有価証券報告書-第140期(2022/04/01-2023/03/31)
b.戦略(採用したシナリオ)
シナリオ分析の検討に際して、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change/国連気候変動に関する政府間パネル)AR6 SSP1-1.9、およびSSP5-8.5を参照し、それぞれⅰ.2100年までの平均気温上昇が1.5℃未満に抑えられている世界(1.5℃シナリオ)、ⅱ.2100年までの平均気温上昇が4℃となる世界(4℃シナリオ)の2つのシナリオを設定しました。
ⅰ.1.5℃シナリオ
(注)1.長期的温室効果ガス削減目標(SBT Scope3)は第6期環境行動計画中に提示
(注)2.SBT:Science Based Targets パリ協定が求める温室効果ガス削減目標、Scope3は間接的排出
ⅱ.4℃シナリオ
ⅲ.機会
ⅳ.シナリオ分析による影響の検討結果
(ア)製品・サービス
・ライフサイクルにおける温室効果ガス削減のため、ハードウェアの使用を削減した商品
の開発を進めます。これには、機器の集約化、ケーブルレス(無線化)、汎用端末を使
用した決済対応等が含まれます。
・異常気象による災害増加に対応するため、災害に強い製品の開発を進めます。これには、
耐水型製品、停電時対応を考慮したバッテリー・発電装置付き製品等が含まれます。
(イ)サプライチェーン/バリューチェーン
・異常気象に伴う災害の増大による、部品製造工場の被災、物流の寸断に備え、複数の調達
先、輸送手段を確保します。これには、複数の調達先を確保できる部品を用いた設計・開
発が含まれます。
・災害時に社会インフラを維持し、迅速な復旧に貢献する製品・システムの開発を進めます。
(ウ)研究開発関連投資
日本信号グループ24中期経営計画(2022年度~2024年度の経営計画)において、研究開発に140億円規模の投資が計画・実行されています。内訳として、脱炭素社会を実現するための課題を解決する「エコ&パワーソリューション」のほか、CBM、自動運転、決済・認証、ロボット分野などへ注力します。これらは、いずれも限りあるヒト・モノを効率的に配置することで温室効果ガス削減に貢献します。
シナリオ分析の検討に際して、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change/国連気候変動に関する政府間パネル)AR6 SSP1-1.9、およびSSP5-8.5を参照し、それぞれⅰ.2100年までの平均気温上昇が1.5℃未満に抑えられている世界(1.5℃シナリオ)、ⅱ.2100年までの平均気温上昇が4℃となる世界(4℃シナリオ)の2つのシナリオを設定しました。
ⅰ.1.5℃シナリオ
| リスク | 日本信号への影響 | 日本信号の対応 | |
| 移行リスク | |||
| サプライヤーへの炭素税、排出権取引制度の導入 | 短 期 | ・電気料金の大幅増加 | ・第6期環境行動計画:グリーンエネルギ ー調達比率60%(日本信号グループ)達 成に向け、計画的にグリーン電力を確保 ・温室効果ガス排出削減目標(注1) (第6期環境行動計画)達成に向け、省エネ・再エネ(エネルギー高効率機器 の導入、発電設備導入等)の推進 |
| 中 期 | ・事業コストの増加 (炭素税、排出権取引) ・素材(鉄)等の価格転嫁が進み、調達 価格の上昇 | ・グループ会社への脱炭素政策の展開 ・ハードウェアの使用を削減した商品へ の転換 ・気候変動枠組みを含むグリーン調達ガイ ドラインの提示、遵守状況確認 | |
| 長 期 | ・電気料金の高止まり | ・省エネ、再エネの継続 | |
| 脱炭素社会へ 調達・投資行動の 急速な変化 | 短 期 | ・環境関連設備投資の前倒しによる追加 費用発生 | ・省エネと合わせた設備投資 |
| 中 期 ・ 長 期 | ・環境性能における競争激化(環境負荷 の大きい製品の競争力低下) ・適切な対応がとれない場合、社会的信頼、事業機会の損失 ・サーキュラーエコノミー対応による コスト増 | ・SBT Scope3(注2)に基づく、 日本信号主要製品の環境負荷低減 ・温室効果ガス排出量削減につながる 商品・サービスの開発 ・TCFDへの賛同とシナリオ分析、枠組 みに従った情報開示 | |
(注)1.長期的温室効果ガス削減目標(SBT Scope3)は第6期環境行動計画中に提示
