有価証券報告書-第93期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 9:40
【資料】
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【項目】
110項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度のわが国経済は、企業の生産活動の持ち直しによる雇用所得環境や設備投資に回復がみられ、一部個人消費に停滞があるものの、全体として回復基調が継続いたしました。
しかしながら、世界経済につきましては、中国や新興国における景気減速、米国新大統領の経済・貿易政策の動向、英国のEU離脱等により先行きが不透明な状況が継続しております。
当社をとりまく市場動向につきましては、主要顧客である電力業界における原子力発電所の稼働停止等による発電コスト増大の影響が依然として継続しており、またここ数年来継続しておりました当社に関連する電力自由化に伴うスマートメーター・スマートグリッド関連機器への投資も一巡しました。
このような事業環境下で、当社の当連結会計年度の売上高につきましては、情報通信機器製造販売が前年と比べ減少し、またネットワーク工事保守事業の厳しい状況が継続したため、前年同期より20.1%減の260億77百万円となりました。
損益につきましては、情報通信機器製造販売の規模減に伴い、営業利益は2億70百万円(前年同期比87.9%減)、経常利益は4億8百万円(同82.6%減)となりました。以上の損益から独占禁止法関連の特別損失等、計1億58百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1億41百万円(同89.4%減)となりました。
以下、セグメントの概況をご報告いたします。
[情報通信機器製造販売]
当社の手掛けるスマートメーター・スマートグリッド関連機器の需要減及び電力会社向けの光関連装置が減少したため、売上高は159億62百万円(前年同期比26.7%減)となり、セグメント利益につきましては売上規模の減少及び研究開発費用の増加により3億26百万円(同84.8%減)となりました。
[ネットワーク工事保守]
防災関連工事の減少により、売上高は101億15百万円(前年同期比6.8%減)となり、セグメント損益につきましては売上規模減少の影響から、86百万円の損失(前年同期比1億30百万円の減少)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ14億17百万円減少(前年同期比23.0%減)し、当連結会計年度末には47億33百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は6億96百万円(前年同期は17億39百万円の増加)となりました。
これは主に、売上債権の減少による資金の増加が25億45百万円、たな卸資産の減少による資金の増加が5億82百万円あったものの、仕入債務の減少による資金の減少が26億44百万円、法人税等の納付により資金が8億59百万円減少したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は2億36百万円(前年同期は1億45百万円の減少)となりました。
これは主に、有価証券の払戻しにより資金が3億円増加したものの、固定資産の購入により資金が4億53百万円減少したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は5億18百万円(前年同期は68百万円の増加)となりました。
これは主に、短期借入の実行により資金が2億円増加したものの、配当金の支払いにより1億46百万円、自己株式の取得により5億66百万円資金が減少したことによります。