有価証券報告書-第74期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、その創業の精神である「和協一致、仕事に魂を打ち込み、社会に奉仕したい」をさらに高揚させ、当社グループとしての誇りを堅持し、優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献することを経営の基本理念としています。あわせて、企業が社会の一員であることを深く認識し、公正かつ透明な企業行動に徹するとともに、環境との調和、積極的な社会貢献活動を通じ、良識ある市民として真に豊かな社会の実現に尽力していきます。加えて、当社グループの経営に当たっては、事業活動において各国の法令を超えて適用される共通規範である「マクセルグループ行動規範」を遵守していきます。また、すべてのステークホルダーの視点に立ち、経営の意思決定及び業務執行の迅速化を行うとともに、その監視体制を充実させるための基本方針である「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を定めガバナンス体制を強化し、持続的な成長と中期的な企業価値向上を図っていきます。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは、今後の成長が期待される自動車、住生活・インフラ、健康・理美容をはじめとするさまざまな分野でユニークな技術を活かした特徴ある製品・サービスを強化していくとともに、資本効率性の向上に努めていきます。なお、2019年4月に、2021年3月期において売上高1,730億円、営業利益100億円、ROE6.0%以上の達成をめざすことを公表しておりましたが、前期において大きな損失を計上したことや足元の経営環境を踏まえ、これを売上高1,400億円、営業利益5億円、親会社株主に帰属する当期純利益2億円へと見直しを行いました。また、2021年3月期は将来の企業価値向上に向けた事業改革の年と位置付け、事業ポートフォリオ改革、収益面の課題がある事業への具体的対策、事業部門別ROIC管理や製品群別・機種別の収益管理による財務規律の徹底を力強く推進し、抜本的な事業改革を実行することとしています。
(3) 経営環境
グローバルの経済環境は、2020年3月期第4四半期において新型コロナウイルス感染症が急速に拡大し、2021年3月期はさらなる感染拡大・長期化により、リーマンショック以上の世界的な景気後退が予想される状況となっています。新型コロナウイルス感染症の拡大による当社への影響は、国内外工場の操業度、製品・部品の調達、消費マインドの低下による販売の減少など広範囲にわたり、特に、自動車、半導体、民生用電子機器といった市場の低迷は、当社の事業にも大きく影響すると考えます。
このような状況のもと当社グループにおいては、エネルギーセグメントでは、マイクロ電池を中心に、自動車市場やスマートメーター向けを成長の柱として強化する一方で、民生用リチウムイオン電池については、ポートフォリオの見直しを行います。産業用部材料セグメントでは、自動車市場向け光学部品、粘着テープや工業用ゴム製品、車載用リチウムイオン電池向け塗布型セパレーターなどの機能性材料、半導体関連組込みシステムなどを柱に事業拡大を図ります。電器・コンシューマーセグメントでは、プロジェクターやエステ家電については、マクセルブランドの販売拡大や新たな販売ルートの開拓も含めた販売体制の再構築による販売回復を図ります。
また、すべてのセグメントにおいて事業ポートフォリオの改革と継続的な原価低減を進めるとともに、当連結会計年度までに新たに加わった連結子会社も含めた当社グループ内のシナジー効果の実現を図っていきます。
(4) 当社グループが対処すべき課題及び経営戦略
当社グループでは、「スマートライフをサポート 人のまわりにやすらぎと潤い」を経営ビジョンに掲げており、強みである「グローバル」展開、「モノづくり力」、「アナログコア技術」を競争力強化に活用することにより、グローバル成長をめざすこととしており、以下の戦略を実行していきます。
a アナログコア技術による差別化・競争力強化
