有価証券報告書-第108期(2023/03/01-2024/02/29)

【提出】
2024/05/30 11:41
【資料】
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【項目】
139項目
① 人材の多様性の確保を含む人材育成および社内環境整備に関する方針と取組み
長期経営計画「2025年ビジョン」の実現に向け、特に「経営理念の理解深化」「ダイバーシティとインクルージョンの進化」「プロフェッショナル人材の育成と最適配置」「働きやすい職場環境の実現」を4つの重点項目として取り組みます。これらの取組みをES(従業員満足度)アンケートや経営層との直接対話といった従業員との積極的なコミュニケーションを通じて常時モニタリングすることにより、素早く人事施策の改善に反映し、生産性と働きがいの向上を加速させます。そして、これらの取組みにより持続的な企業価値の向上を目指します。
(a) 経営理念の理解深化
「2025年ビジョン」の達成に向けてぶれない軸を持ち、「安川グループ経営理念」およびソリューションコンセプト「i³-Mechatronics」を体現できる人材を増やすため、経営層の直接対話による理念教育を実施しております。
2023年度からは受講対象者を国内外のグループ会社へ拡大し、経営理念の理解深化を図っております。
(b) ダイバーシティとインクルージョンの進化
当社は「2025年ビジョン」において、ダイバーシティ(人材多様性)推進を掲げ、多様な人材の強みを生かせる風土づくりに取り組んでおります。変動の激しいグローバル市場にスピーディに対応するため、企業の進化と競争力強化を目指し、次の3項目を人材多様性推進のミッションとしております。
<人材多様性推進のミッション>
1.多様な価値観や考え方を持った人材の採用と育成によって、環境変化に強い企業体質を構築します。
2.多様な意見や視点を取り入れ、イノベーションが必然的に起こる社風を創出します。
3.あらゆる差別要因を排除し、従業員の個性を認めることによって働きがいのある職場環境を実現します。

(ⅰ)女性の活躍
当社グループ全体では、管理職の13.4%(2023年度)を女性が占めていますが、当社単体では、技術中心のメーカーとして技術系の採用が多く、その母数となる理系の女子学生の比率が少ないこともあり、結果として女性管理職の比率が低いという課題を抱えております。また最近の社内アンケート結果から、管理職を目指す女性従業員の割合が向上している一方で、男女の性別の役割意識については改善傾向にあるものの、依然として男女間でギャップが存在していることが分かりました。
これらの課題を解決するため、サステナビリティ方針に基づくマテリアリティの1つとして、女性管理職比率を2025年度に2021年度比2倍(単体)にする目標を掲げております。具体的な取組みとして、文系理系職問わず女性採用を積極的に推進しております。また、スキルアップやマインドチェンジのみならず、女性従業員を育成する職場管理職の意識変革や関わり強化に向けた女性管理職育成のための研修等も実施しております。
(ⅱ)経験者プロフェッショナル人材(プロ人材)の採用および登用
経営戦略の実現に必要な人材を確保するため、各分野の経験を積んだプロ人材を積極的に採用しており、採用者全体に占める経験者採用の比率は年々増加しております。
また、その貢献度や役割に応じ、部長・課長などへの抜擢・登用を進めております。
(ⅲ)海外オペレーションの現地化
グローバルでは、世界規模で考え、地域に根ざして活動する「グローカル経営」を基本的な考え方とし、海外オペレーションの現地化を促進しております。
(c) プロフェッショナル人材の育成と最適配置
教育体系は、業務を通じて学ぶOJL(On the Job Learning)を中心に位置づけ、これを補完するOFF-JL(Off the Job Learning)と自らの価値を高める自己啓発を組み合わせて構成しております。自己啓発は、会社が援助対象と認めたものについて、一定の自己負担を前提に会社が援助を行います。
直近では、以下のような項目を重点施策として取り組んでおります。
(ⅰ)プロフェッショナル人材(プロ人材)の育成
グローバルな競争が求められる現在のビジネス環境において、企業としての優位性を保つためには、人材一人ひとりのプロフェッショナル化が求められています。プロ人材が増えれば増えるほど、組織の競争力は高まり、「変化への対応」「危機への対応」を柔軟に行えるようになると考えております。
