有価証券報告書-第73期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.世界経済
当連結会計年度における世界景気は、1月までは、全体としては緩やかに回復基調でありましたが、2月以降、日本をはじめとする米国・欧州・中国・ASEANなど全世界経済は、感染症拡大の影響により急速な景気の減速となりました。
b.自動車業界
自動車業界におきましても、こうした感染症の拡大に伴う急速な景気減速により販売台数は世界全体で前年を下回りました。
c.取り組み
当社グループでは、「安全第一の徹底」「グループを挙げた品質の確保」「人材の育成と労働の質向上」「グローバルでのモノづくり・供給体制の着実な強化」「次世代製品の開発」「収益基盤の強化」「企業市民としての活動と健全な労使関係の維持構築」に持続的に取り組んでまいりました。
新製品開発では、第46回東京モーターショーに「人の移動を豊かにする」をコンセプトに将来コックピット(体験型)を出展し、体験を通じて、当社の提案する未来のモビリティー社会を紹介しました。
また、事業領域の更なる拡大を狙い、キムラユニティー株式会社(本社:愛知県名古屋市)と共同で「デジタルキーシステム」を活用した社用車向けサービスの実証実験を開始しました。当社の通信・暗号技術を強みに、シェアリングサービスと協業することにより、利用者の利便性の向上、新たな価値の創造に向けて貢献してまいります。
加えて、提案し量産化された製品では、「統合レバーコンビネーションスイッチ」(ダイハツ工業株式会社)があり、「ラ・ロックⅡ」(トヨタホーム株式会社)におきまして、商品力向上への貢献を評価頂きました。
このほか、東京都渋谷区にデザインオフィスを開設しました。リアルタイムな実体験を通して得た発想を活かし、これまでにない自由で最先端の魅力的な商品企画を行い、新たな価値創造を目指してまいります。
また、経済産業省と日本健康会議が共同で顕彰する「健康経営優良法人認定制度」において、当社は、2020年3月に健康保持増進の取り組みが認められ「ホワイト500」の認定を受けました。
このような活動を通じて、更なる成長のための経営体質の強化を図ってまいりました。
一方、感染症が拡大してきた2月以降は、当社では感染症拡大防止のため、従業員どうしの接触を減らしていくことを目的に、在宅勤務やWeb会議の推進、ソーシャルディスタンスの確保、従業員へのマスクの配布・着用等の施策を実施しました。また、当社グループとして中国基金会への義援金拠出など地域貢献としての活動もしてまいりました。
d.当期実績
当連結会計年度の業績につきましては、連結売上高は500,002百万円と、前連結会計年度に比べ7,643百万円(△1.5%)の減収となりました。利益につきましては、連結営業利益は22,597百万円と、前連結会計年度に比べ7,021百万円(△23.7%)の減益となりました。連結経常利益は22,914百万円と、前連結会計年度に比べ7,196百万円(△23.9%)の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は15,067百万円と、前連結会計年度に比べ3,023百万円(△16.7%)の減益となりました。なお、感染症拡大による当社業績への影響額は、売上高86億円減少、営業利益30億円減少であります。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(日本)
新型車種への拡販などにより、売上高は304,695百万円と、前連結会計年度に比べ1,590百万円(0.5%)の増収となりました。営業利益は、売上高の増加や合理化努力があったものの、研究開発費の増加などにより5,607百万円と、前連結会計年度に比べ3,513百万円(△38.5%)の減益となりました。
(北米)
米国における収益認識基準が変更になったことなどにより、売上高は102,291百万円と、前連結会計年度に比べ2,581百万円(△2.5%)の減収となりました。営業利益は、売価変動の影響などにより1,494百万円と、前連結会計年度に比べ26百万円(△1.7%)の減益となりました。
(アジア)
感染症拡大に伴う、主要客先向け売上高の減少などにより、売上高は132,514百万円と、前連結会計年度に比べ3,587百万円(△2.6%)の減収となりました。営業利益は、合理化努力があったものの売上高の減少や売価変動の影響などにより13,494百万円と、前連結会計年度に比べ3,519百万円(△20.7%)の減益となりました。
(その他)
売上高は30,843百万円と、前連結会計年度に比べ2,931百万円(△8.7%)の減収となりました。営業利益は1,764百万円と、前連結会計年度に比べ139百万円(△7.3%)の減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、65,429百万円となり前連結会計年度末より9,702百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は前連結会計年度に比べ、2,427百万円増加し、40,346百万円となりました。これは主に売上債権の回収が15,305百万円増加した結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は前連結会計年度に比べ、9,644百万円減少し、22,289百万円となりました。これは主に有価証券の売却及び償還による収入が8,300百万円増加した結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は前連結会計年度に比べ、1,261百万円減少し、6,772百万円となりました。これは主に短期借入金の純増減額が1,574百万円増加した結果であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本(百万円) | 255,684 | 1.3 |