当社は、「混合分散」「精密塗布」「高精度成形」の3つを「アナログコア技術」と呼んでおり、当社グループの強みのなかでも特に独自性が高いものと考えています。「混合分散」は、主に当社の創業製品である電池で培った、性状の異なる素材を均一に混合分散する技術であり、数多くの一次電池、二次電池において高い品質を実現してきました。「精密塗布」は、主に磁気テープで培った、ナノメートル単位の超薄膜精密塗布技術であり、高画質の業務用ビデオテープ、大容量データカートリッジなどを製品化し、現在は産業用部材料や電池製品に活かされています。「高精度成形」は、主に光ディスク、レンズや電鋳製品で培った、超精密金型技術と精密成形技術であり、自動車市場向け光学部品や精密電子部品において活かされています。当社は、今後こうした「アナログコア技術」に立脚した事業を成長の主軸と位置付け、事業ポートフォリオ改革を進めるとともに、競合他社との差別化・競争力強化をめざしていきます。
b 成長3分野を基軸とした成長の実現
自動車分野、住生活・インフラ分野、健康・理美容分野を成長3分野と位置づけて、積極的に市場を開拓するとともに売上高・利益の拡大を図ります。成長3分野に関わる、市場環境、主要製品、基本戦略と課題は以下のとおりです。
(自動車)
自動車分野では、2018年から2019年にて世界の自動車生産台数が年間1億台に達すると予想していましたが、2018年以降の米中通商摩擦の長期化により、2018年、2019年と2年連続で対前年で減少し、2020年3月期末の時点では、年間9千万台程度の市場規模になったと考えています。
また2020年年初に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大による市場低迷により、2020年も対前年同程度、あるいは減少となる可能性があると考えています。特に、当社が成長市場として期待していた、中国や東南アジア・インドなどにおいて減少傾向が顕著となっています。
なお、中長期的な予想としては、2021年以降徐々に成長基調に戻り、2024年から2025年において年間1億台に到達すると考えています。
また一方で、CASE (Connected、Autonomous、Shared、Electric)など、自動車の自動運転化や電動化に向けたさらなる進化が図られており、関連した部品・材料など、当社の事業機会は拡大すると予想しています。
(住生活・インフラ)
住生活・インフラ分野では、住環境のスマート化やIoT化に伴い、センシングや安全・安心、快適をキーワードとして、次世代に向けた新たな機器や社会インフラ構築の需要が高まっていくと考えています。中でも、半導体や民生用電子機器、住宅の建設などに係る需要動向が影響します。
当社では、こうした変化を捉え、さまざまな用途やアプリケーションに対応していくため、ハイエンドプロジェクター、スマートメーター向け電源用電池、建材・養生用テープ、半導体関連組込みシステム、電設工具など、社会課題の解決に不可欠なキーデバイスの提供による成長をめざしています。
なお、住生活・インフラ分野においても新型コロナウイルスの影響がありますが、製品や事業によって、マイナス影響だけでなくプラス影響が出る可能性も想定されます。当社では、製品や事業別に需要動向を見極めながら事業戦略を検討していきます
(健康・理美容)
健康・理美容分野では、アンチエイジングや高齢化、健康・美容への意識の高まりを背景として、関連製品の需要が増加して行くと予想しています。特に新型コロナウイルスの感染拡大は、社会の健康や衛生に対する意識をさらに向上させたと考えられます。
当社では、健康・理美容機器や空気・水関連製品など多様な顧客ニーズに応えるオンリー・ワン製品の開発を中心に成長をめざすとともに、プロジェクターや健康・理美容機器については、マクセル (maxell)に加えて、業務用ルート向けレクサム (llexam)、さらにはイズミ (IZUMI)の3つのブランドを自社ルートで販売するほか、顧客のブランドに対応したOEM事業も行っていきます。
なお、健康・理美容分野においても新型コロナウイルスの影響については、製品や事業によって、マイナス影響だけでなくプラス影響が出る可能性も想定されます。当社では、製品や事業別に需要動向を見極めながら事業戦略を検討していきます。
c 強靭・機動的な経営体質の確立
当社グループは、中長期的な成長の促進と強靭で機動的な経営体質の確立をめざした持株会社体制のもと、事業会社への事業執行権限の移譲を進めることで、経営のスピードアップによる既存事業規模の拡大を加速するとともに、持株会社である当社は、グループ全体の経営管理に加え、マクセルビジネスプラットフォーム(MBP)戦略の推進によるビジネス領域の拡充と、新規事業の創出に取り組みました。今後は、MBP戦略により当社グループに加わった新たな事業や事業会社とのシナジーの早期実現を図っていきます。
