四半期報告書-第18期第3四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)
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- 2019/11/07 15:09
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四半期連結財務諸表注記事項(IFRS)
1.報告企業
ルネサスエレクトロニクス株式会社(以下「当社」)は日本の会社法に基づいて設立された株式会社であり、日本に所在する企業であります。当第3四半期連結会計期間(2019年7月1日から2019年9月30日まで)および当第3四半期連結累計期間(2019年1月1日から2019年9月30日まで)の要約四半期連結財務諸表は、当社およびその子会社(以下「当社グループ」)で構成されております。当社グループは、半導体専業メーカーとして、各種半導体に関する研究、設計、開発、製造、販売およびサービスを行っております。当社グループの主な事業内容は、「注記6.事業セグメント」に記載しております。
当社グループの2019年9月30日に終了する要約四半期連結財務諸表は、2019年11月7日に代表取締役社長兼CEO 柴田英利および執行役員兼CFO 新開崇平によって承認されております。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨に関する事項
当社グループは、四半期連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同規則第93条の規定を適用しており、当社グループの要約四半期連結財務諸表はIAS第34号「期中財務報告」に準拠して作成しております。
要約四半期連結財務諸表は、連結会計年度の連結財務諸表で要求されているすべての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。
(2) 測定の基礎
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、公正価値で測定する金融商品などを除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨および表示通貨
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円(百万円単位、単位未満四捨五入)で表示しております。
(4) 表示方法の変更
(要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前年度において営業活動によるキャッシュ・フローに表示しておりました「利息の支払額」は、重要性が増したことによって見直しを行い、当年度より財務活動によるキャッシュ・フローの区分に変更しております。この表示方法の変更を反映させるため、前年度の要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書を組み替えて表示しております。この結果、前年度の要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローに表示しておりました「利息の支払額」△1,356百万円は、 財務活動によるキャッシュ・フローに区分して表示しております。
3.重要な会計方針
当社グループが本要約四半期連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、次の項目を除き、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。
なお、当第3四半期連結累計期間の法人所得税は、年間の見積実効税率に基づいて算定しております。
(1) IFRS第16号「リース」の適用
当社グループは、第1四半期連結会計期間より、国際財務報告基準第16号「リース」(以下「IFRS第16号」)を適用しております。
IFRS第16号の適用にあたっては、C5項(b)の経過措置を適用し、適用開始の累積的影響額を適用開始日(2019年1月1日)に認識しており、比較年度の修正再表示は行っておりません。なお、C3項に定められた実務上の便法を適用し、契約がリースまたはリースを含んだものであるかどうかを適用開始日現在で見直しておりません。
C8項(b)(ii)により、関連する使用権資産は、リース負債に等しい金額で測定し、2018年12月31日現在の連結財政状態計算書に認識しているリースに係る未払リース料の金額の分だけ修正しております。IFRS第16号への移行により、13,102百万円のリース負債を追加的に認識し、未払リース料420百万円を修正した12,682百万円を関連する使用権資産として認識しております。IFRS第16号適用開始日に認識したリース負債に適用している借手の追加借入利子率の加重平均は1.6%であります。
前連結会計年度末現在で国際会計基準第17号「リース」(以下「IAS第17号」)を適用して開示したオペレーティング・リース約定について適用開始日現在の追加借入利子率で割り引いた額と適用開始日現在の連結財政状態計算書に認識したリース負債の額との間の調整は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
過去にIAS第17号のもとでオペレーティング・リースに分類していたリースにIFRS第16号を適用する際に、当社グループはIFRS第16号C10項の以下の実務上の便法を使用しております。
・減損レビューの代替として、適用開始日の直前における国際会計基準第37号「引当金、偶発債務及び偶発資産」
(以下「IAS第37号」)の評価に依拠
・適用開始日から12か月以内にリース期間が終了するリースを短期リースとして会計処理
・適用開始日現在の使用権資産の測定において当初直接コストを除外
・契約がリースの延長または解約するオプションを含む場合のリース期間の算定において、事後的判断を使用
(2) IFRIC第23号「法人所得税務処理に関する不確実性」の適用
当社グループは、第1四半期連結会計期間より、国際財務報告基準の解釈指針第23号「法人所得税務処理に関する不確実性」を適用しております。なお、当該基準の適用による連結財務諸表に与える重要な影響はありません。
4.重要な会計上の見積りおよび判断
当社グループは、要約四半期連結財務諸表の作成において、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積りおよび仮定を用いております。これらの見積りおよび仮定は、過去の経験および利用可能な情報を収集し、決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかしながら、その性質上、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直しております。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間および将来の期間において認識しております。
本要約四半期連結財務諸表における重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断は、原則として前連結会計年度に係る連結財務諸表と同様であります。
5.連結の範囲に関する事項
第1四半期連結会計期間に、買収により新たに49社を連結の範囲に含めており、合併による消滅によりルネサスセミコンダクタパッケージ&テストソリューションズ(株)他1社を連結の範囲から除外しております。
なお、新規に買収により連結範囲に含めた子会社の内、Integrated Device Technology, Inc.、Integrated Device Technology Malaysia SDN.BHD. など7社が特定子会社に該当しております。
第2四半期連結会計期間に、合併による消滅等により4社を連結の範囲から除外しております。
当第3四半期連結会計期間に、清算による消滅等により3社を連結の範囲から除外しております。
6.事業セグメント
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっております。
当社グループは、「自動車向け事業」および「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示しております。自動車向け事業には、自動車のエンジンや車体などを制御する半導体を提供する「車載制御」とカーナビゲーションなどの車載情報機器向け半導体を提供する「車載情報」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC(system-on-a-chip)、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。産業・インフラ・IoT向け事業には、スマート社会を支える「産業」、「インフラストラクチャー」および「IoT」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoCおよびアナログ半導体を中心に提供しております。加えて、当社の設計および製造子会社が行っている半導体の受託開発、受託生産などを「その他」に分類しております。
なお、当社グループは、当第3四半期連結会計期間より経営資源の配分の決定および業績評価の管理区分を変更しております。これに伴い、従来、単一としていた報告セグメントを「自動車向け事業」および「産業・インフラ・IoT向け事業」の2つとし、さらに半導体の受託開発および受託生産などを「その他」としております。前第3四半期連結累計期間および前第3四半期会計期間の事業セグメントについては、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。
(2) 報告セグメントに関する情報
報告されている事業セグメントの会計処理の方法はIFRSに基づいており、経営者が意思決定する際に使用する社内指標は、IFRSに基づく営業利益に当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を一定のルールに基づいて調整したNon-GAAP営業利益基準です。セグメント損益(営業損益)は「売上収益」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「その他の費用」を控除し、「その他の収益」を加えて算出しております。なお、当社の取締役会はグループ内取引を消去した後の業績を用いて評価していることから、セグメント間の振替高はありません。
当社グループの報告セグメントごとの情報は次のとおりであります。
前第3四半期連結累計期間(自 2018年1月1日 至 2018年9月30日)
当第3四半期連結累計期間(自 2019年1月1日 至 2019年9月30日)
(注)1. 非経常項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したもののうち、報告セグメントに振り分けたものです。
2. 非経常項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したものです。
前第3四半期連結会計期間(自 2018年7月1日 至 2018年9月30日)
当第3四半期連結会計期間(自 2019年7月1日 至 2019年9月30日)
(注)1. 非経常項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したもののうち、報告セグメントに振り分けたものです。
2. 非経常項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したものです。
(3) 製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。
(4) 地域に関する情報
外部顧客からの売上収益の地域別内訳は、次のとおりであります。
第3四半期連結累計期間
第3四半期連結会計期間
(注)売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
7.企業結合
(1) 取得による企業結合
当第3四半期連結累計期間(自 2019年1月1日 至 2019年9月30日)
① 企業結合の概要
当社は、2018年9月11日付の取締役会において、米国の半導体企業であるIDT社を当社の完全子会社とすることについてIDT社と合意することを決議し、同日、本買収に係る合併契約をIDT社と締結しました。また、2019年3月30日付で同社の買収を完了したことにより完全子会社化しました。
(a) 被取得企業の名称および説明
被取得企業の名称 Integrated Device Technology, Inc.