プロ人材の比率を向上させるために、「OJLシート・スキルチェックを活用した保有スキルレベルの視える化」や「キャリアパスモデルによる、身に付けるべきスキル・能力ならびにステップアップのための道筋の視える化」等を行うことで、従業員全員が必要な能力・スキルを積極的に学び、自律的な成長を促す環境を整備しております。また、事業環境の変化に対応した教育体系を構築することにより、適切なタイミングで必要な教育を行い、グループ全体の組織能力向上に取り組んでおります。
(ⅱ)若手人材の育成
当社における若手人材(入社5年目以内)に求める姿として、「物事を論理的に考え、適切に相手に伝えること」を掲げ、人材育成を進めております。また、2017年度より、当社技術社員として必要な一定の知識の幅(深さと広さ)の習得を目的として、技術系新入社員に対し「安川フレッシャーズテクニカルスクール(YFTS)」を開校しております。
各種教育・研修を通じて業務に必要な知識を習得させ早期戦力化を図るとともに、入社して早い時期からキャリア・目指す姿を考える機会を設け、自律的なキャリア形成を促しながら、育成を図っております。
(ⅲ)多様な人材の強みを生かす最適配置
当社では、多様なライフスタイルを持った従業員が働きがいを感じて仕事ができるよう適材適所に人材を配置することを基本的な考え方としております。そのために、従業員一人ひとりの能力発揮と自己成長が求められるとともに、自ら考えたキャリアを発信する場を提供することで、キャリアを実現する人材配置に取り組んでおります。
(ⅳ)評価・報酬制度
国内では少子高齢化やグローバル化が進み、デジタル技術の進化によって若手人材の就業意識が変わりつつあります。また、高度専門人材の重要性が増していることから、人材獲得の競争は激しくなっています。このような状況の中で、優秀な人材を確保し、その活躍を支援するため、採用や従業員のパフォーマンス向上、リテンションおよび将来的な成長等を総合的に考慮した魅力的な処遇を実現する評価・報酬制度を実施しております。
従業員の貢献意識と働きがいを向上させるため、知識・スキルの蓄積に基づく年功的な評価から職務を遂行し得られた成果(貢献度)に基づく評価にシフトし、一人ひとりが担う役割と職務に基づく処遇としております。
また、企業の価値創造の主体が従業員であることを鑑み、2022年度に中長期インセンティブ制度を従業員に拡大しました。経営への参画意識の向上をねらいとし、中期経営計画の達成度合いに応じて管理者以上には株式報酬を、従業員には持株会奨励を兼ねた現金報酬を支給し、当社グループの企業価値向上への意識を高める制度としております。なお、従業員持株会には関係会社を含む対象従業員の80%(2024年2月末時点)が加入しております。
(d) 働きやすい職場環境の実現
当社は従業員一人ひとりのライフスタイルに合わせた多様な働き方を導入し、ワーク・ライフマネジメントを重視しております。また、健康で安全な職場環境を維持するための予防策や対策を徹底し、従業員が安心して働ける環境を提供することで、生産性と働きがいの向上を目指しております。
(ⅰ)多様な働き方の実現
時間や場所にとらわれず、生産性を上げて成果を出せる環境を整備するため、テレワーク制度を導入しております。本制度は、育児、介護および治療と仕事の両立にも活用できるよう、原則として日数の制限を設けておりません。
併せて、ICTの活用により、遠隔でも上司と部下が日々の業務の計画と実績などの確認やコミュニケーションを行うためのツールを導入し、公平に評価できる仕組みを整備しております。
また、多様な人材の活躍を促すため、転勤のあり方を見直し、事由を問わずライフイベントに応じて従業員の働くスタイルを選択可能な「エリア限定制度」を導入しております。
(ⅱ)安全で健康に働ける環境づくり
当社は、安全衛生業務を総括管理するため全社総括安全衛生管理者をおき、中央安全衛生委員会を年2回開催しております。この委員会メンバーは労使同数で構成され、各事業所代表者およびグループ会社代表者はオブザーバーとして参加します。各事業所およびグループ会社は、中央安全衛生委員会で決定された方針をもとに、月1回開催されるそれぞれの安全衛生委員会の中でブレイクダウンした独自の方針を決定し管理・運用しております。具体的には、災害事例の周知やその対策、パトロールの指摘事項と改善内容の確認、ヒヤリハットの報告および長時間労働対策などに取り組んでおります。
健康経営については、「安川グループ経営理念」実現のため、2015年に「安全宣言」を制定し、2019年には「働き方改革」の取組みを盛り込んだ「健康安全宣言」に見直し、従業員の健康づくりを推進してきました。2023年度からはサステナブル経営の観点から人的資本の活性化を重要施策と位置づけ、「健康経営宣言」として社内外に広く宣言し、健康経営を推進しております。2024年3月には「健康経営優良法人2024」の認定を取得しました。