また、事業の成長に加え、当社グループ全体の収益性を大幅に向上させるために、ポートフォリオの改革、コストの削減、オペレーションの質向上にスピードをもって取り組みます。
ポートフォリオ改革においては、製品群別・機種別の収益管理を徹底することで、伸ばすべき事業と縮小・撤退を図るべき事業を見極め、対策を実行していきます。原価低減においてはVE (Value Engineering)の推進、調達・物流コストの低減に加え、特に間接部門において当社グループ全体の人財、経費等の資産・資源を適正に活用することにより業務効率向上に取り組みます。
d 新たなコーポレートブランドの構築
多様なステークホルダーとのコミュニケーションに対する投資を継続してブランド価値の向上を図ります。また、自主独立経営を一層強化していくうえで、マクセルブランドの再構築を大きな課題と考えております。マクセルユニーク追求による脱コモディティへのブランディング、パブリシティ、SNSの活用強化、CSV(Creating Shared Value、共通価値創造)の推進、株主・投資家等との積極的な対話を基本施策として新たなコーポレートブランドの構築に取り組みます。
e 資本効率性の向上
資本効率性の向上を経営課題に掲げています。株主の皆様からの投資に対するリターンを高めるべく、資本効率性を向上する経営の実践に取り組みます。成長のための投資を十分に確保する一方、投資案件を厳選することによって、投資額に対する収益率を高めていきます。また、ROEを重視した経営を実践するとともに、資本効率性を踏まえた株主還元策を実施していきます。
また、中期的な経営戦略の実践のために当社グループが対処すべきその他の課題は次のとおりであります。
人財育成の強化
組織においては人財の活用が企業経営における最重要課題のひとつであると認識しています。経営環境の変化に対応した人員の効率的な配置と効率的な活用を図り、公正で透明性のある人事評価制度を確立させるとともに、ダイバーシティを推進することにより組織・人財のグローバル化を図り、元気で活力のある企業をめざしていきます。
CSR(企業の社会的責任)を意識した企業経営
CSRを意識して企業価値を向上させることは、企業経営における最重要課題のひとつであると認識しています。環境保全に配慮し持続可能な資源循環型社会の構築をめざした事業活動や製品開発を行う環境経営や、地域社会との共生をめざした社会貢献を積極的に行うとともに、リスク管理体制の強化や内部統制システムの整備によりコンプライアンス経営の徹底を推進します。特に、独占禁止法をはじめとする法令遵守の徹底につきましては、日本ばかりでなく欧米・アジアにおいても強力に推進していきます。当社は、これらの施策を通じて、すべてのステークホルダーから信頼される企業グループをめざしていきます。
コーポレートガバナンスの強化
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的に2015年10月に「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定し、適正な情報開示と透明性の確保に努め、取締役会の役割・責務を適切に果たすとともに、株主及び投資家との建設的な対話(エンゲージメント)をさらに活性化させていきます。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、その創業の精神である「和協一致、仕事に魂を打ち込み、社会に奉仕したい」をさらに高揚させ、当社グループとしての誇りを堅持し、優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献することを経営の基本理念としています。あわせて、企業が社会の一員であることを深く認識し、公正かつ透明な企業行動に徹するとともに、環境との調和、積極的な社会貢献活動を通じ、良識ある市民として真に豊かな社会の実現に尽力していきます。加えて、当社グループの経営に当たっては、事業活動において各国の法令を超えて適用される共通規範である「マクセルグループ行動規範」を遵守していきます。