらくの間は、国内原発市場は縮小を前提とした、不透明感が拭いきれない中で推移するものと思われます。
これまでの当社グループのビジネスモデルは、バルブ製品の納入とその後に続くメンテナンスをセットとして捉えることを基本とするもので、国内原発向けのビジネスをその典型として位置付けてまいりましたが、このようなマーケット環境にあっては、まずは従来の過度の原発市場依存体質からの脱却を第一としたビジネスモデル再構築が必須であると考えております。
③バルブ事業部門
(新たなマーケットの開拓)
ご承知のとおり、著しい経済発展を続ける東南アジア諸国では多くの火力発電所建設計画があり、当社が現在の業容を維持しさらに拡大を目指すのならば、この海外電力マーケットに対しどのようなアプローチを行なっていくかが重大な鍵となります。
そしてこれを成功させるためには、当社が抱える課題である、コストダウン、販売力強化、調達力強化などに積極的に取り組む必要があり、これらを克服することにより、実現し得るものであると考えております。
また、国内の電力マーケットも、しばらくは火力発電が優勢に推移すると想定され、これまでの経験則に立つなら、特に価格面で相当に厳しい競争に晒されることは避けられず、ここで打ち勝っていくことも、海外マーケットに進出していくことも、基本とする条件は同じです。
海外子会社・ネットワークの活用、海外販売力・調達力の強化、海外マーケットの要望に見合う製品の開発・投入など、課題の解決に確実に取り組み、新たなマーケットの開拓を急ぎたいと考えます。
(既存マーケットでの収益力強化とコスト削減)
東日本大震災から3年以上が経過した現在も原発の再稼働が見込まれないことから、依然、原発関連の受注状況は低調なまま推移しております。
これまで、原発向けのバルブ製品、バルブメンテナンスが、売上高の50%以上を占めてきた当社グループでは、短期的には当座の業績維持のための代替収益源確保とコスト削減が最重要施策となっております。
原発以外の代替マーケットからの収益確保は、「七本の矢」作戦で網羅的に課題を把握し、それぞれに適切な経営資源を投入していくことで確実に実効に繋げていくよう、今後も強力に推進してまいります。
中・長期的には、原発マーケットは東日本大震災以前の規模にまで回復することは有り得ないと判断されることから、新たな収益基盤を早期に確立する必要がありますが、高温高圧弁の製造・メンテナンス以外の基盤技術を持たない当社にとって、関連・派生事業の拡大・展開は容易ではなく、既存事業・商圏の洗い直しにより、取りこぼしのない営業活動を展開する必要があります。そのための徹底した顧客フォローと、新たな改善提案を収益に繋げる活動を着実に行ってまいります。
また、当期の赤字は、一時的な経費削減では解消されない規模のものであり、短期的な人件費、間接経費等の削減とは別に、永続的な効果をもたらす徹底した業務効率の改善にこれまで以上に力を入れて取り組んでまいります。
(技術の伝承)
当社グループがこれからも原発用バルブのトップメーカーであり続けるためには、技術の確保は最優先課題であり、現状の業績低迷による影響がたとえどのような形であっても、そのことに支障を生じさせるようなものであってはならないと考えております。
新たな技術者の育成と技術の伝承は、今日、原子力産業全般に広く求められている課題であり、製造・設計といった技術レベルも、バルブメンテナンスの施工能力も一切低下させることなく、全役職員が高い使命感と明確な目標・目的意識を持ち、全社一丸となって技術伝承とコスト削減を実現していく決意であります。
(コストの低減)
当社グループのバルブは、一品一品をお客様の仕様に従い労働集約的に生産するため、性能・品質・耐久性で高い評価をいただいておりますが、コスト面ではまだまだ改善の余地を多く残すものと考えております。
これまでの業績低迷期には、「作る物」より「作り方」に重点をおいてコストダウン施策を実施してまいりましたが、昨今の品質管理の厳格化は必ずしもコスト削減施策とは相容れないことも否定できず、原発向けの厳しい品質管理体制を維持しながら、世界で通じる競争力確保のためのコストダウンを実現していく必要があります。そのためには今一度原点に立ち返り、図面、材質など基本からの見直しを図ることで、コストダウンに繋げる活動を進めてまいります。
(状態監視保全への対応)
当社グループのバルブメンテナンスは、高度なバルブ製造技術に裏打ちされた技術力と対応力に高い評価をいただいており、バルブ製造技術をバルブメンテナンスの現場に活かすことで、常にバルブメンテナンス技術の維持・開発・改良に努めております。
近年、原発においても、これまでの時間監視保全(TBM)から状態監視保全(CBM)へと基本的な考えを移しつつあります。これらバルブを分解することなく、バルブの健全性を評価する技術・手法の研究とこれを具体化した診断機器の開発は、新たなバルブメンテナンスの高付加価値化のために極めて重大な課題であり、さらにはバルブ製品と一体化したメンテナンスサービスと位置付けることで、バルブ製品の販売にも大きく寄与する可能性があります。
今後、これら診断機器の機能・バリエーションを強化・拡大し、CBMに着実に対応することで顧客満足度の向上に繋げていくことが課題であると考えております。
(ボルティング事業の展開)
「液圧ナット」は、バルブの配管との接合部やバルブボンネット部の締め付け用として使用することでバルブのメンテナンス性を大幅に改善し、特に原発での採用により、作業者の被ばく低減に絶大な威力を発揮します。しかし、東日本大震災以降の原発マーケットの状況からこれまで苦戦を強いられ、なかなか実績に繋げるには至りませんでしたが、前期に原発向けに売上を計上することができ、現在、新たな受注に向けて営業活動を展開中です。
今後は、当社グループのバルブ製品、或いはメンテナンス作業との組み合わせでさらに販売を拡大し、中・長期的にはこれをひとつの基盤事業とすべく取り組んでいきたいと考えております。
原発が停止している現況下においては、引き続き厳しい環境が続きますが、火力発電所はもちろん、ナットの組み付け・取り外しを頻繁に繰り返す業種及び分野のプラントや機器を中心に販売拡大を図っていく計画であります。