事業の内容 ミックスドシグナルなどのアナログICの開発、製造および販売
(b) 取得日
2019年3月30日(米国太平洋夏時間:2019年3月29日)
(c) 企業結合の主な理由
当社グループは現在、変化の激しい半導体市場において、世界をリードする組み込みソリューションプロバイダーとして、グローバルに勝ち残るための成長戦略を実施中であります。自動運転やEV/HEVなど市場の拡大が期待される自動車分野において、グローバルで主要なポジションを長年にわたり維持している自動車向け半導体に加え、Industry 4.0や5G(第5世代移動通信システム)など新しい取り組みが進む産業分野やインフラ分野、市場拡大中のIoT分野などを成長戦略の柱として、当社は経営資源の集中を加速しております。
成長戦略実現に向けて、特に、アナログ製品のラインアップ強化やマイコン/SoCとアナログ製品をキットとしてお客様に提供するソリューション提案力の強化を進めており、2017年2月には米国のアナログ半導体企業である旧インターシル社の買収を完了しました。
旧インターシル社の買収により、パワーマネジメント関連アナログ製品のラインアップが強化され、旧インターシル社アナログ製品と既存のマイコン/SoCをキットとして提供するソリューション提案力の強化も図ってまいりました。また同時に、日本国外における拡販力の強化や複数の米半導体企業における経営経験が豊富な旧インターシル社のマネジメントチームが当社グループに加わることによるグローバルマネジメント力の強化も実現しております。
そして今回、一貫した上記成長戦略に沿い、成長をさらに加速させるため、米国のアナログ半導体企業であるIDT社の買収を決定しました。IDT社は、データセンターや通信インフラ向けなどのビッグデータを扱うデータエコノミー関連市場向けに、アナログ・ミックスドシグナル製品の開発、製造、販売・サービスの提供を行う、年間売上高約843百万米ドル(1米ドル110円換算で約927億円、2018年3月期)、営業利益率25%超(Non-GAAPベース)のグローバル半導体企業であります。
今回の買収の狙いは主に、①補完性が高い製品獲得によるソリューション提供力の強化、②事業成長機会の拡大であります。具体的には以下のとおりであります。
①補完性が高い製品獲得によるソリューション提供力の強化
当社は本買収を通じてRF、高性能タイミング、メモリインターフェイス/パワーマネジメント、オプティカル・インターコネクト、ワイヤレスパワー、スマートセンサーなど、様々な機能を持つ広範なアナログ・ミックスドシグナル製品を獲得します。これらの製品群と当社が高い実績を誇るマイコン/SoCおよびパワーマネジメントICとの組み合わせにより、組み込みシステムの増大・高速化する情報処理要求に対して、外部センサーからアナログフロントエンドデバイス、およびプロセッサやインターフェイスに至るまで網羅的なソリューションの提供が可能となり、最適なシステムを構築します。
②事業成長機会の拡大
IDT社のアナログ・ミックスドシグナル製品は、データの取得・保存・伝送といった、データエコノミーの成長を支える上での重要なデバイスであり、本買収を通じて当社は、データセンターや通信インフラ向けなど成長著しいデータエコノミー関連分野において事業領域を拡大するとともに、産業・自動車分野でのポジション強化を実現します。
2017年の旧インターシル社の買収に続き、IDT社が当社グループの一員となることは、日本国外における拡販力やグローバルマネジメント力の強化によるグローバルオペレーションをさらに加速し、また、当社グループが注力する戦略的集中分野において、グローバルリーダーとしてのポジションを強化する強力な施策になると考えております。
(d) 被取得企業の支配を獲得した方法
当社が本買収のために米国デラウェア州に設立する完全子会社(以下「買収子会社」)とIDT社の合併による方法(逆三角合併)で実施しました。合併後の存続会社はIDT社となり、合併対価としてIDT社の株主には現金が交付される一方、当社の保有する買収子会社の株式が存続会社の発行済み株式に転換されることにより、存続会社が当社の完全子会社となりました。
② 取得対価およびその内訳
当該企業結合に係る取得関連費用は1,175百万円であり、当第3四半期連結累計期間において802百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しております。
③ 取得資産および引受負債の公正価値ならびにのれん
(注)1. 第2四半期連結会計期間においては、取得日時点における識別可能資産および負債の特定ならびに時価の算定が未了であり、取得原価の配分が完了していなかったため、第2四半期連結財務諸表作成時点における入手可能な合理的な情報等に基づき暫定的な会計処理を行っておりました。当第3四半期連結会計期間において入手可能な合理的な情報に基づき、暫定的な公正価値を修正しております。なお、当第3四半期連結会計期間においても精査中であるため、引き続き暫定的な会計処理を行っております。
2. 契約金額の総額は公正価値と同額であり、回収不能と見込まれるものはありません。
3. 社債及び借入金の内容は社債になります。詳細については「10.社債及び借入金」をご参照ください。
4. 今後のIDT社を含めた事業展開や当社とIDT社とのシナジーにより期待される将来の超過収益力を反映したものであります。なお、税務上損金算入可能と見込まれるのれんの額はありません。
④ 子会社の取得による支出
⑤ 企業結合が期首に実施されたと仮定した場合の連結損益計算書に与える影響額
仮にIDT社の取得日が当第3四半期連結累計期間の期首に実施されたと仮定した場合のプロフォーマ情報(非監査情報)は、次のとおりであります。
当該プロフォーマ情報は監査証明を受けておりません。また、無形資産が当連結会計年度の開始の日に発生したものとして無形資産の償却額等を加味した影響の概算額としております。当該情報は必ずしも将来起こりうるべき事象を示唆するものではありません。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、次のとおりであります。
(注)営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
9.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、次のとおりであります。
(注)営業債務及びその他の債務は償却原価で測定する金融負債に分類しております。
10.社債及び借入金
(1) 社債
IDT社の買収に伴い、IDT社が2015年11月1日付で発行した転換社債(発行総額374百万米ドル(41,483百万円)、利率0.875%、償還期限2022年11月22日)を第1四半期連結会計期間にて公正価値の測定により586百万米ドル(65,039百万円)計上し、第2四半期連結会計期間にて買入消却を行いました。
(2) 借入金
当社は、2019年1月15日付で、買収に必要な資金の一部の調達および中長期的な資金として既存借入金の借り換えを目的とした総額897,000百万円のシンジケートローン契約を締結しました。このうち、第1四半期連結会計期間にて、698,000百万円の実行可能期間付タームローン(借入実行日:2019年3月28日、返済期日:2024年3月28日、借入先:㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱、他5金融機関)の借入を実行しました。また、第2四半期連結会計期間にて、149,000百万円のタームローン(借入実行日:2019年6月28日、返済期日:2024年6月28日、借入先:㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱)の借入を実行し、既存のタームローンから借り換えました。
11.売上収益
売上収益はすべて外部顧客との契約から生じたものであります。また、外部顧客との契約から認識した売上収益の分解は、「6.事業セグメント(2)報告セグメントに関する情報、(4)地域に関する情報」に記載しております。
12.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、次のとおりであります。
第3四半期連結累計期間
第3四半期連結会計期間
13.その他の収益
その他の収益の内訳は、次のとおりであります。
第3四半期連結累計期間
第3四半期連結会計期間
(注)前第3四半期連結累計期間においては、主に当社の米国子会社に対する特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用などの主張に基づく米国民事訴訟における、第一審裁判所の判決での賠償額を取り消し、第一審裁判所での再審理を命じた控訴審裁判所の判決があり、見積りを見直した結果、訴訟損失引当金を戻入しております。
14.その他の費用
その他の費用の内訳は、次のとおりであります。
第3四半期連結累計期間
第3四半期連結会計期間
(注)1.当社グループは、強靭な収益構造の構築に向けて事業・生産構造改革などの諸施策を実行しており、それらの施策により発生した費用を事業構造改善費用に計上しております。事業構造改善費用の主な内容は、前第3四半期連結累計期間および前第3四半期連結会計期間においては割増退職金等人件費関係費用および拠点集約に伴う設備撤去費用など、当第3四半期連結累計期間および当第3四半期連結会計期間においては早期退職優遇制度に伴って発生した割増退職金等であります。
