有価証券報告書-第42期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
④ 株式会社の支配に関する基本方針について
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条3号に掲げる事項)は次のとおりです。
当社は、2006年5月15日開催の当社取締役会において、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上のための取組みのひとつとして、「当社の企業価値及び株主共同の利益向上のための取組み」の導入を決議し、2006年6月27日開催の定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。その後も、2007年6月25日開催の定時株主総会において、当該取組みの名称を「当社の企業価値及び株主共同の利益向上に関する基本方針」に変更し、それ以降も毎年当該取組みを継続しつつ、その間、2017年6月27日開催の定時株主総会において、当社が監査等委員会設置会社に移行することに伴い当該内容を変更し、さらに2021年6月25日開催の定時株主総会においてかかる「当社の企業価値及び株主共同の利益向上に関する基本方針」(以下「旧基本方針」といいます。)を継続する等、所要の修正を行った上で、毎年の定時株主総会において、その継続についてご承認をいただいてまいりました。
この度、当社は、2022年6月24日開催の第42期定時株主総会の終結の時をもって、旧基本方針の有効期間が満了することから、旧基本方針の継続の是非について再度検討したところ、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行の継続及びロシアによるウクライナに対する軍事侵攻による不安定な世界的な社会経済情勢や当社を取り巻く事業環境及び経営環境、買収防衛策に関する動向等の諸要素に鑑みると、旧基本方針には引き続きその必要性及び合理性が認められるとの結論に至りました(以下、新たに継続する基本方針を「本基本方針」といいます。)。
そのため、当社は、2022年5月13日開催の当社取締役会において、引き続き下記のとおり本基本方針を継続することを決定し、併せて、2022年6月24日開催の第42期定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。
Ⅰ.当社企業価値の源泉
当社及びその子会社(以下、単に「当社」といいます。)は、これまで、主に3つの事業分野を営んでおりました。すなわち、テストメディアの開発・製造・販売を行うインダストリアルソリューション事業、長期保存用光ドライブ及び長期保存用光ディスク等の販売並びに産業用及びAV機器用光ドライブの開発・製造・販売を行うアーカイブ事業、耐火材料の製造・販売を行う断熱材事業です。そして、ナノマテリアルの研究開発、製造及び販売を目的とするナノマテリアル事業を開始し、それらの事業領域を拡大して参りました。
この内、インダストリアルソリューション事業は当社設立以来の基幹事業であり、中核技術を担ってきたものです。加えて、断熱材事業は、断熱材業界における当社の業界認知度が近年高まってきたこと等を受け、当社の中核事業を構成するほどの飛躍を遂げております。当社事業が多角的に展開できてまいりましたのも、これらの主幹事業の存在と中核技術の発展があってこそのものです。
そして、当社のこれまでの事業展開は、インダストリアルソリューション事業に代表されますように、当社が特定の事業者に傾倒したり妥協したりしない、中立・公正な「規準」を提供してきたことに、顧客から、当社の存在価値を認められて、当社の製品やサービスの品質に対する信頼を獲得するという方針でなされてきました。つまり、当社は、これまで、その中立性・公正性に対する信頼感を高め、確保することで、当社のプレゼンスを確立してまいりました。
したがいまして、当社の企業価値の源泉が、これまで当社が築いてきた中立性・公正性に対する信頼感とそこから確立されたプレゼンスにあることは、疑いようがありません。
当社は、そのような当社の企業価値の源泉を踏まえて、今後とも、当社が築いてきた中立性・公正性に対する信頼感とそこから確立されたプレゼンス基盤に、業界での認知度を高め、飛躍を遂げている断熱材事業を皮切りに、新成長ドライバーの軸となることが期待されるナノマテリアル事業といった各種事業を発展させ、またこれら以外の新規事業に対しても積極的な投資を行い、企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。
Ⅱ.当社企業価値の確保・向上に向けた取組み
以上で述べた通り、当社の企業価値の源泉は、これまで当社が築いてきた中立性・公正性に対する信頼感と、そこから確立されたプレゼンスにあります。
当社は、この企業価値の源泉を枯らすことなく、当社事業を継続的に維持・発展させ、また多角化を行い、もって、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を確保・向上すべく、各種の取組みを行ってきたところであり、また、今後も行ってまいります。
具体的には、2017年度は、2017年5月12日付け「再成長戦略(ReGrowth2017)の実施について」の策定を公表し、経営体制の強化及び新成長ドライバーの確立に取り組んでまいりました。断熱材事業については、特に国内において当社の業界認知度が高まった関係で、当該断熱材事業全体で、売上高が前年度の売上高から19.3%の増加が見られました。一方で、WEBビジネス事業における事業立ち上げの遅れやその他事業としての中国でのカップ式自動販売機オペレーション事業において、各種許認可の取得に時間を要し、営業開始が遅延していること等が収益を圧迫し、結果として、連結営業利益が△60百万円となり、かかる再成長計画(ReGrowth2017)の計画数値を大きく下回る結果となりました。
また、2018年度は、2018年5月14日付け『「中期経営計画2018(Fly for the bright future)」の策定に関するお知らせ』を公表し、引き続き、経営体制の強化及び新成長ドライバーの確立に取り組んでまいりました。断熱材事業については、国内において当社の業界認知度が継続的に高まってきているものの、当該断熱材事業全体で、売上高が前年度から2.7%減という結果となりました。また、WEBビジネス事業の中核であった不動産総合比較サイト「イエカレ」の業績低迷が続いたため、当該WEBビジネス事業を2018年9月30日にイクス株式会社に対して譲渡しました。さらに、その他事業としての中国でのカップ式自動販売機オペレーション事業において、愛飲(上海)貿易有限公司が各種許認可の取得に時間を要し、営業開始が遅延し、収益を圧迫していたこともあり、当社中国子会社の再編を決定しました。これらの結果として、連結営業損失が62百万円となり、かかる中期経営計画2018(Fly for the bright future)の計画数値を下回る結果となりました。
さらに、2019年度は、2019年5月14日付け『「中期経営計画2019(Fly for the bright future)」の策定に関するお知らせ』を公表し、新成長ドライバーの確立及び断熱材事業の更なる成長等に向けた継続的な取り組みを行ってまいりました。断熱材事業については、国内において当社の業界認知度が継続的に高まり、堅調な推移を示したものの、日本国内で受注する予定であった複数の個別案件が翌期以降に持ち越されただけでなく、中国国内の太陽光発電補助金制度が見直されたことにより一部の製品売上高が販売計画を下回ったことから、全体として、断熱材事業の売上高が前年度から5.1%増という結果に留まりました。さらに、新成長ドライバーの軸として期待されるナノマテリアル事業においては、市場の拡大、各顧客の用途に合ったカーボンナノファイバー製品の開発・販売を行っているだけでなく、これに応じたナノマテリアル事業の体制整備も進めました。これらの結果として、連結営業利益が55百万円となり、かかる中期経営計画2019(Fly for the bright future)の計画数値を下回る結果となりました。
