有価証券報告書-第59期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来の経営基本方針である「3つの安心」を再定義したグループ企業理念「Sysmex Way」及び「Shared Values」を定め、グループ全体で実践していく事でステークホルダーからの高い信頼の獲得と更なる飛躍を目指します。

(2) 長期経営戦略
医療を取り巻く環境は、人口動態の変化や生活環境の多様化並びに技術革新の進展を背景として今後一層大きく変化することが予測されております。特に医療資源の有効活用の観点からは、医療DXの推進に加え、医療機能の分散化、予防医療や個人によるセルフメディケーションの重要性がますます高まると見込まれます。また、医療の高度化の進展に伴い、新たな治療法の実用化や医療現場におけるロボット技術の活用等、医療の質及び運営効率の向上を実現する取り組みへの期待が高まっております。
このような中、当社グループではグループ企業理念「Sysmex Way」のもと、2033年度を最終年度とする以下長期ビジョンを含む長期経営戦略2033(VA33)を策定し、推進しております。
<長期ビジョン>「より良いヘルスケアジャーニーを、ともに。」
当社グループは、健康で長生きしたいという人々の普遍的な願いに寄り添い、一人ひとりの身体状態を正確に捉え、個々に最適な医療・サービスが提供されることにより、生涯にわたり健康な状態が維持できる社会の実現を目指します。
「ヘルスケアジャーニー」は当社グループが新たに提唱する概念であります。人が一生の中(ライフステージ)で、自身のヘルスケアについて経験する各種イベントと、医療機関等を含む対応のプロセスを「旅路」として捉えるものであります。「より良いヘルスケアジャーニーの実現」は世界の人々のQOL向上という重要な社会的課題の一つであります。当社グループは、一人ひとりのヘルスケアジャーニーがより良いものになるよう、様々な協創を通じて新たな価値を提供し、社会にとって不可欠な存在として成長していくことを目指します。
当社が、創業以来取り組んでいるダイアグノスティクス事業はヘルスケアジャーニーの中で重要な役割を担うものであります。高い成長と収益性を実現すると共に、更に強化することによる「イノベーションの創出」や新たな価値提供を目指す「新興国市場へのフォーカス」、一人ひとりの最適な治療に不可欠な「個別化診断」、健常・未病・予防のための「個別化予防」、慢性疾患等を持ちながらも日常生活を続けるための「予後モニタリング」に取り組んでまいります。
またダイアグノスティクス事業とは異なる領域である手術支援ロボットや再生細胞医療の治療領域への挑戦等、価値創出できる領域を選択・追加し、当社の成長につなげてまいります。
(3) 経営環境の認識
現在、当社事業及び経営を取り巻く環境は、特に地政学(地域紛争、右傾化)、経済安全保障(トランプ関税、報復合戦、資源の独占等)のリスクが世界的に拡大する中で先行きを見通すことが一層困難となっております。足元では、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の変動や供給網の分断リスクに加え、主要国における通商政策の動向、更には金融・資本市場の変動等、不確実性の高い状況が継続しており、引き続き景気の下振れリスクに十分留意する必要があると見込まれます。
医療環境におきましては、引き続き新興国の経済成長や世界的な高齢化に伴う医療需要の拡大が継続すると見込まれております。特に、不足している医療従事者の安全・生産性向上、医療経済性の改善、医療アクセスの向上といった医療の質・サービス向上への期待は今後も高まると想定しております。加えて、人工知能(以下、AI)の普及をはじめ医療分野のDXは加速し、ロボット技術の実装・用途拡大も進展する予測であり、更なる成長機会の創出が期待されております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、長期ビジョンの実現を目指し、2026年4月より新たな中期経営計画 (2027年3月期から2029年3月期まで)をスタートさせました。今後3年間で取り組むべき重点アクションを設定し、具体的施策の実行を推進しております。本中期経営計画では、当社の強みを確かな成長機会とすべく、以下4つのテーマに優先的に取り組んでまいります。
① ダイアグノスティクス事業の競争力強化
主力のヘマトロジー分野をはじめとする各領域にてAI等の最新技術を融合させた新製品をグローバル市場へ順次投入し、診断価値の深化による競争優位性を確立いたします。また、高い成長が見込まれる新興国市場では、現地の医療ニーズに適した製品の提供と安定供給体制の強化を推進し、持続的な高成長を実現してまいります。
