有価証券報告書-第58期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 9:15
【資料】
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【項目】
150項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは社是である「信頼」を基に、グローバル企業として世界中の人々に信頼される企業グループであり続けたいと考えています。この「信頼」を合言葉に「人と人のつながり」を大切にする精神を育みながら、社員全員の瞳が輝く企業を目指してまいります。
(2) 企業を取り巻く課題
2000年代前半には日本の水晶メーカーは世界市場で70%近いシェアを有していました。しかし、主に中国や台湾の水晶メーカーが低価格を武器にシェアを伸ばし、直近でのシェアは50%を切る水準となっています。
この間、日本の水晶メーカー各社は中国や台湾の水晶メーカーと低価格市場での競争を避け、高付加価値市場である通信分野や車載市場向けにシフトしました。しかし、通信分野向けにおいて大手チップセットメーカーが主導する形で水晶デバイスの標準化が進んだ結果、複数社購買がベースとなり差別化が難しくなりました。このような状況の中、台湾の水晶メーカーの通信分野への参入も始まったことで、日系企業は投資回収がこれまで以上に困難となり利益の創出が難しい状況が続きました。また、小型化へのシフト鈍化も加わり、水晶デバイスのコモディティ化が加速しました。なお、アジアメーカーの乱立も含め、業界リーダーが不在であることも価格変動要因の1つであると考えています。
(3) 経営戦略等
これら構造的な課題を解決するため、2019年11月の創業60周年を機に、当社初となる「10年長期経営計画」を策定しました。長期経営計画は、7つの基本戦略「OCEAN+2戦略」を掲げ、高い技術力と強い企業力によりお客様に必要とされ続けるリーディング企業を目指しています。
<10年長期経営計画>「OCEAN+2戦略」の7つの基本戦略
OneArkh.3Gの薄型化を武器とした「一社供給」
CostArkh新シリーズの世界最安直材費による「低コスト域への挑戦」
Element育成/研磨技術を活かしたウエハ販売による「材料ビジネス」
Allianceオープンイノベーション/コラボレーションによる「共創」
Nicheニッチな市場で安定的な利益を確保する「残存者利益」
+1新たな結晶の育成に挑戦する「新たな結晶」
+2新しい要素技術の確立による価値創造を目指す「新たなデバイス」

長期経営計画は3つのフェーズに分け、それぞれマイルストーンを設定しています。策定2年目となる2021年4月からの3ヵ年は、第1中期「基盤整備フェーズ」となり、次の取組みを推進してまいります。まず市場環境としては、あらゆるアプリケーションに通信機能が融合され、マーケットの拡大が進むことで、水晶デバイスの需要が高まるものと予想しております。水晶デバイスに対しては、低遅延、高周波、高精度、超小型、低電力といった要求が高まることが想定されるため、「フォトリソ仕様の小型/高周波品」、「価格競争に追随したモノづくり」、「環境に配慮した安定供給体制」を重点的に取組みます。具体的には、フォトリソ品の材料から組立てまでの生産能力の増強、Arkh.3Gの本格量産とArkh新シリーズの拡充を進めます。そして、既存品とArkhシリーズ、それぞれモノづくりの概念を刷新した製造ライン/プロセスを開発し、利益率No.1の水晶業界のリーダーを目指してまいります。
<中期経営計画>第1中期 2022-2024年3月期 基盤整備フェーズ
第2中期 2025-2027年3月期 基盤確立フェーズ
第3中期 2028-2030年3月期 成長発展フェーズ
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済環境におきまして、製造業は回復基調にあるものの、ウイルスの変異による感染再拡大が危惧されるなど、依然として経済活動の安定化には時間を要すると思われます。マーケット環境として、通信機器マーケットでは、世の中に存在するさまざまな「モノ」がネットワークにつながる「IoT」の進展や、大容量・高速通信を可能とする「5G」の本格的な普及に期待が高まります。車載マーケットにおきましては、電動車の増加やADASの普及、つながるクルマや自動運転などマーケットの拡大が期待され、産業用ロボットなどの産業機器マーケットにも注目が集まります。
このような環境の中、当社グループでは中期的・長期的な成長を実現するため、2019年に策定した10年長期経営計画「OCEAN+2戦略」に基づき、コモディティ化から脱却するため「新たな価値の創造」を推進してまいります。2022年3月期からスタートしている第1中期経営計画の中で、これまでのモノづくりの延長線から脱却を図り、さらなる生産性の向上と固定費削減を実現し、最終的に工場のフルオートメーション化を目指します。また、小型・高周波に代表される高付加価値製品やコスト追求型の高精度タイプ「Arkh.5G」などにおいては、フォトリソ技術が必要不可欠です。増産対応を含め、これらフォトリソ関連製品へ注力するとともに、要素技術の開発やウエハの外部販売、オープンイノベーション/コラボレーションを推進するなど、新たな価値を創造し水晶業界で利益率No.1のリーダーを目指します。加えて、日々の仕事をおもしろくやりがいのある仕事にする風土づくりやESG経営の強化、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを推進し、社員全員が瞳を輝かせ、持続的な社会の成長/発展を可能とするサスティナブル企業を目指します。「通信」、「車載」、「産業」、「民生」全ての分野において営業、技術、生産が三位一体となり、「全体最適」を図ることで業績が向上するよう努めてまいります。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益力の強化、経営資源の有効利用、財務戦略による有利子負債の削減を進めるとともに、経営環境の変化に柔軟に対応できる経営基盤の確立と業績の向上に努めてまいります。また引き続きキャッシュ・フローを重視した経営を推進し、更なる財務体質の改善、バランスシートの健全化を目指していきます。

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