有価証券報告書-第57期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 15:00
【資料】
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【項目】
128項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の足踏みが見られる中、雇用・所得環境の改善が続き緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、中国の経済成長鈍化や英国のEU離脱問題、米国新政権の政策動向等による世界経済の下振れ懸念もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社グループの当連結会計年度における売上高は、先進運転支援システム(ADAS)の普及が進むなど、自動車の電装化が追い風となり、車載分野での販売が大幅に増加いたしました。その結果、その他分野の販売減少及び円高による目減り影響はあったものの、連結売上高は753億70百万円、前年同期比3.1%の増収となりました。
利益面につきましては、売上高の増加や、前期より進めてまいりました国内の経営合理化による固定費削減等により、全地域セグメントで収益が改善し、営業利益は26億52百万円、前年同期比6.9倍となりました。
経常利益は、為替差益を計上したことなどから、26億28百万円(前年同期は6億28百万円の損失)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、21億53百万円(前年同期は81億22百万円の損失)となりました。
セグメントの概況は以下のとおりです。
(日本)
国内の自動車生産は、新車販売が堅調に推移したことに加え、北米向けの輸出が拡大したことも好材料となり回復基調となりました。また、先進運転支援システム(ADAS)の普及が進むなど、自動車の電装化が進んだことも当社販売に寄与しました。
これらの結果、車載分野での販売が大幅に増加し、売上高は465億88百万円、前年同期比6.8%の増収となりました。
利益面では、売上高増加に加え、経営合理化策の進展による固定費削減が寄与し、セグメント利益は15億29百万円、前年同期比2.3倍となりました。
(中国)
中国経済は、景気減速の動きに一服感が見られたものの、緩やかな成長となりました。
このような市場環境の中、当社販売は車載向けは増加したものの、通信・アミューズメント分野での減少及び為替相場が円高に推移したことで、売上高は135億53百万円、前年同期比4.8%の減収となりました。
利益面では、固定費の削減、歩留の向上等により収益性が改善し、セグメント利益は9億96百万円(前年同期は92百万円のセグメント損失)となりました。
(東南アジア)
東南アジア経済は、雇用・所得環境の改善による民間消費に牽引され、堅調に推移しました。自動車市場においては、主要国の新車販売台数が前年比プラスに転じるなど、回復基調にあります。
このような市場環境の中、当社販売は車載向けを中心に増加し、円高による減収影響はあるものの、売上高は98億94百万円、前年同期比2.7%の増収となりました。
利益面ではタイ工場の生産能力増強などにより収益性が向上し、セグメント利益は4億34百万円(前年同期は0.2百万円のセグメント損失)となりました。
(欧米)
米国及び西欧の新車販売は前期に引続き堅調に推移しました。
このような市場環境の中、当社販売は車載向けが堅調に推移しましたが、円高による減収影響をカバーするには至らず、売上高は53億34百万円、前年同期比4.6%の減収となりました。セグメント利益は2億41百万円、前年同期比1.1%の増益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末の215億82百万円に対して10億88百万円増加し、226億71百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と内訳は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、52億26百万円(前連結会計年度は52億10百万円の増加)となりました。これは主に減価償却費41億43百万円、税金等調整前当期純利益26億27百万円の計上などによる資金の増加、売上債権の増加20億38百万円による資金の減少などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、31億59百万円(前連結会計年度は15億79百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出46億9百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、4億26百万円(前連結会計年度は13億円の増加)となりました。これは主に借入金の返済による支出112億6百万円、借入れによる収入104億44百万円によるものであります。