そして、2020年度は、2020年5月14日付け『「中期経営計画2020(Fly for the bright future)」の実施について』を公表し、ナノマテリアル事業の成長、断熱材事業の更なる成長及び新成長ドライバーの確立等に向けた継続的な取り組みを行ってまいりました。ナノマテリアル事業については、自動車産業、航空宇宙産業や電気機器産業といった市場や顧客からの要望に従い、カーボンナノファイバー及びその配合品の標準品を拡充し、また、有償でサンプル品の販売を行うといった量産採用に向けた取り組みを着実に実行しました。断熱材事業については、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴う先行き不安から、2020年度に国内で受注する予定であった複数の案件が2021年度以降に持ち越され、また、受注した案件についても規模縮小があったものの、当社連結子会社の阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司を通じて、日本国内大手製鉄会社からCGL(亜鉛メッキライン)に関する案件を受注したことにより、断熱材事業における売上高が販売計画を14.4%上回りました。さらに、新成長ドライバーの確立に向けて、成長が見込まれる事業への積極的投資やM&Aの推進を検討しました。具体的には、ナノマテリアル事業の成長、断熱材事業の売上構成比率が7.6%増加したことに合わせて、これらの事業における設備や人材等への積極的投資を実施しました。以上の結果として、連結営業損失が11百万円となり、かかる中期経営計画2020(Fly for the bright future)の計画数値を上回ることができました。
加えて、2021年度は、2021年5月14日付けの『「中期経営計画2021」の実施について』で公表しましたとおり、基本方針として、事業構造改革のスピードを上げ、機能性材料メーカーへの転換を図ることを目指してまいりました。具体的には、(1)ナノマテリアル事業の成長スピードアップを図り、カーボンナノファイバー及びその配合品の標準品をはじめとした製品ラインナップを拡充し、有償サンプル品の販売を行うことで、国内外ともに幅広い業種へのサンプル出荷件数を増加させただけでなく、重点展開産業と位置付けていた航空・宇宙産業の有力企業との間で、共同開発契約の締結等を行いました。また、ナノマテリアル事業における開発案件の増加対応や量産化本採用に向けた体制強化、中規模試作・生産の統合拠点として東村山事業所を開設しました。これにより、カーボンナノファイバー製品等に関するリードタイムの短縮、ナノマテリアルに関する基礎研究及び開発研究のスピードアップを図ることができました。次に、(2)断熱材事業の更なる成長と環境問題対策に取り組み、複数の工事案件を受注することで、炉材の販売が増加しました。また、高付加価値製品である高温窯道具の棚板の納入を海外の顧客から定期的に受注したことにより、売上高が販売計画を上回りました。(3)成長が見込まれる事業への積極的投資を行い、ナノマテリアル事業において、広範な業界に対して当社カーボンナノファイバーの提案を行った結果、評価ステージが上がる中で、顧客の要求に的確に対応し、顧客における当社カーボンナノファイバーの本格採用に向けた生産能力を担保すべく、福島県双葉町中野地区にナノマテリアル事業に係る本格工場の建設に着手しました。以上の結果として、連結営業利益が74百万円(営業利益率2.3%)となり、かかる中期経営計画 2021の計画数値を上回ることができました。
こうした状況を受け、2022年度は、2022年5月13日付けの『「中期経営計画 2022」の実施について』で公表しましたとおり、基本方針として、2021年度に引き続き、事業構造改革のスピードを上げ、機能性材料メーカーへの転換を図ることをさらに目指してまいります。具体的には、(1)ナノマテリアル事業の成長スピードアップを図ります。営業戦略として、海外展開の他、スポーツ業界やレジャー業界への展開も含めた新しい市場開拓や新規顧客の開拓、先進運転支援システムの開発が見込まれる自動車業界やインフラ業界及び航空機業界への重点展開、アプリケーション提案力の強化及び人材の拡充・育成強化等を進め進めます。技術戦略として、製品ラインナップの拡充、量産化本採用に向けた体制の強化、品質保証体制の確立、性能評価データの蓄積やその検証スピードアップ及び人材の拡充・育成強化等を行います。そして、短期的・中期的両面の視野での顧客獲得を見据えつつ、ナノマテリアル事業の売上高の拡大を目指します。また、生産体制の確立に向け、福島県双葉町中野地区にナノマテリアル事業に係る本格工場が2022年9月に稼働予定であり、地元人材の雇用と地域活性化を図りつつ、量産化本採用に向けた体制強化及び品質管理体制の整備・構築を図ります。次に、(2) 当社グループ一丸となり、断熱材事業の更なる成長と環境問題対策に取り組み、環境を考慮した高付加価値商品を提供する断熱材事業を推進します。営業戦略として、高付加価値製品の販売に重点を置き、築炉等定期工事物件材料の拡販や工業炉及び電気炉の拡販、棚板・窯道具製品の拡販を目指します。そして、新製品や、断熱材にこだわらない周辺商材等のラインナップ拡充もさらに図ります。また、海外展開として、受注の拡大及び販路の開拓を目指します。加えて、中国での環境問題の一端となっています水不足対策として、水を多く利用する生産品の生産体制の対応を図る予定です。(3)成長が見込まれる事業への積極的投資を行います。まず、ナノマテリアル事業に対しては、人材及び設備の拡充、機能性開発及び応用開発、事業体制強化に向けたM&Aを推進し、更なる事業の成長を目指します。これらによって、ナノマテリアル事業の領域をより一層拡大していくだけでなく、これ以外の新規事業にも取り組むことで、事業ポートフォリオの最適化を図り、2025年3月期に連結営業利益率10%を達成できるように、企業価値の向上を目指します。
さらに、当社は、2017年6月27日開催の第37期定時株主総会において株主の皆様から承認をいただき、監査等委員会設置会社へ移行いたしました。監査等委員につきましては、3名全員を当社と利害関係を持たない独立性の高い社外取締役を選任し、監査等委員会を通じて厳正な監査を行っております。加えて、2021年6月25日開催の第41期定時株主総会において、独立役員1となる社外取締役3名を選任したことや、IR活動の強化を行っていくこと等により、引き続き、当社内部の経営の健全性の確保と透明性の向上に努めてまいります。
1株式会社東京証券取引所の有価証券上場規程第436条の2に定める、一般株主と利益相反が生じるおそれがない社外取締役又は社外監査役を意味します。
その上で、これらの取組みを通じて強固となる事業基盤を活かし、当社の業容の多様化を推進し、株主の皆様をはじめとする利害関係者の方のご期待に応えることで、この方面からも当社に対する信頼感を確固たるものにし、当社のプレゼンスをより一層高めてまいる所存です。
Ⅲ.本基本方針について
1.基本的な考え方
今日の国際的競争時代における企業文化の変容、企業買収に関わる法制度の変化等を踏まえると、今後、会社の取締役会の同意を得ない経営権獲得(いわゆる非友好的企業買収)が増加することが予想され、当社においてもその可能性は否定できません。
もとより、当社はこのような企業買収であっても、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するほか、お客様をはじめとする当社のステークホルダーの利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。
しかしながら、先述の通り、当社の企業価値の源泉は、これまで当社が築いてきた中立性・公正性に対する信頼感とそこから確立されたプレゼンスにありますところ、当社を買収しようとするものの中には、その目的・方針からして、企業価値を毀損する危険性のあるものが存在します。
例えば、買収者が、いわゆるグリーンメーラーであったり、焦土化・解体型買収・強圧的二段階買収等により、短期的な利益の獲得を意図している場合はもちろんのことですが、当社のテストメディア事業者としての性格上、当社を特定の各機器製造業者グループに所属させることを意図している場合や、当社をして特定の規格に対するテストメディアのみ開発・製造させ、供給させることを意図している場合などにおいても、それが実現されれば、これまで当社が築いてきた中立性・公正性が疑われ、当社に対する信頼感の喪失につながることから、当社の企業価値が大いに毀損されるであろうことは明らかです。
また、買収者がかような意図を有しているか否か不明である場合、すなわち、買収者が株主の皆様に対し買収提案に対する諾否を判断するために必要かつ十分な情報提供を行わない場合には、株主の皆様に当該買収者による当社の経営支配権の取得が当社の企業価値を損なうのではないかとの疑念を抱かせることとなり、結果的に、当該買収提案が当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するか否かの適切な判断を妨げることになります。
そのため、かかる買収者についても、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に必要な前提を欠く不適切な買収者と評価せざるを得ません。