2.2018年8月1日付で、当社が保有する㈱ルネサスイーストンの株式の一部売却に伴い、前第3四半期会計期間より、同社は当社の持分法適用会社から除外されました。これに伴い、前第3四半期連結会計期間においては、当該株式の売却損および残余の投資を持分法適用中止時の公正価値で評価したことによる損失を計上しております。
15.1株当たり利益
親会社の普通株主に帰属する基本的1株当たり四半期利益(△は損失)および希薄化後1株当たり四半期利益(△は損失)は、次のとおりであります。
(1) 基本的1株当たり四半期利益(△は損失)
第3四半期連結累計期間
第3四半期連結会計期間
(2) 希薄化後1株当たり四半期利益(△は損失)
第3四半期連結累計期間
第3四半期連結会計期間
(注)1.当第3四半期連結累計期間における希薄化後1株当たり四半期損失は、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため基本的1株当たり四半期損失と同額であります。
2.当第3四半期連結累計期間において、当社が発行する新株予約権は希薄化効果を有していないため、希薄化効果調整後1株当たり四半期利益の算定に含めておりません。
16.金融商品
(1) 公正価値の算定方法
金融商品の公正価値の算定方法は、次のとおりであります。
(a) 現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権
これらは主に短期間で決済されるものであるため、公正価値は帳簿価額と近似しております。
(b) 営業債務及びその他の債務
比較的短期で満期が到来する営業債務及びその他の債務については、公正価値は帳簿価額と近似しております。短期で満期が到来しない営業債務及びその他の債務の公正価値は、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2に分類しております。
(c) 有価証券
活発な市場における同一銘柄の市場価格が入手できる場合は、当該市場価格を使用して公正価値を測定しており、レベル1に分類しております。市場価格が入手できない場合の公正価値は、主として純資産に基づく方式(株式発行会社の純資産に基づき、必要に応じて時価修正を加えて算出する方法)などにより測定しており、レベル3に分類しております。
(d) 長期借入金およびリース債務
これらの公正価値については、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2に分類しております。
(e) デリバティブ取引
通貨オプションおよび通貨スワップについては、取引先の金融機関から提示された価格等に基づいて算定しており、レベル2に分類しております。
(f) 社債
企業結合により取得した社債の公正価値は、公表されている市場価格を参照して算定しており、レベル2に
分類しております。
(g) その他の金融資産、その他の金融負債
償却原価で測定する3ヶ月超の定期預金、長期未収入金、敷金または預り保証金は、レベル2に分類してお
ります。なお、公正価値は帳簿価額と近似しているため、注記を省略しております。
(2) 公正価値で測定する金融商品のレベル別分類
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを次のように分類しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定された公正価値
レベル2: レベル1以外の、観察可能な価格を直接または間接的に使用して算出された公正価値
レベル3: 観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期末日に発生したものとして認識して
おります。また、各レベル間の振替はありません。
① 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は、次のとおりであります。なお、公正価値で測定する金融商品および帳簿価額と公正価値が極めて近似している金融商品については、次の表には含めておりません。また、第1四半期連結会計期間より、リース債務については、次の表には含めておりません。
前連結会計年度(2018年12月31日)
(単位:百万円)
当第3四半期連結会計期間(2019年9月30日)
(単位:百万円)
② 公正価値で測定する金融商品
公正価値ヒエラルキーのレベルごとに分類された、経常的に公正価値で測定する金融資産および金融負債の内訳は、次のとおりであります。
前連結会計年度(2018年12月31日)
当第3四半期連結会計期間(2019年9月30日)
③ レベル3に分類された金融商品の増減は、次のとおりであります。
レベル3に分類された金融負債の増減は、次のとおりであります。
(注) 1.純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、金融収益及び金融費用に含まれております。
2.その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、要約四半期連結包括利益計算書上の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に表示しております。
3.レベル3に分類されている金融商品は、非上場株式によって構成されております。非上場株式の公正価値は、当社グループの担当部門がグループ会計方針などに従って、四半期ごとに入手可能な直前の数値を用いて公正価値を測定しております。公正価値測定結果については、適切な権限者がレビュー、承認しております。なお、レベル3に分類された金融商品について、それぞれ合理的と考えられる代替的な仮定に変更した場合に、公正価値の金額に重要な変動はないと考えております。
17.偶発事象
当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、様々な国や地域で訴訟、規制当局の調査その他の法的手続の当事者になる可能性があります。
当社グループが現在当事者となり、または今後当事者となる可能性のある法的手続について、その解決には相当の時間、費用などを要する可能性があり、結果を予測することは困難ですが、その結果が、当社グループの事業、業績、財政状態、キャッシュフロー、評判および信用に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、合理的に見積りが可能な限りにおいて、以下に記載する事案のいくつかについて訴訟損失引当金を計上しております。また、以下の記載する事案以外にも他社との訴訟や損害賠償請求案件などの支払に備えた訴訟損失引当金を計上しております。なお、IAS第37号の第92項に従い、当社グループの立場が不利になる可能性があるため、これらの事案に関する詳細な内容は開示しておりません。
(特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用等に関する民事訴訟)
当社米国子会社は、特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用等に関連して、他社から米国で民事訴訟を提起されております。2008年11月、当社の米国子会社に対して、米国テキサス州東部地区連邦地裁裁判所(以下「第一審裁判所」)において特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用等の主張に基づく民事訴訟が提起されました。2016年6月、第一審裁判所は、当社米国子会社に対する77.3百万米ドルの賠償命令を含む判決を出しましたが、当社米国子会社は米国連邦巡回控訴裁判所(以下「第二審裁判所」)に控訴しました。2018年7月、第二審裁判所は、第一審裁判所の判決による賠償額を取り消し、第一審裁判所での再審理を命じました。
(独占禁止法(競争法)違反の可能性に関する民事訴訟)
当社グループは、スマートカードチップに関する独占禁止法(競争法)違反の可能性に関連して、同製品の購入者からカナダおよび英国で民事訴訟を提起されております。カナダにおける民事訴訟は、2013年7月にブリティッシュコロンビア州上位裁判所において提起され、現在も係属中であります。英国における民事訴訟は、2014年12月にイングランド・ウェールズ高等法院において提起され、その後訴訟当事者の要求により訴訟手続は停止されております。
(環境汚染問題に関する請求)
当社台湾子会社は、事業承継元の会社が過去に保有していた台湾の工場において生じた環境汚染問題に関連して、損害賠償請求を受けております。
2004年6月以降、当社台湾子会社は、事業承継元の会社が過去に保有していた台湾の工場において生じた環境汚染問題に関する汚染浄化費用ならびに当該工場に勤務していた元従業員等が提起した環境汚染問題に関する集団訴訟における賠償責任および訴訟費用について、他社から損害賠償請求権を留保している旨の通知を受けておりました。当社台湾子会社は当該集団訴訟の被告ではありませんが、2017年12月、上記請求について、当該請求者から当社台湾子会社に対して仲裁の申し立てがなされました。その後当該請求者の要求により仲裁手続は停止されております。
