有価証券報告書-第82期(2023/04/01-2024/03/31)
②戦略
エプソンは、SDGs、ISO26000などで示された社会課題やメガトレンドを分析するとともに、社会インパクトにつながる自社の強みを検討し、社会課題解決に向けエプソンが取り組むべき重要度の高い課題である4つのマテリアリティ(「循環型経済の牽引」「産業構造の革新」「生活の質向上」「社会的責任の遂行」)を特定しました。
社会課題を解決することで事業成長を果たし、事業成長をすることでより多くの社会課題を解決するサステナビリティ経営で、持続可能でこころ豊かな社会の実現を目指します。
■ エプソンのサステナビリティ経営
エプソンの企業経営の根幹を成すマテリアリティは、社会課題をベースにしており、エプソンの事業活動は社会課題の解決そのものと捉えています。社会課題を起点にした活動を一層強化することで事業成長を果たし、事業成長することでさらに多くの社会課題を解決し、社会とともに成長することがエプソンにとっての企業価値向上です。そして、社会のサステナビリティとエプソンのサステナビリティを同期するのに必要な経営・事業変革こそが、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」であると位置づけています。

■ 4つのマテリアリティと特定プロセス
エプソンは、以下のマテリアリティを企業経営の根幹として事業展開しています。
<循環型経済の牽引>電力やエネルギー、水などの資源の有効利用や地下資源の使用削減などによって、資源を循環し、気候変動を抑制することで、持続的な経済活動を牽引する取り組みです。
<産業構造の革新>従来のプロセスを変えることで、社会課題の解決につなげる取り組みです。例えば、ものづくりのプロセスをアナログ手法からデジタルに転換することによって、環境汚染や労働問題などの改善につなげることを意図しています。
<生活の質向上>人々が健やかに暮らせるような健康面での貢献や、人の成長、成熟に関わる教育面での貢献です。エプソンが提供する商品やサービスを通じて、多様なライフスタイルを選択することを可能とし、健やかで、彩りのある暮らしにつながる取り組みを進めていきます。
<社会的責任の遂行>エプソンが、持続可能でこころ豊かな社会を実現するために必要な企業責任を果たすことを示しています。多様なステークホルダーとの対話、調達部材やサプライヤーに関する環境・社会的側面での責任、人権の尊重とダイバーシティの推進、事業継続に関する対応力など、社会から期待される企業のあるべき姿の実現に資する取り組みです。

■ マテリアリティごとの機会とリスク、取り組みテーマ
マテリアリティ(サステナビリティ重要テーマ)ごとの機会とリスクを下記のとおり評価し、Epson 25 Renewedの目標達成に取り組んでいます。
エプソンは、SDGs、ISO26000などで示された社会課題やメガトレンドを分析するとともに、社会インパクトにつながる自社の強みを検討し、社会課題解決に向けエプソンが取り組むべき重要度の高い課題である4つのマテリアリティ(「循環型経済の牽引」「産業構造の革新」「生活の質向上」「社会的責任の遂行」)を特定しました。
社会課題を解決することで事業成長を果たし、事業成長をすることでより多くの社会課題を解決するサステナビリティ経営で、持続可能でこころ豊かな社会の実現を目指します。
■ エプソンのサステナビリティ経営
エプソンの企業経営の根幹を成すマテリアリティは、社会課題をベースにしており、エプソンの事業活動は社会課題の解決そのものと捉えています。社会課題を起点にした活動を一層強化することで事業成長を果たし、事業成長することでさらに多くの社会課題を解決し、社会とともに成長することがエプソンにとっての企業価値向上です。そして、社会のサステナビリティとエプソンのサステナビリティを同期するのに必要な経営・事業変革こそが、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」であると位置づけています。

■ 4つのマテリアリティと特定プロセス
エプソンは、以下のマテリアリティを企業経営の根幹として事業展開しています。
<循環型経済の牽引>電力やエネルギー、水などの資源の有効利用や地下資源の使用削減などによって、資源を循環し、気候変動を抑制することで、持続的な経済活動を牽引する取り組みです。
<産業構造の革新>従来のプロセスを変えることで、社会課題の解決につなげる取り組みです。例えば、ものづくりのプロセスをアナログ手法からデジタルに転換することによって、環境汚染や労働問題などの改善につなげることを意図しています。
<生活の質向上>人々が健やかに暮らせるような健康面での貢献や、人の成長、成熟に関わる教育面での貢献です。エプソンが提供する商品やサービスを通じて、多様なライフスタイルを選択することを可能とし、健やかで、彩りのある暮らしにつながる取り組みを進めていきます。
<社会的責任の遂行>エプソンが、持続可能でこころ豊かな社会を実現するために必要な企業責任を果たすことを示しています。多様なステークホルダーとの対話、調達部材やサプライヤーに関する環境・社会的側面での責任、人権の尊重とダイバーシティの推進、事業継続に関する対応力など、社会から期待される企業のあるべき姿の実現に資する取り組みです。