現在、当社が具体的にこのような買収に直面している事実はありませんが、当社としては、当社の企業価値を毀損するような不適切な企業買収に対して、相当な範囲で適切な対応策を講ずることが、当社の企業価値、ひいては当社株主共同の利益を確保・向上するうえで必要不可欠であると判断し、この度、2022年6月24日開催の第42期定時株主総会において、出席された株主の皆様の議決権の過半数の賛成をいただけることを条件として、本基本方針の継続を決定致しました。
なお、2022年3月末日現在の当社の大株主の状況につきましては、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (6) 大株主の状況」をご参照ください。
本基本方針の継続は、2022年5月13日開催の当社取締役会において決定されたものであります。
さらに、本基本方針の継続につきましては、上記取締役会に出席した当社監査等委員3名(全員が社外取締役)はいずれも、本基本方針の具体的運用が適正に行われることを前提として、本基本方針への継続に賛成する旨の意見を述べております。
また、当社は、本基本方針の継続について株主の皆様の意向を確認するために、2022年6月24日開催の第42期定時株主総会において、本基本方針の継続の是非を諮るとともに、併せて、特別委員会の委員の方々の選任についても、株主の皆様のご承認を諮り、株主の皆様の過半数のご賛成をいただき、本基本方針の継続は承認されました。
2.目的
本基本方針は、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上の観点から、当社に対する買収行為または当社株式の大量買付行為(以下、総称して「買収行為」といいます。)を行おうとする者(以下「行為者」といいます。)に対して、行為者の有する議決権割合を低下させる手段を講じる旨の事前警告を発することにより、当社企業価値、ひいては株主共同の利益を毀損するような買収行為(以下「濫用的買収」といいます。)を防止するための対抗策を講じることを目的としております。
また、併せて、株主の皆様に対し、買収行為が当社企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものかどうかを適正に判断するために必要となる情報と時間を十分に提供し、かつ、当社取締役会と行為者との交渉または買収行為に対する当社取締役会の意見・代替策を提供する機会を確保することにより、株主の皆様の判断機会を保証し、誤解・誤信に基づいた買収行為への応諾を防止するための対抗策を講じることをも、目的としております。
3.スキーム
本基本方針は、事前警告型プランで、経済産業省及び法務省が2005年(平成17年)5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の主旨に沿った適正かつ有効なスキームとなっているとともに、当社が対抗策の発動として無償で割当てる新株予約権の内容について、当該新株予約権を当社の株式等2と引換えに当社が取得できる旨の取得条項を付すことができるとされているに過ぎないなど、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年(平成20年)6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」に配慮した内容となっております。
(1)概要
当社取締役会は、行為者に事前に遵守を求めるルール(以下「事前遵守ルール」といいます。)と、株主の皆様の判断機会を保証し、株主の皆様の誤信・誤解及び濫用的買収を防止するために対抗策の発動対象となるか否かの基準(以下「評価基準」といいます。)を予め公表します。
そして、特別委員会が、本基本方針の手続を主体的に運用し、当社株式の買付けに関する評価と対抗策の発動を当社取締役会に勧告するか否かの判断を行います。
特別委員会は、買収行為を評価した結果、評価基準のすべてを満たすと判断する場合を除き、対抗策の発動を勧告することができるものとします(ただし、その虞(おそれ)と対抗策の発動による影響とを比較考量して、発動することが相当であると認められる場合に限ります。)。かかる勧告がなされた場合に限り、当社取締役会は所定の手続に基づき対抗策の発動を決定することができるものとします。
当社取締役会が定める事前遵守ルールと評価基準の概要は次の通りです。
⦅事前遵守ルール⦆
① 行為者は、当社取締役会の同意がある場合を除き、(ⅰ)当社が発行者である株券等3について、行為者及び行為者グループ4の株券等保有割合5が20%以上となる買付けその他の取得をする前に、または(ⅱ)当社が発行する株券等6について、公開買付け7に係る株券等の株券等所有割合8及び行為者の特別関係者9の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けを行う前に、必ず当社取締役会に事前に書面により通知すること。
② 買収行為に対する特別委員会の意見形成のため、行為者は、特別委員会が当社取締役会を通じて求める以下の情報を提供すること。
・行為者及び行為者グループの概要
・買収提案の目的・買収価格の算定根拠、買付資金の裏付、資金提供者の名称及び概要
・行為者が意図する経営方針及び事業計画
・行為者の経営方針及び事業計画が当社株主の皆様に与える影響とその内容
・行為者の経営方針及び事業計画が株主の皆様以外の当社ステークホルダーに与える影響とその内容
・その他、特別委員会が評価にあたり必要とする情報
(なお、特別委員会は、行為者が提供した情報では買収行為に対する特別委員会の意見形成をするために不十分であると判断する場合には、当社取締役会を通じて、追加の情報提供を求めることがあります。また、当社は、特別委員会が行為者に求めた情報のすべてを受領した場合には、行為者に対して、その旨を通知(以下「情報受領通知」といいます。)します。)
③ 特別委員会が買収行為を評価する評価期間が満了し、その旨の情報開示をするまでは、行為者は従前の当社株式保有数を増加させないこと。
特別委員会の評価期間(行為者が情報受領通知を受領した日から起算)
買収の対価が現金(円貨)の場合 最大で60日以内
その他の場合 原則として90日以内
(ただし、必要に応じ、延長することがあります。かかる場合には、適宜その旨、延長後の期間及び延長を必要とする理由その他特別委員会が適切と認める事項について情報開示します。また、延長した場合の延長後の期間を含め行為者による買収行為を評価する期間が満了した場合には、速やかに、その旨の情報開示をします。)
2会社法第107条第2項第2号ホに規定する株式等をいいます。
3金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。
4金融商品取引法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者をいいます。
5金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。
6金融商品取引法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。
7金融商品取引法第27条の2第6項に規定する公開買付けをいいます。
8金融商品取引法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。
9金融商品取引法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。
⦅評価基準⦆
① 行為者が事前遵守ルールのすべてを遵守しているとき
② 以下の濫用的買収の類型のいずれかに該当する行為またはそれに類する行為等により、株主共同の利益に反する明確な侵害をもたらす虞のあるものではないとき
(a) 強圧的買収類型
いわゆるグリーンメーラー・焦土化・解体型買収・強圧的二段階買収 等
(b) 機会損失的買収類型
(c) 企業価値を毀損する他、不適切な買収類型
(d) その他、上記各類型に準じる買収類型
(2)発動
当社取締役会が対抗策を発動する場合は、当社経営陣からは独立した社外取締役、外部有識者などから選任された委員で構成される特別委員会が中立かつ公平に発動の適正性を審議・勧告し、当社取締役会は特別委員会の勧告を最大限尊重のうえ発動についての最終的な決定をします。
特別委員会は、対抗策の発動または不発動を勧告した場合、当該勧告の概要その他特別委員会が適切と認める事項について、勧告後速やかに、情報開示を行うものとし、また、当社取締役会は、対抗策の発動または不発動を決定した場合には、速やかにその旨の情報開示をすることとします。