ルネサスエレクトロニクス株式会社(以下「当社」)は日本の会社法に基づいて設立された株式会社であり、日本に所在する企業であります。当第3四半期連結会計期間(2019年7月1日から2019年9月30日まで)および当第3四半期連結累計期間(2019年1月1日から2019年9月30日まで)の要約四半期連結財務諸表は、当社およびその子会社(以下「当社グループ」)で構成されております。当社グループは、半導体専業メーカーとして、各種半導体に関する研究、設計、開発、製造、販売およびサービスを行っております。当社グループの主な事業内容は、「注記6.事業セグメント」に記載しております。
当社グループの2019年9月30日に終了する要約四半期連結財務諸表は、2019年11月7日に代表取締役社長兼CEO 柴田英利および執行役員兼CFO 新開崇平によって承認されております。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨に関する事項
当社グループは、四半期連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同規則第93条の規定を適用しており、当社グループの要約四半期連結財務諸表はIAS第34号「期中財務報告」に準拠して作成しております。
要約四半期連結財務諸表は、連結会計年度の連結財務諸表で要求されているすべての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。
(2) 測定の基礎
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、公正価値で測定する金融商品などを除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨および表示通貨
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円(百万円単位、単位未満四捨五入)で表示しております。
(4) 表示方法の変更
(要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前年度において営業活動によるキャッシュ・フローに表示しておりました「利息の支払額」は、重要性が増したことによって見直しを行い、当年度より財務活動によるキャッシュ・フローの区分に変更しております。この表示方法の変更を反映させるため、前年度の要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書を組み替えて表示しております。この結果、前年度の要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローに表示しておりました「利息の支払額」△1,356百万円は、 財務活動によるキャッシュ・フローに区分して表示しております。
3.重要な会計方針
当社グループが本要約四半期連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、次の項目を除き、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。
なお、当第3四半期連結累計期間の法人所得税は、年間の見積実効税率に基づいて算定しております。
(1) IFRS第16号「リース」の適用
当社グループは、第1四半期連結会計期間より、国際財務報告基準第16号「リース」(以下「IFRS第16号」)を適用しております。
IFRS第16号の適用にあたっては、C5項(b)の経過措置を適用し、適用開始の累積的影響額を適用開始日(2019年1月1日)に認識しており、比較年度の修正再表示は行っておりません。なお、C3項に定められた実務上の便法を適用し、契約がリースまたはリースを含んだものであるかどうかを適用開始日現在で見直しておりません。
C8項(b)(ii)により、関連する使用権資産は、リース負債に等しい金額で測定し、2018年12月31日現在の連結財政状態計算書に認識しているリースに係る未払リース料の金額の分だけ修正しております。IFRS第16号への移行により、13,102百万円のリース負債を追加的に認識し、未払リース料420百万円を修正した12,682百万円を関連する使用権資産として認識しております。IFRS第16号適用開始日に認識したリース負債に適用している借手の追加借入利子率の加重平均は1.6%であります。
前連結会計年度末現在で国際会計基準第17号「リース」(以下「IAS第17号」)を適用して開示したオペレーティング・リース約定について適用開始日現在の追加借入利子率で割り引いた額と適用開始日現在の連結財政状態計算書に認識したリース負債の額との間の調整は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度末(2018年12月31日)現在でIAS第17号を適用して開示した オペレーティング・リース | 12,792 |
追加借入利子率1.6%を用いた割引 | △754 |
解約可能オペレーティング・リース契約等 | 1,064 |
前連結会計年度末(2018年12月31日)現在で認識したファイナンス・リース債務 | 2,762 |
適用開始日(2019年1月1日)現在の連結財政状態計算書に認識したリース負債の額 | 15,864 |
過去にIAS第17号のもとでオペレーティング・リースに分類していたリースにIFRS第16号を適用する際に、当社グループはIFRS第16号C10項の以下の実務上の便法を使用しております。
・減損レビューの代替として、適用開始日の直前における国際会計基準第37号「引当金、偶発債務及び偶発資産」
(以下「IAS第37号」)の評価に依拠
・適用開始日から12か月以内にリース期間が終了するリースを短期リースとして会計処理
・適用開始日現在の使用権資産の測定において当初直接コストを除外
・契約がリースの延長または解約するオプションを含む場合のリース期間の算定において、事後的判断を使用
(2) IFRIC第23号「法人所得税務処理に関する不確実性」の適用
当社グループは、第1四半期連結会計期間より、国際財務報告基準の解釈指針第23号「法人所得税務処理に関する不確実性」を適用しております。なお、当該基準の適用による連結財務諸表に与える重要な影響はありません。
4.重要な会計上の見積りおよび判断
当社グループは、要約四半期連結財務諸表の作成において、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積りおよび仮定を用いております。これらの見積りおよび仮定は、過去の経験および利用可能な情報を収集し、決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかしながら、その性質上、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直しております。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間および将来の期間において認識しております。
本要約四半期連結財務諸表における重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断は、原則として前連結会計年度に係る連結財務諸表と同様であります。
5.連結の範囲に関する事項
第1四半期連結会計期間に、買収により新たに49社を連結の範囲に含めており、合併による消滅によりルネサスセミコンダクタパッケージ&テストソリューションズ(株)他1社を連結の範囲から除外しております。
なお、新規に買収により連結範囲に含めた子会社の内、Integrated Device Technology, Inc.、Integrated Device Technology Malaysia SDN.BHD. など7社が特定子会社に該当しております。
第2四半期連結会計期間に、合併による消滅等により4社を連結の範囲から除外しております。
当第3四半期連結会計期間に、清算による消滅等により3社を連結の範囲から除外しております。
6.事業セグメント
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっております。
当社グループは、「自動車向け事業」および「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示しております。自動車向け事業には、自動車のエンジンや車体などを制御する半導体を提供する「車載制御」とカーナビゲーションなどの車載情報機器向け半導体を提供する「車載情報」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC(system-on-a-chip)、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。産業・インフラ・IoT向け事業には、スマート社会を支える「産業」、「インフラストラクチャー」および「IoT」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoCおよびアナログ半導体を中心に提供しております。加えて、当社の設計および製造子会社が行っている半導体の受託開発、受託生産などを「その他」に分類しております。
なお、当社グループは、当第3四半期連結会計期間より経営資源の配分の決定および業績評価の管理区分を変更しております。これに伴い、従来、単一としていた報告セグメントを「自動車向け事業」および「産業・インフラ・IoT向け事業」の2つとし、さらに半導体の受託開発および受託生産などを「その他」としております。前第3四半期連結累計期間および前第3四半期会計期間の事業セグメントについては、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。
