有価証券報告書-第70期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、医用電子機器専門メーカとして、「病魔の克服と健康増進に先端技術で挑戦することにより世界に貢献すると共に社員の豊かな生活を創造する」ことを経営理念としています。そしてその実現に向け、商品、販売、サービス、技術、財務体質や人財などすべてにおいて、お客様はもとより、株主の皆様、取引先、社会から認められる企業として成長し、信頼を確立することを基本方針としています。
この基本方針の実現および当社グループの中長期的な企業価値向上のため、経営の健全性・透明性・効率性の向上を目指す経営管理体制の構築により、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることが重要な経営課題であると考えています。取締役会は取締役12名(うち社外取締役4名)で構成され、独立社外取締役が3分の1を占めています。また、女性社外取締役1名を選任しています。
当社は、監督機能の強化、経営の健全性・透明性の向上、経営の意思決定の迅速化を図るため、監査等委員会設置会社を選択するとともに、社外取締役4名で構成され社外取締役が委員長を務める指名・報酬委員会を設置しています。
(2) 目標とする経営指標
当社は、企業価値・株主価値増大に向けて連結ROE(連結自己資本当期純利益率)を経営指標としており、2021年度からスタートする3ヵ年中期経営計画「BEACON 2030 Phase I」において、10%を目標としています。
中期経営計画の推進による利益率の改善を最優先としつつ、在庫圧縮など資産効率の改善、株主還元の充実により、経営指標の達成を目指します。
(3) 経営環境
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界各国の医療提供体制に大きな影響を与えるとともに、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。国内では、患者の受診抑制や入院・手術の減少による医療機関の経営悪化が懸念される中、令和2年度補正予算の投入や診療報酬の特例措置により、新型コロナウイルスに対応する医療提供体制の整備が進められました。医療機器業界においても、各企業は感染症への対応および医療の質向上と効率化に寄与するソリューション提案がより一層求められる状況となりました。海外では、感染拡大が継続している地域において、感染症患者に対応するための医療機器の整備が進められました。
今後の見通しにつきましては、各国の経済対策や新型コロナウイルスのワクチン接種の進展等により、社会・経済活動の回復が期待されるものの、より感染力の高い変異株の感染拡大の懸念もあり、景気の先行きは不透明な状況が続くと想定されます。
(4) 会社の対処すべき課題と中長期的な経営戦略
当社グループは、10年後の2030年に向けた長期ビジョン「BEACON 2030」を昨年9月に公表し、「グローバルな医療課題の解決で、人と医療のより良い未来を創造する」ことを目指しています。そして、3つの変革「グローバルな高付加価値企業への変革」「顧客価値を追求するソリューション型事業への変革」「オペレーショナルエクセレンスを軸とするグローバル組織への変革」に取り組んでいます。
・中期経営計画「BEACON 2030 Phase I」(2021~2023年度)
2021年度からスタートする3ヵ年中期経営計画「BEACON 2030 Phase I」は、長期ビジョンの実現に向けて基盤の強化に取り組むステージであり、既存事業の収益性の改善、新たな成長領域、事業モデルの探索を進めます。
1.基本方針
・事業と企業活動を通じてサステナビリティを推進する。
・(経営)コンプライアンスの徹底とグループガバナンスの一層の強化を図る。
・(事業)既存事業の収益性を改善することで得た原資により、戦略的な先行投資を実施し、新たな成長への種を蒔く。
・(組織)グローバル・サプライチェーン・マネジメント(SCM)の構築とコーポレートの主要機能の強化により、グローバル成長の礎を築く。
2.サステナビリティの推進
SDGsを参考に、事業と企業活動を通じて注力すべき12のサステナビリティ重要課題を特定しました。事業では、長期ビジョン「BEACON 2030」で掲げた5つの新たな世界観(アクセシブル、インテリジェント、患者視点、コネクテッド、最適化)の実現を目指して8つの課題に取り組みます。企業活動では「人権・人財」「品質」「ガバナンス」「環境」の4つの重点分野で課題に取り組みます。
3.6つの重要施策
(1)(経営)コンプライアンスの徹底とガバナンスの強化
グローバル経営管理ポリシーを確立・浸透させるとともに、国内販売における内部統制システムを強化します。
(2)(事業)既存事業における収益性の改善
高い顧客価値の創造、生産性の向上、タイムリーな製品投入により既存事業の収益性の改善を目指します。
(3)(事業)グローバル事業における戦略強化