なお、当社取締役会は、対抗策の発動決定後であっても対抗策の発動が不要になったと判断される場合は効力発生日前に限り対抗策の発動を撤回することがあります。かかる場合、取締役会は、対抗策の発動を撤回した旨その他取締役会が適切と認める事項について、撤回後速やかに、情報開示を行います。
(3)廃止等
本基本方針は、導入後、毎年の定時株主総会の終結の時までを有効期間とし、定時株主総会において株主の皆様に本基本方針の継続、見直し、廃止について諮ることとしています。また、有効期間内であっても、臨時株主総会等において株主の皆様の過半数が本基本方針の見直しもしくは廃止に賛成した場合、または取締役会において過半数の取締役が本基本方針の見直しもしくは廃止に賛成した場合には、本基本方針を随時、見直しまたは廃止できることとします。かかる場合、取締役会は、法令及び証券取引所規則に従って、適時適切な情報開示を行います。
また、当社は2017年6月27日に開催の第37期定時株主総会における定款一部変更に関する議案の承認をもって、監査等委員会設置会社へ移行したことから、取締役会は、任期が2年の監査等委員である取締役と任期が1年の監査等委員でない取締役により構成されることになるため、本基本方針の発動を阻止するのに不当に時間を要するわけではありません。
(4)本基本方針の合理性を高めるための工夫
当社取締役会は、行為者から十分な情報、時間、交渉機会が提供され、あわせて買収行為が濫用的買収に明らかに該当しないと特別委員会が判断する限り、対抗策を発動することはありません。その意味において、当社取締役会は、行為者に対して、企業価値向上に資するか否かについて特別委員会が判断するに足る十分な情報の開示と、十分な考慮のための時間、説明や交渉機会の確保を求めます。
当社取締役会は、買収行為が真に当社の企業価値向上に資するようなものであれば行為者が事前遵守ルールを遵守し、特別委員会が濫用的買収に該当しないものと判断するに足る情報提供、説明などが可能であり、また、このような買収行為に対して当社取締役会が企業価値のさらなる向上のために現に経営を担う側としての代替案を提示することにより、情報開示が促進され、株主の皆様により適正な判断材料を提供することが可能になるものと判断します。
他方、買収行為が当社の企業価値向上に資する提案のように表面上装われた実質的な濫用的買収であれば、特別委員会が濫用的買収に該当しないものと判断するに足る情報や説明が行為者から提供される可能性は極めて低く、当社株主共同の利益向上を図るために必要がある場合には、対抗策を発動することができるものとしておく必要があるものと判断します。
このような措置を講ずることで行為者の真意が明らかとなり、同時に行為者、当社取締役会双方からの情報開示が促進され、株主の皆様により適正な判断材料を提供することが可能になるだけでなく、巧妙な手段を弄する濫用的買収を適切に防止し、確実に株主共同の利益の向上が実現できるものと判断します。
なお、本基本方針の手続の運営及び対抗策の発動に関する審議において、特別委員会の委員は、必要に応じて弁護士、公認会計士、金融機関など第三者専門家の助言を受けることができるほか、特別委員会の招集権は当社代表取締役のほかに各委員も有するとすることで同委員会の招集を確実なものとするなど、本基本方針の手続の適正性を確保するように配慮しております。
さらに、当社取締役会による対抗策の発動決定の前にすでに行為者が議決権の過半数を、公開買付開始公告その他の適切な方法により買付けを公表したうえで獲得した場合のように、当社株主の皆様の意思が明白な場合は対抗策を発動しないなど、本基本方針の合理性を高めるための工夫を講じています。また、本基本方針は毎年の定時株主総会の終結の時までを有効期限とし、当該定時株主総会において株主の皆様の承認を得ることを本基本方針の継続の条件としていますので、株主の皆様は本基本方針の適正性につき判断することができるほか、株主の皆様の総体的意思または取締役会の意思により、いつでも本基本方針の見直し、廃止ができるような工夫がなされています。
また、当社は取締役の任期を1年と定めており解任要件を加重しておりません。
4.行為者出現時の手続
行為者が買収行為を行う旨を書面で当社に通知したとき、当社は速やかにその旨の情報開示をするとともに、行為者に対して、まず事前遵守ルールの遵守を求めます。その上で、当社取締役会は、特別委員会の審議・勧告をふまえて、対抗策の発動を決定することができます。
すなわち、行為者が現れた場合、特別委員会は、行為者による買収行為について、事前遵守ルールを守っているかを含む評価基準のすべてを満たすか否かを評価します。その上で、評価基準のすべてを満たすと判断する場合を除き、特別委員会は、対抗策の発動を勧告することができるものとします(ただし、その虞と対抗策の発動による影響とを比較考量して、発動することが相当であると認められる場合に限ります。)。当社取締役会は、かかる特別委員会の審議・勧告がなされた場合に限り、所定の手続に基づき対抗策の発動を決定することができます。
当社取締役会が対抗策の発動または不発動を決定した場合には、速やかに、法令または証券取引所規則に従って、その旨の情報開示をすることとします。
当社取締役会において対抗策の発動が決定された場合、当社取締役会は、以下に述べる決議の直近の3月末日現在又は当社取締役会が定める基準日現在の株主の皆様に対して、当社普通株式1株につき1個の新株予約権無償割当ての決議を行います。各新株予約権の目的である株式の数は、原則として1株としますが、新株予約権無償割当ての決議を行う取締役会において決定します。
また、対抗策の発動後の行為者の対応によっては、当社取締役会は、再度、上記3.(1)<事前遵守ルール>②及び③並びに(2)に定める特別委員会による情報提供の要求、評価及び勧告を経た上、当社の企業価値及び株主共同の利益向上の観点から、その時点で採り得る必要かつ適正な対抗策を講じます。
なお、当社取締役会は対抗策の発動の決定後であっても行為者との十分な議論が尽くされる等、対抗策の発動が不必要と判断するに至った場合は、新株予約権無償割当ての効力発生日以前であればいつでも対抗策の発動を撤回し、新株予約権無償割当てを中止します。かかる撤回または中止を決定した場合には、速やかに、法令または証券取引所規則に従って、その旨の情報開示をすることとします。
また、特別委員会も、同様の状況になった場合に、当社取締役会に対抗策の発動の撤回または中止を勧告することができます。
5.株主・投資者の皆様に与える影響
当社が導入した本基本方針は、導入時点においては、新株予約権の発行が行われませんので、株主の皆様の権利・利益に直接具体的な影響が生じることはありません。
これに対し、対抗策の発動時においては、対抗策の発動に伴い発行する新株予約権が発行決定時に別途設定する基準日(但し、当該発動時から2ケ月以内に当社の株主総会(定時株主総会を含みます。)が予定されている場合には、当該株主総会に係る基準日を割当の基準日と設定することができるものとします。)における株主の皆様に対して割当てられることになります。行為者以外の株主の皆様は予約権を行使(新株予約権無償割当ての決議を行う取締役会において行使金額その他の条件を決定しますが、原則として新株予約権1個につき行使金額1円を想定しております。なお、当社が新株予約権を当社の株式等10と引換えに取得することができると定められた場合において、当社が当該取得の手続を採り、新株予約権の取得の対価として取得の対象として決定された新株予約権を保有する株主に当社株式等を交付する場合には、当該株主は、行使価額相当の金額を払い込むことなく、当社による当該新株予約権の取得の対価として、当社株式等を受領することになります。)し、当社新株を取得できます。また、対抗策を発動する場合には、適時かつ適切に情報開示を行う等しますので、行為者を含む当社株主や投資家の皆様及びその他の関係者に不測の損害を与える要素はないものと考えます。
なお、当社は、新株予約権無償割当てを決議した後であっても、行為者との議論・交渉などにより、合理的かつ妥当な買収提案がなされた場合(または当社取締役会が買収提案を妥当なものと判断した場合)または、行為者が買収行為等を撤回した場合には、本基本方針ガイドラインの定めるところに従い、新株予約権無償割当ての効力発生日以前であればいつでも対抗策の発動を撤回し、新株予約権無償割当てを中止し、また、新株予約権無償割当ての効力発生日以降においては当社取締役会が定める日に新株予約権の全部を一斉に無償で当社が取得することがあります。これらの場合には、1株あたりの株式の価値の希釈化は生じませんので、1株あたりの株式の価値の希釈化が生じ得ることを前提にして売付等を行った株主または投資家の皆様は、期待どおりの株価の変動が生じないことにより不測の損害を被る可能性があります。