(2) 報告セグメントに関する情報
報告されている事業セグメントの会計処理の方法はIFRSに基づいており、経営者が意思決定する際に使用する社内指標は、IFRSに基づく営業利益に当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を一定のルールに基づいて調整したNon-GAAP営業利益基準です。セグメント損益(営業損益)は「売上収益」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「その他の費用」を控除し、「その他の収益」を加えて算出しております。なお、当社の取締役会はグループ内取引を消去した後の業績を用いて評価していることから、セグメント間の振替高はありません。
当社グループの報告セグメントごとの情報は次のとおりであります。
前第3四半期連結累計期間(自 2018年1月1日 至 2018年9月30日)
(単位:百万円)
|
当第3四半期連結累計期間(自 2019年1月1日 至 2019年9月30日)
(単位:百万円)
|
(注)1. 非経常項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したもののうち、報告セグメントに振り分けたものです。
2. 非経常項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したものです。
前第3四半期連結会計期間(自 2018年7月1日 至 2018年9月30日)
(単位:百万円)
|
当第3四半期連結会計期間(自 2019年7月1日 至 2019年9月30日)
(単位:百万円)
|
(注)1. 非経常項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したもののうち、報告セグメントに振り分けたものです。
2. 非経常項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したものです。
(3) 製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。
(4) 地域に関する情報
外部顧客からの売上収益の地域別内訳は、次のとおりであります。
第3四半期連結累計期間
(単位:百万円) | |||
前第3四半期連結累計期間 (自 2018年1月1日 至 2018年9月30日) | 当第3四半期連結累計期間 (自 2019年1月1日 至 2019年9月30日) | ||
日本 | 222,772 | 193,315 | |
中国 | 117,389 | 116,018 | |
アジア(中国除く) | 80,129 | 78,840 | |
欧州 | 95,027 | 87,224 | |
北米 | 50,857 | 48,533 | |
その他 | 2,593 | 2,311 | |
合計 | 568,767 | 526,241 |
第3四半期連結会計期間
(単位:百万円) | |||
前第3四半期連結会計期間 (自 2018年7月1日 至 2018年9月30日) | 当第3四半期連結会計期間 (自 2019年7月1日 至 2019年9月30日) | ||
日本 | 68,477 | 65,057 | |
中国 | 36,091 | 43,944 | |
アジア(中国除く) | 25,236 | 28,165 | |
欧州 | 32,203 | 28,484 | |
北米 | 16,993 | 16,895 | |
その他 | 858 | 812 | |
合計 | 179,858 | 183,357 |
(注)売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
7.企業結合
(1) 取得による企業結合
当第3四半期連結累計期間(自 2019年1月1日 至 2019年9月30日)
① 企業結合の概要
当社は、2018年9月11日付の取締役会において、米国の半導体企業であるIDT社を当社の完全子会社とすることについてIDT社と合意することを決議し、同日、本買収に係る合併契約をIDT社と締結しました。また、2019年3月30日付で同社の買収を完了したことにより完全子会社化しました。
(a) 被取得企業の名称および説明
被取得企業の名称 Integrated Device Technology, Inc.
事業の内容 ミックスドシグナルなどのアナログICの開発、製造および販売
(b) 取得日
2019年3月30日(米国太平洋夏時間:2019年3月29日)
(c) 企業結合の主な理由
当社グループは現在、変化の激しい半導体市場において、世界をリードする組み込みソリューションプロバイダーとして、グローバルに勝ち残るための成長戦略を実施中であります。自動運転やEV/HEVなど市場の拡大が期待される自動車分野において、グローバルで主要なポジションを長年にわたり維持している自動車向け半導体に加え、Industry 4.0や5G(第5世代移動通信システム)など新しい取り組みが進む産業分野やインフラ分野、市場拡大中のIoT分野などを成長戦略の柱として、当社は経営資源の集中を加速しております。
成長戦略実現に向けて、特に、アナログ製品のラインアップ強化やマイコン/SoCとアナログ製品をキットとしてお客様に提供するソリューション提案力の強化を進めており、2017年2月には米国のアナログ半導体企業である旧インターシル社の買収を完了しました。
旧インターシル社の買収により、パワーマネジメント関連アナログ製品のラインアップが強化され、旧インターシル社アナログ製品と既存のマイコン/SoCをキットとして提供するソリューション提案力の強化も図ってまいりました。また同時に、日本国外における拡販力の強化や複数の米半導体企業における経営経験が豊富な旧インターシル社のマネジメントチームが当社グループに加わることによるグローバルマネジメント力の強化も実現しております。
そして今回、一貫した上記成長戦略に沿い、成長をさらに加速させるため、米国のアナログ半導体企業であるIDT社の買収を決定しました。IDT社は、データセンターや通信インフラ向けなどのビッグデータを扱うデータエコノミー関連市場向けに、アナログ・ミックスドシグナル製品の開発、製造、販売・サービスの提供を行う、年間売上高約843百万米ドル(1米ドル110円換算で約927億円、2018年3月期)、営業利益率25%超(Non-GAAPベース)のグローバル半導体企業であります。
今回の買収の狙いは主に、①補完性が高い製品獲得によるソリューション提供力の強化、②事業成長機会の拡大であります。具体的には以下のとおりであります。
①補完性が高い製品獲得によるソリューション提供力の強化
当社は本買収を通じてRF、高性能タイミング、メモリインターフェイス/パワーマネジメント、オプティカル・インターコネクト、ワイヤレスパワー、スマートセンサーなど、様々な機能を持つ広範なアナログ・ミックスドシグナル製品を獲得します。これらの製品群と当社が高い実績を誇るマイコン/SoCおよびパワーマネジメントICとの組み合わせにより、組み込みシステムの増大・高速化する情報処理要求に対して、外部センサーからアナログフロントエンドデバイス、およびプロセッサやインターフェイスに至るまで網羅的なソリューションの提供が可能となり、最適なシステムを構築します。
②事業成長機会の拡大
IDT社のアナログ・ミックスドシグナル製品は、データの取得・保存・伝送といった、データエコノミーの成長を支える上での重要なデバイスであり、本買収を通じて当社は、データセンターや通信インフラ向けなど成長著しいデータエコノミー関連分野において事業領域を拡大するとともに、産業・自動車分野でのポジション強化を実現します。
2017年の旧インターシル社の買収に続き、IDT社が当社グループの一員となることは、日本国外における拡販力やグローバルマネジメント力の強化によるグローバルオペレーションをさらに加速し、また、当社グループが注力する戦略的集中分野において、グローバルリーダーとしてのポジションを強化する強力な施策になると考えております。
(d) 被取得企業の支配を獲得した方法
当社が本買収のために米国デラウェア州に設立する完全子会社(以下「買収子会社」)とIDT社の合併による方法(逆三角合併)で実施しました。合併後の存続会社はIDT社となり、合併対価としてIDT社の株主には現金が交付される一方、当社の保有する買収子会社の株式が存続会社の発行済み株式に転換されることにより、存続会社が当社の完全子会社となりました。
② 取得対価およびその内訳
(単位:百万円) | ||
対価 | 金額 | |
現金による取得対価 | 703,559 | |
ストック・オプションによる取得対価 | 23,188 | |
取得対価の合計 | A | 726,747 |
当該企業結合に係る取得関連費用は1,175百万円であり、当第3四半期連結累計期間において802百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しております。
③ 取得資産および引受負債の公正価値ならびにのれん
(単位:百万円) | ||
支配獲得日 (2019年3月30日) | ||
流動資産 | ||
現金及び現金同等物 | 26,326 | |
営業債権及びその他の債権 (注)2 | 16,136 | |