また、すべてのステークホルダーの視点に立ち、経営の意思決定及び業務執行の迅速化を行うとともに、その監視体制を充実させるための基本方針である「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を定めガバナンス体制を強化し、持続的な成長と中期的な企業価値向上を図っていきます。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは、今後の成長が期待される自動車、住生活・インフラ、健康・理美容をはじめとするさまざまな分野でユニークな技術を活かした特徴ある製品・サービスを強化していくとともに、資本効率性の向上に努めていきます。なお、2019年4月に、2021年3月期において売上高1,730億円、営業利益100億円、ROE6.0%以上の達成をめざすことを公表しておりましたが、前期において大きな損失を計上したことや足元の経営環境を踏まえ、これを売上高1,400億円、営業利益5億円、親会社株主に帰属する当期純利益2億円へと見直しを行いました。また、2021年3月期は将来の企業価値向上に向けた事業改革の年と位置付け、事業ポートフォリオ改革、収益面の課題がある事業への具体的対策、事業部門別ROIC管理や製品群別・機種別の収益管理による財務規律の徹底を力強く推進し、抜本的な事業改革を実行することとしています。
(3) 経営環境
グローバルの経済環境は、2020年3月期第4四半期において新型コロナウイルス感染症が急速に拡大し、2021年3月期はさらなる感染拡大・長期化により、リーマンショック以上の世界的な景気後退が予想される状況となっています。新型コロナウイルス感染症の拡大による当社への影響は、国内外工場の操業度、製品・部品の調達、消費マインドの低下による販売の減少など広範囲にわたり、特に、自動車、半導体、民生用電子機器といった市場の低迷は、当社の事業にも大きく影響すると考えます。
このような状況のもと当社グループにおいては、エネルギーセグメントでは、マイクロ電池を中心に、自動車市場やスマートメーター向けを成長の柱として強化する一方で、民生用リチウムイオン電池については、ポートフォリオの見直しを行います。産業用部材料セグメントでは、自動車市場向け光学部品、粘着テープや工業用ゴム製品、車載用リチウムイオン電池向け塗布型セパレーターなどの機能性材料、半導体関連組込みシステムなどを柱に事業拡大を図ります。電器・コンシューマーセグメントでは、プロジェクターやエステ家電については、マクセルブランドの販売拡大や新たな販売ルートの開拓も含めた販売体制の再構築による販売回復を図ります。
また、すべてのセグメントにおいて事業ポートフォリオの改革と継続的な原価低減を進めるとともに、当連結会計年度までに新たに加わった連結子会社も含めた当社グループ内のシナジー効果の実現を図っていきます。
(4) 当社グループが対処すべき課題及び経営戦略
当社グループでは、「スマートライフをサポート 人のまわりにやすらぎと潤い」を経営ビジョンに掲げており、強みである「グローバル」展開、「モノづくり力」、「アナログコア技術」を競争力強化に活用することにより、グローバル成長をめざすこととしており、以下の戦略を実行していきます。
a アナログコア技術による差別化・競争力強化
当社は、「混合分散」「精密塗布」「高精度成形」の3つを「アナログコア技術」と呼んでおり、当社グループの強みのなかでも特に独自性が高いものと考えています。「混合分散」は、主に当社の創業製品である電池で培った、性状の異なる素材を均一に混合分散する技術であり、数多くの一次電池、二次電池において高い品質を実現してきました。「精密塗布」は、主に磁気テープで培った、ナノメートル単位の超薄膜精密塗布技術であり、高画質の業務用ビデオテープ、大容量データカートリッジなどを製品化し、現在は産業用部材料や電池製品に活かされています。「高精度成形」は、主に光ディスク、レンズや電鋳製品で培った、超精密金型技術と精密成形技術であり、自動車市場向け光学部品や精密電子部品において活かされています。当社は、今後こうした「アナログコア技術」に立脚した事業を成長の主軸と位置付け、事業ポートフォリオ改革を進めるとともに、競合他社との差別化・競争力強化をめざしていきます。
b 成長3分野を基軸とした成長の実現