10会社法第107条第2項第2号ホに規定する株式等をいいます。
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条3号に掲げる事項)は次のとおりです。
当社は、2006年5月15日開催の当社取締役会において、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上のための取組みのひとつとして、「当社の企業価値及び株主共同の利益向上のための取組み」の導入を決議し、2006年6月27日開催の定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。その後も、2007年6月25日開催の定時株主総会において、当該取組みの名称を「当社の企業価値及び株主共同の利益向上に関する基本方針」に変更し、それ以降も毎年当該取組みを継続しつつ、その間、2017年6月27日開催の定時株主総会において、当社が監査等委員会設置会社に移行することに伴い当該内容を変更し、さらに2021年6月25日開催の定時株主総会においてかかる「当社の企業価値及び株主共同の利益向上に関する基本方針」(以下「旧基本方針」といいます。)を継続する等、所要の修正を行った上で、毎年の定時株主総会において、その継続についてご承認をいただいてまいりました。
この度、当社は、2022年6月24日開催の第42期定時株主総会の終結の時をもって、旧基本方針の有効期間が満了することから、旧基本方針の継続の是非について再度検討したところ、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行の継続及びロシアによるウクライナに対する軍事侵攻による不安定な世界的な社会経済情勢や当社を取り巻く事業環境及び経営環境、買収防衛策に関する動向等の諸要素に鑑みると、旧基本方針には引き続きその必要性及び合理性が認められるとの結論に至りました(以下、新たに継続する基本方針を「本基本方針」といいます。)。
そのため、当社は、2022年5月13日開催の当社取締役会において、引き続き下記のとおり本基本方針を継続することを決定し、併せて、2022年6月24日開催の第42期定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。
Ⅰ.当社企業価値の源泉
当社及びその子会社(以下、単に「当社」といいます。)は、これまで、主に3つの事業分野を営んでおりました。すなわち、テストメディアの開発・製造・販売を行うインダストリアルソリューション事業、長期保存用光ドライブ及び長期保存用光ディスク等の販売並びに産業用及びAV機器用光ドライブの開発・製造・販売を行うアーカイブ事業、耐火材料の製造・販売を行う断熱材事業です。そして、ナノマテリアルの研究開発、製造及び販売を目的とするナノマテリアル事業を開始し、それらの事業領域を拡大して参りました。
この内、インダストリアルソリューション事業は当社設立以来の基幹事業であり、中核技術を担ってきたものです。加えて、断熱材事業は、断熱材業界における当社の業界認知度が近年高まってきたこと等を受け、当社の中核事業を構成するほどの飛躍を遂げております。当社事業が多角的に展開できてまいりましたのも、これらの主幹事業の存在と中核技術の発展があってこそのものです。
そして、当社のこれまでの事業展開は、インダストリアルソリューション事業に代表されますように、当社が特定の事業者に傾倒したり妥協したりしない、中立・公正な「規準」を提供してきたことに、顧客から、当社の存在価値を認められて、当社の製品やサービスの品質に対する信頼を獲得するという方針でなされてきました。つまり、当社は、これまで、その中立性・公正性に対する信頼感を高め、確保することで、当社のプレゼンスを確立してまいりました。
したがいまして、当社の企業価値の源泉が、これまで当社が築いてきた中立性・公正性に対する信頼感とそこから確立されたプレゼンスにあることは、疑いようがありません。
当社は、そのような当社の企業価値の源泉を踏まえて、今後とも、当社が築いてきた中立性・公正性に対する信頼感とそこから確立されたプレゼンス基盤に、業界での認知度を高め、飛躍を遂げている断熱材事業を皮切りに、新成長ドライバーの軸となることが期待されるナノマテリアル事業といった各種事業を発展させ、またこれら以外の新規事業に対しても積極的な投資を行い、企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。
Ⅱ.当社企業価値の確保・向上に向けた取組み
以上で述べた通り、当社の企業価値の源泉は、これまで当社が築いてきた中立性・公正性に対する信頼感と、そこから確立されたプレゼンスにあります。
当社は、この企業価値の源泉を枯らすことなく、当社事業を継続的に維持・発展させ、また多角化を行い、もって、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を確保・向上すべく、各種の取組みを行ってきたところであり、また、今後も行ってまいります。
具体的には、2017年度は、2017年5月12日付け「再成長戦略(ReGrowth2017)の実施について」の策定を公表し、経営体制の強化及び新成長ドライバーの確立に取り組んでまいりました。断熱材事業については、特に国内において当社の業界認知度が高まった関係で、当該断熱材事業全体で、売上高が前年度の売上高から19.3%の増加が見られました。一方で、WEBビジネス事業における事業立ち上げの遅れやその他事業としての中国でのカップ式自動販売機オペレーション事業において、各種許認可の取得に時間を要し、営業開始が遅延していること等が収益を圧迫し、結果として、連結営業利益が△60百万円となり、かかる再成長計画(ReGrowth2017)の計画数値を大きく下回る結果となりました。
また、2018年度は、2018年5月14日付け『「中期経営計画2018(Fly for the bright future)」の策定に関するお知らせ』を公表し、引き続き、経営体制の強化及び新成長ドライバーの確立に取り組んでまいりました。断熱材事業については、国内において当社の業界認知度が継続的に高まってきているものの、当該断熱材事業全体で、売上高が前年度から2.7%減という結果となりました。また、WEBビジネス事業の中核であった不動産総合比較サイト「イエカレ」の業績低迷が続いたため、当該WEBビジネス事業を2018年9月30日にイクス株式会社に対して譲渡しました。さらに、その他事業としての中国でのカップ式自動販売機オペレーション事業において、愛飲(上海)貿易有限公司が各種許認可の取得に時間を要し、営業開始が遅延し、収益を圧迫していたこともあり、当社中国子会社の再編を決定しました。これらの結果として、連結営業損失が62百万円となり、かかる中期経営計画2018(Fly for the bright future)の計画数値を下回る結果となりました。
さらに、2019年度は、2019年5月14日付け『「中期経営計画2019(Fly for the bright future)」の策定に関するお知らせ』を公表し、新成長ドライバーの確立及び断熱材事業の更なる成長等に向けた継続的な取り組みを行ってまいりました。断熱材事業については、国内において当社の業界認知度が継続的に高まり、堅調な推移を示したものの、日本国内で受注する予定であった複数の個別案件が翌期以降に持ち越されただけでなく、中国国内の太陽光発電補助金制度が見直されたことにより一部の製品売上高が販売計画を下回ったことから、全体として、断熱材事業の売上高が前年度から5.1%増という結果に留まりました。さらに、新成長ドライバーの軸として期待されるナノマテリアル事業においては、市場の拡大、各顧客の用途に合ったカーボンナノファイバー製品の開発・販売を行っているだけでなく、これに応じたナノマテリアル事業の体制整備も進めました。これらの結果として、連結営業利益が55百万円となり、かかる中期経営計画2019(Fly for the bright future)の計画数値を下回る結果となりました。