② ダイアグノスティクス事業の強みを活かした医療DXとデータ活用の推進
世界190カ国以上に広がる顧客基盤に基づく豊富な検査データとAI解析技術を組み合わせ、シスメックス独自の医療DXソリューションを提供していきます。検査結果に基づく適切な診療へのナビゲートに加え、AIを活用した検査室運営支援を通じた業務効率化の推進、更には公衆衛生支援等、医療課題の改善と医療経済性の両立に寄与する新たな価値創出に取り組んでまいります。
③ バリューチェーン改革による収益性向上
グループ全体の収益性及び資本効率の改善を図るため、特に安定的な収益源である診断薬においてバリューチェーン全体での変革を実行いたします。
④ 財務・資本戦略の再設計
資本効率の向上を図り、ROE 12.0%(2028年度)の達成を目標といたします。有利子負債の活用による資本構成の最適化を検討すると共に、配当性向40%目途の累進配当及び機動的な自己株式取得により、株主還元を拡充いたします。
これらに加えて、地球環境の持続可能性が喫緊の課題となっている中、長期的な環境マネジメントの指針として「シスメックス・エコビジョン2033」を策定しており、製品ライフサイクルにおけるCO2排出量や水消費量の削減、環境に配慮したグリーン調達等を継続して推進いたします。このように製品・サービスの提供を通じた医療課題解決に取り組むと共に、環境への配慮や魅力ある職場の実現等、優先的に取り組むべき課題(マテリアリティ)をグループ全体で推進し、多様なステークホルダーの皆様へ安心をお届けすると共に、サステナビリティ経営の実現を目指します。
(5) 目標とする経営指標
新たな中期経営計画では、2029年3月期を最終年度として、連結売上高600,000百万円、連結営業利益100,000百万円を達成することを目指します。
その初年度に当たる2027年3月期の連結業績予想につきましては、製品ラインアップの拡充や販売・サービス体制の強化等により、売上・利益共に伸張することを想定しており、売上高535,000百万円、営業利益58,000百万円を予想しております。
(注)2027年3月期の算定にあたりましては、通期の為替レートを対米ドル155.0円、対ユーロ180.0円、対中国元22.0円で想定しております。
なお、上記予想は、現時点で入手している情報に基づき算定したものであり、様々な要因により変動する可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来の経営基本方針である「3つの安心」を再定義したグループ企業理念「Sysmex Way」及び「Shared Values」を定め、グループ全体で実践していく事でステークホルダーからの高い信頼の獲得と更なる飛躍を目指します。

(2) 長期経営戦略
医療を取り巻く環境は、人口動態の変化や生活環境の多様化並びに技術革新の進展を背景として今後一層大きく変化することが予測されております。特に医療資源の有効活用の観点からは、医療DXの推進に加え、医療機能の分散化、予防医療や個人によるセルフメディケーションの重要性がますます高まると見込まれます。また、医療の高度化の進展に伴い、新たな治療法の実用化や医療現場におけるロボット技術の活用等、医療の質及び運営効率の向上を実現する取り組みへの期待が高まっております。
このような中、当社グループではグループ企業理念「Sysmex Way」のもと、2033年度を最終年度とする以下長期ビジョンを含む長期経営戦略2033(VA33)を策定し、推進しております。
<長期ビジョン>「より良いヘルスケアジャーニーを、ともに。」
当社グループは、健康で長生きしたいという人々の普遍的な願いに寄り添い、一人ひとりの身体状態を正確に捉え、個々に最適な医療・サービスが提供されることにより、生涯にわたり健康な状態が維持できる社会の実現を目指します。
「ヘルスケアジャーニー」は当社グループが新たに提唱する概念であります。人が一生の中(ライフステージ)で、自身のヘルスケアについて経験する各種イベントと、医療機関等を含む対応のプロセスを「旅路」として捉えるものであります。「より良いヘルスケアジャーニーの実現」は世界の人々のQOL向上という重要な社会的課題の一つであります。当社グループは、一人ひとりのヘルスケアジャーニーがより良いものになるよう、様々な協創を通じて新たな価値を提供し、社会にとって不可欠な存在として成長していくことを目指します。
当社が、創業以来取り組んでいるダイアグノスティクス事業はヘルスケアジャーニーの中で重要な役割を担うものであります。高い成長と収益性を実現すると共に、更に強化することによる「イノベーションの創出」や新たな価値提供を目指す「新興国市場へのフォーカス」、一人ひとりの最適な治療に不可欠な「個別化診断」、健常・未病・予防のための「個別化予防」、慢性疾患等を持ちながらも日常生活を続けるための「予後モニタリング」に取り組んでまいります。
