四半期報告書-第37期第3四半期(平成29年7月1日-平成29年9月30日)
有報資料
(1)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(平成29年1月1日から平成29年9月30日まで)における世界経済は、米国や欧州、日本等の先進国では、総じて緩やかな回復基調が続き、中国やブラジル、ロシア等の新興国でも景気の持ち直しの動きがみられました。しかしながら、各地における地政学的リスクの高まりや、英国の欧州連合(EU)離脱問題、米新政権の政策運営等、さまざまな景気下振れリスクを抱えながら、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループでは、平成28年度を初年度とする5ヶ年の中期経営計画を策定し、前期より取り組んでいます。この中期経営計画では、「GrowthOne(グロースワン) イノベーションによる持続的成長」を基本方針に掲げ、①成長分野の事業化の加速、②ソリューションプロバイダへの転身、③イノベーション集団への転身、という3つの重点課題にグループ一体となってチャレンジしていくことで、高付加価値市場を創出し、持続的な成長を目指してまいります。
当第3四半期は、3Dものづくり市場向けの3次元切削加工機やデンタル(歯科医療)市場向け加工機等、当社グループの3D事業を担うため当期の4月に営業を開始した「DGSHAPE(ディージーシェイプ)株式会社」が、デンタル市場を焦点に3D事業の拡大に向けた活動を推進しております。一方、プリンターにおいては、これまでの主力市場であるサイン(広告・看板製作)市場に加えオリジナルグッズ等の製作を行うリテイル市場の開拓に注力いたしました。また、激化する競争環境に対応するため、価格競争力の向上や各地域での積極的なプロモーション活動等、プリンターの販売回復に取り組んでおります。
このように、中期経営計画の重点課題の一つである「成長分野の事業化の加速」を推進すべく積極的な事業活動を行った結果、当第3四半期は、工作機器の販売が前年同期を上回りました。加えて、為替の円安効果があったものの、プリンターの販売が大きく減少したことにより、当第3四半期の売上高は前年同期比3.4%減の317億99百万円となりました。売上原価率は、販売単価の下落や利益率が比較的高い機種の販売が減少したこと等により、前年同期に比べ1.9%上昇しました。販売費及び一般管理費は、前年同期比で微減となりましたが、売上高に対する比率は前年同期に比べ0.9%上昇しました。これらの結果、営業利益は、前年同期比28.3%減の25億71百万円となり、経常利益は、前年同期比22.1%減の25億41百万円となりました。また、米国特許権侵害訴訟の和解金を特別損失に計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は、8億49百万円となりました。
なお、当第3四半期における主要通貨の為替レート(平成29年1月~9月の平均レート)は、111.93円/米ドル(前年同期108.72円)、124.59円/ユーロ(前年同期121.24円)でした。
当社及び連結子会社の事業は、コンピュータ周辺機器の製造販売であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため、単一セグメントとなっております。なお、品目別の売上高は、以下の通りであります。
品目別売上高
| 品目 | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前年同期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| プリンター | 13,281 | 40.3 | 11,549 | 36.3 | △1,732 | △4.0 | 87.0 |
| プロッタ | 993 | 3.0 | 1,059 | 3.3 | 66 | 0.3 | 106.7 |
| 工作機器 | 3,091 | 9.4 | 3,518 | 11.1 | 426 | 1.7 | 113.8 |
| サプライ | 10,232 | 31.1 | 10,241 | 32.2 | 8 | 1.1 | 100.1 |
| その他 | 5,328 | 16.2 | 5,430 | 17.1 | 102 | 0.9 | 101.9 |
| 合計 | 32,928 | 100.0 | 31,799 | 100.0 | △1,128 | - | 96.6 |
[プリンター]
従来からの主力市場であるサイン(広告・看板製作)市場では、市場が成熟化傾向であることを受け、高付加価値製品や良質なサービス・サポートの提供により、顧客満足度を向上させていくことで市場シェアの維持・拡大を図っております。また、今後の成長分野として、スマートフォンケースや家電製品、ノベルティ等に写真やイラストを印刷してオリジナルグッズ製作を行うリテイル市場等、“新しい印刷市場”の開拓に積極的に取り組んでおります。
