有価証券報告書-第50期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来の経営基本方針である「3つの安心」の価値観を受け継ぎ、内外環境変化に適応するために発展的に再定義した新たな企業理念「Sysmex Way」を平成19年4月1日に制定いたしました。また、これに基づき、お客様、従業員、取引先、株主、社会に対する提供価値を示した「行動基準」を併せて制定いたしました。
これからの当社グループの進むべき方向性と大切にすべき価値観を表した「Sysmex Way」をグループ全体で実践し、社会からのより厚い信頼とさらなる飛躍を目指します。
(2) 経営環境の認識
今後の見通しにつきましては、国内においては、雇用・所得環境の改善や製造業における在庫調整の進展などから緩やかな景気回復基調にあります。また、海外においては、米国では、景気は緩やかな回復を維持するものの政策の先行きに不透明感が残ります。欧州では、景気の回復基調は維持するものの、英国のEU離脱による成長率の鈍化も懸念されます。更に、中国での景気の緩やかな減速、中東地域をはじめとする地政学的リスクの影響により、今後の世界経済の動向は楽観できない状況にあります。
医療を取り巻く環境につきましては、先進国における医療費抑制による効率化のニーズや新興国における経済発展に伴う医療インフラ整備と高度化など、今後も継続的な成長が期待されています。また、先進国を中心にビッグデータ等の情報技術の進歩と積極的な活用、遺伝子・分子診断技術の進歩、再生医療の進展など、新たな成長機会の創出も見込まれております。
こうした中、当社グループでは、平成29年4月より新中期経営計画(平成30年3月期から平成32年3月期まで)をスタートさせました。特徴のあるグローバルなヘルスケアテスティング企業として、血球計数検査・血液凝固検査・尿検査・免疫検査分野における成長と収益力の強化、フローサイトメトリー※1(以下、FCM)・遺伝子検査ビジネスなどの成長分野への投資などの諸施策に取り組んでまいります。
(3) 目標とする経営指標
グループ中期経営計画におきまして、平成32年3月期を最終年度として、連結売上高3,500億円、連結営業利益720億円を達成することを目指します。
(4) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、血球計数検査・血液凝固検査・尿検査分野における製品ラインアップの拡充やグローバルでの販売・サービスの拡充、アジアにおける免疫検査ビジネスの拡大など収益力を更に強化するとともに、長期経営目標達成に向けて、独自の技術を活用した競争力の高い製品開発やグローバルな事業戦略の展開のために戦略的な投資を実施していきます。また、平成32年以降の継続的な成長を見据え、実行スピードを加速し、事業ポートフォリオの変革を推進するとともに、人材やIT基盤など変革への投資を行います。
持続可能な社会の実現に貢献していくために、製品・サービスの提供を通じて医療課題の解決に取り組むとともに、環境への配慮、コーポレート・ガバナンスの強化、ダイバーシティの推進を通じて、多様なステークホルダーに対してシスメックス独自の新たな価値を提供していきます。
なお、経営戦略の実行における重要な課題は以下のとおりであります。
<収益力の強化(コアビジネス)>① 血球計数検査分野の市場拡大による収益力の強化
血球計数検査分野では、米国における絶対的No.1の達成、中国における2級病院以下への販促強化、新興国における高成長の実現などを通じ、成長を継続し、収益力を強化します。
② 新製品拡販による尿検査事業の拡大
尿検査分野では、尿沈渣検査に加え、尿定性検査(海外市場向け)製品の市場導入により、尿検査の効率的なワークフローを実現し、事業拡大を加速します。
③ 血液凝固検査分野のグローバルシェア拡大による収益性向上
血液凝固検査分野では、シーメンス社とのアライアンスを活用したグローバル展開を継続するとともに、血液凝固異常や血栓の検査などで用いられる線溶系試薬の導入を加速し、シェアの拡大を目指します。
④ 免疫検査分野における日本、中国、アジアでの事業拡大と収益性改善
免疫検査分野では、肝疾患領域での事業拡大を進めるとともに、中国、アジアにおけるユニーク項目の市場導入を推進し、日本、中国、アジアでの事業を拡大します。また、売上拡大とともに原価低減などによる収益性の改善に取り組みます。
<成長への投資(ネクストコアビジネス)>⑤ FCM事業の基盤構築
