有価証券報告書-第139期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/24 13:13
【資料】
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【項目】
144項目
(当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
a.基本方針の内容
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主の皆さまの自由な意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概にこれを否定するものではありません。
しかしながら、わが国の資本市場においては近年、対象となる企業の経営陣との協議や合意等のプロセスを経ることなく、一方的に大量買付行為またはこれに類似する行為を強行する動きが見られ、こうした大量買付行為の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
これに対し当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、“私たちは、「安全と信頼」の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します”という日本信号グループ理念や、後述する当社の企業価値ひいては株主共同の利益の源泉を十分に理解し、ステークホルダーであるお客様、株主の皆さま、協力企業の皆さま、地域社会の皆さま、従業員との信頼関係を維持し、こうしたステークホルダーの方々の期待に応えていきながら、中・長期的な視点に立って当社の企業価値ひいては株主共同の利益を維持・向上させるものでなければならないと考えております。
従って、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗手段を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保することを基本方針としております。
b.基本方針の実現に資する特別な取り組み
ⅰ.当社グループの経営理念及び基本的な事業運営の考え方
当社は、1929年2月に営業を開始して以来、一貫して交通インフラの分野に携わり、“私たちは、「安全と信頼」の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します”という日本信号グループ理念のもと、2022年2月に創業93周年を迎えました。
このように、公共性の高い事業分野において、永年に亘り社会に製品を提供し続けてきた企業として、当社は常に重い社会的責任と公共的使命を担っております。そのため、高い専門的技能と厳格な倫理教育を背景とした製品品質の管理、より安全・快適な交通インフラを支える新製品開発はもちろんのこと、人命に関わる製品を製造していることに十分留意した長期的な視点に立脚した事業運営が不可欠であると考えます。
一方、鉄道信号・道路交通信号システムの専門メーカーとして蓄積したコア技術、ノウハウを応用した新事業の創造に果敢に挑戦し、企業の持続的な成長に常に取り組まねばならないと考えております。特に、駅務自動化システムとパーキングシステムソリューションは現在の当社の業績を支える柱のひとつになるまでに成長した新事業の好例であります。また、最近では、微細加工技術により実現した共振ミラー「ECO SCAN」を使った「3D距離画像センサ」が、外乱光に強いという特性からホームドアや建機、自動運転など様々な分野で活用されており、新事業の発展に結びつきました。
当社の事業内容をまとめると以下のとおりです。
当社は、鉄道信号や道路交通信号など、人命に関わる公共性の高い事業を行っております。また、日本の質の高いインフラは世界からのニーズも高く、当社も重要な技術を数多く保有しております。
今後は、センシング技術で得られたデータをもとに、AIとデジタル処理による高度なソリューションを提供することで、快適な社会の交通インフラを実現してまいります。
[交通運輸インフラ事業]
「鉄道信号」では、CTC(列車集中制御装置)等の「運行管理装置」、ATC(自動列車制御装置)、ATS(自動列車停止装置)、ATO(自動列車運転装置)、SPARCS(無線式列車制御システム)等の「列車制御装置」、さらに転てつ機や信号灯器を制御する「連動装置」、「旅客案内表示システム」等の製品を中核として、高密度ダイヤでの安定・安全運行を誇る我が国の鉄道を支えております。また、アジアを中心としたインフラ輸出の一翼を担っております。
「スマートモビリティ」では、道路交通信号機を制御する「交通管制システム」、事故や渋滞、交通情報を表示する「道路交通情報提供システム」といった製品を中核として、交通事故の減少、交通渋滞の緩和に取り組んでおります。また、各種自動運転の実証実験に参加し、インフラメーカーとしての強みを活かしたソリューションの開発に取り組んでいます。
[ICTソリューション事業]
「AFC」では、自動改札機や自動券売機、自動精算機等の「駅務ネットワークシステム」により、駅務の自動化・高速化を実現すると共に、SuicaやPASMO等のICカードを媒介としたスムーズな移動の実現に貢献しております。また、航空関連市場、海外市場にも進出している一方、無線利用の個体識別技術を応用した各種ソリューションの提供やホームドアに代表される駅ホームの安全性向上に取り組んでおります。
「スマートシティ」では、セキュリティゲートなどのオフィスセキュリティや、イベント会場や空港で求められるハイセキュリティを支える各種ソリューションを展開しております。また、当社のセンサ技術を最大限に活かした清掃ロボットをはじめとする各種ロボットの開発及び販売をしており、作業の省力化・効率化を実現いたします。
ⅱ.当社の企業価値ひいては株主共同の利益の源泉について
当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の源泉は、1)安全・快適な交通運輸インフラを永年に亘り支えてきた「技術・品質力」、2)公共性の高い仕事に携わる者として強い誇りと使命感を持った「人材力」、3)鉄道信号・道路交通信号システムで培ったコア技術・ノウハウを応用した新製品の「開発力」にあると考えます。
当社の企業価値ひいては株主共同の利益の源泉を向上させる具体的な取り組みとしては、主に以下の施策を実行しております。
(ア)事業体制や生産体制、グループ体制の見直し、経営の意思決定のスピードアップ及び業務品質の向上に継
続的に取り組み、市場競争力の強化及び顧客満足度のより一層の向上を目指しております。
(イ)優秀な人材の採用に努めるものはもちろんのこと、人材育成の面から、モチベーションと技能の向上を目
的とした人事制度の構築・運用に取り組んでおります。
(ウ)技術開発体制と市場開発体制の2つの体制が相互に連携して研究開発を推進する体制をとることにより、
一層の研究開発の充実を目指しております。
ⅲ.経営計画に基づく具体的施策による企業価値・株主共同の利益の向上のための取り組み
