訂正有価証券報告書-第90期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2022/06/29 14:09
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119項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における経済は、世界では米国の政権交代や英国のEU離脱等によって先行きに対する不透明感が高まりましたが、経済への影響は限定的なものに留まり、一方、中国など新興国での成長鈍化も底打ちし、全体として緩やかな成長を辿りました。日本国内では、個人消費は足踏み状態が続いたものの、雇用・所得環境は改善傾向にあり、緩やかな回復基調で推移いたしました。
そのような経済環境の下、当社の主要市場におきましては、電力会社を中心とした電力業界においては、原子力発電所の再稼動の遅れや、小売自由化による競争激化で設備投資は抑制され、大変厳しい状況であります。一方で風力発電や太陽光発電等、新エネルギー業界における設備投資は堅調に推移しております。また、情報通信業界においては、携帯電話からスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスへの移行が進む中、成熟期を迎えており、各社の提供するサービスは同質化し、競合が高まっております。更には、異業種との競争・協業等が活発化、従来の通信市場の枠を超えた競争が加速しており、各社とも選別的な設備投資を行なっております。鉄道業界においては、各社とも安全・安定輸送を最優先に掲げながら、堅調に業績を伸ばしており、相応の設備投資が継続されました。
このような状況下、昨年度は当社グループにとって第7次中期経営計画の最終の年として、国内では「防災・減災関連ビジネス推進」、海外では「鉄道関連事業の積極展開」、また「国内外における開発・生産全拠点の品質管理体制の再構築」を重点施策とし、前年度比増収増益の目標を掲げ、スタートしました。また、新たな部門損益管理制度を導入し、販売各社、製品別事業会社毎の損益を見える化し、業務効率の向上と収益力強化にも取り組みました。一方、市場での価格競争激化に対応し、各製品の製造原価低減や内製化推進に努めると共に、経費削減にも注力してまいりました。
このような施策に鋭意取組んでまいりましたが、主要顧客である電力業界への売上減少および市場全般の価格競争激化もあり、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は13,211,941千円、前連結会計年度比4.1%、563,065千円の減少、経常利益は514,267千円、前連結会計年度比19.9%、128,154千円の減少と、減収減益となりました。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比88,835千円減の292,846千円となりました。
各事業の概要は以下のとおりであります。
※通信保安事業
通信保安事業におきましては、鉄道向け、官公庁向け売上は堅調でありましたが、電力会社向け売上が落ち込み、売上高は12,858,740千円(前連結会計年度比557,091千円減)に留まりました。営業利益につきましては原価低減、経費削減に努め、1,086,426千円(営業利益率8.5%、前連結会計年度比0.1%増)となりました。
※気象事業
気象事業におきましては、主力製品であるライトニングスコーププラス、新商品であるライトニングステーション等の販売に努めましたが、売上高353,200千円(前連結会計年度比5,973千円減)となりました。営業利益につきましては、原価低減、設備削減に努めましたが68,854千円(営業利益率19.5%、前連結会計年度比8.4%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー関係
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が515,349千円、減価償却費が285,846千円、売上債権の減少が673,236千円となりましたが、一方で、仕入債務の減少が448,818千円、法人税等の支払額が159,280千円となったことなどにより、865,513千円の収入(前連結会計年度は26,482千円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入6,918千円、投資有価証券の売却による収入が250,067千円、投資不動産の賃貸に伴う収入が77,237千円となりましたが、一方で有形固定資産の取得による支出が272,765千円、投資有価証券の取得による支出が351,486千円、投資不動産の賃貸に伴う支出が33,094千円となったことなどにより、488,678千円の支出(前連結会計年度は705,897千円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が650,000千円、社債の発行による収入が540,000千円となりましたが、一方で、短期借入金の減少が365,000千円、長期借入金の返済による支出が909,256千円、社債の償還による支出が530,000千円、配当金の支払が63,581千円となったことなどにより、823,371千円の支出(前連結会計年度は910,988千円の収入)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は3,271,341千円となり、前連結会計年度末に比べて472,292千円減少いたしました。