有価証券報告書-第185期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/22 16:45
【資料】
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【項目】
155項目
(3) 人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略
当社の人的資本に関する戦略(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針を含みます。)は、以下のとおりです。
① HR方針
NECグループは、最大の経営資源を「人」と位置づけ、組織と人材の力を最大限に活かすための制度改革や環境整備を「人への投資」として進めてきました。2019年には、HR(Human Resources)方針「挑戦する人の、NEC。」を策定し、人材一人ひとりへの多様な挑戦・成長機会の提供やフェアな評価、挑戦する従業員がベストを尽くせるよう環境や風土の変革を進めています。
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(イ)多様な挑戦機会の提供
社内人材公募制度(NEC Growth Careers)の拡充に取り組んでいます。機械学習を用いたAIレコメンド機能を導入しており、NECグループ内の人材の流動性を促進することによって、個人と組織が互いに選び選ばれる対等な関係を目指しています。そのほか、個人のキャリア形成を支援するNECライフキャリア㈱を設立し、年間5,000名以上にキャリアデザインワークショップを実施するなど社員が自律的にキャリアを形成するための施策を実施しています。また、年間1,000名以上の社員にリスキリングの機会も提供しています。
(ロ)限りない成長機会
さらなる高みを目指す姿勢を支援し、広い視野と高い視座からビジネスを牽引するリーダーを育成するプログラム「次世代リーダーシップ育成」を実行し、有望人材に集中的に投資を行っています。
(ハ)フェアな評価の実現および次へ繋がるリワード
年齢、性別などにかかわらず事業への貢献に応じた評価および報酬の制度を確立し、各種法令、労働協約および社内規程に基づき役割と成果に応じた適正な賃金、賞与を支給しています。
(ニ)従業員がベストを尽くせる環境、文化の実現
働きやすさだけでなく働きがいを持って高いパフォーマンスを発揮できる環境を整備すべく、リモートとリアルを最適に組み合わせるハイブリッドワークの実践、社内コワーキングスペースや社外サテライトオフィスの拡充といったワークプレイスの整備、コアタイムのないフレックスタイム制度の導入などを実現し、ワークスタイルの革新をはかっています。また、よりよいコンディション(健康状態)のもと、一人ひとりが心身ともにいきいきと働くことで自己実現を果たし、ひいてはNECグループの社会価値創造につなげるべく、2019年度に「NECグループ健康宣言」を制定しました。健康診断結果データを活用し、AIが従業員の生活習慣改善を提案する「健診結果予測シミュレーション」の活用、ストレス制御やコミュニケーション能力を高めるセルフケア研修などさまざまな健康推進施策を行っています。このような健康経営活動が評価され、当社は「健康経営銘柄2022」の認定を受けました(2023年度は「健康経営優良法人2023(ホワイト500)」に認定されました。)。さらに、仕事と育児の両立支援に力を入れており、当社は法制化以前から育児・介護休職制度を導入するとともに、育児休業、育児短時間勤務制度、福利厚生制度などを整備し、管理職や育児休職取得者向け研修などを実施しています。また、NECグループの複数の会社は、「次世代認定マーク」(愛称「くるみん」)を取得しており、当社を含む複数の会社は「プラチナくるみん」認定を受けています。
② 「2025中期経営計画」の実現
NECグループは、「HR方針」に基づく人と組織の改革を「2025中期経営計画」においてさらに推進し、多様なタレント人材の活躍、働き方マインドセット改革、適時適所適材の実現およびタレントマネジメントという4つの柱で「人の変革」を進め、社員に選ばれる会社(Employer of Choice)への変革を目指しています。
(イ)多様なタレント人材の活躍
多様な人材が活躍し、多様な視点やアイデアが尊重されるカルチャーを醸成することは、
イノベーションの創出のために必要であり、重要な経営戦略の一環であると考えています。そのための施策として、グローバルな人材活用、女性の活躍推進、中途採用者の積極的な登用、障がい者の雇用促進および性的マイノリティに対する理解と支援の促進等に取り組んでいます。加えて、このようなインクルージョン&ダイバーシティへの取り組みは、「NEC Way」におけるPrinciplesで掲げる「人権の尊重」の実践に位置付けています。
(ロ)働き方マインドセット改革
リモートワークを核とした「Smart Work」からパフォーマンスを最大化し、働きがいを追求する「Smart Work 2.0」にシフトしています。ロケーションフリーを原則として、従業員一人ひとりの働く時間と場所の自律的なデザインを後押しし、個人やチームがより高い生産性を発揮することができる勤務制度や仕組みを提供しています。
(ハ)適時適所適材の実現
高速に変化を続ける市場で勝ち抜くために、ビジネス戦略とその実行体制をデザインし、各ポジションに社内外のベストな人材を起用し、迅速に戦略実行できる体制を目指します。
当社は、2018年からジョブ型人材マネジメントのエコシステムとして、業績評価制度の仕組みと運用の見直しを開始しました。2023年4月から新たなジョブグレード制度および報酬制度を統括部長以上に適用し、2024年4月から全従業員向けに導入することを目指しています。また、社内人材公募制度(NEC Growth Careers)の拡充もあわせることで、従業員の意識を組織主導のキャリア形成から脱却させ、キャリアオーナーシップの個人へのシフトを加速します。
(ニ)タレントマネジメント
「2025中期経営計画」に掲げる「国内IT事業のトランスフォーメーション」実現のため、社会価値を創造・実装し続けるDX人材(*1)を10,000名確保する計画を掲げ、 DX人材育成の強化を進めています。また、「次世代リーダーシップ育成」として、有望人材をリストアップし、各種の育成プログラムを提供するとともに、職位にかかわらずタフで多様な役割へのアサインメントをとおして成長のスピードを加速する取り組みを行っています。
*1 当社が各定義および要件を定めるコンサルタント、データサイエンティストおよびサイバーセキュリティ人材等を指しており、当社および次の連結子会社等を対象としています。
NECプラットフォームズ㈱、NECソリューションイノベータ㈱、日本電気通信システム㈱、NECネクサソリューションズ㈱、NECマネジメントパートナー㈱、NECネットワーク・センサ㈱、NECスペーステクノロジー㈱、日本電気航空宇宙システム㈱、NECライフキャリア㈱、㈱日本電気特許技術情報センター、NEC企業年金基金
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