自動車分野、住生活・インフラ分野、健康・理美容分野を成長3分野と位置づけて、積極的に市場を開拓するとともに売上高・利益の拡大を図ります。成長3分野に関わる、市場環境、主要製品、基本戦略と課題は以下のとおりです。
(自動車)
自動車分野では、2018年から2019年にて世界の自動車生産台数が年間1億台に達すると予想していましたが、2018年以降の米中通商摩擦の長期化により、2018年、2019年と2年連続で対前年で減少し、2020年3月期末の時点では、年間9千万台程度の市場規模になったと考えています。
また2020年年初に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大による市場低迷により、2020年も対前年同程度、あるいは減少となる可能性があると考えています。特に、当社が成長市場として期待していた、中国や東南アジア・インドなどにおいて減少傾向が顕著となっています。
なお、中長期的な予想としては、2021年以降徐々に成長基調に戻り、2024年から2025年において年間1億台に到達すると考えています。
また一方で、CASE (Connected、Autonomous、Shared、Electric)など、自動車の自動運転化や電動化に向けたさらなる進化が図られており、関連した部品・材料など、当社の事業機会は拡大すると予想しています。
| 主な製品 | 事業 セグメント | 基本戦略・内容 | 課題等 |
| 耐熱コイン形リチウム電池(耐熱CR) | エネルギー | 「圧倒的世界シェアNo.1」・タイヤ空気圧監視システム(TPMS)においてタイヤ内部に装着され「低高温(-40~125℃)、重加速度(2000G)」といった環境下で安定した動作の実現が必要。独自の材料技術や封止技術により市場の要求に対応・TPMS主力メーカーとの共同開発の推進など強固な顧客基盤を保有・各国で法制化が進むなか、圧倒的トップポジションの継続的確保をめざす。特に成長が期待される中国の需要取り込みに重点 | ・中国の自動車市場の低迷 ・小型・軽量化への対応 ・市況に合わせたコストダウン |
| 電磁波吸収部材(ミリ波対応) | 産業用部材料 | 「車載メーカーへのデザインインによる案件獲得」・混合分散・精密塗布技術により、高い電磁波吸収特性や剛性など物理特性を確保しつつ量産体制を構築・市場の本格的伸長は2021年以降欧州中心。2025年で市場シェア2%をめざす | ・車載機器メーカーへのデザインインによる案件獲得の加速 ・量産技術の確立 |
| 車載カメラ用レンズユニット | 産業用部材料 | 「主力メーカーとしての地位の継続確保」・世界市場シェア20%をめざし、主力メーカーとしての地位を継続確保・光学設計、高精度成形技術を活用し、ガラス・プラスチックレンズを組合わせたハイブリッド構造により高精度、高耐久性、低コストを実現・ビューイング用からセンシング用への需要の変化に伴うより高度な要求仕様への対応 | ・自動車市場の低迷 ・製造工場のさらなる自動化によるコスト競争力強化 |
| 主な製品 | 事業 セグメント | 基本戦略・内容 | 課題等 |
| LEDヘッドランプレンズ | 産業用部材料 | 「圧倒的世界シェアNo.1」・プロジェクターで培った光学設計、高精度成形技術を活用し、高精度な製品を提供・配光可変ヘッドランプ(ADB)など、ヘッドランプの進化への対応 | ・自動車市場の低迷 ・レンズ単体事業から、周辺部品、ユニット化への対応拡大による付加価値向上 |
| HUD (ヘッドアップディスプレイ) | 電器・コンシューマー | 「中国市場を起点とした事業立上げ」・プロジェクターで培った光学技術、遠方表示、小型化、省電力化といったノウハウを活用・世界初となる拡張現実(AR)技術を搭載したAR-HUDで、成長市場である中国の自動車メーカーの採用による市場ポジションを構築。2020年度中に量産開始 | ・中国の自動車市場の低迷 ・案件の増加・多様化にともなう開発費増加への対応 |
| 塗布型セパレーター(宇部マクセル京都) | 産業用部材料 | 「車載リチウムイオン電池用高性能セパレーター・メーカーとしての地位を継続確保」・宇部マクセルとの一体運営により、同社の持つ乾式セパレーター技術と当社の無機材料塗布技術の強みを融合し、車載リチウムイオン電池用に高性能で安全性の高い塗布型セパレーターを供給・EVやHV市場の伸びに合わせた能力増強を図るとともに、高機能セパレーター開発により主力メーカーとしての地位を継続確保 | ・自動車市場の低迷 ・生産性向上によるコスト競争力強化 ・高機能セパレーターの開発 |
