有価証券報告書-第57期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/21 13:44
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【項目】
143項目
3.重要性がある会計方針
以下に記載されている会計方針は、他の記載がない限り、連結財務諸表に記載されている全ての期間に適用しております。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは当社により支配されている企業をいいます。支配とは、企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。
子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、当社の連結財務諸表に含まれております。
連結会社を構成する全ての子会社は、共通の会計方針を使用しております。
連結会社間の債権債務残高、取引高及び連結会社間取引によって発生した未実現損益は連結財務諸表の作成に当たり消去しております。
支配を喪失しない子会社に対する所有持分の変動は、資本取引として会計処理しております。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失を純損益として認識しております。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社がその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの支配をしていない企業をいいます。
共同支配企業とは、複数の当事者が共同支配する取り決めを交わし、その取り決めにおいて各々の当事者が当該取り決めの純資産に対する権利を有する場合であります。
関連会社及び共同支配企業に対する投資は、重要な影響力を有することとなった日から終了する日まで持分法を用いて会計処理しており、取得時に取得原価で認識しております。
(2) 企業結合
企業結合は、取得法を適用して会計処理しております。
被取得企業における識別可能資産及び負債は、取得日の公正価値で認識しております。
企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にはその超過額がのれんとして認識され、下回る場合には純損益として認識されます。移転された対価は、移転した資産、引き受けた負債及び発行した資本持分の公正価値の合計で算定され、条件付対価の取り決めから生じた資産又は負債の公正価値も含まれております。取得関連費用は、発生した期間において費用として認識しております。
非支配持分は、個々の企業結合取引毎に、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する被支配持分の比例的持分として測定しております。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートで機能通貨に換算しております。
決算日における外貨建貨幣性項目は決算日の為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は当該公正価値の算定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に再換算しております。
当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定される金融資産から生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債は決算日の為替レートで、収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートでそれぞれ換算しております。当該換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。
ただし、超インフレ経済下にある子会社の収益及び費用は、超インフレ会計の適用により決算日の直物為替相場により円換算しております。超インフレ会計の詳細は「3.重要な会計方針 (4)超インフレの調整」に記載しております。
在外営業活動体を処分する場合、当該在外営業活動体に関連する換算差額の累計額は、処分時に純損益に振り替えております。
(4) 超インフレの調整
超インフレ経済下にある子会社の業績及び財政状態について、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に定められる要件に従い、報告期間の末日現在の測定単位に修正した上で、当社グループの連結財務諸表に含めております。
超インフレ経済下にある子会社は、取得原価で表示されている有形固定資産等の非貨幣性項目について、取得日を基準に期末日時点の測定単位に修正しております。現在原価で表示されている貨幣性項目及び非貨幣性項目については、報告期間の末日現在の測定単位で表示されていると考えられるため、修正しておりません。
(5) 金融商品
① 金融資産
(ⅰ) 当初認識及び測定
金融資産は、当初認識時に、償却原価で測定する金融資産と公正価値で測定する金融資産に分類しております。
金融資産は、次の条件が共に満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類し、それ以外の場合には公正価値で測定する金融資産へ分類しております。
(a) 契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
(b) 金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
公正価値で測定する金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有する資本性金融商品を除き、資本性金融商品毎に、純損益を通じて公正価値で測定するか、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するかを当初取得時に指定し、当該指定を継続的に適用しております。
金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定するものではない場合、公正価値に当該金融資産に直接帰属する取引費用を加算した金額で測定しております。ただし、重大な財務要素を含まない営業債権は、取引価格で測定しております。
金融資産のうち、株式及び債券は約定日に当初認識しております。その他の全ての金融資産は取引日に当初認識しております。
(ⅱ) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識を中止した場合の利得及び損失は、純損益として認識しております。
(b) 公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定しております。公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動額は純損益として認識しております。ただし、資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合又は損失がほぼ確実に実現すると見込まれる場合には利益剰余金に直接振り替えております。
