有価証券報告書-第63期(2025/04/01-2026/03/31)
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営ビジョン
当社グループは社是である「信頼」を基に、グローバル企業として世界中の人々に信頼される企業グループであり続けたいと考えています。この「信頼」を合言葉とし、「人と人のつながり」を大切にする精神をもとに、社員全員の瞳が輝く企業を目指してまいります。
(2) 経営戦略等
2019年11月の創業60周年を機に、当社初となる「10年長期経営計画」を策定しました。長期経営計画は、7つの基本戦略「OCEAN+2戦略」を掲げ、高い技術力と強い企業力によりお客様に必要とされ続けるリーディング企業を目指しています。
<10年長期経営計画>「OCEAN+2戦略」の7つの基本戦略
「OCEAN+2戦略」の7つの基本戦略、7年目の状況
長期経営計画は3つのフェーズに分け、それぞれマイルストーンを設定しています。2024年4月より「第二中期経営計画 基盤確立」を推進しており、2027年3月期は、「OCEAN+2戦略」7年目を迎えます。市場環境としては、あらゆる機器への通信機能の融合や生成AIの普及拡大が、水晶デバイスの需要を牽引すると予想しております。水晶デバイスに対しては、高周波化が進むことが予想されます。この市場拡大による供給に対応するため、当社の研磨技術、組立技術の粋を集めたArkhシリーズの本格量産を進めております。
<中期経営計画>第一中期 2022-2024年3月期 基盤整備フェーズ
第二中期 2025-2027年3月期 基盤確立フェーズ
第三中期 2028-2030年3月期 成長発展フェーズ
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済環境におきまして、先行き不透明な状況が続いていますが、デジタル化の進展に伴う半導体需要の拡大により、水晶デバイス市場はさらなる成長が見込まれます。特に、AIの発展による高速演算処理を必要とするAIデータセンターの増加、光トランシーバやエッジAIの普及は、通信データ量の増大と安定化への要求を高め、高周波デバイスである差動出力発振器の需要を一層押し上げます。また、スマートグラスなどのウェアラブル機器市場の拡大は、これまで以上に薄型・軽量な水晶デバイスへのニーズを生み出しています。しかし、こうした高まる市場ニーズに対し、水晶デバイス業界は製品の小型化/高性能化要求に伴う製造コストの増加、従来の「1by1製造」に起因する生産効率の限界、および環境負荷への対応といった構造的な課題に直面しています。これらの課題に対処し、次世代の成長戦略を確固たるものとするため、当社は高度な水晶育成/加工技術から生まれたオリジナル製品「Arkhシリーズ」による革新的な「Arkh構想」を最重要経営戦略として位置づけ、全社一丸となって推進しています。このArkh構想は、技術革新、市場戦略の転換、生産体制の変革を通じて、水晶デバイス業界にパラダイムシフトをもたらすものです。
Arkhシリーズは半導体製造プロセスにも用いられるフォトリソグラフィー技術やWLP(ウエハレベルパッケージ)技術を採用しており、セラミックパッケージなどの外部からの部材調達や導電性接着剤を不要とします。特に、Arkh.3Gは「小さく、軽いものは安い」という理想を体現した世界最薄の製品であり、将来的にはIC内蔵を目指しています。さらに、ウエハレベルでの一括加工のため、従来方式に対し、単位面積あたりで従来の5~7倍のアウトプットを実現し圧倒的なコスト優位性と生産性を確立しました。新工場建設に伴う大規模な投資やCO2排出を抑制することで、環境負荷の低減と収益性向上に貢献します。
Arkhシリーズの展開には製品ラインアップの拡充も重要な要素となります。Arkhシリーズ水晶振動子をICとともにセラミックパッケージに内蔵した水晶発振器「Arkh.2G」を開発しました。これは従来品と同等の外観/サイズであり、お客様にとって抵抗なく使い易い製品であるとともに、従来品の生産設備を流用することが可能な設計であるため、投資抑制にもつながり、優れたコストパフォーマンスを発揮します。