(住生活・インフラ)
住生活・インフラ分野では、住環境のスマート化やIoT化に伴い、センシングや安全・安心、快適をキーワードとして、次世代に向けた新たな機器や社会インフラ構築の需要が高まっていくと考えています。中でも、半導体や民生用電子機器、住宅の建設などに係る需要動向が影響します。
当社では、こうした変化を捉え、さまざまな用途やアプリケーションに対応していくため、ハイエンドプロジェクター、スマートメーター向け電源用電池、建材・養生用テープ、半導体関連組込みシステム、電設工具など、社会課題の解決に不可欠なキーデバイスの提供による成長をめざしています。
なお、住生活・インフラ分野においても新型コロナウイルスの影響がありますが、製品や事業によって、マイナス影響だけでなくプラス影響が出る可能性も想定されます。当社では、製品や事業別に需要動向を見極めながら事業戦略を検討していきます
| 主な製品 | 事業 セグメント | 基本戦略・内容 | 課題等 |
| 筒形リチウム電池(筒形CR) | エネルギー | 「主力メーカーとしての地位の継続確保」・世界市場シェア22%をめざし、主力メーカーとしての地位を継続確保・ガスや電気などのスマートメーターの自動検針システムなどIoT化に対応・独自の材料技術や封止技術によりさらなる高容量化・長寿命化を図る・国内外主力メーターメーカーとの長年の関係活用 | ・社会インフラ向け製品であり、顧客との信頼関係構築は長期化 ・さらなる品質向上による差別化 ・市況に合わせたコストダウン |
| 主な製品 | 事業 セグメント | 基本戦略・内容 | 課題等 |
| リチウムイオン電池 | エネルギー | 「収益性の確保」・リチウムイオン電池事業は角形電池が大半を占めるが需要は対前年マイナス20%程度の縮小傾向・民生用(ゲーム機向け販売)が主力であるが、新製品の投入などによりさらなる減少も想定。但し新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う「STAY HOME」需要拡大による一時的需要増には確実に対応・事業全体としては縮小傾向にあり、リソースの車載用電池へのシフトなど固定費削減を図り、収益性の確保をめざす | ・高い市場ボラティリティ ・市場価格の継続的下落 |
| 半導体製造用テープ(ダイシングテープ) | 産業用部材料 | 「中国・台湾向け販売拡大」・中国、台湾などの主力半導体メーカーとの関係強化・独自の混合分散・精密塗布技術により、半導体製造工程の変化に合わせ最適製品を開発 | ・2020年は米中貿易摩擦の影響による半導体市場低迷が継続 |
| 半導体製造装置向け組込みシステム | 産業用部材料 | 「主力半導体製造装置メーカーとのさらなる関係強化」・従来通り顧客とのデザインイン、半導体製造装置に係る独自の設計ノウハウを最大限活用・国内製造拠点を複数化し、顧客の要求に沿った柔軟な供給体制構築を検討・新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う「STAY HOME」推進がテレワークを増大。これに伴いデータセンターやパソコンの需要が増大し、半導体製造装置の需要も回復するなど、市場の変化への迅速な対応を実行 | ・半導体製造装置市場は2020年は回復傾向 |
| 気密住宅用テープ(気密防水テープ) | 産業用部材料 | 「北米・東南アジア市場の開拓」・北米は高気密住宅向け、東南アジアは住宅・建物の防水用途製品と、地域別市場開拓を推進・独自の混合分散・精密塗布技術で、高気密住宅向けは製品ラインアップを拡充、防水用途では粘着テープとゴムシートを組合せたソリューションも提案 | ・各国・地域別の現地販売パートナー確保 ・高気密化や防水用途需要の喚起 ・景気低迷による住宅や建設需要の低迷 |
| 遮熱断熱フィルム | 産業用部材料 | 「2025年を目途に市場ポジション確保を目標」・新製品として遮熱断熱用ウインドウフィルムを商品化・建材商社、施工会社への販売に加え、ウインドウフィルムメーカーへのOEM供給も模索・2020年は独自の混合分散・精密塗布技術により、安定した品質での量産技術を確立。また、映像投影に対応したスクリーンフィルムの開発 | ・顧客・販売ルートの確保 ・量産技術の確立 |
