有価証券報告書-第59期(2025/04/01-2026/03/31)
(2) 戦略
当社グループは、気候変動及び自然資本に関する課題が、当社の事業活動並びに中長期的な企業価値に重要な影響を及ぼし得ると評価しております。これらに起因するリスク及び機会を経営戦略へ適切に反映するため、TCFD及びTNFDの各提言に基づき、気候変動と自然資本を統合的に捉えた分析を実施しております。
当該分析においては、外部の複数の気候・自然関連シナリオを参照し、当社グループの全事業及びサプライチェーン全体を対象として、短期(1年)、中期(~3年)、長期(~10年)の時間軸で、サステナビリティ関連のリスク及び機会が事業活動に与える影響を評価しております。リスク及び機会が及ぼす財務的影響については、将来の営業利益への影響を基準として定性的に評価しております。
これらのリスク及び機会に対する当社の対応状況は、温室効果ガス排出量削減や資源使用量の低減等の指標及び目標として定量的に管理しており、その進捗は経営戦略の実行状況を評価する重要な要素として活用しております。
リスクと機会
環境課題に対するリスク
移行リスク
物理的リスク
※ 短期:1年、中期:~3年、長期:~10年
環境課題に対する機会
資源効率
エネルギー
製品とサービス
市場
評判
レジリエンス
※ 短期:1年、中期:~3年、長期:~10年
当社グループは、気候変動及び自然資本に関する課題が、当社の事業活動並びに中長期的な企業価値に重要な影響を及ぼし得ると評価しております。これらに起因するリスク及び機会を経営戦略へ適切に反映するため、TCFD及びTNFDの各提言に基づき、気候変動と自然資本を統合的に捉えた分析を実施しております。
当該分析においては、外部の複数の気候・自然関連シナリオを参照し、当社グループの全事業及びサプライチェーン全体を対象として、短期(1年)、中期(~3年)、長期(~10年)の時間軸で、サステナビリティ関連のリスク及び機会が事業活動に与える影響を評価しております。リスク及び機会が及ぼす財務的影響については、将来の営業利益への影響を基準として定性的に評価しております。
これらのリスク及び機会に対する当社の対応状況は、温室効果ガス排出量削減や資源使用量の低減等の指標及び目標として定量的に管理しており、その進捗は経営戦略の実行状況を評価する重要な要素として活用しております。
リスクと機会
環境課題に対するリスク
| リスク | カテゴリー | 想定されるリスク | 影響期間※ 財務的影響 | 取り組み |
移行リスク
| 政策 | 気候変動 自然資本 | 法規制の変化により、原材料や技術の使用制限が発生し、製品供給が困難または高額な代替品が必要となる | 中長期 Low | 各地域の統括拠点に品質保証・薬事部門を設置し、法務規制の変化に対応 原材料の定期的なリスクアセスメントを実施し、代替原料への切替検討による安定供給の確保 |
| 市場 | 気候変動 | エネルギー・原材料・グローバル物流コストが増大する | 短~長期 High | 再生可能エネルギーの導入や省エネルギー対策・設備の効率化、さらに輸送効率の高い濃縮試薬製品の対象拡大、ボーダレス物流網整備などによるエネルギーコストの抑制 |
| 技術 | 気候変動 自然資本 | 環境負荷の低い素材や技術への移行にともない、研究開発コストや設備投資が増加 期待されたタイミングで環境規制に対応した製品の実用化が困難になる | 中長期 Low | 法規制や顧客要請、市場・業界動向を踏まえた製品・技術開発の推進、および環境配慮型素材への計画的な代替 |
| 評判 | 気候変動 自然資本 | 顧客の環境意識の変化により、当社製品の環境負荷に対する批判が生じ、需要および競争力が低下する | 中長期 High | 顧客の声を製品開発や品質改善に活用する仕組み(Voice of Customer:VOC)の活用、水平リサイクル可能な試薬容器開発など、環境配慮型の企画設計ならびに技術・製品開発の推進 |
物理的リスク
| 急性 | 気候変動 自然資本 | 大規模な自然災害により、工場被災やサプライチェーンの寸断が生じ、生産や製品供給が困難になる | 短~長期 High | 事業継続計画(BCP)に基づく、消費地近隣での分散生産体制の構築や、原材料の複数社購買・供給体制・輸送ルート・安全在庫の確保によるリスクを分散 |
| 慢性 | 気候変動 自然資本 | 干ばつにともなう地域的な水不足による製品の安定的な供給が困難になる | 中長期 Middle | リスクの定期モニタリング、事業継続計画(BCP)に基づくリスクを低減 |
※ 短期:1年、中期:~3年、長期:~10年
環境課題に対する機会
| 機会/カテゴリー | 想定される機会 | 影響期間※ 財務的影響 | 取り組み |
資源効率
| 気候変動 | より効率的な輸送手段の利用やIoT活用によりオペレーションが最適化される | 短~長期 High | グローバル物流プロセスのデジタライゼーションやリモートサービス、添付文書や表示値などの製品付随情報のデジタル化を通じ、CO2削減を推進 |
| 気候変動 自然資本 | 梱包や製品設計の見直しによる原材料コストや廃棄物量が低下する | 短~長期 High | 梱包資材や形態の見直しによる省資源化、脱プラスチック素材への代替、ドライアイスフリーの超低温輸送対象の拡大、プロダクトロスのゼロ化、製造・開発工程で排出される資源の有価物化により、廃棄物削減と資源循環を図る |
エネルギー
| 気候変動 | 省エネルギー化によるエネルギーコストの削減や低炭素エネルギーへのシフトによる社会的評価が向上する | 中長期 Low | 省エネルギー対策や設備の効率化、再生可能エネルギーの導入やZEB認証取得、社用車の低燃費車への切替、電力消費量の高い既存製品切替促進を通じ、エネルギー使用量を低減 |
製品とサービス
| 気候変動 自然資本 | 自然環境の悪化にともなう長期的な疾患動向の変化により、新たな検査機会が創出され、検査需要が拡大する | 中長期 Middle | マラリアなどの感染症対策や薬剤耐性 (AMR)に寄与する製品開発や、デジタル技術を活用した公的保健医療政策との連携強化に向けた活動を推進 |
市場
| 気候変動 自然資本 | 顧客の購入意識の変化により、環境に配慮した製品や非常時問わず対応可能な製品などへのニーズが高まるなど、新たな製品・サービスの創出機会が生まれる | 中長期 Middle | 省電力・小型化製品や、省エネ・省資源技術を活かしたサーキュラーエコノミー型製品、診断薬の有効期限を延長する開発などの推進 |
評判
| 気候変動 自然資本 | 気候変動・自然資本への取り組みと情報開示により、金融市場での評価・期待が高まる | 短~中期 Low | TCFD・TNFD対応をはじめ、シスメックスサステナビリティデータブックなどによる環境情報の開示 |
レジリエンス
| 気候変動 自然資本 | 自然災害発生時における製品・サービスの安定供給により、顧客からの信頼が向上する | 中長期 Middle | グローバルな供給体制や原材料の複数社購買によるバックアップ体制を構築 |
※ 短期:1年、中期:~3年、長期:~10年