有価証券報告書-第104期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)

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2020/05/28 14:33
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注記事項-金融商品、連結財務諸表(IFRS)

34.金融商品
(1)資本管理
当社グループの自己資本管理に関する基本的な方針は、安定的かつ継続的な配当および経営基盤の充実と今後の事業拡大のための内部留保を基本としております。
当社グループは、親会社の所有者に帰属する持分の金額(自己資本)およびROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)を、収益性や事業における投下資本の運用効率を示す経営上の重要な指標としております。
なお、ROEは、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (1)連結経営指標等」に記載のとおりです。
(2)財務上のリスク管理
当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リスク・市場価格変動リスク)に晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っております。
また、当社グループは、デリバティブ取引を為替変動リスクまたは金利変動リスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針です。
(3)信用リスク
① 信用リスク管理および信用リスクに対する最大エクスポージャー
信用リスクは、顧客が契約上の債務に関して債務不履行になり、当社グループに財務上の損失を発生させるリスクです。
当社グループは、与信管理規程に従い、営業債権について取引先ごとの期日管理および残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を定期的に把握する体制としております。デリバティブ取引については、通貨関連および金利関連ともに、信用リスクを軽減するために信用度の高い金融機関とのみ取引を行っております。
当社グループの債権は、広範囲の産業や地域に広がる多数の取引先に対するものであり、単独の相手先またはその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リスクを有しておりません。
連結財務諸表に表示している金融資産の減損後の帳簿価額は、獲得した担保の評価額を考慮に入れない、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値です。
② 貸倒引当金の増減
各連結会計年度における貸倒引当金の増減は以下のとおりです。
(単位:百万円)

営業債権に係る貸倒引当金その他の債権等に係る貸倒引当金
IFRS移行日
(2018年3月1日)
2,354540
繰入による増加(注)37368
目的使用による減少△103△350
戻入による減少(注)△438△14
その他17550
前連結会計年度
(2019年2月28日)
2,360294
繰入による増加(注)2951,353
目的使用による減少△58△41
戻入による減少(注)△415△116
その他△36△49
当連結会計年度
(2020年2月29日)
2,1451,441

(注) 営業債権に係る貸倒引当金における繰入および戻入は、主として販売および回収により営業債権が増加および減少したことによるものです。
③ 貸倒引当金に関する金融商品の帳簿価額
各連結会計年度の貸倒引当金に関する金融商品の帳簿価額(貸倒引当金控除前)は以下のとおりです。
(単位:百万円)

IFRS移行日
(2018年3月1日)
前連結会計年度
(2019年2月28日)
当連結会計年度
(2020年2月29日)
営業債権130,112127,076120,031
その他の債権等16,51913,39714,232
合計146,631140,474134,264

(4)流動性リスク
① 流動性リスク管理
流動性リスクは、当社グループが期限の到来した金融負債の返済義務を履行するにあたり、支払期日に支払を実行できなくなるリスクです。
当社グループは、金融機関より随時利用可能な信用枠を確保し、各社が月次に資金繰計画を作成するなどの方法により管理しております。
② 金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高
各連結会計年度の金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりです。
IFRS移行日(2018年3月1日)
(単位:百万円)

帳簿価額契約上の
金額
1年以内1年超
2年以内
2年超
3年以内
3年超
4年以内
4年超
5年以内
5年超
非デリバティブ負債
借入金31,47531,74022,6062,0612,0303,2617721,006
リース負債7,9048,3772,2821,9621,3911,0546271,058
その他7,4507,4507,228142---79
デリバティブ負債117117117-----
合計46,94847,68632,2354,1663,4224,3161,4002,145

前連結会計年度(2019年2月28日)
(単位:百万円)

帳簿価額契約上の
金額
1年以内1年超
2年以内
2年超
3年以内
3年超
4年以内
4年超
5年以内
5年超
非デリバティブ負債
借入金45,84946,12228,9831,9983,3283,7997,451561
リース負債8,5669,0442,3831,7781,3459445892,003
その他9,6959,6959,657----38
デリバティブ負債959571-24---
合計64,20764,95841,0943,7774,6984,7438,0402,603