(注)2.SBT:Science Based Targets パリ協定が求める温室効果ガス削減目標、Scope3は間接的排出
ⅱ.4℃シナリオ
| リスク | 日本信号への影響 | 日本信号の対応 | |
| 物理リスク | |||
| 自然災害の激甚化、急激な増加 | 短 期 | ・風水害による生産拠点の被害発生 ・サプライチェーンの寸断による部品供給 停止 ・猛暑による屋外作業の制限、空調コスト の増加 | ・事業継続計画(BCP)対応:生産拠点 での災害対策、複数の生産拠点による製 造対応、複数の調達先、輸送手段の確保 ・自家発電、蓄電能力の確保 ・屋外作業環境改善 (屋根、スポット空調等) |
| 中 期 | ・顧客の被害による新規設備投資の減少 ・災害対策コストの上昇による新規インフラ 整備箇所の縮小 | ・災害に強い製品の開発(耐水等) ・MaaS等、既存インフラ設備を活用した 最適な移動の提案 | |
| 長 期 | ・災害の影響を受けやすい地域の変化による 既存インフラの稼働率低下 | ・低コストで維持できるシステムの提案 | |
| 感染症の地域的流行 | 短 期 | ・部品を含む生産工場の稼働率低下 ・部品供給の寸断による生産縮小 | ・生産プロセスの自動化、商談のIT化 ・部品、製品在庫の確保 |
| 中 期 ・ 長 期 | ・公共(乗合)交通の優位性低下による新規 設備投資の減少 | ・感染症対策製品の開発 (検温、トレーサビリティ等) | |
ⅲ.機会
| 機会 | 日本信号への影響 | 日本信号の対応 | |
| 顧客の脱炭素化を 支援する商品・ ソリューションの 販売拡大 | 短 期 | ・省エネ製品の注文増 | ・既存製品の省電力化設計 |
| 中 期 ・長期 | ・脱炭素化を目的とした既存製品の置き換 え注文増 ・脱炭素化ソリューションの提案要望増加 | ・設計改善、商材変更による脱炭素化計画 (製品の廃止を含む) ・温室効果ガス排出量削減につながる ソリューション | |
| 顧客のインフラ強靭化を支援する 商品・ソリューションの販売拡大 | 短 期 | ・停電時電源確保、浸水対策製品注文増 | ・太陽光発電、蓄電池付き製品の開発 ・耐水型屋外製品の開発 |
| 中 期 ・ 長 期 | ・顧客のインフラ強靭化工事に伴う既存 製品の置き換え注文増 ・災害復旧迅速化ソリューションの提案 要望増加 | ・災害時に機能を維持する製品の開発 ・災害復旧の迅速化に貢献する製品の開発 | |
| 感染症対策 (ニューノーマル)につながるソリューションの販売拡大 | 短 期 | ・窓口、券売機以外での予約、決済利用 の増加 | ・モバイル予約、決済に対応する改札の 拡販 |
| 中 期 ・ 長 期 | ・混雑情報把握、人流平準化ソリューショ ンの提案要望増加 ・現場作業の無人化ソリューションの提案 要望増加 | ・人流把握、混雑予測等ソリューションの 開発、提案 ・遠隔監視、操作ソリューションの開発、 提案 | |
| 新規事業の 創出・展開 | 中 期 ・ 長 期 | ・災害検知ソリューションの提案要望増加 | ・インフラにおける災害発生を検知する 技術の開発計画 |
ⅳ.シナリオ分析による影響の検討結果
(ア)製品・サービス
・ライフサイクルにおける温室効果ガス削減のため、ハードウェアの使用を削減した商品
の開発を進めます。これには、機器の集約化、ケーブルレス(無線化)、汎用端末を使
用した決済対応等が含まれます。
・異常気象による災害増加に対応するため、災害に強い製品の開発を進めます。これには、
耐水型製品、停電時対応を考慮したバッテリー・発電装置付き製品等が含まれます。
(イ)サプライチェーン/バリューチェーン
・異常気象に伴う災害の増大による、部品製造工場の被災、物流の寸断に備え、複数の調達
先、輸送手段を確保します。これには、複数の調達先を確保できる部品を用いた設計・開
発が含まれます。
・災害時に社会インフラを維持し、迅速な復旧に貢献する製品・システムの開発を進めます。
(ウ)研究開発関連投資
日本信号グループ24中期経営計画(2022年度~2024年度の経営計画)において、研究開発に140億円規模の投資が計画・実行されています。内訳として、脱炭素社会を実現するための課題を解決する「エコ&パワーソリューション」のほか、CBM、自動運転、決済・認証、ロボット分野などへ注力します。これらは、いずれも限りあるヒト・モノを効率的に配置することで温室効果ガス削減に貢献します。