当期間は、サイン市場では、市場の成熟化に加えて大手参入による競争環境の激化を背景に、高価格から低価格へ市場ニーズの変化が続いており、高価格帯機種を中心に販売が低迷しました。しかしながら、前期に市場投入した低溶剤系プリンターの新世代モデルTrueVIS(トゥルービズ)シリーズ「VG-640/540」及び「SG-540/300」の販売は堅調に推移しました。なかでも前期の9月に発売開始した「SG-540/300」は、プリント&カット機のエントリーモデルとして、その印刷品質だけでなく、導入しやすい価格が初期投資を抑えたいお客様のニーズを捉え、販売を伸ばしております。
一方、リテイル市場においては、当期の2月に発売した小型UVプリンターの新製品「LEF-200」は堅調だったものの、既存モデルの販売減少が影響し、UVプリンター全体の売上が減少しました。引き続き、小売店舗でのオリジナルグッズ製作用途をリテイル市場としてその開拓を欧州から世界各地域に横展開することに加え、今後はソフトウェアやサービス等により顧客に付加価値を提供するトータルソリューションを強化し、リテイル市場における一層のビジネス拡大を目指してまいります。
このように、サイン市場向けプリンターやリテイル市場向け小型UVプリンターの販売が減少したことで、プリンターの売上高は115億49百万円(前年同期比87.0%)となりました。
[プロッタ]
当期の3月から4月にかけて発売した新製品「GR-640/540/420」を含むサイン市場向けのカッティングマシンの販売が堅調に推移し、売上高10億59百万円(前年同期比106.7%)となりました。
[工作機器]
3Dものづくり市場では、前期の10月に発売した3次元切削加工機の新製品「MDX-50」が、製造業での試作用途や教育機関等で導入され、好調な販売を持続しました。デンタル市場では、当期の3月に発売した、加工機材を自動交換するオートディスクチェンジャー機能搭載のデンタル加工機の新製品「DWX-52DC」が、日本、欧米等の先進国において生産性を求める歯科技工所に受け入れられ、好調に推移しました。
また、当期の4月には、子会社のDGSHAPE株式会社が3Dものづくりやデンタル等の3D事業を新たなブランドでスタートしました。DGSHAPE株式会社では、当社が培ってきたデジタル技術やものづくりのノウハウを活かして、デジタル化の新たな潮流に対応したソリューションの提供を目指しています。製造業や彫刻業、教育機関等の3Dものづくり市場を基盤に、デジタル化の進展が見込めるデンタル市場の成長を加速させると共に、さらにより広い領域で新たな価値提案を創出することで3D事業の拡大を図ってまいります。
このように、当期間では、3次元切削加工機とデンタル加工機の新製品が売上に寄与したことにより、工作機器の売上高は35億18百万円(前年同期比113.8%)となりました。
[サプライ]
サイン市場向けプリンターのインクが伸び悩みましたが、UVプリンターやテキスタイル用プリンターのインクが伸長し、サプライの売上高は102億41百万円(前年同期比100.1%)となりました。
[そ の 他]
保守やサービスパーツ等のその他売上については、サービスパーツの売上が堅調に推移し、売上高は54億30百万円(前年同期比101.9%)となりました。
地域別の売上高は、以下の通りであります。
地域別売上高
| 地域 | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前年同期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| 日本 | 3,981 | 12.1 | 3,706 | 11.7 | △275 | △0.4 | 93.1 |
| 北米 | 9,384 | 28.5 | 9,089 | 28.6 | △294 | 0.1 | 96.9 |
| 欧州 | 11,292 | 34.3 | 11,293 | 35.5 | 0 | 1.2 | 100.0 |
| アジア | 2,943 | 8.9 | 2,519 | 7.9 | △423 | △1.0 | 85.6 |
| その他 | 5,326 | 16.2 | 5,191 | 16.3 | △134 | 0.1 | 97.5 |
| 合計 | 32,928 | 100.0 | 31,799 | 100.0 | △1,128 | - | 96.6 |
[日 本]
プリンターでは、印刷幅30インチから54インチのUVプリンターがパッケージ試作用途で大きく増加しましたが、リテイル市場向けの小型UVプリンターやサイン市場向けプリンターの高価格帯機種を中心に減少しました。工作機器では、3次元切削加工機の新製品「MDX-50」が製造業での試作用途や教育機関等で好調に推移し、MDXシリーズは前年を大きく上回りました。デンタル加工機は、新製品「DWX-52DC」の販売が順調に推移しましたが、既存機種の販売が伸び悩み、DWXシリーズは前年同期を下回りました。