棚卸資産 | 18,808 | |
その他 | 786 | |
流動資産合計 | 62,056 | |
非流動資産 | ||
有形固定資産 | 19,775 | |
無形資産 | 320,276 | |
その他 | 11,852 | |
非流動資産合計 | 351,903 | |
資産合計 | 413,959 | |
流動負債 | ||
営業債務及びその他の債務 | 5,121 | |
社債及び借入金 (注)3 | 65,262 | |
その他 | 13,997 | |
流動負債合計 | 84,380 |
非流動負債 | ||
未払法人所得税 | 2,599 | |
繰延税金負債 | 35,012 | |
その他 | 3,759 | |
非流動負債合計 | 41,370 | |
負債合計 | 125,750 | |
純資産 | B | 288,209 |
ベーシス・アジャストメント | C | 8,598 |
のれん (注)4 | A-B+C | 447,135 |
(注)1. 第2四半期連結会計期間においては、取得日時点における識別可能資産および負債の特定ならびに時価の算定が未了であり、取得原価の配分が完了していなかったため、第2四半期連結財務諸表作成時点における入手可能な合理的な情報等に基づき暫定的な会計処理を行っておりました。当第3四半期連結会計期間において入手可能な合理的な情報に基づき、暫定的な公正価値を修正しております。なお、当第3四半期連結会計期間においても精査中であるため、引き続き暫定的な会計処理を行っております。
修正科目 | のれん修正金額 | |
のれん(修正前) | 724,270 | 百万円 |
棚卸資産 | 1,666 | 〃 |
有形固定資産 | △8,695 | 〃 |
無形資産 | △303,213 | 〃 |
繰延税金負債 | 33,108 | 〃 |
修正金額合計 | △277,134 | 〃 |
のれん(修正後) | 447,135 | 百万円 |
2. 契約金額の総額は公正価値と同額であり、回収不能と見込まれるものはありません。
3. 社債及び借入金の内容は社債になります。詳細については「10.社債及び借入金」をご参照ください。
4. 今後のIDT社を含めた事業展開や当社とIDT社とのシナジーにより期待される将来の超過収益力を反映したものであります。なお、税務上損金算入可能と見込まれるのれんの額はありません。
④ 子会社の取得による支出
(単位:百万円) | ||
科目 | 金額 | |
現金による取得対価 | △703,559 | |
支配獲得時に被取得企業が保有していた現金及び現金同等物 | 26,326 | |
子会社の取得による現金支払額 | △677,233 | |
ベーシス・アジャストメント | △8,598 | |
子会社の取得による現金支払額(純額) | △685,831 |
⑤ 企業結合が期首に実施されたと仮定した場合の連結損益計算書に与える影響額
仮にIDT社の取得日が当第3四半期連結累計期間の期首に実施されたと仮定した場合のプロフォーマ情報(非監査情報)は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
当第3四半期連結累計期間 (自 2019年1月1日 至 2019年9月30日) | ||
売上収益 | 553,182 | |
四半期利益又は損失(△) | △10,182 |
当該プロフォーマ情報は監査証明を受けておりません。また、無形資産が当連結会計年度の開始の日に発生したものとして無形資産の償却額等を加味した影響の概算額としております。当該情報は必ずしも将来起こりうるべき事象を示唆するものではありません。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (2018年12月31日) | 当第3四半期 連結会計期間 (2019年9月30日) | ||
受取手形及び売掛金 | 76,356 | 78,272 | |
未収入金 | 3,141 | 2,731 | |
貸倒引当金 | △48 | △134 | |
合計 | 79,449 | 80,869 |
(注)営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
9.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (2018年12月31日) | 当第3四半期 連結会計期間 (2019年9月30日) | ||
買掛金 | 59,579 | 55,157 | |
未払金 | 41,682 | 20,465 | |
電子記録債務 | 16,323 | 13,684 | |
返金負債 | 3,052 | 3,381 | |
合計 | 120,636 | 92,687 | |
流動負債 | 116,233 | 92,185 | |
非流動負債 | 4,403 | 502 |
(注)営業債務及びその他の債務は償却原価で測定する金融負債に分類しております。
10.社債及び借入金
(1) 社債
IDT社の買収に伴い、IDT社が2015年11月1日付で発行した転換社債(発行総額374百万米ドル(41,483百万円)、利率0.875%、償還期限2022年11月22日)を第1四半期連結会計期間にて公正価値の測定により586百万米ドル(65,039百万円)計上し、第2四半期連結会計期間にて買入消却を行いました。
(2) 借入金
当社は、2019年1月15日付で、買収に必要な資金の一部の調達および中長期的な資金として既存借入金の借り換えを目的とした総額897,000百万円のシンジケートローン契約を締結しました。このうち、第1四半期連結会計期間にて、698,000百万円の実行可能期間付タームローン(借入実行日:2019年3月28日、返済期日:2024年3月28日、借入先:㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱、他5金融機関)の借入を実行しました。また、第2四半期連結会計期間にて、149,000百万円のタームローン(借入実行日:2019年6月28日、返済期日:2024年6月28日、借入先:㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱)の借入を実行し、既存のタームローンから借り換えました。
11.売上収益
売上収益はすべて外部顧客との契約から生じたものであります。また、外部顧客との契約から認識した売上収益の分解は、「6.事業セグメント(2)報告セグメントに関する情報、(4)地域に関する情報」に記載しております。
12.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、次のとおりであります。
第3四半期連結累計期間
(単位:百万円) | |||
前第3四半期連結累計期間 (自 2018年1月1日 至 2018年9月30日) | 当第3四半期連結累計期間 (自 2019年1月1日 至 2019年9月30日) | ||
研究開発費 | 95,480 | 92,716 | |
従業員給料手当 | 33,525 | 35,355 | |
減価償却費及び償却費 | 19,658 | 41,546 | |
退職給付費用 | 2,369 | 2,416 | |
その他 | 35,374 | 32,622 | |
合計 | 186,406 | 204,655 |
第3四半期連結会計期間
(単位:百万円) | |||
前第3四半期連結会計期間 (自 2018年7月1日 至 2018年9月30日) | 当第3四半期連結会計期間 (自 2019年7月1日 至 2019年9月30日) | ||
研究開発費 | 31,402 | 32,402 | |
従業員給料手当 | 11,068 | 12,327 | |
減価償却費及び償却費 | 6,490 | 16,989 | |
退職給付費用 | 836 | 716 | |
その他 | 10,784 | 9,966 | |
合計 | 60,580 | 72,400 |
13.その他の収益
その他の収益の内訳は、次のとおりであります。
第3四半期連結累計期間
(単位:百万円) | |||
前第3四半期連結累計期間 (自 2018年1月1日 至 2018年9月30日) | 当第3四半期連結累計期間 (自 2019年1月1日 至 2019年9月30日) | ||
訴訟損失引当金戻入額(注) | 6,309 | ― | |
固定資産売却益 | 1,029 | 542 | |
その他 | 620 | 1099 | |
合計 | 7,958 | 1,641 |
第3四半期連結会計期間
(単位:百万円) | |||
前第3四半期連結会計期間 (自 2018年7月1日 至 2018年9月30日) | 当第3四半期連結会計期間 (自 2019年7月1日 至 2019年9月30日) | ||
補助金収入 | ― | 142 | |
受取保険金 | 141 | ― | |
その他 | 133 | 206 | |
合計 | 274 | 348 |
(注)前第3四半期連結累計期間においては、主に当社の米国子会社に対する特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用などの主張に基づく米国民事訴訟における、第一審裁判所の判決での賠償額を取り消し、第一審裁判所での再審理を命じた控訴審裁判所の判決があり、見積りを見直した結果、訴訟損失引当金を戻入しております。
14.その他の費用
その他の費用の内訳は、次のとおりであります。