日本、米国、中国市場に注力し、欧州・新興国市場と合わせた4極体制とし、各地域での戦略強化に取り組みます。
(4)(事業)デジタルヘルスソリューション推進による新たな顧客価値の創出
バイタルデータを統合・分析するプラットフォームの構築、患者アウトカム・医療経済性を高める臨床支援アプリケーションの開発を推進します。
(5)(組織)コーポレート・デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
グローバル情報基盤・コミュニケーション基盤を整備し、働き方改革と業務の効率化を推進します。
(6)(組織)グローバル・サプライチェーン・マネジメント(SCM)の構築
DXによりサプライチェーン全体を見える化し、調達・生産・物流でのプロセス改革を推進します。
4.人財育成・組織風土改革
7つのグローバル共通価値基準(Integrity、Humbleness、Diversity、Initiative、Customer Centric、Goal Oriented、Creativity)に基づき、新たな人事制度の導入およびグローバル人財育成プログラムの拡充により、医療への貢献にやりがいと誇りを持てる組織風土の醸成に取り組みます。
5.経営目標値
「BEACON 2030 Phase I」の初年度である2021年度は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う特需の反動が想定されますが、最小限に抑えられるように努めます。6つの重要施策を着実に遂行し、経営目標値の達成を目指すとともに、事業と企業活動を通じてサステナビリティを推進します。
・国内販売における内部統制システムの強化
本年1月に当社元社員3名が国立大学法人三重大学医学部附属病院の生体情報モニタ商談に関連した贈賄の疑いにより逮捕・起訴された事案(以下「コンプライアンス事案」という)につきまして、当社独立社外取締役2名、外部の弁護士2名を含む調査委員会を設置し、事実関係の解明、原因分析等の調査を行いました。4月に受領した調査報告書を踏まえ、コンプライアンス体制の見直し、寄附金ウェブ申請方式の導入、受注前プロセスにおけるシステム統制、コンプライアンス教育の徹底などの再発防止策を実施します。経営会議の下部機関として設置した再発防止策実行管理委員会の下、再発防止策を早期かつ確実に実施し、ステークホルダーの皆様からの信頼回復に努めます。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、医用電子機器専門メーカとして、「病魔の克服と健康増進に先端技術で挑戦することにより世界に貢献すると共に社員の豊かな生活を創造する」ことを経営理念としています。そしてその実現に向け、商品、販売、サービス、技術、財務体質や人財などすべてにおいて、お客様はもとより、株主の皆様、取引先、社会から認められる企業として成長し、信頼を確立することを基本方針としています。
この基本方針の実現および当社グループの中長期的な企業価値向上のため、経営の健全性・透明性・効率性の向上を目指す経営管理体制の構築により、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることが重要な経営課題であると考えています。取締役会は取締役12名(うち社外取締役4名)で構成され、独立社外取締役が3分の1を占めています。また、女性社外取締役1名を選任しています。
当社は、監督機能の強化、経営の健全性・透明性の向上、経営の意思決定の迅速化を図るため、監査等委員会設置会社を選択するとともに、社外取締役4名で構成され社外取締役が委員長を務める指名・報酬委員会を設置しています。
(2) 目標とする経営指標
当社は、企業価値・株主価値増大に向けて連結ROE(連結自己資本当期純利益率)を経営指標としており、2021年度からスタートする3ヵ年中期経営計画「BEACON 2030 Phase I」において、10%を目標としています。
中期経営計画の推進による利益率の改善を最優先としつつ、在庫圧縮など資産効率の改善、株主還元の充実により、経営指標の達成を目指します。
(3) 経営環境
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界各国の医療提供体制に大きな影響を与えるとともに、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。国内では、患者の受診抑制や入院・手術の減少による医療機関の経営悪化が懸念される中、令和2年度補正予算の投入や診療報酬の特例措置により、新型コロナウイルスに対応する医療提供体制の整備が進められました。医療機器業界においても、各企業は感染症への対応および医療の質向上と効率化に寄与するソリューション提案がより一層求められる状況となりました。海外では、感染拡大が継続している地域において、感染症患者に対応するための医療機器の整備が進められました。