当連結会計年度(2020年2月29日)
(単位:百万円)

帳簿価額契約上の
金額
1年以内1年超
2年以内
2年超
3年以内
3年超
4年以内
4年超
5年以内
5年超
非デリバティブ負債
借入金71,45571,65835,5168,4738,99812,6485,96060
リース負債10,12411,0902,4111,8601,4189307793,690
その他4,6544,6544,486----168
デリバティブ負債4949642----
合計86,28487,45242,42010,37610,41713,5786,7403,919

(5)為替リスク
① 為替リスク管理
グローバルに事業を展開していることから生じている外貨建ての営業債権は、為替の変動リスクに晒されております。
当社および一部の連結子会社は、外貨建ての営業債権債務について、通貨別月別に把握された為替の変動リスクに対して、原則として先物為替予約を利用してヘッジしております。
② 為替感応度分析
当社グループが各連結会計年度末に保有する外貨建債権債務において、米ドル、ユーロ、中国人民元、韓国ウォンが円に対し1%増価した場合の、他のすべての変数が一定であると仮定した上での、連結損益計算書の税引前当期利益に与える影響は以下のとおりです。
なお、機能通貨建ての金融商品および在外営業活動体の資産および負債を表示通貨に換算する際の影響は含んでおりません。
(単位:百万円)

通貨前連結会計年度
(自 2018年3月1日
至 2019年2月28日)
当連結会計年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
税引前当期利益への影響額米ドル718
ユーロ5△3
中国人民元1943
韓国ウォン1△0

(6)金利リスク
金利リスク管理
当社グループは、固定金利または変動金利により資金を借り入れているため、金利変動リスクに晒されております。有利子負債の殆どは固定金利により調達された借入金ですが、変動金利性借入金については、原則として金利スワップ契約により実質的に固定金利性借入金と同等の効果を得ております。したがって、現在の金利リスクは当社グループにとって重要なものではありません。
(7)市場価格変動リスク
① 市場価格変動リスク管理
投資有価証券である株式は、主に業務上の関係を有する企業の株式であり、市場価格の変動リスク等に晒されております。上場株式の市場価格は市場原理に基づき決定されるため、市場経済の動向によっては価額が変動する可能性があります。上場株式については、定期的に市場価格や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。
② 市場株価変動感応度分析
当社グループが各連結会計年度末に保有する活発な市場のある資本性金融資産(株式)において、期末日の公表価格が一律1%下落した場合のその他の包括利益(税引前)に与える影響は、以下のとおりです。
(単位:百万円)

前連結会計年度
(自 2018年3月1日
至 2019年2月28日)
当連結会計年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
その他の包括利益(税引前)への影響額△164△132

(8)金融商品の公正価値
① 公正価値の測定方法
金融商品の公正価値の測定方法は以下のとおりです。
(その他の金融資産、その他の金融負債)
上場株式の公正価値については、期末日の取引所の価格によって測定しております。非上場株式の公正価値については、類似企業比較法、簿価純資産法、純資産の変動を利用した数値計算法等により測定しております。類似企業比較法では、対象企業の類似上場企業を選定し、当該類似企業の株式指標を用いて公正価値を測定しております。また、重要性の低い銘柄の公正価値は、簿価純資産を基礎として測定しております。
デリバティブは、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産または金融負債として、取引先金融機関から提示された価格に基づいて測定しております。
(借入金)
短期借入金は、短期間で決済されるため公正価値は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。長期借入金の公正価値の測定は、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値によっております。
(その他)
上記以外の金融商品は、短期間で決済されるものであるため、公正価値は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。
② 金融商品の帳簿価額と公正価値
当社グループの各連結会計年度末に保有する金融商品の帳簿価額および公正価値は、以下のとおりです。
なお、長期借入金以外の償却原価で測定される金融資産および金融負債の公正価値は帳簿価額と近似しているため含めておりません。
また、経常的に公正価値で測定される金融商品についても、公正価値と帳簿価額が一致することから含めておりません。
(単位:百万円)