クリニカルFCMの早期事業化に向け、機器、試薬の開発と市場導入を加速します。また、リサーチ・インダストリー領域での販促を強化します。
⑥ ライフサイエンス事業の拡大
株式会社理研ジェネシスやシスメックス アイノスティクス ゲーエムベーハー及びその子会社におけるラボアッセイ事業の推進、クリニカルPCR※2市場導入など、遺伝子関連事業の拡大に取り組みます。また、OSNATM法※3によるリンパ節転移迅速検査の市場拡大を推進します。
⑦ その他新規分野の事業化
超高感度HISCLTM、子宮頸がん検査システム、グルコースAUC(食後高血糖状態モニタリングシステム)など、新たな事業の創出を目指します。
<変革の推進>⑧ ものづくりのスピードと質の向上
バイオ診断薬開発・生産力の強化を推進します。また、顧客に信頼され続ける高い品質と安定供給体制の強化に取り組みます。
⑨ 業務プロセスの最適化を目指したIT基盤の強化
サプライチェーン及びエンジニアリングチェーンのプロセス最適化などのIT基盤の強化を実施します。
⑩ グループの成長を支える人材育成と人材マネジメントの強化
次世代リーダー人材と高度専門人材の獲得及び人材育成の強化を行います。また、グループ人材の強みを活かし、多様な個性が活躍できる環境整備を行います。
<持続可能な社会の実現へ貢献>⑪ 製品・サービスを通じた医療課題の解決に取り組むとともに、環境への配慮、コーポレート・ガバナンスの強化、ダイバーシティの推進を通じて、多様なステークホルダーに対してシスメックス独自の新たな価値を提供し、社会の発展に貢献していきます。
※1 フローサイトメトリー:
微細な粒子を流体中に分散させ、その流体を細く流して個々の粒子を光学的に分析する手法のことで、主に細胞を個々に観察する際に用いられる。
※2 クリニカルPCR:
病理検体をセットするだけで、DNA抽出から遺伝子異常の解析までを全自動で行うことで、臨床現場での簡便な遺伝子検査を実現する装置。
※3 OSNA法:
当社が開発した直接遺伝子増幅法(One-Step Nucleic Acid Amplification)
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、創業以来の経営基本方針である「3つの安心」の価値観を受け継ぎ、内外環境変化に適応するために発展的に再定義した新たな企業理念「Sysmex Way」を平成19年4月1日に制定いたしました。また、これに基づき、お客様、従業員、取引先、株主、社会に対する提供価値を示した「行動基準」を併せて制定いたしました。
| Mission ヘルスケアの進化をデザインする。 Value 私たちは、独創性あふれる新しい価値の創造と、人々への安心を追求し続けます。 Mind 私たちは、情熱としなやかさをもって、自らの強みと最高のチームワークを発揮します。 |
これからの当社グループの進むべき方向性と大切にすべき価値観を表した「Sysmex Way」をグループ全体で実践し、社会からのより厚い信頼とさらなる飛躍を目指します。
(2) 経営環境の認識
今後の見通しにつきましては、国内においては、雇用・所得環境の改善や製造業における在庫調整の進展などから緩やかな景気回復基調にあります。また、海外においては、米国では、景気は緩やかな回復を維持するものの政策の先行きに不透明感が残ります。欧州では、景気の回復基調は維持するものの、英国のEU離脱による成長率の鈍化も懸念されます。更に、中国での景気の緩やかな減速、中東地域をはじめとする地政学的リスクの影響により、今後の世界経済の動向は楽観できない状況にあります。
医療を取り巻く環境につきましては、先進国における医療費抑制による効率化のニーズや新興国における経済発展に伴う医療インフラ整備と高度化など、今後も継続的な成長が期待されています。また、先進国を中心にビッグデータ等の情報技術の進歩と積極的な活用、遺伝子・分子診断技術の進歩、再生医療の進展など、新たな成長機会の創出も見込まれております。
こうした中、当社グループでは、平成29年4月より新中期経営計画(平成30年3月期から平成32年3月期まで)をスタートさせました。特徴のあるグローバルなヘルスケアテスティング企業として、血球計数検査・血液凝固検査・尿検査・免疫検査分野における成長と収益力の強化、フローサイトメトリー※1(以下、FCM)・遺伝子検査ビジネスなどの成長分野への投資などの諸施策に取り組んでまいります。
(3) 目標とする経営指標
グループ中期経営計画におきまして、平成32年3月期を最終年度として、連結売上高3,500億円、連結営業利益720億円を達成することを目指します。