| EF2製品(有機ELパネル用マスク) | 産業用部材料 | 「有機ELパネル用マスクも含めた販売拡大」・EF2(エレクトロ・ファイン・フォーミング)とは電鋳加工を使った独自の高精度成形技術・製品であり、エッチング加工では不可能な微細加工を実現・映像表示装置の需要は液晶パネルから、より高解像の有機ELパネルに移行中・有機ELパネル用マスクは販路拡大による販売増加を図るとともに、他のEF2製品の販売拡大を図る | ・民生用電子機器市場の低迷 ・有機ELパネル用マスクの販路拡大 |
| 主な製品 | 事業 セグメント | 基本戦略・内容 | 課題等 |
| カード・リーダライダ製品 (e-Passport用ICシート) | 産業用部材料 | 「e-Passport用ICシートの継続受注」・2019年度に続き2020年度もe-Passport(日本国旅券)用ICシートを受注。将来の継続受注をめざす・入札案件のため品質確保とともに生産性改善などコストダウンを図る | ・継続的コストダウン対応 ・e-Passportに続くICカード関連新規事業の創出 |
| プロジェクター | 電器・コンシューマー | 「販売物量確保による収支改善」・新光源(レーザー、LED)製品の継続的市場投入・ブランド切替(マクセルブランド市場投入)の早期完了・不採算機種の廃盤化などによる2020年度収支黒字化・HUDなどプロジェクター以外の映像事業の拡大、リソースシフト | ・景気低迷による案件減少 ・固定費の削減 |
| 電設工具(マクセルイズミ製品) | 電器・コンシューマー | 「圧倒的国内シェアNo.1」・国内シェアNo.1の市場ポジションを確保しつつ、将来的には世界シェアNo.1への飛躍をめざす・OEM事業の拡大を含め、北米・東南アジア市場の販路拡大により海外売上高比率を向上 | ・景気低迷による案件減少 ・海外生産の検討などコスト競争力の強化 |
(健康・理美容)
健康・理美容分野では、アンチエイジングや高齢化、健康・美容への意識の高まりを背景として、関連製品の需要が増加して行くと予想しています。特に新型コロナウイルスの感染拡大は、社会の健康や衛生に対する意識をさらに向上させたと考えられます。
当社では、健康・理美容機器や空気・水関連製品など多様な顧客ニーズに応えるオンリー・ワン製品の開発を中心に成長をめざすとともに、プロジェクターや健康・理美容機器については、マクセル (maxell)に加えて、業務用ルート向けレクサム (llexam)、さらにはイズミ (IZUMI)の3つのブランドを自社ルートで販売するほか、顧客のブランドに対応したOEM事業も行っていきます。
なお、健康・理美容分野においても新型コロナウイルスの影響については、製品や事業によって、マイナス影響だけでなくプラス影響が出る可能性も想定されます。当社では、製品や事業別に需要動向を見極めながら事業戦略を検討していきます。
| 主な製品 | 事業 セグメント | 基本戦略・内容 | 課題等 |
| コイン形リチウム二次電池 (CLB) | エネルギー | 「補聴器用電源市場におけるポジション確保」・欧州の主力補聴器メーカにおける採用拡大を図り、早期に2桁以上の市場シェア獲得をめざす・独自の材料・封止技術で小型・薄型を強みとして事業拡大。また積層型電池の特性を活用し、サイクル性能向上による長期使用に対応した性能確保 | ・欧州地場電池メーカーとの競合 ・市況に合わせたコストダウン |
| 健康製品(除菌消臭器、ヘルスケア) | 電器・コンシューマー | 「オンリーワン製品の開発と販路開拓」・オゾン除菌消臭器とアルカリイオン整水器を主力製品とした製品ラインアップ拡充とOEMも含めた販路開拓による収益拡大・新型コロナウイルス感染拡大による社会の健康・衛生意識の向上を捉え、商品力訴求を強化 | ・製品開発の強化 ・さらなる販路開拓 ・マクセルイズミ㈱と商品計画、設計、製造、営業面でのシナジー実現 |
| 主な製品 | 事業 セグメント | 基本戦略・内容 | 課題等 |
| 理美容製品(ヘアケア、肌カメラ他) | 電器・コンシューマー | 「オンリーワン製品の開発と販路開拓」・2018年10月に美容家電の新たなブランド「llexam(レクサム)」を立上げ、光ドライヤーなど独自の製品を順次開発。美容サロンルートなど業務用市場を中心に販売中・さらなる製品ラインアップの拡充とOEMも含めた販路開拓により収益の拡大をめざす | ・製品開発の強化 ・さらなる販路開拓 ・マクセルイズミ㈱と商品計画、設計、製造、営業面でのシナジー実現 |
