訂正有価証券報告書-第21期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2017/12/13 12:04
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における市場環境は、欧州、中東及び東アジアの一部で懸念要素はあるものの、新興国及び資源国含め、原油価格の持ち直しにより、世界的に景況感は回復基調にあります。金融政策においても、欧米では中央銀行の資産縮小も予期又は示唆する状況にありますが、日本国内では、通貨安による輸出増加や好調な企業業績、設備投資、失業率の低下などの一方、国内消費者物価や賃金上昇を通じた国内景況感の改善が依然として鈍く、異次元金融緩和も長期化の見通しであります。この他、原油生産国間での協調減産や需給を巡る原油価格の変動リスク、広がる保護主義への警戒感、欧州での政治経済リスク、中東や東アジアを巡る地政学リスク、米国政策に対する不確実性、その他これらに伴う世界的な景況感の悪化リスクなど、日本経済を取り巻く環境は依然として予断を許さない状況と考えられます。
このような状況のもと、当社グループは、新規事業領域への進出、既存事業の強化、積極的なM&A展開を通じた業容及び収益基盤の拡大に努めることを経営方針とし、特に美容事業への集中投資により株式会社ミュゼプラチナム、株式会社不二ビューティ等を完全子会社化することで、美容市場内の収益・店舗数シェアの増加、利用顧客の獲得を通じたグループ企業価値の向上に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
売上高は、平成28年3月期第4四半期より開始した美容事業が通期寄与したこと、その他既存事業における外部売上高が概ね横ばいで推移したことにより、41,533,369千円(前年同期比129.9%増)となりました。
営業利益は、上記の増収要因があったものの、今後の収益拡大に向けた短期的な店舗数・従業員数の拡大の実現を目的として実施した株式会社グロワール・ブリエ東京への支援に係る人件費・地代家賃や、新ブランドの準備に係る先行費用が発生したこと等から、2,628,813千円(同6.9%減)となり、経常利益も営業利益の減少等により2,796,651千円(同2.1%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期末と比較して当期末における当社繰越欠損金残高が僅少であることにより法人税等調整額が大きく発生したこと、株式会社ジンコーポレーションに対するスポンサー支援金を特別損失に計上したこと等から、841,169千円(同59.7%減)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間において、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」の「4.報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。これにより、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(単位:千円)
売上高前期
増減率
事業利益(※)前期
増減率
セグメント利益前期
増減率
美容事業33,370,499304.6%3,095,70771.0%2,213,63727.4%
メディア・
コンサルティング事業
12,157,63427.1%664,060△44.3%593,941△47.1%
システム開発事業982,3032.9%28,78083.5%△37,159
調整額等△4,977,067△141,606△141,606
合計41,533,369129.9%3,646,94313.9%2,628,813△6.9%

(※)事業利益:企業買収に伴い計上したのれんの償却等の影響を除いた営業損益
1)美容事業
美容事業では、株式会社ミュゼプラチナムにより、美容脱毛市場において顧客数306万人、店舗数180と全国No.1の規模を有する美容脱毛サロン「ミュゼプラチナム」の運営、同ブランドの化粧品企画販売、ECサイトの運営、自社広告媒体の販売等を実施いたしました。
(営業面)
営業面においては、同社独自開発の高速脱毛マシンを使用した「ミュゼエクスプレス」の導入、当日キャンセル率改善のための空き通知機能・EC強化機能を搭載した会員向けアプリ「ミュゼパスポート」のリリースを実施し、施術効率の向上に取り組みました。
また、会員基盤と同アプリや店舗等を活用した豊富な媒体メニューを提供する法人向けマーケティングサービス「ミュゼマーケティング」をスタートし、美容脱毛領域の枠を超えた新たな収益基盤の獲得に向けた取り組みを推進いたしました。
(費用面)
費用面においては、将来の役務提供売上高の源泉となる顧客契約獲得のため、積極的に広告宣伝費を投下したほか、今後の収益拡大に向けた先行投資として、株式会社グロワール・ブリエ東京への支援を実施し、短期的に店舗数(約100店舗)・従業員数(約500名)の拡大を実現させたことにより、当該支援に係る人件費・地代家賃や、新ブランドの準備に係る先行費用が発生いたしました。
この結果、売上高33,370,499千円(前年同期比304.6%増)、事業利益(※)3,095,707千円、のれん償却額882,070千円の計上等によりセグメント利益2,213,637千円(同27.4%増)となりました。
また、当社は、美容事業において、幅広い世代への多様なサービス展開により収益拡大を図ることを目的として、平成29年2月に「たかの友梨ビューティクリニック」を運営する株式会社不二ビューティを子会社化いたしました。同社の損益は平成29年4月より美容セグメントに寄与することとなります。
※平成29年3月31日をみなし取得日としているため、当連結会計年度末においては貸借対照表のみを連結財務諸表に反映。
2)メディア・コンサルティング事業
当連結会計年度のメディア・コンサルティング事業では、広告代理店部門においては、主に弁護士、司法書士等の士業に対する過払金請求広告サービスとして、出張無料法律相談会の企画・運営サポート、ポスティング・新聞折込広告サービスの提供を行いました。
WEBマーケティング部門においては、グループ内外のWEBサイト企画制作及びSEO対策やリスティング、アフィリエイト等のマーケティングサービスの提供を行いました。
コンサルティング部門においては、デジタル認証システム「STAMP」を活用したミュゼプラチナムとの協業による新たなO2O来店送客サービスの展開、ウィル・スミスファミリーのアジア圏における芸能PR事業の開始に向けた取り組み等を推進いたしました。
広告代理店部門における過払金請求広告案件が縮小傾向にある一方で、美容事業における資金繰り円滑化を目的としてメディア・コンサルティング事業各社を経由した広告出稿を実施したこと等により、売上高12,157,634千円(前年同期比27.1%増)、事業利益(※)664,060千円、のれん償却額70,119千円の計上等によりセグメント利益593,941千円(同47.1%減)となりました。
3)システム開発事業
当連結会計年度のシステム開発事業では、システムエンジニアリング及びバックオフィスに係る人材派遣、PCデータ消去&リサイクルサービス、組込系システムの受託開発、サーバ構築・運用・保守、医用画像表示ソフト「FVT-air」の販売等を行うとともに、当社グループの技術センターとして、開発体制のグループ内製化によるコスト削減に向けた取り組みを推進いたしました。
顧客ニーズの多様化等に伴う競争激化等により、システム開発に係る事業環境は厳しい状況にある中で、コスト改善施策等を実施した結果、売上高982,303千円(前年同期比2.9%増)、事業利益(※)28,780千円、のれん償却額65,940千円の計上等によりセグメント損失37,159千円(前年同期はセグメント損失75,442千円)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較し2,181,747千円増加し、2,919,468千円となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は882,342千円(前年同期比748,409千円増)となりました。これは主に事業譲受対価の見直しに伴う債権債務の増加14,518,003千円、未払金の減少1,932,639千円及び売上債権の増加2,957,291千円等の減少要因がありましたが、税金等調整前当期純利益2,050,481千円、前受金の増加18,221,244千円、仕入債務の増加194,319千円等の増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は666,108千円(同633,644千円増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出706,770千円等の減少要因がありましたが、新規連結子会社株式の取得による収入1,713,971千円等の増加要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は633,295千円(同439,081千円増)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出125,858千円等の減少要因がありましたが、短期借入れによる収入808,096千円及び新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入76,496千円等の増加要因によるものであります。