そして、2020年度は、2020年5月14日付け『「中期経営計画2020(Fly for the bright future)」の実施について』を公表し、ナノマテリアル事業の成長、断熱材事業の更なる成長及び新成長ドライバーの確立等に向けた継続的な取り組みを行ってまいりました。ナノマテリアル事業については、自動車産業、航空宇宙産業や電気機器産業といった市場や顧客からの要望に従い、カーボンナノファイバー及びその配合品の標準品を拡充し、また、有償でサンプル品の販売を行うといった量産採用に向けた取り組みを着実に実行しました。断熱材事業については、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴う先行き不安から、2020年度に国内で受注する予定であった複数の案件が2021年度以降に持ち越され、また、受注した案件についても規模縮小があったものの、当社連結子会社の阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司を通じて、日本国内大手製鉄会社からCGL(亜鉛メッキライン)に関する案件を受注したことにより、断熱材事業における売上高が販売計画を14.4%上回りました。さらに、新成長ドライバーの確立に向けて、成長が見込まれる事業への積極的投資やM&Aの推進を検討しました。具体的には、ナノマテリアル事業の成長、断熱材事業の売上構成比率が7.6%増加したことに合わせて、これらの事業における設備や人材等への積極的投資を実施しました。以上の結果として、連結営業損失が11百万円となり、かかる中期経営計画2020(Fly for the bright future)の計画数値を上回ることができました。
加えて、2021年度は、2021年5月14日付けの『「中期経営計画2021」の実施について』で公表しましたとおり、基本方針として、事業構造改革のスピードを上げ、機能性材料メーカーへの転換を図ることを目指してまいりました。具体的には、(1)ナノマテリアル事業の成長スピードアップを図り、カーボンナノファイバー及びその配合品の標準品をはじめとした製品ラインナップを拡充し、有償サンプル品の販売を行うことで、国内外ともに幅広い業種へのサンプル出荷件数を増加させただけでなく、重点展開産業と位置付けていた航空・宇宙産業の有力企業との間で、共同開発契約の締結等を行いました。また、ナノマテリアル事業における開発案件の増加対応や量産化本採用に向けた体制強化、中規模試作・生産の統合拠点として東村山事業所を開設しました。これにより、カーボンナノファイバー製品等に関するリードタイムの短縮、ナノマテリアルに関する基礎研究及び開発研究のスピードアップを図ることができました。次に、(2)断熱材事業の更なる成長と環境問題対策に取り組み、複数の工事案件を受注することで、炉材の販売が増加しました。また、高付加価値製品である高温窯道具の棚板の納入を海外の顧客から定期的に受注したことにより、売上高が販売計画を上回りました。(3)成長が見込まれる事業への積極的投資を行い、ナノマテリアル事業において、広範な業界に対して当社カーボンナノファイバーの提案を行った結果、評価ステージが上がる中で、顧客の要求に的確に対応し、顧客における当社カーボンナノファイバーの本格採用に向けた生産能力を担保すべく、福島県双葉町中野地区にナノマテリアル事業に係る本格工場の建設に着手しました。以上の結果として、連結営業利益が74百万円(営業利益率2.3%)となり、かかる中期経営計画 2021の計画数値を上回ることができました。
こうした状況を受け、2022年度は、2022年5月13日付けの『「中期経営計画 2022」の実施について』で公表しましたとおり、基本方針として、2021年度に引き続き、事業構造改革のスピードを上げ、機能性材料メーカーへの転換を図ることをさらに目指してまいります。具体的には、(1)ナノマテリアル事業の成長スピードアップを図ります。営業戦略として、海外展開の他、スポーツ業界やレジャー業界への展開も含めた新しい市場開拓や新規顧客の開拓、先進運転支援システムの開発が見込まれる自動車業界やインフラ業界及び航空機業界への重点展開、アプリケーション提案力の強化及び人材の拡充・育成強化等を進め進めます。技術戦略として、製品ラインナップの拡充、量産化本採用に向けた体制の強化、品質保証体制の確立、性能評価データの蓄積やその検証スピードアップ及び人材の拡充・育成強化等を行います。そして、短期的・中期的両面の視野での顧客獲得を見据えつつ、ナノマテリアル事業の売上高の拡大を目指します。また、生産体制の確立に向け、福島県双葉町中野地区にナノマテリアル事業に係る本格工場が2022年9月に稼働予定であり、地元人材の雇用と地域活性化を図りつつ、量産化本採用に向けた体制強化及び品質管理体制の整備・構築を図ります。次に、(2) 当社グループ一丸となり、断熱材事業の更なる成長と環境問題対策に取り組み、環境を考慮した高付加価値商品を提供する断熱材事業を推進します。営業戦略として、高付加価値製品の販売に重点を置き、築炉等定期工事物件材料の拡販や工業炉及び電気炉の拡販、棚板・窯道具製品の拡販を目指します。そして、新製品や、断熱材にこだわらない周辺商材等のラインナップ拡充もさらに図ります。また、海外展開として、受注の拡大及び販路の開拓を目指します。加えて、中国での環境問題の一端となっています水不足対策として、水を多く利用する生産品の生産体制の対応を図る予定です。(3)成長が見込まれる事業への積極的投資を行います。まず、ナノマテリアル事業に対しては、人材及び設備の拡充、機能性開発及び応用開発、事業体制強化に向けたM&Aを推進し、更なる事業の成長を目指します。これらによって、ナノマテリアル事業の領域をより一層拡大していくだけでなく、これ以外の新規事業にも取り組むことで、事業ポートフォリオの最適化を図り、2025年3月期に連結営業利益率10%を達成できるように、企業価値の向上を目指します。
さらに、当社は、2017年6月27日開催の第37期定時株主総会において株主の皆様から承認をいただき、監査等委員会設置会社へ移行いたしました。監査等委員につきましては、3名全員を当社と利害関係を持たない独立性の高い社外取締役を選任し、監査等委員会を通じて厳正な監査を行っております。加えて、2021年6月25日開催の第41期定時株主総会において、独立役員1となる社外取締役3名を選任したことや、IR活動の強化を行っていくこと等により、引き続き、当社内部の経営の健全性の確保と透明性の向上に努めてまいります。
1株式会社東京証券取引所の有価証券上場規程第436条の2に定める、一般株主と利益相反が生じるおそれがない社外取締役又は社外監査役を意味します。
その上で、これらの取組みを通じて強固となる事業基盤を活かし、当社の業容の多様化を推進し、株主の皆様をはじめとする利害関係者の方のご期待に応えることで、この方面からも当社に対する信頼感を確固たるものにし、当社のプレゼンスをより一層高めてまいる所存です。
Ⅲ.本基本方針について
1.基本的な考え方
今日の国際的競争時代における企業文化の変容、企業買収に関わる法制度の変化等を踏まえると、今後、会社の取締役会の同意を得ない経営権獲得(いわゆる非友好的企業買収)が増加することが予想され、当社においてもその可能性は否定できません。
もとより、当社はこのような企業買収であっても、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するほか、お客様をはじめとする当社のステークホルダーの利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。
しかしながら、先述の通り、当社の企業価値の源泉は、これまで当社が築いてきた中立性・公正性に対する信頼感とそこから確立されたプレゼンスにありますところ、当社を買収しようとするものの中には、その目的・方針からして、企業価値を毀損する危険性のあるものが存在します。
例えば、買収者が、いわゆるグリーンメーラーであったり、焦土化・解体型買収・強圧的二段階買収等により、短期的な利益の獲得を意図している場合はもちろんのことですが、当社のテストメディア事業者としての性格上、当社を特定の各機器製造業者グループに所属させることを意図している場合や、当社をして特定の規格に対するテストメディアのみ開発・製造させ、供給させることを意図している場合などにおいても、それが実現されれば、これまで当社が築いてきた中立性・公正性が疑われ、当社に対する信頼感の喪失につながることから、当社の企業価値が大いに毀損されるであろうことは明らかです。
また、買収者がかような意図を有しているか否か不明である場合、すなわち、買収者が株主の皆様に対し買収提案に対する諾否を判断するために必要かつ十分な情報提供を行わない場合には、株主の皆様に当該買収者による当社の経営支配権の取得が当社の企業価値を損なうのではないかとの疑念を抱かせることとなり、結果的に、当該買収提案が当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するか否かの適切な判断を妨げることになります。
そのため、かかる買収者についても、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に必要な前提を欠く不適切な買収者と評価せざるを得ません。