今後の見通しにつきましては、各国の経済対策や新型コロナウイルスのワクチン接種の進展等により、社会・経済活動の回復が期待されるものの、より感染力の高い変異株の感染拡大の懸念もあり、景気の先行きは不透明な状況が続くと想定されます。
(4) 会社の対処すべき課題と中長期的な経営戦略
当社グループは、10年後の2030年に向けた長期ビジョン「BEACON 2030」を昨年9月に公表し、「グローバルな医療課題の解決で、人と医療のより良い未来を創造する」ことを目指しています。そして、3つの変革「グローバルな高付加価値企業への変革」「顧客価値を追求するソリューション型事業への変革」「オペレーショナルエクセレンスを軸とするグローバル組織への変革」に取り組んでいます。
・中期経営計画「BEACON 2030 Phase I」(2021~2023年度)
2021年度からスタートする3ヵ年中期経営計画「BEACON 2030 Phase I」は、長期ビジョンの実現に向けて基盤の強化に取り組むステージであり、既存事業の収益性の改善、新たな成長領域、事業モデルの探索を進めます。
1.基本方針
・事業と企業活動を通じてサステナビリティを推進する。
・(経営)コンプライアンスの徹底とグループガバナンスの一層の強化を図る。
・(事業)既存事業の収益性を改善することで得た原資により、戦略的な先行投資を実施し、新たな成長への種を蒔く。
・(組織)グローバル・サプライチェーン・マネジメント(SCM)の構築とコーポレートの主要機能の強化により、グローバル成長の礎を築く。
2.サステナビリティの推進
SDGsを参考に、事業と企業活動を通じて注力すべき12のサステナビリティ重要課題を特定しました。事業では、長期ビジョン「BEACON 2030」で掲げた5つの新たな世界観(アクセシブル、インテリジェント、患者視点、コネクテッド、最適化)の実現を目指して8つの課題に取り組みます。企業活動では「人権・人財」「品質」「ガバナンス」「環境」の4つの重点分野で課題に取り組みます。
3.6つの重要施策
(1)(経営)コンプライアンスの徹底とガバナンスの強化
グローバル経営管理ポリシーを確立・浸透させるとともに、国内販売における内部統制システムを強化します。
(2)(事業)既存事業における収益性の改善
高い顧客価値の創造、生産性の向上、タイムリーな製品投入により既存事業の収益性の改善を目指します。
(3)(事業)グローバル事業における戦略強化
日本、米国、中国市場に注力し、欧州・新興国市場と合わせた4極体制とし、各地域での戦略強化に取り組みます。
(4)(事業)デジタルヘルスソリューション推進による新たな顧客価値の創出
バイタルデータを統合・分析するプラットフォームの構築、患者アウトカム・医療経済性を高める臨床支援アプリケーションの開発を推進します。
(5)(組織)コーポレート・デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
グローバル情報基盤・コミュニケーション基盤を整備し、働き方改革と業務の効率化を推進します。
(6)(組織)グローバル・サプライチェーン・マネジメント(SCM)の構築
DXによりサプライチェーン全体を見える化し、調達・生産・物流でのプロセス改革を推進します。
4.人財育成・組織風土改革
7つのグローバル共通価値基準(Integrity、Humbleness、Diversity、Initiative、Customer Centric、Goal Oriented、Creativity)に基づき、新たな人事制度の導入およびグローバル人財育成プログラムの拡充により、医療への貢献にやりがいと誇りを持てる組織風土の醸成に取り組みます。
5.経営目標値
「BEACON 2030 Phase I」の初年度である2021年度は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う特需の反動が想定されますが、最小限に抑えられるように努めます。6つの重要施策を着実に遂行し、経営目標値の達成を目指すとともに、事業と企業活動を通じてサステナビリティを推進します。
| (億円) | 2024年3月期経営目標値 | |
| 売上高 | 1,970 | |
| 国内売上高 | 1,340 | |
| 海外売上高 | 630 | |
| 営業利益 営業利益率 | 200 10.2% | |
| ROE | 10% | |
・国内販売における内部統制システムの強化
本年1月に当社元社員3名が国立大学法人三重大学医学部附属病院の生体情報モニタ商談に関連した贈賄の疑いにより逮捕・起訴された事案(以下「コンプライアンス事案」という)につきまして、当社独立社外取締役2名、外部の弁護士2名を含む調査委員会を設置し、事実関係の解明、原因分析等の調査を行いました。4月に受領した調査報告書を踏まえ、コンプライアンス体制の見直し、寄附金ウェブ申請方式の導入、受注前プロセスにおけるシステム統制、コンプライアンス教育の徹底などの再発防止策を実施します。経営会議の下部機関として設置した再発防止策実行管理委員会の下、再発防止策を早期かつ確実に実施し、ステークホルダーの皆様からの信頼回復に努めます。