(ⅲ) 認識の中止
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんど全てが移転している場合において、認識を中止しております。
② 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産については、四半期毎に、当該資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを判定し、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無に応じて、以下の金額を減損損失として認識しております。
(ⅰ) 信用リスクが当初認識時点から著しく増加していない場合
12か月の予想信用損失と同額
(ⅱ) 信用リスクが当初認識時点から著しく増加している場合
全期間の予想信用損失と同額
ただし、営業債権、契約資産及びリース債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無に関わらず、全期間の予想信用損失と同額で減損損失を認識しております。
予想信用損失の金額は、以下のように算定しております。
(ⅰ) 営業債権、契約資産及びリース債権
・信用リスクが当初認識時点から著しく増加していない資産
同種の資産の将来の予想貸倒率を帳簿価額に乗じて、予想信用損失を算定しております。
・信用リスクが当初認識時点から著しく増加している資産及び信用減損金融資産に該当する資産
回収見込額を個別に見積り、帳簿価額との差額をもって、予想信用損失を算定しております。
(ⅱ) (ⅰ)以外の資産
・信用リスクが当初認識時点から著しく増加していない資産
同種の資産の将来の予想貸倒率を帳簿価額に乗じて、予想信用損失を算定しております。
・信用リスクが当初認識時点から著しく増加している資産及び信用減損金融資産に該当する資産
回収見込額を個別に見積り、当該資産の当初の実効金利で割り引いた現在価値の額と、帳簿価額との差額をもって、予想信用損失を算定しております。
減損損失を認識した金融資産の帳簿価額は貸倒引当金を通じて減額し、減損損失は純損益として計上しております。また、将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の帳簿価額を直接減額し、対応する貸倒引当金の金額を減額しております。
減損損失の認識後に減損損失が減少する場合は、減損損失の減少額を貸倒引当金を通じて純損益に戻し入れております。
③ 金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
金融負債は、当初認識時に、償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。全ての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。
(ⅱ) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融負債
実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識を中止した場合の利得及び損失は、純損益として認識しております。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
公正価値で測定しております。公正価値で測定する金融負債の公正価値の変動額は純損益として認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融負債は、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効になった場合に認識を中止しております。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
デリバティブは、デリバティブ契約が締結された日の公正価値で当初認識され、当初認識後は公正価値で再測定されます。
連結会社は、認識されている金融資産と負債及び将来の取引に関するキャッシュ・フローを確定するため、為替予約等を利用しております。
なお、上記デリバティブについて、ヘッジ会計の適用となるものはありません。従って、デリバティブ金融商品は、「純損益を通じて公正価値で測定する金融資産」及び「純損益を通じて公正価値で測定する金融負債」に分類しております。
⑤ 金融商品の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ純額ベースで決済するか又は資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で表示しております。
⑥ 公正価値の測定
IFRS第13号「公正価値測定」では、公正価値を、その測定のために使われるインプット情報における外部からの観察可能性に応じて、次の3つのレベルに区分することを規定しております。
・レベル1:活発な市場における公表価格により測定された公正価値
・レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
・レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
公正価値の測定に使用される公正価値測定のヒエラルキーのレベルは、公正価値の測定の重大なインプットのうち、最も低いレベルにより決定しております。
(6) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資からなっております。
(7) 棚卸資産
棚卸資産は取得原価又は正味実現可能価額のいずれか低い金額で認識しております。取得原価は主として平均法に基づいて算定しており、購入原価、加工費並びに現在の場所及び状態に至るまでに要した全ての費用を含んでおります。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における予想売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額であります。
(8) 有形固定資産
① 認識及び測定
有形固定資産については、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体・除去及び原状回復費用の当初見積額が含まれております。
② 減価償却
有形固定資産(土地等の償却を行わない資産を除く)は、見積耐用年数にわたり、定額法で減価償却を行っております。
主な見積耐用年数は以下のとおりであります。
建物及び構築物 15~50年
機械装置及び運搬具 5~11年
工具、器具及び備品 2~15年
減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(9) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示しております。のれんの償却は行わず、毎期減損テストを実施しております。当初認識時におけるのれんの測定については、「(2) 企業結合」に記載しております。
② 無形資産
