有価証券報告書-第97期(2024/04/01-2025/03/31)
② 戦略
ⅰ.シナリオ分析
a.シナリオ分析の前提
当社は、気候変動が将来にわたって与えるリスク・機会とその影響を評価し、リスクへの対応策の柔軟性と戦略のレジリエンスを高めることを目的に、段階的にシナリオ分析に取り組んでいます。
シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照し、パリ協定の目標である「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすること」を想定した1.5℃シナリオ、および、不十分な気候関連政策・規制により気温上昇幅が最大となる3℃シナリオの2つのシナリオを想定しています。
その上で、事業環境に関わる重要なトレンド(自然環境や社会の変化、技術革新など)を踏まえた影響要因を抽出し、TCFD提言に沿って移行リスクや物理リスク、気候変動への対応による機会を特定しました。
参照した既存シナリオ
b.シナリオ分析の結果
ⅱ.当社事業に重大な影響を及ぼすリスクと機会
影響を受ける時間軸は、 短期:0~3年、中期3~10年、長期10~30年程度と想定しています。
ⅰ.シナリオ分析
a.シナリオ分析の前提
当社は、気候変動が将来にわたって与えるリスク・機会とその影響を評価し、リスクへの対応策の柔軟性と戦略のレジリエンスを高めることを目的に、段階的にシナリオ分析に取り組んでいます。
シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照し、パリ協定の目標である「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすること」を想定した1.5℃シナリオ、および、不十分な気候関連政策・規制により気温上昇幅が最大となる3℃シナリオの2つのシナリオを想定しています。
その上で、事業環境に関わる重要なトレンド(自然環境や社会の変化、技術革新など)を踏まえた影響要因を抽出し、TCFD提言に沿って移行リスクや物理リスク、気候変動への対応による機会を特定しました。
参照した既存シナリオ
| 1.5℃シナリオ | 「Net‐Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」(IEA、2022年) |
| 「Representative Concentration Pathways(RCP2.6)」(IPCC、2014年) | |
| 3℃シナリオ | 「Stated Policy Scenario(STEPS)」(IEA、2022年) |
| 「Representative Concentration Pathways(RCP8.5)」(IPCC、2014年) |
b.シナリオ分析の結果
| KOAとしての重要事項 | ||||
| 環境規制 | 技術革新 | 地域・社会分断 | ||
| 社会状況とKOAへの影響 | 1.5 ℃シナリオ | ・環境規制が高まり、自社・サプライチェーンの規制が強化され、再エネ需要拡大やEV移行も進む。 [機会] ・環境対応車関連部品の売上増加 ・再エネ関連機器向け部品売上増加 [リスク] ・自社・サプライチェーンへの炭素税による事業運営(製造・原料調達)コストの増加 ・EV移行に伴う中国国籍企業の販売割合拡大による日本製品の売上減少 | ・創エネ・蓄エネ・省エネを中心に革新技術が次々と導入される(例:水素・蓄電池)。 [機会] ・エネルギー関連機器向け部品売上増加 ・再エネ普及・価格低下による自社・サプライチェーンの脱炭素化コスト減少 [リスク] ・希少資源の需要増加による再エネ関連資材の調達コスト増加 | ・国際的な分断の中で環境対策が進んだ場合、過度な国境炭素税の導入などが想定される。 [機会] ・激甚災害減少による自社のBCP対策コスト減少 [リスク] ・非効率な規制対策コスト(移行リスク)の増加 |
| 3℃シナリオ | ・不十分な対策による激甚災害の多発。加えて、水資源の利用に対する制限も生まれる。 [機会] ・BCP関連機器向け部品売上増加 [リスク] ・サプライチェーン断絶リスクに備えたBCP対策コスト増加 ・取水制限に伴う操業停止による売上減少 | ・エネルギー関連の既存技術が残り、再エネ新技術の普及・開発が遅れる。 [リスク] ・再エネ調達が困難になり自社脱炭素化コストの増加 | ・国際的な分断から、対応策が遅れて激甚災害が増加する。 [リスク] ・自社のBCP対策コスト増加 | |
| シナリオ共通影響 | - | ・CASE技術の進展やトリリオンセンサ社会への転換の中で、デジタル機器の需要が増加する。 [機会] ・車載センサなどの関連機器向け売上増加 [リスク] ・加速度的な技術革新による研究開発コスト増加 | ・国際的な分断が進んだ場合は経済成長が停滞する一方、国際協調が達成できた場合、南アジア・アフリカを含む世界全体での経済が成長する。 ・国内でも、地方部の発展が達成された場合、地方企業でも人材・競争力が確保できる。 [機会] ・南アジア・アフリカなどでの市場発展で売上増加 ・国内地方発展に伴う競争力確保で売上増加 [リスク] ・デカップリングによる市場縮小で売上減少 ・国内都市集中に伴う地方の人材不足により、競争力が低下し売上減少 | |
ⅱ.当社事業に重大な影響を及ぼすリスクと機会
| 種別 | 概要 | 影響の時間軸 | 影響額 | 対応 |
| リスク | [物理的リスク:緊急性] 生産拠点の豪雨災害による道路の寸断、サプライチェーンの物流停止に伴う売上高減少 | 短期 | 6億~19億円 長野県南部の生産規模(約50%)・復旧期間1~3週間と想定 | 製品の複数拠点生産によるリスク分散 |
| [移行リスク:規制] エネルギーコスト増加、燃料調整費や再エネ賦課金など社会システム上避けられない負担の増加 | 中期 | 1億~4億円/年 炭素税($50~$150/t)が導入されることを想定 | 拠点ごとに最適な省エネ・創エネ施策の推進 | |
| 機会 | 車の電動化による抵抗器の搭載数量の増加、ADASの拡大による高精度抵抗器の大幅な需要増加 | 中期 | 次期中期経営計画策定プロセスにおいて検討中 | 2030年に向けた供給体制を構築(生産能力の拡大) |
影響を受ける時間軸は、 短期:0~3年、中期3~10年、長期10~30年程度と想定しています。