IFRS移行日
(2018年3月1日)
前連結会計年度
(2019年2月28日)
当連結会計年度
(2020年2月29日)
帳簿価額公正価値帳簿価額公正価値帳簿価額公正価値
長期借入金(注)21,01520,91919,38419,18242,93942,449

(注) 1年内に返済予定の残高を含んでおります。また、長期借入金の公正価値はレベル2に分類されます。
③ 公正価値ヒエラルキー
公正価値で測定される金融商品について、測定に用いたインプットの観察可能性および重要性に応じた公正価値測定額を、レベル1からレベル3まで分類しております。
レベル1:同一の資産または負債に関する活発な市場における(無調整の)市場価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接または間接的に使用して測定された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から測定された公正価値
公正価値の測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値の測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しております。
当社グループは、各ヒエラルキー間の振替を振替の原因となった事象または状況変化が発生した日に認識しております。
各連結会計年度末において公正価値で測定した金融商品は以下のとおりです。
IFRS移行日(2018年3月1日)
(単位:百万円)

レベル1レベル2レベル3合計
資産:
デリバティブ資産-994-994
株式および出資金21,326-5,06726,393
その他22111,6931,906
合計21,3281,2056,76029,295
負債:
デリバティブ負債-117-117
その他----
合計-117-117

前連結会計年度(2019年2月28日)
(単位:百万円)

レベル1レベル2レベル3合計
資産:
デリバティブ資産-25-25
株式および出資金16,464-6,98423,448
その他21911,7911,985
合計16,4662178,77625,459
負債:
デリバティブ負債-95-95
その他----
合計-95-95

当連結会計年度(2020年2月29日)
(単位:百万円)

レベル1レベル2レベル3合計
資産:
デリバティブ資産-42-42
株式および出資金13,256-8,00821,264
その他21361,8141,952
合計13,2581789,82223,260
負債:
デリバティブ負債-49-49
その他----
合計-49-49

(注) 各年度において各レベル間における振替はありません。
④ 評価プロセス
レベル3に分類した金融商品については、当社グループで定めた公正価値測定の評価方針および手続に従い、評価担当者が対象となる金融商品の評価方法を決定し、公正価値を測定しております。
また、公正価値の測定結果については適切な責任者が承認しております。
⑤ 各連結会計年度におけるレベル3に分類された経常的に公正価値で測定される金融商品の増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2018年3月1日 至 2019年2月28日)
(単位:百万円)

FVTPL金融資産FVTOCI金融資産
期首残高1,6935,067
利得および損失合計45△744
純損益(注)145-
その他の包括利益(注)2-△744
購入-2,288
売却-△36
その他(注)352408
期末残高1,7916,984

当連結会計年度(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)
(単位:百万円)
FVTPL金融資産FVTOCI金融資産
期首残高1,7916,984
利得および損失合計△7△433
純損益(注)1△7-
その他の包括利益(注)2-△433
購入-1,809
売却-△3
その他(注)329△348
期末残高1,8148,008

(注)1.これらの利得および損失は、連結損益計算書の「金融収益」および「金融費用」に含まれております。なお、各期末に保有する金融商品に係る未実現の利得および損失は、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ45百万円および△7百万円です。
2.その他の包括利益に含まれている利得および損失は、決算日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に関するものです。これらの利得および損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の純変動額」に含まれております。
3.その他には在外営業活動体の換算差額が含まれております。
(9)デリバティブ取引およびヘッジ活動
キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループは、キャッシュ・フロー・ヘッジとして主に輸出入取引によるキャッシュ・フローを固定化するための為替予約取引、借入金に係る変動金利を固定化するための金利スワップ取引を指定しております。
なお、へッジの非有効部分およびヘッジの有効性評価から除外した部分に関して純損益として認識した金額は、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ重要性はありません。
  • 有価証券報告書-第104期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)