また、競合他社を戦略的パートナーと位置づけ、Arkhシリーズ水晶振動子を水晶発振器の「内蔵水晶振動子」として供給することで、業界標準化を推進してまいります。
サプライチェーンの強靭化も重要な課題です。Arkhシリーズは従来品に比べて、重油使用量が少なく、ヘリウムを使用しないなど地政学的リスクに強い製品であり、安定供給に大きく寄与します。今後も、製品サイズの小型化、コアテクノロジーである水晶ウエハの大判化の推進や連続的な技術革新を通じて、追随を許さない圧倒的な競争優位性を確立してまいります。そして、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進や自動搬送ロボットを導入したフルオート生産の開発を進め、労働人口減少時代において、優秀な若手から熟練工までを惹きつける「未来の工場」を具現化し、「社員の幸せ」と事業成長を両立させるという、持続可能な企業モデルを追求してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益力の強化、経営資源の有効利用、財務戦略による有利子負債の削減を進めるとともに、経
営環境の変化に柔軟に対応できる経営基盤の確立と業績の向上に努めてまいります。また引き続きキャッシュ・フ
ローを重視した経営を推進し、更なる財務体質の改善、バランスシートの健全化を目指してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営ビジョン
当社グループは社是である「信頼」を基に、グローバル企業として世界中の人々に信頼される企業グループであり続けたいと考えています。この「信頼」を合言葉とし、「人と人のつながり」を大切にする精神をもとに、社員全員の瞳が輝く企業を目指してまいります。
(2) 経営戦略等
2019年11月の創業60周年を機に、当社初となる「10年長期経営計画」を策定しました。長期経営計画は、7つの基本戦略「OCEAN+2戦略」を掲げ、高い技術力と強い企業力によりお客様に必要とされ続けるリーディング企業を目指しています。
<10年長期経営計画>「OCEAN+2戦略」の7つの基本戦略
| One | キープロダクトのArkhシリーズを軸にIC内蔵などの一社供給 |
| Cost | 直材費の低減が可能なArkhシリーズによる低コスト域への挑戦 |
| Element | コアテクノロジーである人工水晶の大型化/水晶ウエハの大判化と切断/研磨技術で唯一無二の競争優位性 |
| Alliance | 価値創造を加速させるオープンイノベーション/コラボレーションでの共創 |
| Niche | ニッチ市場における安定的な残存者利益の創出 |
| +1 | これまで培った育成技術をベースにさまざまな結晶へのチャレンジ |
| +2 | 新しい要素技術とともに新たな価値を創造するデバイスの開発 |
「OCEAN+2戦略」の7つの基本戦略、7年目の状況
| One | Arkh.3Gウェアラブル向け大手メーカー採用が追い風 |
| Cost | Arkh.2Gによる発振器(差動発振器)のコスト競争力が武器に |
| Element | 水晶原石の大型化ウエハ取れ枚数UPにより、コストダウン加速 |
| Alliance | 同業他社への内蔵Arkh振動子販売戦略を推進中 |
| Niche | 水晶フィルタシェアNo.1の強みをフル活用 |
| +1 | 新たな結晶育成へのチャレンジ継続中 |
| +2 | 熱管理のパラダイムシフトを可能とするセンサー開発完了・事業化検討中 |
長期経営計画は3つのフェーズに分け、それぞれマイルストーンを設定しています。2024年4月より「第二中期経営計画 基盤確立」を推進しており、2027年3月期は、「OCEAN+2戦略」7年目を迎えます。市場環境としては、あらゆる機器への通信機能の融合や生成AIの普及拡大が、水晶デバイスの需要を牽引すると予想しております。水晶デバイスに対しては、高周波化が進むことが予想されます。この市場拡大による供給に対応するため、当社の研磨技術、組立技術の粋を集めたArkhシリーズの本格量産を進めております。