無形資産については、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しております。
開発活動における支出については、以下の全ての要件を立証できた場合に限り資産として認識し、その他の支出は全て発生時に費用として認識しております。
(ⅰ) 使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
(ⅱ) 無形資産を完成させ、更にそれを使用又は売却するという会社の意図
(ⅲ) 無形資産を使用又は売却できる能力
(ⅳ) 無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
(ⅴ) 無形資産の開発を完成させ、更にそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
(ⅵ) 開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できる能力
無形資産は、当該資産が使用可能になった日から、見積耐用年数にわたり、定額法で償却を行っております。
主な見積耐用年数は以下のとおりであります。
ソフトウエア 3~10年
開発費 3~20年
その他無形資産 2~22年
償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末において見直しを行い、必要に応じて改定しております。なお、商標権の一部については、事業を継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できないと判断し、償却しておりません。
(10) 非金融資産の減損
非金融資産(棚卸資産及び繰延税金資産を除く)については、四半期毎に、資産又は資金生成単位の減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候がある場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額を見積り、減損テストを実施します。
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、毎期又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。
全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、当該全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額に基づき判断しております。
回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額で算定されます。使用価値は、資産又は資金生成単位から生じると見込まれる将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定されます。
資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、差額を減損損失として純損益で認識しております。
過年度に減損損失を認識したのれん以外の資産又は資金生成単位については、四半期毎に、当該減損損失の戻入の兆候の有無を判断しております。戻入の兆候がある場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、回収可能価額が帳簿価額を超える場合には、減損損失の戻入を行っております。減損損失の戻入額は、過年度に減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額を上限として、純損益で認識しております。
のれんの減損損失については、戻入を行っておりません。
(11) リース
契約の締結時に契約がリースであるか又はリースを含んでいるかを判定しております。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しております。
① 貸手側
原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんど全てを移転するリースをファイナンス・リース取引として分類し、それ以外のリースはオペレーティング・リース取引として分類しております。
ファイナンス・リース取引においては、正味リース投資未回収額をリース料債権として認識しております。受取リース料は、元本の回収と受取利息相当額とに区分し、受取利息相当額は連結損益計算書において収益として認識しております。
オペレーティング・リース取引においては、受取リース料はリース期間にわたり均等に収益として認識しております。
② 借手側
リースの開始日において使用権資産とリース負債を認識しております。リース負債は、リース開始日における未決済のリース料の割引現在価値として当初測定しております。使用権資産は、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整した取得原価で当初測定し、リースの開始日から経済的耐用年数又はリース期間のいずれか短い期間にわたり規則的に償却しております。なお、連結会社は、リース期間が12ヶ月以内のリース及び原資産が少額であるリースについては使用権資産とリース負債を認識せず、リース期間にわたり定額法により費用として認識しております。連結財政状態計算書においては、使用権資産は有形固定資産に含めて表示しております。
リース期間は、リースの解約不能期間に、行使することが合理的に確実な延長オプション又は行使しないことが合理的に確実な解約オプションの期間を加えて決定しております。具体的には、リース期間を延長又は解約するオプションの有無及び更新の可能性、解約違約金の有無等を考慮の上、リース期間を見積っております。
(12) 従業員給付
① 退職後給付
連結会社は、確定給付制度及び確定拠出制度を採用しております。
(i) 確定給付制度
確定給付負債又は資産の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定されます。この計算による資産計上額は、制度からの返還又は将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としております。確定給付制度債務は予測単位積増方式を用いて算定され、その現在価値は将来の見積給付額を割り引いて算定されます。割引率は、給付支払の見積時期及び金額を反映した期末時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。
当期勤務費用及び確定給付負債又は資産の純額に係る利息費用の純額は純損益として認識しております。
過去勤務費用は、発生時に純損益として認識しております。
数理計算上の差異を含む確定給付負債又は資産の純額の再測定は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。
(ⅱ) 確定拠出制度
確定拠出年金制度への拠出は、従業員が勤務を提供した期間に費用として認識しております。
② その他
短期従業員給付については、割引計算を行わず、従業員が関連する勤務を提供した時点で費用として認識しております。