第3四半期連結累計期間
(単位:百万円) | |||
前第3四半期連結累計期間 (自 2018年1月1日 至 2018年9月30日) | 当第3四半期連結累計期間 (自 2019年1月1日 至 2019年9月30日) | ||
事業構造改善費用(注)1 | 4,089 | 11,489 | |
その他 | 4,690 | 3,736 | |
合計 | 8,779 | 15,225 |
第3四半期連結会計期間
(単位:百万円) | |||
前第3四半期連結会計期間 (自 2018年7月1日 至 2018年9月30日) | 当第3四半期連結会計期間 (自 2019年7月1日 至 2019年9月30日) | ||
事業構造改善費用(注)1 | 2,597 | 727 | |
持分変動損失(注)2 | 1,273 | ― | |
その他 | 1,641 | 729 | |
合計 | 5,511 | 1,456 |
(注)1.当社グループは、強靭な収益構造の構築に向けて事業・生産構造改革などの諸施策を実行しており、それらの施策により発生した費用を事業構造改善費用に計上しております。事業構造改善費用の主な内容は、前第3四半期連結累計期間および前第3四半期連結会計期間においては割増退職金等人件費関係費用および拠点集約に伴う設備撤去費用など、当第3四半期連結累計期間および当第3四半期連結会計期間においては早期退職優遇制度に伴って発生した割増退職金等であります。
2.2018年8月1日付で、当社が保有する㈱ルネサスイーストンの株式の一部売却に伴い、前第3四半期会計期間より、同社は当社の持分法適用会社から除外されました。これに伴い、前第3四半期連結会計期間においては、当該株式の売却損および残余の投資を持分法適用中止時の公正価値で評価したことによる損失を計上しております。
15.1株当たり利益
親会社の普通株主に帰属する基本的1株当たり四半期利益(△は損失)および希薄化後1株当たり四半期利益(△は損失)は、次のとおりであります。
(1) 基本的1株当たり四半期利益(△は損失)
第3四半期連結累計期間
前第3四半期連結累計期間 (自 2018年1月1日 至 2018年9月30日) | 当第3四半期連結累計期間 (自 2019年1月1日 至 2019年9月30日) | ||
基本的1株当たり四半期利益の計算に使用する 親会社の普通株主に帰属する四半期利益(△は損失)(百万円) | 61,961 | △7,411 | |
継続事業からの四半期利益(△は損失)(百万円) | 61,961 | △7,411 | |
非継続事業からの四半期利益(百万円) | ― | ― | |
期中平均普通株式数(千株) | 1,667,524 | 1,689,258 | |
基本的1株当たり四半期利益(△は損失)(円) | 37.16 | △4.39 | |
継続事業(円) | 37.16 | △4.39 | |
非継続事業(円) | ― | ― |
第3四半期連結会計期間
前第3四半期連結会計期間 (自 2018年7月1日 至 2018年9月30日) | 当第3四半期連結会計期間 (自 2019年7月1日 至 2019年9月30日) | ||
基本的1株当たり四半期利益の計算に使用する 親会社の普通株主に帰属する四半期利益(百万円) | 11,776 | 3,761 | |
継続事業からの四半期利益(百万円) | 11,776 | 3,761 | |
非継続事業からの四半期利益(百万円) | ― | ― | |
期中平均普通株式数(千株) | 1,667,899 | 1,704,617 | |
基本的1株当たり四半期利益(円) | 7.06 | 2.21 | |
継続事業(円) | 7.06 | 2.21 | |
非継続事業(円) | ― | ― |
(2) 希薄化後1株当たり四半期利益(△は損失)
第3四半期連結累計期間
前第3四半期連結累計期間 (自 2018年1月1日 至 2018年9月30日) | 当第3四半期連結累計期間 (自 2019年1月1日 至 2019年9月30日) | ||
基本的1株当たり四半期利益の計算に使用する 親会社の普通株主に帰属する四半期利益(△は損失)(百万円) | 61,961 | △7,411 | |
四半期利益調整額(百万円) | ― | ― | |
希薄化後1株当たり四半期利益の計算に使用する 四半期利益(△は損失)(百万円) | 61,961 | △7,411 | |
継続事業からの四半期利益(△は損失)(百万円) | 61,961 | △7,411 | |
非継続事業からの四半期利益(百万円) | ― | ― | |
希薄化前の期中平均普通株式数(千株) | 1,667,524 | 1,689,258 | |
新株予約権による普通株式増加数(千株) | 3,745 | ― | |
希薄化後の期中平均普通株式数(千株) | 1,671,269 | 1,689,258 | |
希薄化後1株当たり四半期利益(△は損失)(円) | 37.07 | △4.39 | |
継続事業(円) | 37.07 | △4.39 | |
非継続事業(円) | ― | ― |
第3四半期連結会計期間
前第3四半期連結会計期間 (自 2018年7月1日 至 2018年9月30日) | 当第3四半期連結会計期間 (自 2019年7月1日 至 2019年9月30日) | ||
基本的1株当たり四半期利益の計算に使用する 親会社の普通株主に帰属する四半期利益(百万円) | 11,776 | 3,761 | |
四半期利益調整額(百万円) | ― | ― | |
希薄化後1株当たり四半期利益の計算に使用する 四半期利益(百万円) | 11,776 | 3,761 | |
継続事業からの四半期利益(百万円) | 11,776 | 3,761 | |
非継続事業からの四半期利益(百万円) | ― | ― | |
希薄化前の期中平均普通株式数(千株) | 1,667,899 | 1,704,617 | |
新株予約権による普通株式増加数(千株) | 2,709 | 25,642 | |
希薄化後の期中平均普通株式数(千株) | 1,670,608 | 1,730,259 | |
希薄化後1株当たり四半期利益(円) | 7.05 | 2.17 | |
継続事業(円) | 7.05 | 2.17 | |
非継続事業(円) | ― | ― |
(注)1.当第3四半期連結累計期間における希薄化後1株当たり四半期損失は、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため基本的1株当たり四半期損失と同額であります。
2.当第3四半期連結累計期間において、当社が発行する新株予約権は希薄化効果を有していないため、希薄化効果調整後1株当たり四半期利益の算定に含めておりません。
16.金融商品
(1) 公正価値の算定方法
金融商品の公正価値の算定方法は、次のとおりであります。
(a) 現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権
これらは主に短期間で決済されるものであるため、公正価値は帳簿価額と近似しております。
(b) 営業債務及びその他の債務
比較的短期で満期が到来する営業債務及びその他の債務については、公正価値は帳簿価額と近似しております。短期で満期が到来しない営業債務及びその他の債務の公正価値は、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2に分類しております。
(c) 有価証券
活発な市場における同一銘柄の市場価格が入手できる場合は、当該市場価格を使用して公正価値を測定しており、レベル1に分類しております。市場価格が入手できない場合の公正価値は、主として純資産に基づく方式(株式発行会社の純資産に基づき、必要に応じて時価修正を加えて算出する方法)などにより測定しており、レベル3に分類しております。
(d) 長期借入金およびリース債務
これらの公正価値については、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2に分類しております。
(e) デリバティブ取引
通貨オプションおよび通貨スワップについては、取引先の金融機関から提示された価格等に基づいて算定しており、レベル2に分類しております。
(f) 社債
企業結合により取得した社債の公正価値は、公表されている市場価格を参照して算定しており、レベル2に
分類しております。
(g) その他の金融資産、その他の金融負債
償却原価で測定する3ヶ月超の定期預金、長期未収入金、敷金または預り保証金は、レベル2に分類してお
ります。なお、公正価値は帳簿価額と近似しているため、注記を省略しております。
(2) 公正価値で測定する金融商品のレベル別分類
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを次のように分類しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定された公正価値
レベル2: レベル1以外の、観察可能な価格を直接または間接的に使用して算出された公正価値
レベル3: 観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期末日に発生したものとして認識して
おります。また、各レベル間の振替はありません。