(4) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、血球計数検査・血液凝固検査・尿検査分野における製品ラインアップの拡充やグローバルでの販売・サービスの拡充、アジアにおける免疫検査ビジネスの拡大など収益力を更に強化するとともに、長期経営目標達成に向けて、独自の技術を活用した競争力の高い製品開発やグローバルな事業戦略の展開のために戦略的な投資を実施していきます。また、平成32年以降の継続的な成長を見据え、実行スピードを加速し、事業ポートフォリオの変革を推進するとともに、人材やIT基盤など変革への投資を行います。
持続可能な社会の実現に貢献していくために、製品・サービスの提供を通じて医療課題の解決に取り組むとともに、環境への配慮、コーポレート・ガバナンスの強化、ダイバーシティの推進を通じて、多様なステークホルダーに対してシスメックス独自の新たな価値を提供していきます。
なお、経営戦略の実行における重要な課題は以下のとおりであります。
<収益力の強化(コアビジネス)>① 血球計数検査分野の市場拡大による収益力の強化
血球計数検査分野では、米国における絶対的No.1の達成、中国における2級病院以下への販促強化、新興国における高成長の実現などを通じ、成長を継続し、収益力を強化します。
② 新製品拡販による尿検査事業の拡大
尿検査分野では、尿沈渣検査に加え、尿定性検査(海外市場向け)製品の市場導入により、尿検査の効率的なワークフローを実現し、事業拡大を加速します。
③ 血液凝固検査分野のグローバルシェア拡大による収益性向上
血液凝固検査分野では、シーメンス社とのアライアンスを活用したグローバル展開を継続するとともに、血液凝固異常や血栓の検査などで用いられる線溶系試薬の導入を加速し、シェアの拡大を目指します。
④ 免疫検査分野における日本、中国、アジアでの事業拡大と収益性改善
免疫検査分野では、肝疾患領域での事業拡大を進めるとともに、中国、アジアにおけるユニーク項目の市場導入を推進し、日本、中国、アジアでの事業を拡大します。また、売上拡大とともに原価低減などによる収益性の改善に取り組みます。
<成長への投資(ネクストコアビジネス)>⑤ FCM事業の基盤構築
クリニカルFCMの早期事業化に向け、機器、試薬の開発と市場導入を加速します。また、リサーチ・インダストリー領域での販促を強化します。
⑥ ライフサイエンス事業の拡大
株式会社理研ジェネシスやシスメックス アイノスティクス ゲーエムベーハー及びその子会社におけるラボアッセイ事業の推進、クリニカルPCR※2市場導入など、遺伝子関連事業の拡大に取り組みます。また、OSNATM法※3によるリンパ節転移迅速検査の市場拡大を推進します。
⑦ その他新規分野の事業化
超高感度HISCLTM、子宮頸がん検査システム、グルコースAUC(食後高血糖状態モニタリングシステム)など、新たな事業の創出を目指します。
<変革の推進>⑧ ものづくりのスピードと質の向上
バイオ診断薬開発・生産力の強化を推進します。また、顧客に信頼され続ける高い品質と安定供給体制の強化に取り組みます。
⑨ 業務プロセスの最適化を目指したIT基盤の強化
サプライチェーン及びエンジニアリングチェーンのプロセス最適化などのIT基盤の強化を実施します。
⑩ グループの成長を支える人材育成と人材マネジメントの強化
次世代リーダー人材と高度専門人材の獲得及び人材育成の強化を行います。また、グループ人材の強みを活かし、多様な個性が活躍できる環境整備を行います。
<持続可能な社会の実現へ貢献>⑪ 製品・サービスを通じた医療課題の解決に取り組むとともに、環境への配慮、コーポレート・ガバナンスの強化、ダイバーシティの推進を通じて、多様なステークホルダーに対してシスメックス独自の新たな価値を提供し、社会の発展に貢献していきます。
※1 フローサイトメトリー:
微細な粒子を流体中に分散させ、その流体を細く流して個々の粒子を光学的に分析する手法のことで、主に細胞を個々に観察する際に用いられる。
※2 クリニカルPCR:
病理検体をセットするだけで、DNA抽出から遺伝子異常の解析までを全自動で行うことで、臨床現場での簡便な遺伝子検査を実現する装置。
※3 OSNA法:
当社が開発した直接遺伝子増幅法(One-Step Nucleic Acid Amplification)
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。