長期従業員給付については、従業員が過年度及び当年度において提供した勤務の対価として獲得した将来給付額を現在価値に割り引いて算定しております。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的及び推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、支払われると見積られる額を負債として認識しております。
(13) 株式報酬
当社は、取締役、従業員並びに一部の子会社の取締役及び従業員に対するインセンティブ制度としてストック・オプション制度を導入しております。ストック・オプションは付与日における公正価値で見積り、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ式を用いて算定しております。
(14) 引当金
過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、その債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しております。
貨幣の時間価値の影響が重要な場合には、引当金の金額は債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で測定しております。
(15) 資本
① 普通株式
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本から控除しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、その直接取得費用(税効果考慮後)を含む取得原価を資本から控除しております。
自己株式を売却した場合には、受取対価を資本の増加として認識しております。
(16) 収益
連結会社は、顧客との契約から生じる収益について、下記の5ステップアプローチに基づき認識しております。
・ステップ1:顧客との契約を識別する
・ステップ2:契約における履行義務を識別する
・ステップ3:取引価格を算定する
・ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
・ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
連結会社は検体検査機器及び検体検査試薬の販売、並びに関連するサービスの提供を行っております。上記の5ステップアプローチに基づき、顧客との契約内容に応じて、契約の結合及び複数の履行義務の識別を行っており、顧客との契約において約束された対価から、値引きや割戻し等を控除した金額で取引価格を算定しております。その上で、算定された取引価格を区分した履行義務に配分し、収益を認識しております。
これらの契約の一部は、機器・試薬・保守サービスのいくつかを含んだ複数要素取引となっております。複数要素取引の取引価格をそれぞれの履行義務に独立販売価格の比率で配分するため、契約におけるそれぞれの履行義務の基礎となる別個の財又はサービスの契約開始時の独立販売価格を算定し、取引価格を当該独立販売価格に比例して配分しております。また、顧客に対して財又はサービスを別個に販売するときの価格が直接的に観察できない場合には、取引実態を踏まえ、主に見積りコストにマージンを加えて独立販売価格を見積る方法又は複合取引の総額から他の財又はサービスの独立販売価格を控除した額により独立販売価格を見積る方法を用いて算定しております。
① 機器及び試薬の販売
機器及び試薬の販売の収益の認識については、顧客との契約内容に基づいて、顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断した時点で、収益を認識しております。具体的には、所有権及びリスク負担が連結会社から顧客に移転する時期に応じて、船積日、顧客に引き渡された時点、又は顧客の検収がなされた時点等で収益を認識しております。
② 保守サービス
保守サービスは、主として一定期間の製品等のメンテナンスを実施するサービスの提供となります。これらの保守サービスに対する支配を一定の期間にわたり移転するため、一定期間にわたり履行義務を充足し収益を認識しております。
製品の保守サービス等の収益は、主として移転される財又はサービスの総量に対する割合に基づいて収益を認識する方法(アウトプット法)で算出しております。なお、履行義務の充足前に顧客から対価を受け取る場合には、契約負債として認識しております。
これらの製品の販売やサービスの提供に係る対価は、収益を認識した時点から主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
(17) 政府補助金
補助金交付のための条件を満たし、補助金を受領することに合理的な保証がある場合は、補助金収入を公正価値で測定し、認識しております。発生した費用に対する補助金は、費用の発生と同じ期間に収益として計上しております。資産の取得に対する補助金は、資産の取得原価から補助金の額を控除して、資産の帳簿価額を算定しております。
(18) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成され、企業結合に関連するもの及びその他の包括利益又は資本に直接認識される項目を除き、純損益として認識しております。
当期税金は、連結会計年度末において施行されている税率及び税法を用いて、税務当局に納付又は税務当局から還付されることが予想される金額で測定しております。
繰延税金は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異について認識しております。なお、以下の一時差異については繰延税金を認識しておりません。
・企業結合以外の取引で、かつ会計上又は税務上のいずれの純損益にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識に係る一時差異
・子会社、関連会社及び共同支配の取り決めに対する投資に関連する一時差異で、連結会社が一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合
・のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異
繰延税金は、期末日に施行又は実質的に施行されている税法に基づき、一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課されている場合に相殺しております。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は四半期毎に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しております。
なお、修正後のIAS12号の一時的な例外規定を適用し、第2の柱の法人所得税に係る繰延税金資産及び負債の認識、及び情報開示はしておりません。
(19) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を控除した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する全ての潜在的普通株式の影響を調整して算定しております。