有価証券報告書-第86期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 14:55
【資料】
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【項目】
149項目

対処すべき課題

(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「誠実」の社是の基、「未来社会に音で貢献する」をビジョンとして掲げ、「音に関わる製品やソリューションを通して、世界中により快適な生活やコミュニケーションの喜びを提供し社会から期待される企業になる」ことをミッションとし、業界での地位を確固たるものにするために、グローバル企業としてさらなる事業の充実と企業価値の向上を図りながら、持続的な成長を実現するための体制作りを推進します。
(2)中長期的な会社の経営戦略
〈中期的な取組み〉
当社グループでは、品質経営を推進し、利益重視の長期成長を目指します。そして当社の強みを活かすために、環境対応、高付加価値の追求を図ります。加えて新たな技術の潮流をビジネスチャンスとして活かすために、音響信号と人間とのインターフェース技術を、培ってきた知識・ノウハウによりさらに発展させるとともに、新技術の開発と新規事業に果敢に挑戦します。
・車載関連ビジネスを中心とする事業・意識変革
自動車産業が100年に一度の大転換期にあるといわれている中、中期的な事業の中心を車載関連ビジネスとし、当社の強みである「音と振動」によるソリューションを展開することでシェアアップのみならず、1台当たりの数量増、用途の拡充に取り組み、業界内で確固たる地位の確立を目指します。
・ESG経営の推進
当社グループでは、すべてのステークホルダーとの関係性をより良きものへと創造し、経済的価値及び社会的価値を高め持続的な成長を目指します。
(環境への取り組み)
当社グループは、環境と調和するテクノロジーと環境にやさしい生産の追求を通して、自然の営みを尊重し、世界の人々が人間性を十分に発揮できる豊かな社会と環境の実現に貢献します。
気候変動への取組みは地球規模での課題であると同時に企業の使命です。特に環境に配慮したモノづくりは、当社グループに競争優位をもたらし持続的な成長に欠かせないと考えます。開発・設計製品の省資源、省エネルギー化を促進し、また、製品製造から廃棄はもとより、すべての事業活動での汚染予防やCO2削減に取り組み、地球環境保全に努めます。
(社会とのつながり)
個人の人間性を尊重し多様な働き方を実践することで、より創造性豊かなヒトづくりを推進することが、当社グループの持続的成長に欠かせないと考えます。また、事業活動を通じて、人々に安心、安全そして生活に快適さ・豊かさをもたらす製品やサービスを提供し、社会との共存共栄に努めます。加えて、「良き企業市民」として積極的に社会貢献活動に参加し、社会の発展に寄与します。
(コーポレート・ガバナンス)
取締役会の主導のもと、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応できる意思決定と、適法かつ適正な業務執行が可能な経営体制および公正で健全な経営システムの確立に取り組みます。同時に、グローバル経営をさらに高度化するため、グループガバナンスを強化し、より実効性の高い体制を整え、企業価値・株主価値の最大化を目指します。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、中期的な経営目標として連結ROE10%超を掲げ、資産、資本効率を高め、事業の持続的成長及び更なる企業価値の向上に取り組みます。
(4)経営環境と対処すべき課題
世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりマイナス成長が予想される等、極めて厳しい状況下にあります。
当社グループが属する電子部品業界も、自動車会社の生産休止や行動制限による工場の稼働率低下を余儀なくされています。一方で、AI、5G、次世代自動車関連等の新技術の産業化に伴う電子部品の中長期成長トレンドは続くと見られます。
以上のような情勢下、当社グループは、従業員、お取引先様及び地域等の安心・安全を第一に、新型コロナウイルスの感染拡大を防止します。またサプライチェーン寸断リスクに対処するため、お取引先様との連携をより密にし、製品の安定供給に努めます。
中期的には、「未来社会に音で貢献する」をビジョンとして掲げ、「音に関わる製品やソリューションを通して、世界中により快適な生活やコミュニケーションの喜びを提供し社会から期待される企業になる」ことをミッションとし、市場変化に果敢に挑戦し業界での地位を確固たるものにするとともに、グローバル企業としてさらなる事業の充実と企業価値の向上を図りながら、持続的な成長を実現するための体制作りを推進します。
これらを実現するために、品質経営を推進し、利益重視の長期成長を目指します。また、中期的な経営目標として連結ROE10%超を掲げ、資産、資本効率を上げていきます。製品戦略としては、当社グループの強みをより活かすために、環境対応、高付加価値の追求を図ります。今後の当社事業の主軸となる車載用では、さらなる差別化を図り、自動運転時代に向けた車室内音響装置の新しい提案をしていきます。加えて新たな技術の潮流をビジネスチャンスとして活かすために、「ヒトづくり」、「モノづくり」そして「コトづくり」をより強力に推進し、新市場の開拓・新製品の開発に積極的に取り組みます。また、キャッシュ・フロー経営をベースに、グローバル生産・供給体制の最適化を図り、機械化・省力化をさらに推し進め、コスト競争力の強化を図ります。
そして、ESG経営を推進し、社会や市場の中で信頼され、必要とされる企業となるための努力を着実に続けていき、持続的な成長に向け取り組んでいきます。
以上を踏まえ、2020年度の経営方針を下記の通り定め、これまで当社グループの行ってきた企業体質の継続的改善活動をさらに進化させ改革を進めます。
2020年度の経営方針等の要旨は次のとおりです。
[基本方針]
“車載”品質の追求、利益率の向上、車載関連ビジネスを中心におく事業・意識変革の断行
[方策]
1.車載業務品質の浸透と徹底
2.製造体制の強化
3.グローバル人財育成
4.市場変化への対応
5.ESG経営の推進
[社内スローガン]「変化への挑戦の年」
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。