有価証券報告書-第156期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
ダイヘングループは、「信頼と創造」を経営理念に掲げ、常にマーケット・インに根差した製品とサービスを提供することでお客様の「信頼」にお応えし、絶えず新技術、新製品を開発して新たな価値の「創造」に努めることを基本方針としております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
お客様に喜んでいただき、世の中のお役に立つダイヘン独自の製品価値の創出を最重点課題と位置付け、2012年度から2020年度までの9年間を3期に分け、「DAIHEN Value計画」に取り組んでおります。
2020年度を最終年度として進めております中期経営計画(2018~2020年度)では、「DAIHEN Value計画」の総仕上げとして、変圧器や溶接機といった既存製品群の枠組みを超え、未来志向で発展性のある新ドメインでの「ならでは開発」を推進すると同時に単品ビジネスからシステム志向のビジネスへの転換を図り、新たな顧客価値を創出し続ける「開発型の企業」としての体質の確立に向けて取り組んでまいります。
開発強化に必要な資金を内部から生み出す目的で取り組む「ロスカット活動」につきましては、新たな製品設計思想に基づく生産自動化の追求とRPA(Robotic Process Automation)を活用した間接業務の自動化推進により単純作業の撲滅を目指すとともに、これらの取り組みの成果を拡大すべく、グループワイドで拠点間の役割分担も見直し、コスト最適化を目指してまいります。
また、お客様に製品価値を認めていただき安心してご利用いただくため、ビフォアからアフターまで全てのプロセスに亘る独自の“Dサービス”の確立を目指し、営業・サービス一体で「セールスエンジニアリング力の強化」に取り組んでまいります。
<2020年度中期経営計画>■ 基本目標(2020年度)
・売 上 高 1,800億円以上
・営業利益率 8%以上
・R O E 10%以上
・開発費率 (注) 5%以上
・連結配当性向(3年平均利益) 30%
■ 基本方針
1.ダイヘンならではの製品価値の創出
- 新ドメインでのならでは開発・システム志向のビジネス展開推進 -
2.ロスカット活動の推進
- グループワイドでの“コスト最適化” -
3.“セールスエンジニアリング力”の強化
(注) 連結売上高に対する開発費の比率。開発費は研究開発費だけでなく特許料などの開発関連費用を含む。
(3) 対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済活動の停滞や米中関係の悪化などの環境変化により、2020年度での中期経営計画の基本目標達成は厳しい状況にあります。しかしながら、中期経営計画の基本方針に沿った事業の強化は着実に進んでおり、2019年度は厳しい事業環境下でも前連結会計年度比1.1%の増収、8.3%の営業増益を確保することが出来ました。今後もダイヘン独自の製品価値創出を最重点課題として、脱炭素社会の実現、自然災害に強い都市インフラの整備、労働力不足の解消などの社会的課題の解決に資する製品の開発・市場投入に注力してまいります。また、その開発資金を捻出する「ロスカット活動」では、生産性向上・コスト水準の引き下げを実現すると共に、生み出される社員の余力を営業・サービスの強化へ振り向けることを指向しており、「ならでは開発」と「ロスカット活動」の両輪をより速く回転させることで、財務基盤の強化、企業価値の向上に努めてまいります。
なお、各事業セグメントの主な課題への取り組み状況は以下のとおりであります。
・電力機器事業
脱炭素社会の実現や自然災害に強い都市インフラの整備が求められる中、電線地中化対応機器などの配電網の強化に貢献する機器や、災害時の非常用電源確保に資するエネルギーマネジメントシステム関連製品、電気自動車に手間なく急速充電できるワイヤレス充電システムなどの開発・市場投入に取り組んでおります。
・溶接メカトロ事業
世界各地で労働力不足の問題が進む中、工場全体の自動化ニーズに応えるべく、ハンドリングロボットやAI搬送ロボットの品揃え拡充とアーク溶接の前後工程で必要な各種アプリケーションへの対応力強化を推進しております。また、電気自動車の軽量化に不可欠な異材接合については、適用材・接合範囲の拡大に取り組んでおります。
・半導体関連機器事業
次世代高速通信規格5GやIoT、AI、自動運転などの普及に不可欠な半導体製造プロセスの微細化、高効率化、省エネルギー化に役立つ高周波電源システムなどの開発、市場投入に取り組んでおります。
(4) 新型コロナウイルス感染症の事業への影響について
現時点で各生産拠点は稼働しており生産面での影響は軽微ですが、グローバルでの営業活動やサプライチェーンへの影響、経済活動停滞に伴う需要動向など、先行きが不透明な状況であります。当社といたしましては、在宅勤務やオンライン会議の活用、通勤途上での感染リスク軽減策の実施など、状況に応じた感染防止策をとりながら事業を継続してまいります。
なお、各事業セグメントの今後の需要に対する現在の認識は以下のとおりであります。
・電力機器事業
景気悪化に伴う受配電設備などの投資抑制、工事の中断・延期による需要減少が懸念されますが、公共性が高い送配電網の設備投資などは一定程度維持されるものと想定しております。
・溶接メカトロ事業
世界的な自動車・建設・造船関連の設備投資の減速に伴う需要減少が懸念されます。しかし、移動制限の解除や企業の生産活動の再開により、徐々に設備投資水準は回復に向かうものと想定しております。
・半導体関連機器事業
スマートフォンや車載半導体などの需要停滞に起因する半導体関連投資の減速が懸念されますが、一方で、感染拡大防止を目的とした在宅勤務や在宅学習などの普及によるパソコン・サーバーの需要増加が見込まれ、半導体製造装置の投資は堅調に推移するものと想定しております。