| 北米(百万円) | 102,006 | △2.1 |
| アジア(百万円) | 112,167 | △6.7 |
| 報告セグメント計(百万円) | 469,858 | △1.5 |
| その他(百万円) | 30,650 | △8.6 |
| 合計(百万円) | 500,508 | △1.9 |
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は、トヨタ自動車株式会社をはじめとして、各納入先より四半期毎及び翌月の生産計画の提示を受け、当社グループ(当社及び連結子会社)の生産能力を勘案して生産計画をたて生産しております。このため、受注実績の記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本(百万円) | 254,864 | 1.4 |
| 北米(百万円) | 101,708 | △2.5 |
| アジア(百万円) | 112,858 | △4.7 |
| 報告セグメント計(百万円) | 469,432 | △1.0 |
| その他(百万円) | 30,570 | △8.7 |
| 合計(百万円) | 500,002 | △1.5 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| トヨタ自動車㈱ | 148,073 | 29.2 | 149,485 | 29.9 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は500,002百万円、営業利益は22,597百万円、経常利益は22,914百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は15,067百万円となりました。
上記の他、当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は65,429百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,702百万円増加いたしました。これは営業活動の結果獲得した資金が40,346百万円と前連結会計年度に比べ2,427百万円増加し、投資活動の結果使用した資金が22,289百万円と前連結会計年度に比べ9,644百万円減少し、財務活動の結果使用した資金が6,722百万円と前連結会計年度に比べ1,261百万円減少したことによります。
上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは現在、必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入等により資金調達することとしております。当連結会計年度末において、社債の残高は10,000百万円であります。
当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社経営陣は、決算日における資産・負債の報告数値、偶発債務の開示、各連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。経営陣は、貸倒債権、製品の品質保証、従業員の退職給付費用に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。
(貸倒引当金)
貸倒債権については、一般債権は貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権は、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を引当計上しております。
(製品保証引当金)
製品の品質保証については、過去の保証実績を基礎にして各連結会計年度に対応する発生見込額を引当計上しております。重大な品質不具合が発生した場合には、不確実性の高い将来情報等を用いた見積り計算により、その発生見込み額を計上しております。
(退職給付引当金)
従業員の退職給付費用については、各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき引当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りを加味して計上しております。
(繰延税金資産)
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、当該課税所得を見積るにあたって、前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、製品保証引当金・退職給付引当金につきましては、「2 事業等のリスク (5)リコール等の品質問題・(13)退職給付債務」の記載に関連する会計処理であり、会社運営・業績に重大な影響を及ぼす可能性のある事項として認識しております。
④経営目標の達成状況
当社は、経営目標の達成状況を判断するための客観的指標として営業利益を用いております。目標達成のために、会社別・項目別に収益改善計画を立て、活動に取り組んでおります。2019年4月25日に公表した業績予想と比較しまして、当連結会計年度の連結営業利益は売上高の減少などにより、5,403百万円(△19.3%)の減益となりました。
| 2020年3月期 (予想) | 2020年3月期 (実績) | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高(百万円) | 510,000 | 500,002 | △9,998 | △2.0 |
| 営業利益(百万円) | 28,000 | 22,597 | △5,403 | △19.3 |