これらの結果、日本の売上高は37億6百万円(前年同期比93.1%)となりました。
[北 米]
工作機器では、デンタル加工機の新製品「DWX-52DC」が、主に生産性を求める中規模クラスの歯科技工所に向けて好調な販売となりました。また、3次元切削加工機の新製品「MDX-50」は、デザイン試作等の用途で好調に推移しました。一方、プリンターでは、小型UVプリンターの「LEF-300」とサイン市場向けプリンターの「SG-540/300」の販売が拡大したものの、高価格帯機種が前年同期を下回りました。
これらの結果、北米の売上高は90億89百万円(前年同期比96.9%)となりました。
[欧 州]
プリンターでは、サイン市場向けプリンターや小型UVプリンター等の主力機種が減少しましたが、工作機器では、デンタル加工機の新製品「DWX-52DC」が好調に推移すると共に、3次元切削加工機や金属素材に写真やイラスト、文字等をマーキングできるメタルプリンターの販売が増加しました。
これらの結果、欧州の売上高は112億93百万円(前年同期比100.0%)となりました。
[ア ジ ア]
中国では、プリンターや工作機器等の製品販売は堅調に推移しましたが、サービスパーツの売上が大きく減少しました。韓国では、新たな販売チャネルを開拓したことでデンタル加工機が増加したものの、小型UVプリンターとテキスタイル用プリンターの販売が減少しました。ASEAN地域では、売上構成比の大きいサイン市場向けプリンターが前年同期に比べ減少しました。
これらの結果、アジアの売上高は25億19百万円(前年同期比85.6%)となりました。
[そ の 他]
オーストラリアでは、3次元切削加工機の販売が好調に推移し、ブラジルを含む南米では、小型UVプリンターやデンタル加工機の販売が大きく増加しました。一方、アフリカ地域においては、プリンターの販売が大きく落ち込みました。
これらの結果、その他地域の売上高は51億91百万円(前年同期比97.5%)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期末の総資産は、前連結会計年度末と比べ3億19百万円減少し、360億21百万円(前連結会計年度末比99.1%)となりました。流動資産では、商品及び製品が7億88百万円、未収入金等のその他が6億45百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が16億77百万円減少いたしました。固定資産では、特に大きな変動はありませんでした。
当第3四半期末の負債は、7億75百万円減少し、149億47百万円(前連結会計年度末比95.1%)となりました。流動負債では、未払法人税等が1億80百万円増加した一方で、固定負債では、長期借入金が返済により10億80百万円減少いたしました。
当第3四半期末の純資産は、4億56百万円増加し、210億74百万円(前連結会計年度末比102.2%)となりました。前連結会計年度末に対し当期の業績等により利益剰余金が1億53百万円増加し、また、円安となったこと等により為替換算調整勘定が1億87百万円の増加となりました。
(3)対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、今後の事業運営の方針等について、別途、平成28年度を初年度とする5ヶ年の中期経営計画を策定し、取り組みを進めております。
(4)研究開発活動
当社グループにおける研究開発活動は当社及び連結子会社のDGSHAPE株式会社で行っており、当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は22億43百万円であります。
(5)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、連結会社及び当社の従業員数に著しい増減はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当社はセル生産方式によるフレキシブルな生産体制をとっており、生産状況は比較的変動いたします。因みに当第3四半期連結累計期間における生産実績は以下の通りであります。なお、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
生産実績
| 品目 | 当第3四半期連結累計期間(千円) | 前年同期比(%) |
| プリンター | 9,550,795 | 94.0 |
| プロッタ | 959,831 | 121.2 |
| 工作機器 | 2,428,431 | 101.7 |
| サプライ | 3,713,051 | 116.5 |
| 合計 | 16,652,109 | 100.7 |
(注)生産金額は当社の標準販売価格によっております。
(7)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。