当社は、2019年度より新たな長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」をスタートさせました。現在、デジタルディスラプション(デジタル技術による破壊的なイノベーション)により、既存産業が淘汰される大変革期が到来しております。長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」では、従来の延長線上にない新しいビジネスに転換し、インフラの進化を安全・快適のソリューションで支えることで国内外の社会的課題を解決し、世界中の人々から必要とされる企業グループになることを目指しております。
2022年度より始まった長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」の第2期中期経営計画「Next Stage 24」では、当初想定した環境変化に加え、新型コロナウイルス感染症拡大による生活様式の変化や、顧客の構造改革、脱炭素などサステナビリティの推進を踏まえ、基本方針「インフラのNext Stageを支える」を掲げております。その目指すところは、コロナ禍の新たな社会・経済活動や生活様式に対し、デジタルの力を駆使したソリューションにより、持続可能で安心・安全な交通インフラを創り出す事にあります。
「コロナ禍後における顧客との価値共創」「国際事業の拡充と収益力向上」「ソフトウェアファースト時代の設計力・ものづくり力の強化」の3つの重点課題に取り組むと共に、「持続的な価値創造に向けたESG経営」を推進します。これらの取り組みを実現すべく、総額500憶円規模の投資を計画し、顧客の構造改革や課題解決を推進する新商材の開発・社会実装の加速と設計・ものづくりのバリューチェーン改革など収益性向上を図ることで、中期経営計画「Next Stage 24」最終年度において、連結売上1,300億円、営業利益11%、ROE10%を目指します。
c.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2022年6月24日開催の当社第139回定時株主総会において、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を維持し、向上させることを目的として、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)の導入(更新)を決議いたしました。
本プランは、特定株主グループの議決権割合が20%以上となるまたは20%以上とすることを目的とする、当社が発行者である株券等の買付行為もしくはこれに類似する行為またはこれらの提案(当社取締役会が友好的と認めるものを除き、市場内外取引、公開買付け等の買付方法の如何を問いません。本プランにおいて「買付等」といい、当該買付等を行う者を「買付者」といいます。)を適用対象とし、買付者に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保したうえで、株主の皆さまに当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者との交渉等を行っていくための手続を定めています。
なお、買付者には、本プランに係る手続を遵守いただき、本プランに係る手続の開始後、当社取締役会が本新株予約権の無償割当ての実施または不実施に関する決議を行うまでの間、買付等を進めてはならないものとしております。
買付者が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が毀損されるおそれがあると認められる場合には、当社は当該買付者及び買付者の特定株主グループ(以下「買付者等」といいます。)による権利行使は認められないこと(行使条件)及び当社が当該買付者等以外の者から当社株式と引き換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)をその時点の全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法により割り当てます。
本プランにおいては、原則として、本新株予約権の無償割当ての実施、不実施または取得等の判断について、取締役の恣意的判断を排するため、独立委員会規則に従い勧告される、当社経営陣から独立した企業経営等に関する専門的知識を有する者のみから構成される独立委員会の判断に従うとともに、株主の皆さまに適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。独立委員会は、独立性の高い社外監査役3名により構成されています。
本プランの有効期間は、2025年3月末日に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時までであります。但し、有効期間の満了前であっても、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、又は、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プラン及び本プランに基づく委任はその時点で廃止・撤回されます。
なお、上記の内容は概要を記載したものであり、本プランの詳細については、以下の当社ウェブサイトに掲載しております2022年5月10日付当社プレスリリース「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新に係る株主総会の付議について」をご参照ください。
(当社ウェブサイト https://www.signal.co.jp/ir/)
d.上記の各取り組みに対する当社取締役会の判断及び理由
前記b.の取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるための具体的施策であって基本方針の実現に資するものです。従って、これらの取り組みは、前記a.の基本方針に沿い、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
また、本プランは前記c.記載のとおり、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させる目的をもって導入されたものであり、前記a.の基本方針に沿うものです。さらに、本プランは経済産業省及び法務省の「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」(2005年5月27日公表)の定める三原則を完全に充足し、また、経済産業省企業価値研究会の報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」(2008年6月30日公表)の提言内容にも合致しており、その内容においても当社取締役会の判断の客観性・合理性が確保されるように設計されています。従って、当該取り組みは株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

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