現在、当社が具体的にこのような買収に直面している事実はありませんが、当社としては、当社の企業価値を毀損するような不適切な企業買収に対して、相当な範囲で適切な対応策を講ずることが、当社の企業価値、ひいては当社株主共同の利益を確保・向上するうえで必要不可欠であると判断し、この度、2022年6月24日開催の第42期定時株主総会において、出席された株主の皆様の議決権の過半数の賛成をいただけることを条件として、本基本方針の継続を決定致しました。
なお、2022年3月末日現在の当社の大株主の状況につきましては、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (6) 大株主の状況」をご参照ください。
本基本方針の継続は、2022年5月13日開催の当社取締役会において決定されたものであります。
さらに、本基本方針の継続につきましては、上記取締役会に出席した当社監査等委員3名(全員が社外取締役)はいずれも、本基本方針の具体的運用が適正に行われることを前提として、本基本方針への継続に賛成する旨の意見を述べております。
また、当社は、本基本方針の継続について株主の皆様の意向を確認するために、2022年6月24日開催の第42期定時株主総会において、本基本方針の継続の是非を諮るとともに、併せて、特別委員会の委員の方々の選任についても、株主の皆様のご承認を諮り、株主の皆様の過半数のご賛成をいただき、本基本方針の継続は承認されました。
2.目的
本基本方針は、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上の観点から、当社に対する買収行為または当社株式の大量買付行為(以下、総称して「買収行為」といいます。)を行おうとする者(以下「行為者」といいます。)に対して、行為者の有する議決権割合を低下させる手段を講じる旨の事前警告を発することにより、当社企業価値、ひいては株主共同の利益を毀損するような買収行為(以下「濫用的買収」といいます。)を防止するための対抗策を講じることを目的としております。
また、併せて、株主の皆様に対し、買収行為が当社企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものかどうかを適正に判断するために必要となる情報と時間を十分に提供し、かつ、当社取締役会と行為者との交渉または買収行為に対する当社取締役会の意見・代替策を提供する機会を確保することにより、株主の皆様の判断機会を保証し、誤解・誤信に基づいた買収行為への応諾を防止するための対抗策を講じることをも、目的としております。
3.スキーム
本基本方針は、事前警告型プランで、経済産業省及び法務省が2005年(平成17年)5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の主旨に沿った適正かつ有効なスキームとなっているとともに、当社が対抗策の発動として無償で割当てる新株予約権の内容について、当該新株予約権を当社の株式等2と引換えに当社が取得できる旨の取得条項を付すことができるとされているに過ぎないなど、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年(平成20年)6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」に配慮した内容となっております。
(1)概要
当社取締役会は、行為者に事前に遵守を求めるルール(以下「事前遵守ルール」といいます。)と、株主の皆様の判断機会を保証し、株主の皆様の誤信・誤解及び濫用的買収を防止するために対抗策の発動対象となるか否かの基準(以下「評価基準」といいます。)を予め公表します。
そして、特別委員会が、本基本方針の手続を主体的に運用し、当社株式の買付けに関する評価と対抗策の発動を当社取締役会に勧告するか否かの判断を行います。
特別委員会は、買収行為を評価した結果、評価基準のすべてを満たすと判断する場合を除き、対抗策の発動を勧告することができるものとします(ただし、その虞(おそれ)と対抗策の発動による影響とを比較考量して、発動することが相当であると認められる場合に限ります。)。かかる勧告がなされた場合に限り、当社取締役会は所定の手続に基づき対抗策の発動を決定することができるものとします。
当社取締役会が定める事前遵守ルールと評価基準の概要は次の通りです。
⦅事前遵守ルール⦆
① 行為者は、当社取締役会の同意がある場合を除き、(ⅰ)当社が発行者である株券等3について、行為者及び行為者グループ4の株券等保有割合5が20%以上となる買付けその他の取得をする前に、または(ⅱ)当社が発行する株券等6について、公開買付け7に係る株券等の株券等所有割合8及び行為者の特別関係者9の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けを行う前に、必ず当社取締役会に事前に書面により通知すること。
② 買収行為に対する特別委員会の意見形成のため、行為者は、特別委員会が当社取締役会を通じて求める以下の情報を提供すること。
・行為者及び行為者グループの概要
・買収提案の目的・買収価格の算定根拠、買付資金の裏付、資金提供者の名称及び概要
・行為者が意図する経営方針及び事業計画
・行為者の経営方針及び事業計画が当社株主の皆様に与える影響とその内容
・行為者の経営方針及び事業計画が株主の皆様以外の当社ステークホルダーに与える影響とその内容
・その他、特別委員会が評価にあたり必要とする情報
(なお、特別委員会は、行為者が提供した情報では買収行為に対する特別委員会の意見形成をするために不十分であると判断する場合には、当社取締役会を通じて、追加の情報提供を求めることがあります。また、当社は、特別委員会が行為者に求めた情報のすべてを受領した場合には、行為者に対して、その旨を通知(以下「情報受領通知」といいます。)します。)
③ 特別委員会が買収行為を評価する評価期間が満了し、その旨の情報開示をするまでは、行為者は従前の当社株式保有数を増加させないこと。
特別委員会の評価期間(行為者が情報受領通知を受領した日から起算)
買収の対価が現金(円貨)の場合 最大で60日以内
その他の場合 原則として90日以内
(ただし、必要に応じ、延長することがあります。かかる場合には、適宜その旨、延長後の期間及び延長を必要とする理由その他特別委員会が適切と認める事項について情報開示します。また、延長した場合の延長後の期間を含め行為者による買収行為を評価する期間が満了した場合には、速やかに、その旨の情報開示をします。)
2会社法第107条第2項第2号ホに規定する株式等をいいます。
3金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。
4金融商品取引法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者をいいます。
5金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。
6金融商品取引法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。
7金融商品取引法第27条の2第6項に規定する公開買付けをいいます。
8金融商品取引法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。
9金融商品取引法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。
⦅評価基準⦆
① 行為者が事前遵守ルールのすべてを遵守しているとき
② 以下の濫用的買収の類型のいずれかに該当する行為またはそれに類する行為等により、株主共同の利益に反する明確な侵害をもたらす虞のあるものではないとき
(a) 強圧的買収類型
いわゆるグリーンメーラー・焦土化・解体型買収・強圧的二段階買収 等
(b) 機会損失的買収類型
(c) 企業価値を毀損する他、不適切な買収類型
(d) その他、上記各類型に準じる買収類型
(2)発動
当社取締役会が対抗策を発動する場合は、当社経営陣からは独立した社外取締役、外部有識者などから選任された委員で構成される特別委員会が中立かつ公平に発動の適正性を審議・勧告し、当社取締役会は特別委員会の勧告を最大限尊重のうえ発動についての最終的な決定をします。
特別委員会は、対抗策の発動または不発動を勧告した場合、当該勧告の概要その他特別委員会が適切と認める事項について、勧告後速やかに、情報開示を行うものとし、また、当社取締役会は、対抗策の発動または不発動を決定した場合には、速やかにその旨の情報開示をすることとします。