<中期経営計画>第一中期 2022-2024年3月期 基盤整備フェーズ
第二中期 2025-2027年3月期 基盤確立フェーズ
第三中期 2028-2030年3月期 成長発展フェーズ
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済環境におきまして、先行き不透明な状況が続いていますが、デジタル化の進展に伴う半導体需要の拡大により、水晶デバイス市場はさらなる成長が見込まれます。特に、AIの発展による高速演算処理を必要とするAIデータセンターの増加、光トランシーバやエッジAIの普及は、通信データ量の増大と安定化への要求を高め、高周波デバイスである差動出力発振器の需要を一層押し上げます。また、スマートグラスなどのウェアラブル機器市場の拡大は、これまで以上に薄型・軽量な水晶デバイスへのニーズを生み出しています。しかし、こうした高まる市場ニーズに対し、水晶デバイス業界は製品の小型化/高性能化要求に伴う製造コストの増加、従来の「1by1製造」に起因する生産効率の限界、および環境負荷への対応といった構造的な課題に直面しています。これらの課題に対処し、次世代の成長戦略を確固たるものとするため、当社は高度な水晶育成/加工技術から生まれたオリジナル製品「Arkhシリーズ」による革新的な「Arkh構想」を最重要経営戦略として位置づけ、全社一丸となって推進しています。このArkh構想は、技術革新、市場戦略の転換、生産体制の変革を通じて、水晶デバイス業界にパラダイムシフトをもたらすものです。
Arkhシリーズは半導体製造プロセスにも用いられるフォトリソグラフィー技術やWLP(ウエハレベルパッケージ)技術を採用しており、セラミックパッケージなどの外部からの部材調達や導電性接着剤を不要とします。特に、Arkh.3Gは「小さく、軽いものは安い」という理想を体現した世界最薄の製品であり、将来的にはIC内蔵を目指しています。さらに、ウエハレベルでの一括加工のため、従来方式に対し、単位面積あたりで従来の5~7倍のアウトプットを実現し圧倒的なコスト優位性と生産性を確立しました。新工場建設に伴う大規模な投資やCO2排出を抑制することで、環境負荷の低減と収益性向上に貢献します。
Arkhシリーズの展開には製品ラインアップの拡充も重要な要素となります。Arkhシリーズ水晶振動子をICとともにセラミックパッケージに内蔵した水晶発振器「Arkh.2G」を開発しました。これは従来品と同等の外観/サイズであり、お客様にとって抵抗なく使い易い製品であるとともに、従来品の生産設備を流用することが可能な設計であるため、投資抑制にもつながり、優れたコストパフォーマンスを発揮します。
また、競合他社を戦略的パートナーと位置づけ、Arkhシリーズ水晶振動子を水晶発振器の「内蔵水晶振動子」として供給することで、業界標準化を推進してまいります。
サプライチェーンの強靭化も重要な課題です。Arkhシリーズは従来品に比べて、重油使用量が少なく、ヘリウムを使用しないなど地政学的リスクに強い製品であり、安定供給に大きく寄与します。今後も、製品サイズの小型化、コアテクノロジーである水晶ウエハの大判化の推進や連続的な技術革新を通じて、追随を許さない圧倒的な競争優位性を確立してまいります。そして、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進や自動搬送ロボットを導入したフルオート生産の開発を進め、労働人口減少時代において、優秀な若手から熟練工までを惹きつける「未来の工場」を具現化し、「社員の幸せ」と事業成長を両立させるという、持続可能な企業モデルを追求してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益力の強化、経営資源の有効利用、財務戦略による有利子負債の削減を進めるとともに、経
営環境の変化に柔軟に対応できる経営基盤の確立と業績の向上に努めてまいります。また引き続きキャッシュ・フ
ローを重視した経営を推進し、更なる財務体質の改善、バランスシートの健全化を目指してまいります。