またダイアグノスティクス事業とは異なる領域である手術支援ロボットや再生細胞医療の治療領域への挑戦等、価値創出できる領域を選択・追加し、当社の成長につなげてまいります。
(3) 経営環境の認識
現在、当社事業及び経営を取り巻く環境は、特に地政学(地域紛争、右傾化)、経済安全保障(トランプ関税、報復合戦、資源の独占等)のリスクが世界的に拡大する中で先行きを見通すことが一層困難となっております。足元では、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の変動や供給網の分断リスクに加え、主要国における通商政策の動向、更には金融・資本市場の変動等、不確実性の高い状況が継続しており、引き続き景気の下振れリスクに十分留意する必要があると見込まれます。
医療環境におきましては、引き続き新興国の経済成長や世界的な高齢化に伴う医療需要の拡大が継続すると見込まれております。特に、不足している医療従事者の安全・生産性向上、医療経済性の改善、医療アクセスの向上といった医療の質・サービス向上への期待は今後も高まると想定しております。加えて、人工知能(以下、AI)の普及をはじめ医療分野のDXは加速し、ロボット技術の実装・用途拡大も進展する予測であり、更なる成長機会の創出が期待されております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、長期ビジョンの実現を目指し、2026年4月より新たな中期経営計画 (2027年3月期から2029年3月期まで)をスタートさせました。今後3年間で取り組むべき重点アクションを設定し、具体的施策の実行を推進しております。本中期経営計画では、当社の強みを確かな成長機会とすべく、以下4つのテーマに優先的に取り組んでまいります。
① ダイアグノスティクス事業の競争力強化
主力のヘマトロジー分野をはじめとする各領域にてAI等の最新技術を融合させた新製品をグローバル市場へ順次投入し、診断価値の深化による競争優位性を確立いたします。また、高い成長が見込まれる新興国市場では、現地の医療ニーズに適した製品の提供と安定供給体制の強化を推進し、持続的な高成長を実現してまいります。
② ダイアグノスティクス事業の強みを活かした医療DXとデータ活用の推進
世界190カ国以上に広がる顧客基盤に基づく豊富な検査データとAI解析技術を組み合わせ、シスメックス独自の医療DXソリューションを提供していきます。検査結果に基づく適切な診療へのナビゲートに加え、AIを活用した検査室運営支援を通じた業務効率化の推進、更には公衆衛生支援等、医療課題の改善と医療経済性の両立に寄与する新たな価値創出に取り組んでまいります。
③ バリューチェーン改革による収益性向上
グループ全体の収益性及び資本効率の改善を図るため、特に安定的な収益源である診断薬においてバリューチェーン全体での変革を実行いたします。
④ 財務・資本戦略の再設計
資本効率の向上を図り、ROE 12.0%(2028年度)の達成を目標といたします。有利子負債の活用による資本構成の最適化を検討すると共に、配当性向40%目途の累進配当及び機動的な自己株式取得により、株主還元を拡充いたします。
これらに加えて、地球環境の持続可能性が喫緊の課題となっている中、長期的な環境マネジメントの指針として「シスメックス・エコビジョン2033」を策定しており、製品ライフサイクルにおけるCO2排出量や水消費量の削減、環境に配慮したグリーン調達等を継続して推進いたします。このように製品・サービスの提供を通じた医療課題解決に取り組むと共に、環境への配慮や魅力ある職場の実現等、優先的に取り組むべき課題(マテリアリティ)をグループ全体で推進し、多様なステークホルダーの皆様へ安心をお届けすると共に、サステナビリティ経営の実現を目指します。
(5) 目標とする経営指標
新たな中期経営計画では、2029年3月期を最終年度として、連結売上高600,000百万円、連結営業利益100,000百万円を達成することを目指します。
その初年度に当たる2027年3月期の連結業績予想につきましては、製品ラインアップの拡充や販売・サービス体制の強化等により、売上・利益共に伸張することを想定しており、売上高535,000百万円、営業利益58,000百万円を予想しております。
(注)2027年3月期の算定にあたりましては、通期の為替レートを対米ドル155.0円、対ユーロ180.0円、対中国元22.0円で想定しております。
なお、上記予想は、現時点で入手している情報に基づき算定したものであり、様々な要因により変動する可能性があります。