| 家電(マクセルイズミ製品) | 電器・コンシューマー | 「市場ポジションの強化」・国内シェーバー市場において「IZUMI」ブランド製品の数量シェアは4位の状況。新機能を持ったより高価格帯の製品の販売に注力し、数量とともに金額シェアの向上を図る・「FUKUGEN」ドライヤーなどOEM事業の拡大による国内外販売拡大 | ・製品開発の強化 ・新たなOEM案件の獲得 |
c 強靭・機動的な経営体質の確立
当社グループは、中長期的な成長の促進と強靭で機動的な経営体質の確立をめざした持株会社体制のもと、事業会社への事業執行権限の移譲を進めることで、経営のスピードアップによる既存事業規模の拡大を加速するとともに、持株会社である当社は、グループ全体の経営管理に加え、マクセルビジネスプラットフォーム(MBP)戦略の推進によるビジネス領域の拡充と、新規事業の創出に取り組みました。今後は、MBP戦略により当社グループに加わった新たな事業や事業会社とのシナジーの早期実現を図っていきます。
また、事業の成長に加え、当社グループ全体の収益性を大幅に向上させるために、ポートフォリオの改革、コストの削減、オペレーションの質向上にスピードをもって取り組みます。
ポートフォリオ改革においては、製品群別・機種別の収益管理を徹底することで、伸ばすべき事業と縮小・撤退を図るべき事業を見極め、対策を実行していきます。原価低減においてはVE (Value Engineering)の推進、調達・物流コストの低減に加え、特に間接部門において当社グループ全体の人財、経費等の資産・資源を適正に活用することにより業務効率向上に取り組みます。
d 新たなコーポレートブランドの構築
多様なステークホルダーとのコミュニケーションに対する投資を継続してブランド価値の向上を図ります。また、自主独立経営を一層強化していくうえで、マクセルブランドの再構築を大きな課題と考えております。マクセルユニーク追求による脱コモディティへのブランディング、パブリシティ、SNSの活用強化、CSV(Creating Shared Value、共通価値創造)の推進、株主・投資家等との積極的な対話を基本施策として新たなコーポレートブランドの構築に取り組みます。
e 資本効率性の向上
資本効率性の向上を経営課題に掲げています。株主の皆様からの投資に対するリターンを高めるべく、資本効率性を向上する経営の実践に取り組みます。成長のための投資を十分に確保する一方、投資案件を厳選することによって、投資額に対する収益率を高めていきます。また、ROEを重視した経営を実践するとともに、資本効率性を踏まえた株主還元策を実施していきます。
また、中期的な経営戦略の実践のために当社グループが対処すべきその他の課題は次のとおりであります。
人財育成の強化
組織においては人財の活用が企業経営における最重要課題のひとつであると認識しています。経営環境の変化に対応した人員の効率的な配置と効率的な活用を図り、公正で透明性のある人事評価制度を確立させるとともに、ダイバーシティを推進することにより組織・人財のグローバル化を図り、元気で活力のある企業をめざしていきます。
CSR(企業の社会的責任)を意識した企業経営
CSRを意識して企業価値を向上させることは、企業経営における最重要課題のひとつであると認識しています。環境保全に配慮し持続可能な資源循環型社会の構築をめざした事業活動や製品開発を行う環境経営や、地域社会との共生をめざした社会貢献を積極的に行うとともに、リスク管理体制の強化や内部統制システムの整備によりコンプライアンス経営の徹底を推進します。特に、独占禁止法をはじめとする法令遵守の徹底につきましては、日本ばかりでなく欧米・アジアにおいても強力に推進していきます。当社は、これらの施策を通じて、すべてのステークホルダーから信頼される企業グループをめざしていきます。
コーポレートガバナンスの強化
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的に2015年10月に「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定し、適正な情報開示と透明性の確保に努め、取締役会の役割・責務を適切に果たすとともに、株主及び投資家との建設的な対話(エンゲージメント)をさらに活性化させていきます。