① 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は、次のとおりであります。なお、公正価値で測定する金融商品および帳簿価額と公正価値が極めて近似している金融商品については、次の表には含めておりません。また、第1四半期連結会計期間より、リース債務については、次の表には含めておりません。
前連結会計年度(2018年12月31日)
(単位:百万円)
帳簿価額 | 公正価値 | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||
金融負債 | |||||
借入金 | 192,248 | ― | 192,554 | ― | 192,554 |
未払金 | 41,682 | ― | 41,626 | ― | 41,626 |
リース債務 | 2,762 | ― | 2,767 | ― | 2,767 |
合計 | 236,692 | ― | 236,947 | ― | 236,947 |
当第3四半期連結会計期間(2019年9月30日)
(単位:百万円)
帳簿価額 | 公正価値 | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||
金融負債 | |||||
借入金 | 814,719 | ― | 822,261 | ― | 822,261 |
社債 | 12 | ― | 12 | ― | 12 |
未払金 | 20,465 | ― | 20,447 | ― | 20,447 |
合計 | 835,196 | ― | 842,720 | ― | 842,720 |
② 公正価値で測定する金融商品
公正価値ヒエラルキーのレベルごとに分類された、経常的に公正価値で測定する金融資産および金融負債の内訳は、次のとおりであります。
前連結会計年度(2018年12月31日)
(単位:百万円) | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
金融資産 | ||||
その他の包括利益を通じて 公正価値で測定する金融資産 | ||||
上場株式 | 2,017 | ― | ― | 2,017 |
非上場株式 | ― | ― | 1,245 | 1,245 |
合計 | 2,017 | ― | 1,245 | 3,262 |
金融負債 | ||||
純損益を通じて 公正価値で測定する金融負債 | ||||
デリバティブ負債 | ― | 14,318 | ― | 14,318 |
合計 | ― | 14,318 | ― | 14,318 |
当第3四半期連結会計期間(2019年9月30日)
(単位:百万円) | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
金融資産 | ||||
純損益を通じて 公正価値で測定する金融資産 | ||||
投資信託 | 3,686 | ― | ― | 3,686 |
非上場株式 | ― | ― | 872 | 872 |
その他の包括利益を通じて 公正価値で測定する金融資産 | ||||
非上場株式 | ― | ― | 2,754 | 2,754 |
合計 | 3,686 | ― | 3,626 | 7,312 |
金融負債 | ||||
純損益を通じて 公正価値で測定する金融負債 | ||||
デリバティブ負債 | ― | ― | ― | ― |
その他 | ― | ― | 286 | 286 |
合計 | ― | ― | 286 | 286 |
③ レベル3に分類された金融商品の増減は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
前第3四半期連結累計期間 (自 2018年1月1日 至 2018年9月30日) | 当第3四半期連結累計期間 (自 2019年1月1日 至 2019年9月30日) | ||
期首残高 | 1,463 | 1,245 | |
当期の利得または損失合計 | 310 | △332 | |
損益 (注)1 | ― | △283 | |
その他の包括利益 (注)2 | 310 | △49 | |
購入 | ― | ― | |
売却 | ― | △60 | |
決済 | ― | ― | |
企業結合による取得 | ― | 2,816 | |
その他 | △461 | △43 | |
期末残高 | 1,312 | 3,626 |
レベル3に分類された金融負債の増減は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
前第3四半期連結累計期間 (自 2018年1月1日 至 2018年9月30日) | 当第3四半期連結累計期間 (自 2019年1月1日 至 2019年9月30日) | ||
期首残高 | ― | ― | |
当期の利得または損失合計 | ― | ― | |
損益 (注)1 | ― | ― | |
その他の包括利益 (注)2 | ― | ― | |
購入 | ― | ― | |
売却 | ― | ― | |
決済 | ― | ― | |
企業結合による取得 | ― | 294 | |
その他 | ― | △8 | |
期末残高 | ― | 286 |
(注) 1.純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、金融収益及び金融費用に含まれております。
2.その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、要約四半期連結包括利益計算書上の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に表示しております。
3.レベル3に分類されている金融商品は、非上場株式によって構成されております。非上場株式の公正価値は、当社グループの担当部門がグループ会計方針などに従って、四半期ごとに入手可能な直前の数値を用いて公正価値を測定しております。公正価値測定結果については、適切な権限者がレビュー、承認しております。なお、レベル3に分類された金融商品について、それぞれ合理的と考えられる代替的な仮定に変更した場合に、公正価値の金額に重要な変動はないと考えております。
17.偶発事象
当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、様々な国や地域で訴訟、規制当局の調査その他の法的手続の当事者になる可能性があります。
当社グループが現在当事者となり、または今後当事者となる可能性のある法的手続について、その解決には相当の時間、費用などを要する可能性があり、結果を予測することは困難ですが、その結果が、当社グループの事業、業績、財政状態、キャッシュフロー、評判および信用に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、合理的に見積りが可能な限りにおいて、以下に記載する事案のいくつかについて訴訟損失引当金を計上しております。また、以下の記載する事案以外にも他社との訴訟や損害賠償請求案件などの支払に備えた訴訟損失引当金を計上しております。なお、IAS第37号の第92項に従い、当社グループの立場が不利になる可能性があるため、これらの事案に関する詳細な内容は開示しておりません。
(特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用等に関する民事訴訟)
当社米国子会社は、特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用等に関連して、他社から米国で民事訴訟を提起されております。2008年11月、当社の米国子会社に対して、米国テキサス州東部地区連邦地裁裁判所(以下「第一審裁判所」)において特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用等の主張に基づく民事訴訟が提起されました。2016年6月、第一審裁判所は、当社米国子会社に対する77.3百万米ドルの賠償命令を含む判決を出しましたが、当社米国子会社は米国連邦巡回控訴裁判所(以下「第二審裁判所」)に控訴しました。2018年7月、第二審裁判所は、第一審裁判所の判決による賠償額を取り消し、第一審裁判所での再審理を命じました。
(独占禁止法(競争法)違反の可能性に関する民事訴訟)
当社グループは、スマートカードチップに関する独占禁止法(競争法)違反の可能性に関連して、同製品の購入者からカナダおよび英国で民事訴訟を提起されております。カナダにおける民事訴訟は、2013年7月にブリティッシュコロンビア州上位裁判所において提起され、現在も係属中であります。英国における民事訴訟は、2014年12月にイングランド・ウェールズ高等法院において提起され、その後訴訟当事者の要求により訴訟手続は停止されております。
(環境汚染問題に関する請求)
当社台湾子会社は、事業承継元の会社が過去に保有していた台湾の工場において生じた環境汚染問題に関連して、損害賠償請求を受けております。
2004年6月以降、当社台湾子会社は、事業承継元の会社が過去に保有していた台湾の工場において生じた環境汚染問題に関する汚染浄化費用ならびに当該工場に勤務していた元従業員等が提起した環境汚染問題に関する集団訴訟における賠償責任および訴訟費用について、他社から損害賠償請求権を留保している旨の通知を受けておりました。当社台湾子会社は当該集団訴訟の被告ではありませんが、2017年12月、上記請求について、当該請求者から当社台湾子会社に対して仲裁の申し立てがなされました。その後当該請求者の要求により仲裁手続は停止されております。