<安川グループ「健康経営宣言」>
安川グループ経営理念である、『安川グループの使命は、その事業の遂行を通じて広く社会の発展、人類の福祉に貢献すること』を実現するため、従業員一人ひとりの働きがいのベースとなる健康づくり
をサポートし、健康で安全に明るく働きがいのあるグループを目指します。
1.会社で働くことによる病気やケガをなくします。
2.自律的に健康安全活動を実践する従業員を増やします。
3.従業員一人ひとりが安全で明るく働きがいのある職場・働き方を実現していきます。

<健康経営の基本的考え方と目指す姿>従業員一人ひとりが安心して働くことができ、最大限に能力を発揮できる環境を整備することで生産性を向上させ、会社と従業員の持続的な成長・発展を目指します。
<健康経営推進体制>代表取締役社長の責任のもとに定めた健康経営宣言に基づき、健康経営担当役員を推進体制における責任者とします。
健康経営の推進にあたり、健康経営担当役員を委員長とする健康経営推進委員会を年2回以上開催します。
委員会のメンバーは労働組合委員をはじめ部門横断で構成されています。
健康経営担当部門は、産業医・産業保健スタッフといった専門職、健康保険組合と連携し、組織横断で目標達成に向けた課題解決への対応を進めています。
a.労働安全衛生
労働安全衛生マネジメントシステムの考え方を基本に、各職場において、安全に作業を行うための作業基準書の整備と教育訓練、リスクアセスメントおよび日々の業務における災害防止活動を行っております。
また、これらの活動が安全衛生方針や目標の達成につながっているか内部監査を行い、指摘項目について各事業所の安全衛生委員会の中での指導を徹底することでさらなる改善を図っております。これにより、当社および国内グループにおける労働災害の度数率は同業種の平均を下回る水準を維持しております。
b.従業員の健康サポート
各種健康診断では、関連する法令や検査の特性を十分に考慮し、作業環境の把握や対象者の選定から検査実施と事後措置まで、有機的かつ効率的な運用を図っております。業務上の疾病予防はもちろんのこと、生活上・就業上の支援に重きを置いた保健指導や教育を行っております。
c.メンタルヘルス対策
精神医学的な病気や障害は、他の病気と同様、誰にでも起こりうる疾患であると位置づけ、必要に応じた生活上・就業上の支援を行っております。
従業員の健康および生活にさまざまな影響を及ぼす心理的ストレスへの対策の一環として、ストレスチェック制度を活用し、その結果に基づく個人と職場へのフィードバックを行っております。
また、健康・医療・介護・育児・メンタルヘルス等に関して24時間・365日いつでも専門家に相談できる外部相談窓口を設置しております。
d.疾病休業者の職場復帰支援
やむを得ず病気やケガで休業した従業員が職場に復帰するときは、本人はもちろん所属長や管理部門および産業医が協力し、可能な限りの人的サポート体制や物理的環境を整え支援を行っております。
(e) 従業員との積極的なコミュニケーションを通じたエンゲージメントレベルの把握
(ⅰ)ES(従業員満足度)アンケート
2016年度より当社単体の社員全員を対象としたES(従業員満足度)アンケート調査を毎月実施しております。アンケートを通じて経営施策の理解や浸透度、職場の繁忙感および人事制度への満足度等を測ると同時に、社員の抱える諸課題を解消し、中期経営計画の目標達成や「2025年ビジョン」の実現に向け、経営層と全社員がより一体となった企業風土の醸成を目指しております。
アンケート回答率は毎月90%を超え、さまざまな意見や要望が寄せられております。アンケート分析結果は毎月社内に公表しており、全ての意見や要望に対するフィードバックにも努めております。
また、働きがいを感じる従業員の割合を定期的に定量化しており、働きがいの肯定回答率は80%前後の高い値で推移しております。
(ⅱ)経営層と一般社員との対話集会
経営層との直接対話(対話集会)による独自の人づくり推進活動を展開しております。社長自ら「人づくり推進担当」として、進化する当社グループを担う人づくりをモットーに、従業員とのコミュニケーションの輪を広げ、双方向の対話を通して、参加者のモチベーション向上とチャレンジする人材の育成を強化しております。

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