有価証券報告書-第67期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 14:09
【資料】
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【項目】
139項目
当民生用電気機器業界におきましては、当社グループの主要市場である北米において依然不透明な要因が多く、特に大型液晶テレビのコモディティ化が加速しており、より一層の競争激化が予想されます。また、インターネット動画配信サービスの普及による影響を受け、DVD・BD関連製品の市場の縮小が想定よりも早く進んでおります。
こうした業界環境におきまして当社グループの経営方針、対処すべき具体的な課題及び対応は下記のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営基本方針
当社グループは「より良い製品を」「より厚い信用を」「より実りある共存共栄を」の社是のもと、最も効率的な開発、生産、販売体制を構築し、世界マーケットへ高品質かつ適正価格の製品を安定供給することによって、厚い信用を築くとともに、更に当社に関わるすべての人々の相互繁栄を期することを基本方針として事業活動を推進してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループの経営指標につきましては、売上高営業利益率を最も重視しており、全社をあげて中期的に売上高営業利益率5%以上を目標に取り組んでまいります。
(3) 対処すべき課題
① 売上高の拡大及び収益力の回復
当社グループでは売上高の拡大と収益力の回復を最重要課題と位置づけております。
ディスプレイ、デジタルメディア事業につきましては、ビジネスモデルの見直しを終えたメキシコ市場での販売拡大、北米市場におきましては、クリスマス商戦への取り組み強化に加えて更なるマーケット・シェア拡大を図ってまいります。日本市場におきましては、2017年から販売を開始したFUNAIブランド製品が堅調に推移しております。2020年に開催される東京オリンピックを控えテレビ等のAV製品の買い替え需要も期待されることから、更なるブランド浸透を目指し、日本市場向け製品開発に経営資源を集中してまいります。
プリンティングソリューション事業につきましては、大容量インクジェットプリンターやラベルプリンター、ネイルアートプリンターのOEM並びに自社ブランドの販売拡充を図ることで増収増益を計画しております。
新規事業につきましては、長年培ってきた技術の応用により特殊プリンターや車載機器等の新分野を開拓し展開してまいります。また、今後は参入を果たした市場で収益基盤の確保を目指すとともに、世界最大の一般消費財メーカーに対するマイクロフルイディクス(微量流体制御技術)を活かした派生製品の共同開発と既存開発アイテムの販売開始に加えて、技術開発が終了した車載用ダイレクトバックライトや業務用サイネージ事業、医療、ヘルスケア分野などへの新製品の投入を積極的に進めてまいります。
営業利益面につきましては、規模の利益を追求する一方で、売上総利益率の高い製品の販売促進に注力すると共に、生産や在庫管理の徹底にて販売先の実売に応じた購買戦略を展開することにより、製品及び部品など原材料の在庫による評価損失を抑制することに努めてまいります。更に世界中から選ばれる製品を創ることを目指し、製品の返品率の低減に重点的に取り組むとともに、返品処理に伴う損失発生の最小化を図ります。これらの施策を通じて、安定的に利益を確保できる体制を構築してまいります。
② 生産体制の最適化と強化
当社グループでは、タイ・フィリピン・メキシコにそれぞれ生産拠点を保有しております。最適な地域に生産を集中することで現地部材調達率を高め、製品が消費者に届くまで、一貫した生産効率の向上とコスト削減に取り組んでおります。
③ 人材の育成と登用
当社グループでは、グローバル競争時代を勝ち抜くため、また、中長期の事業戦略を推進するうえで、社員個々人の能力を向上させグループ力強化に繋げることが重要であると認識しております。このため、語学をはじめとする社内外の研修体制の強化・拡充により、若手、中堅社員を問わず積極的な人材育成と登用を行っております。