■ マテリアリティごとの機会とリスク、取り組みテーマ
マテリアリティ(サステナビリティ重要テーマ)ごとの機会とリスクを下記のとおり評価し、Epson 25 Renewedの目標達成に取り組んでいます。
マテリアリティ:循環型経済の牽引 | ||
サステナビリティ 重要テーマ | 機会(〇) | リスク(●) |
脱炭素の取り組み 資源循環の取り組み お客様のもとでの 環境負荷低減 環境技術開発 | 〇炭素税導入、電気料金高騰、廃棄物処分コストの上昇、適量生産・資源削減などにより、環境に配慮した商品・サービスへのニーズの高まり ○地球温暖化対策分野や廃棄物処理・資源有効活用分野の市場成長 ○サーキュラーエコノミー(循環型経済)へのシフトにより、再生プラスチック、バイオプラスチック、金属リサイクルの市場成長 | ●森林保護意識観点からのペーパーレス化気運の高まり ●政策・法規制の変化による操業コスト増 ●「脱炭素」と「資源循環」への対応遅れによる信用低下、企業価値の毀損 ●環境負荷低減につながる環境技術開発の計画未達もしくは遅延による企業価値の毀損 |
マテリアリティ:産業構造の革新 | ||
サステナビリティ 重要テーマ | 機会(〇) | リスク(●) |
デジタル化・自動化 による生産性向上 | ○消費者ニーズ多様化、環境配慮の重要性の高まりによる省資源で高効率な生産プロセスへの移行 ○地政学的なリスクなどを踏まえたBCP対応を目的とした生産工場の分散化 | ●市場要望に合致した商品・サービスの投入遅れによるビジネス機会の損失 ●扱いやすいソリューションやデジタルサービスの展開の遅れ |
労働環境・教育環境の 改善 | ○働き方の多様化やIT技術の進展にともなうオフィスの変化 ○少子高齢化などを背景とした世界的な労働力不足を補うロボットを用いた自動化ニーズの高まり・広がり ○労働環境の改善やものづくり現場のレジリエンス強化を目的とした生産システムの革新ニーズの高まり ○在宅勤務やWeb会議における物理的コミュニケーション低下によるストレス負荷・業務効率低下解消ニーズの高まり ○世界共通の脱炭素目標の実現(人の移動で生じるCO2の削減)機運の高まり ○開発途上国における学びの場や機会の格差の解消に向けたICT活用拡大 ○デジタル教材、教育プラットフォームの普及 ○新興国、開発途上国における就学人口増大による教育市場の拡大 ○ICTによる教師不足、教務支援不足の解消 ○在宅学習支援プログラムの拡大 | ●市場要望に合致した商品・サービスの投入遅れによるビジネス機会の損失 ●労働力豊富な地域(新興国、開発途上国)への生産移転により人作業中心の労働集約型が継続 ●自動化を実現できる人材の不足 ●アフターコロナにおけるオフィス出社率向上にともなう、リアルとリモートをつなぐニーズの減少 ●プロジェクター以外の大型表示装置・個人端末との競争激化、自社ソリューションの相対的なプレゼンス低下 ●タブレットなどの電子機器活用の拡大による教育市場でのプリントニーズの低下 ●開発途上国の経済発展遅れ、政情不安による、健全な教育予算編成・資金投下の遅れ |
マテリアリティ:生活の質向上 | ||
サステナビリティ 重要テーマ | 機会(〇) | リスク(●) |
多様なライフスタイル の提案 | ○ライフスタイルの多様化にともなうさまざまなスポーツでのデータ活用による上達支援のニーズの拡大 ○健康支援などの新たなデータサービスビジネスの立ち上がり ○先進国における生産年齢人口の減少や社会保障費の増大への対応として、国をあげた健康寿命延伸への政策的取り組み | ●競合データサービスの進化によるプレゼンス低下 ●健康志向への関心低迷によるデータサービスビジネスへの影響 |
豊かで彩のある暮らし の実現 | ○多様な価値観、趣味、趣向に応える嗜好品の需要 | ●価値観の変化によるウエアラブル機器市場におけるプレゼンス低下 |
マテリアリティ:社会的責任の遂行 | ||
サステナビリティ 重要テーマ | 機会(〇) | リスク(●) |
ステークホルダーエン ゲージメントの向上 | ○サステナビリティに関するステークホルダーからの関心の高まり | ●不適切な対応によるステークホルダーからの信頼の失墜、企業価値の毀損 |
責任あるサプライ チェーンの実現 | ○世界的な「ビジネスと人権」への関心の高まり | ●当社およびサプライチェーンにおける人権侵害の発生 |
人権の尊重と ダイバーシティの推進 | ○自由闊達で風通しの良い組織風土の醸成による企業パフォーマンスの向上 ○世界的な「ビジネスと人権」への関心の高まり ○DE&Iの認知や理解、社会的マイノリティに対する意識の変化 | ●組織風土の改善が進まないことによるエンゲージメントの低下、イノベーションの欠如 ●サプライチェーンを含め、重大な人権侵害が発生した場合、企業価値の毀損 ●DE&Iが進まないことによるエンゲージメントの低下 |
ガバナンスの強化 | ○ガバナンス体制の強化による戦略推進の加速、変化への対応力向上 ○適切なリスクテイクによる競争力の向上 | ●ガバナンス不全にともなう戦略進捗の遅れ、組織力低下 ●コンプライアンス違反による損失の発生、社会的信用の失墜 |