(1) 会社の経営の基本方針
ダイヘングループは、「信頼と創造」を経営理念に掲げ、常にマーケット・インに根差した製品とサービスを提供することでお客様の「信頼」にお応えし、絶えず新技術、新製品を開発して新たな価値の「創造」に努めることを基本方針としております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
お客様に喜んでいただき、世の中のお役に立つダイヘン独自の製品価値の創出を最重点課題と位置付け、2012年度から2020年度までの9年間を3期に分け、「DAIHEN Value計画」に取り組んでおります。
2020年度を最終年度として進めております中期経営計画(2018~2020年度)では、「DAIHEN Value計画」の総仕上げとして、変圧器や溶接機といった既存製品群の枠組みを超え、未来志向で発展性のある新ドメインでの「ならでは開発」を推進すると同時に単品ビジネスからシステム志向のビジネスへの転換を図り、新たな顧客価値を創出し続ける「開発型の企業」としての体質の確立に向けて取り組んでまいります。
開発強化に必要な資金を内部から生み出す目的で取り組む「ロスカット活動」につきましては、新たな製品設計思想に基づく生産自動化の追求とRPA(Robotic Process Automation)を活用した間接業務の自動化推進により単純作業の撲滅を目指すとともに、これらの取り組みの成果を拡大すべく、グループワイドで拠点間の役割分担も見直し、コスト最適化を目指してまいります。
また、お客様に製品価値を認めていただき安心してご利用いただくため、ビフォアからアフターまで全てのプロセスに亘る独自の“Dサービス”の確立を目指し、営業・サービス一体で「セールスエンジニアリング力の強化」に取り組んでまいります。
<2020年度中期経営計画>■ 基本目標(2020年度)
・売 上 高 1,800億円以上
・営業利益率 8%以上
・R O E 10%以上
・開発費率 (注) 5%以上
・連結配当性向(3年平均利益) 30%
■ 基本方針
1.ダイヘンならではの製品価値の創出
- 新ドメインでのならでは開発・システム志向のビジネス展開推進 -
2.ロスカット活動の推進
- グループワイドでの“コスト最適化” -
3.“セールスエンジニアリング力”の強化
(注) 連結売上高に対する開発費の比率。開発費は研究開発費だけでなく特許料などの開発関連費用を含む。
(3) 対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済活動の停滞や米中関係の悪化などの環境変化により、2020年度での中期経営計画の基本目標達成は厳しい状況にあります。しかしながら、中期経営計画の基本方針に沿った事業の強化は着実に進んでおり、2019年度は厳しい事業環境下でも前連結会計年度比1.1%の増収、8.3%の営業増益を確保することが出来ました。今後もダイヘン独自の製品価値創出を最重点課題として、脱炭素社会の実現、自然災害に強い都市インフラの整備、労働力不足の解消などの社会的課題の解決に資する製品の開発・市場投入に注力してまいります。また、その開発資金を捻出する「ロスカット活動」では、生産性向上・コスト水準の引き下げを実現すると共に、生み出される社員の余力を営業・サービスの強化へ振り向けることを指向しており、「ならでは開発」と「ロスカット活動」の両輪をより速く回転させることで、財務基盤の強化、企業価値の向上に努めてまいります。
なお、各事業セグメントの主な課題への取り組み状況は以下のとおりであります。
・電力機器事業
脱炭素社会の実現や自然災害に強い都市インフラの整備が求められる中、電線地中化対応機器などの配電網の強化に貢献する機器や、災害時の非常用電源確保に資するエネルギーマネジメントシステム関連製品、電気自動車に手間なく急速充電できるワイヤレス充電システムなどの開発・市場投入に取り組んでおります。
・溶接メカトロ事業
世界各地で労働力不足の問題が進む中、工場全体の自動化ニーズに応えるべく、ハンドリングロボットやAI搬送ロボットの品揃え拡充とアーク溶接の前後工程で必要な各種アプリケーションへの対応力強化を推進しております。また、電気自動車の軽量化に不可欠な異材接合については、適用材・接合範囲の拡大に取り組んでおります。
・半導体関連機器事業
次世代高速通信規格5GやIoT、AI、自動運転などの普及に不可欠な半導体製造プロセスの微細化、高効率化、省エネルギー化に役立つ高周波電源システムなどの開発、市場投入に取り組んでおります。
(4) 新型コロナウイルス感染症の事業への影響について
現時点で各生産拠点は稼働しており生産面での影響は軽微ですが、グローバルでの営業活動やサプライチェーンへの影響、経済活動停滞に伴う需要動向など、先行きが不透明な状況であります。当社といたしましては、在宅勤務やオンライン会議の活用、通勤途上での感染リスク軽減策の実施など、状況に応じた感染防止策をとりながら事業を継続してまいります。
なお、各事業セグメントの今後の需要に対する現在の認識は以下のとおりであります。
・電力機器事業
景気悪化に伴う受配電設備などの投資抑制、工事の中断・延期による需要減少が懸念されますが、公共性が高い送配電網の設備投資などは一定程度維持されるものと想定しております。
・溶接メカトロ事業
世界的な自動車・建設・造船関連の設備投資の減速に伴う需要減少が懸念されます。しかし、移動制限の解除や企業の生産活動の再開により、徐々に設備投資水準は回復に向かうものと想定しております。
・半導体関連機器事業
スマートフォンや車載半導体などの需要停滞に起因する半導体関連投資の減速が懸念されますが、一方で、感染拡大防止を目的とした在宅勤務や在宅学習などの普及によるパソコン・サーバーの需要増加が見込まれ、半導体製造装置の投資は堅調に推移するものと想定しております。