有価証券報告書-第52期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/21 14:45
【資料】
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【項目】
129項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 製品構成上の特色
当社グループの製品は、研究開発部門、品質管理部門、生産部門で使用する検査装置や評価装置が主体であるため、高付加価値、高収益性、高成長性を有する反面、業界の景気動向や各企業の設備投資動向が悪化する局面においては、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、技術者中心の労働集約的な生産体制であるため、人件費等の固定費負担が高くなる傾向にあります。
(2) 新市場への展開
当社グループは、X線残留応力測定装置関連、光応用・特殊機器装置関連の一部は、自社開発製品の製造販売を主力事業とする一方、ヘルスケア装置関連及び光応用・特殊機器装置関連は、顧客仕様に基づく受託開発やOEM生産を次期の主力事業とするよう注力しております。また、自社製品を活用した応力測定や3D計測などの計測サービスや製品レンタルなどの販促サービス事業にも積極的に取組んでおります。
このように、新市場の参入を積極的に進めておりますが、新市場における当社製品の認知度は低く、業界風土や商習慣においても不慣れであることから、当初計画と実績に乖離が生じる可能性があります。また、受託開発案件は総じて難易度が高く対応できる技術者が限られていることや、当初の予想工数を大幅に超過してしまうこともあり得ますので、このような場合は業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 他社との競合及び検査装置の内製化
当社グループは、今までに培ったノウハウや先端技術を駆使することにより、競合先との差別化を図ってまいりましたが、競合先から類似製品や低価格製品が市場投入され当社の対応が遅れた場合には、財務及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、市場の動向や顧客の方針転換によっては、検査装置を内製化することがあり、そのような局面においては市場規模も縮小する可能性があります。
(4) 研究開発
当社グループは、「研究開発型モノづくり企業」として、多様化する顧客ニーズに対応した製品をタイムリーに提供することにより、業容を拡大してまいりました。今後も、成長が見込める分野には積極的に経営資源を投入していく方針でありますが、完了した研究開発テーマについて、そのすべてが経営成績に寄与する保証はありません。また、他社との共同研究や受託開発につきましても、今後の市場環境や顧客方針の転換等によっては、利益計画の大幅な見直しや事業規模の縮小又は中止を余儀なくされる可能性があります。
(5) 新規事業
当社グループは、安定経営の観点から今後も新規事業の創出に積極的に取組む方針であり、研究開発費や設備費、人材の採用等について、新たな支出を必要とする可能性があります。また、新規事業を開始しても、安定的な収益を計上できるようになるまでには一定の期間が必要であり、結果として、その期間は全体の利益率を低下させる可能性があります。今後の市場環境や顧客動向の変化等によっては、利益計画の見直しや投下資本の回収が困難になるなど、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 電子部品、機構部品及び特注部材等の調達
当社製品に使用する電子部品及び精密機構部品等は、商社やメーカからの調達となり、成形品や金属加工品などの特注部材は、加工外注先に生産委託して調達しております。
景気上昇局面や災害等の発生により需要が増加しメーカの生産がひっ迫する状況下では、複数の購入ルートを有していた場合でも、安定供給を受けられない可能性があります。また、加工外注先の繁忙期に備え相当数の加工外注先を確保しておりますが、加工外注先全体の稼働率が上昇するような局面においては、安定した特注部材の調達が困難になる可能性があります。安定した品質の特注部材を納期どおりに調達できない場合は、生産遅延や納入遅延が発生し、顧客の信頼を損ねるなど業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 災害等による影響
当社は、地震や火災などの自然災害に備え、避難訓練及び安全対策の実施並びに各種資産の保全対策等を講じております。今後予想される東海地震等の大規模な地震が発生した場合は、本社工場を静岡県浜松市に設置しているため、事業活動に多大な影響を及ぼす可能性があります。
(8) 海外における事業展開
当社グループは、アジア、北米、ヨーロッパに販売及びメンテナンス拠点を設置しグローバルな事業展開を行っております。海外市場では、各国の政治・経済の混乱や新たな政策の決定、法律又は規制の制定や変更など目まぐるしく変化しており、その内容によっては、当社グループに不利益が生じる可能性があります。また、テロや戦争による治安情勢の悪化、伝染病の発生などのリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合には、安定した製品供給ができなくなる可能性があります。
(9) 人材の採用と育成
当社グループは、主力事業の低迷により人員削減を余儀なくされ、長期にわたり人員の採用を見合わせてまいりましたが、業績の回復に伴い人材不足が顕在化することとなり、技術・営業・調達・品質保証・総務・経理等の業務経験者を中途採用するとともに、新規学卒者の採用も再開いたしました。
これにより、人材不足を解消し新たな事業展開を加速させることで、社業のさらなる発展を目指してまいりますが、人件費等の固定費の増加が先行することから、一定期間は業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国内では緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令され、国内での移動や海外渡航に対する規制も厳しくなり、営業活動等にも支障が生じております。世界各地でワクチン接種が開始され、接種率の高い国では感染者や死者数が激減しているものの、感染力の強い変異種も各国で確認されており、新型コロナウイルスの終息時期については見通し困難な状況であるため、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。