なお、当社取締役会は、対抗策の発動決定後であっても対抗策の発動が不要になったと判断される場合は効力発生日前に限り対抗策の発動を撤回することがあります。かかる場合、取締役会は、対抗策の発動を撤回した旨その他取締役会が適切と認める事項について、撤回後速やかに、情報開示を行います。
(3)廃止等
本基本方針は、導入後、毎年の定時株主総会の終結の時までを有効期間とし、定時株主総会において株主の皆様に本基本方針の継続、見直し、廃止について諮ることとしています。また、有効期間内であっても、臨時株主総会等において株主の皆様の過半数が本基本方針の見直しもしくは廃止に賛成した場合、または取締役会において過半数の取締役が本基本方針の見直しもしくは廃止に賛成した場合には、本基本方針を随時、見直しまたは廃止できることとします。かかる場合、取締役会は、法令及び証券取引所規則に従って、適時適切な情報開示を行います。
また、当社は2017年6月27日に開催の第37期定時株主総会における定款一部変更に関する議案の承認をもって、監査等委員会設置会社へ移行したことから、取締役会は、任期が2年の監査等委員である取締役と任期が1年の監査等委員でない取締役により構成されることになるため、本基本方針の発動を阻止するのに不当に時間を要するわけではありません。
(4)本基本方針の合理性を高めるための工夫
当社取締役会は、行為者から十分な情報、時間、交渉機会が提供され、あわせて買収行為が濫用的買収に明らかに該当しないと特別委員会が判断する限り、対抗策を発動することはありません。その意味において、当社取締役会は、行為者に対して、企業価値向上に資するか否かについて特別委員会が判断するに足る十分な情報の開示と、十分な考慮のための時間、説明や交渉機会の確保を求めます。
当社取締役会は、買収行為が真に当社の企業価値向上に資するようなものであれば行為者が事前遵守ルールを遵守し、特別委員会が濫用的買収に該当しないものと判断するに足る情報提供、説明などが可能であり、また、このような買収行為に対して当社取締役会が企業価値のさらなる向上のために現に経営を担う側としての代替案を提示することにより、情報開示が促進され、株主の皆様により適正な判断材料を提供することが可能になるものと判断します。
他方、買収行為が当社の企業価値向上に資する提案のように表面上装われた実質的な濫用的買収であれば、特別委員会が濫用的買収に該当しないものと判断するに足る情報や説明が行為者から提供される可能性は極めて低く、当社株主共同の利益向上を図るために必要がある場合には、対抗策を発動することができるものとしておく必要があるものと判断します。
このような措置を講ずることで行為者の真意が明らかとなり、同時に行為者、当社取締役会双方からの情報開示が促進され、株主の皆様により適正な判断材料を提供することが可能になるだけでなく、巧妙な手段を弄する濫用的買収を適切に防止し、確実に株主共同の利益の向上が実現できるものと判断します。
なお、本基本方針の手続の運営及び対抗策の発動に関する審議において、特別委員会の委員は、必要に応じて弁護士、公認会計士、金融機関など第三者専門家の助言を受けることができるほか、特別委員会の招集権は当社代表取締役のほかに各委員も有するとすることで同委員会の招集を確実なものとするなど、本基本方針の手続の適正性を確保するように配慮しております。
さらに、当社取締役会による対抗策の発動決定の前にすでに行為者が議決権の過半数を、公開買付開始公告その他の適切な方法により買付けを公表したうえで獲得した場合のように、当社株主の皆様の意思が明白な場合は対抗策を発動しないなど、本基本方針の合理性を高めるための工夫を講じています。また、本基本方針は毎年の定時株主総会の終結の時までを有効期限とし、当該定時株主総会において株主の皆様の承認を得ることを本基本方針の継続の条件としていますので、株主の皆様は本基本方針の適正性につき判断することができるほか、株主の皆様の総体的意思または取締役会の意思により、いつでも本基本方針の見直し、廃止ができるような工夫がなされています。
また、当社は取締役の任期を1年と定めており解任要件を加重しておりません。
4.行為者出現時の手続
行為者が買収行為を行う旨を書面で当社に通知したとき、当社は速やかにその旨の情報開示をするとともに、行為者に対して、まず事前遵守ルールの遵守を求めます。その上で、当社取締役会は、特別委員会の審議・勧告をふまえて、対抗策の発動を決定することができます。
すなわち、行為者が現れた場合、特別委員会は、行為者による買収行為について、事前遵守ルールを守っているかを含む評価基準のすべてを満たすか否かを評価します。その上で、評価基準のすべてを満たすと判断する場合を除き、特別委員会は、対抗策の発動を勧告することができるものとします(ただし、その虞と対抗策の発動による影響とを比較考量して、発動することが相当であると認められる場合に限ります。)。当社取締役会は、かかる特別委員会の審議・勧告がなされた場合に限り、所定の手続に基づき対抗策の発動を決定することができます。
当社取締役会が対抗策の発動または不発動を決定した場合には、速やかに、法令または証券取引所規則に従って、その旨の情報開示をすることとします。
当社取締役会において対抗策の発動が決定された場合、当社取締役会は、以下に述べる決議の直近の3月末日現在又は当社取締役会が定める基準日現在の株主の皆様に対して、当社普通株式1株につき1個の新株予約権無償割当ての決議を行います。各新株予約権の目的である株式の数は、原則として1株としますが、新株予約権無償割当ての決議を行う取締役会において決定します。
また、対抗策の発動後の行為者の対応によっては、当社取締役会は、再度、上記3.(1)<事前遵守ルール>②及び③並びに(2)に定める特別委員会による情報提供の要求、評価及び勧告を経た上、当社の企業価値及び株主共同の利益向上の観点から、その時点で採り得る必要かつ適正な対抗策を講じます。
なお、当社取締役会は対抗策の発動の決定後であっても行為者との十分な議論が尽くされる等、対抗策の発動が不必要と判断するに至った場合は、新株予約権無償割当ての効力発生日以前であればいつでも対抗策の発動を撤回し、新株予約権無償割当てを中止します。かかる撤回または中止を決定した場合には、速やかに、法令または証券取引所規則に従って、その旨の情報開示をすることとします。
また、特別委員会も、同様の状況になった場合に、当社取締役会に対抗策の発動の撤回または中止を勧告することができます。
5.株主・投資者の皆様に与える影響
当社が導入した本基本方針は、導入時点においては、新株予約権の発行が行われませんので、株主の皆様の権利・利益に直接具体的な影響が生じることはありません。
これに対し、対抗策の発動時においては、対抗策の発動に伴い発行する新株予約権が発行決定時に別途設定する基準日(但し、当該発動時から2ケ月以内に当社の株主総会(定時株主総会を含みます。)が予定されている場合には、当該株主総会に係る基準日を割当の基準日と設定することができるものとします。)における株主の皆様に対して割当てられることになります。行為者以外の株主の皆様は予約権を行使(新株予約権無償割当ての決議を行う取締役会において行使金額その他の条件を決定しますが、原則として新株予約権1個につき行使金額1円を想定しております。なお、当社が新株予約権を当社の株式等10と引換えに取得することができると定められた場合において、当社が当該取得の手続を採り、新株予約権の取得の対価として取得の対象として決定された新株予約権を保有する株主に当社株式等を交付する場合には、当該株主は、行使価額相当の金額を払い込むことなく、当社による当該新株予約権の取得の対価として、当社株式等を受領することになります。)し、当社新株を取得できます。また、対抗策を発動する場合には、適時かつ適切に情報開示を行う等しますので、行為者を含む当社株主や投資家の皆様及びその他の関係者に不測の損害を与える要素はないものと考えます。
なお、当社は、新株予約権無償割当てを決議した後であっても、行為者との議論・交渉などにより、合理的かつ妥当な買収提案がなされた場合(または当社取締役会が買収提案を妥当なものと判断した場合)または、行為者が買収行為等を撤回した場合には、本基本方針ガイドラインの定めるところに従い、新株予約権無償割当ての効力発生日以前であればいつでも対抗策の発動を撤回し、新株予約権無償割当てを中止し、また、新株予約権無償割当ての効力発生日以降においては当社取締役会が定める日に新株予約権の全部を一斉に無償で当社が取得することがあります。これらの場合には、1株あたりの株式の価値の希釈化は生じませんので、1株あたりの株式の価値の希釈化が生じ得ることを前提にして売付等を行った株主または投資家の皆様は、期待どおりの株価の変動が生じないことにより不測の損害を被る可能性があります。
10会社法第107条第2項第2号ホに規定する株式等をいいます。