訂正有価証券報告書-第21期(2022/01/01-2022/12/31)
有報資料
(1) 売上成長、適切なコストコントロール、生産構造の最適化 まず、当社グループの売上面では、前期に回復した自動車向け半導体の需要が引き続き旺盛であり、産業・インフラ・IoT向け半導体の需要も堅調だったことに加え、2021年8月に完了したDialog社の買収や当期に急速に進んだ円安の影響もあり、当期は前期と比べ増収となりました。また、将来の売上収益の源泉となるデザイン・インは、当期の目標と比べ10%の過達となり、前期と比べ32%増加しました。
当社グループは、さらなる売上成長に向けて、注力分野に対して集中的に研究開発投資を行うとともに、M&Aを通じて、当社グループが保有していない製品ポートフォリオや技術の拡充・強化を推進していきます。
当社グループが集中的に研究開発投資を行う具体的な注力分野としては、AD(Autonomous Driving:自動運転)およびADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:自動運転支援)向けのSoC、車載ドメインコントロール向けマイクロコントローラ、xEV向けのIGBT製品、ADASおよびxEV向けミックスドシグナル製品、Arm社コアおよびRISC-Vコア搭載マイクロコントローラ/SoC、BMIC(Battery Management IC:バッテリ管理IC)、DRP-AI(Dynamically Reconfigurable Processor-AI:動的再構成プロセッサーAI)を内蔵したMPU、デーセンタや5G関連分野向けのアナログ・ミックスドシグナル製品などがあげられます。
一方、当社グループでは、過去に買収した旧インターシル社や、旧IDT社、Dialog社、Celeno社については、ウィニング・コンビネーションをはじめとして、シナジーの最大化に向けた取り組みを強化してきました。そして、当期においては、高効率な組み込みAI技術に強みを持つReality AI社と高いレーダ技術を有するSteradian社を買収し、半導体技術の目覚ましい進化にあわせて、早期に製品・技術の獲得を図りました。
今後も引き続き、買収候補先のリストアップ・更新を行い、当社グループが有していない製品・技術やソリューションの獲得を進めていきます。
次に、コスト面では、まず、Dialog社の買収に伴うコストシナジーとして、買収完了時から、売上原価、販売管理費および研究開発費の低減に向けた施策を実施しており、買収時に公表した目標値を達成する見込みであります。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響や人件費の上昇に伴い高止まりが続いている輸送コストについては、物流フローの整流化に向けた施策を継続して推進するとともに、Dialog社の買収を踏まえ、新たな物流経路を構築することにより、コスト低減を進めていきます。加えて、原材料のマルチソース化や長期供給契約の推進などにより、引き続き、サプライチェーンの安定化に努めていきます。
さらに、業務・ITシステム効率化の観点から、当社グループでは、当社グループの基幹ITシステムであるERPの統合に向けた戦略的投資も実施し、順次統合を進めております。2022年8月には一部機能の稼働を開始しており、中長期的に大きな貢献をするものと考えております。
当社グループでは、短期的には、将来の売上成長や事業の効率化に必要となる戦略的な投資を確実に実行しつつ、継続的に適切なコストコントロールに努めます。
また、生産面では、当期における当社グループの前工程生産拠点の稼働率は、150mm生産工場が63%、200mm生産工場は93%、300mm生産工場は80%、全工場平均で86%でした。
当社グループは、世界的な半導体の供給不足を背景に、その安定供給に向けて、グループ工場においては、その設備の増強に努めます。具体的には、今後拡大が期待されるパワー半導体の需要に応えるため、2024年を目処に甲府工場を300mm生産工場として再稼働させることを目指すとともに、車載制御向けマイクロコントローラや、データセンタ向けのアナログ半導体、パワー半導体などの需要に応えるため、那珂、西条、川尻の各工場においても、その設備の強化を行っていきます。これらに加え、レジリエンスを高めるため、引き続き、バックアップ電源装置の導入やダイバンクの構築などの施策の強化に取り組みます。
また、生産委託先での生産量の確保・拡大にも取り組んでいきます。
これらの積極的な投資により、当期における当社グループの設備投資額は、売上収益比14%程度となりましたが、中長期的には売上収益比5%程度にコントロールしていきます。
(2) 地政学的問題への対応 米中貿易摩擦が長期化する中、それに端を発するサプライチェーンの分離は、今後も進展する見通しであります。そして、この分離は、短期的にも中長期的にも、当社グループが事業セグメントとする半導体市場や当社グループの事業機会に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、米国および中国を中心とした各サプライチェーンの分離にそれぞれ対応するため、設計、製造拠点の分散化・リソースの適正化を推進しております。
今後も、こうした地政学リスクの最小化と事業機会の最大化のための活動を継続していきます。
(3)ユーザ・エクスペリエンスの価値の最大化
当社グループでは、そのパーパスである「To Make Our Lives Easier」のもと、顧客の製品・サービスの開発を楽(ラク)にするため、ユーザ・エクスペリエンス(UX)の向上を推進しております。そして、当社グループは、その実現に向けて、顧客ができるだけ簡単かつスピーディーにその製品・サービスの開発を進めることができるよう、様々な取り組みを実施しております。
具体的な取り組みの一例として、当社グループでは、当社グループの幅広い製品ポートフォリオを組み合わせたウィニング・コンビネーションの拡充、ブロック図に留まらないボードやソフトウエアソリューションなどの強化を進めております。
また、顧客が開発の初期段階から物理的な設計完了を待たずにオンライン上で製品開発を進められる各種開発環境(統合開発環境、Lab on the Cloudなど)の整備や、顧客がわずかなソフトウエアコードを調整するだけですぐに製品を市場に投入できるクイックコネクトIoTなどの開発も進めております。
当社グループでは、今後もこれらの取り組みを拡大・強化し、一層のユーザ・エクスペリエンスの価値の最大化に取り組みます。
(4) サプライチェーンの最適化 当社グループのサプライチェーンには、生産と受注のリードタイムの整合、受注確定に関する商慣行などの点で課題があります。これらの課題に対応するため、当社グループでは、現在、新しいITシステムを導入し、意思決定のさらなる迅速化を進めております。
また、生産の実行面では、さらなる変動対応力とBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の強化に向けて、ダイバンクの構築を進めております。このうち、グループ内生産品については、一定の成果を得ることができましたが、外部への生産委託品については、引き続き需給が逼迫している状況にあるため、ダイバンクの構築に至っておりません。今後も市場動向を注視しながら、適切なダイバンクの構築を志向していきます。
当社グループとしては、引き続き、これらを含む諸施策を通じて、サプライチェーンの最適化に取り組みます。
(5) ESG活動と情報開示の推進 当社グループは、当期において、ESGやSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に関連する多くの取り組みを実施しましたが、今後も引き続き、持続可能な社会の実現に向けた「環境」に資する活動、人材の多様性や従業員の安全衛生、サプライチェーンマネジメントなどの「社会」に資する活動、そして、取締役会の機能強化などの「ガバナンス」に資する活動を推進します。
また、ESG活動に関する非財務情報の開示をより一層充実させ、ESG格付けの向上や当社グループを取り巻く様々なステークホルダーに対する情報提供に努め、さらなる企業価値の向上に努めます。
(6) タレント構成の最適化 当期末現在における当社グループの各拠点地域の人員構成は、日本が44%、北米が11%、欧州が11%、アジア太平洋が34%でした。当社グループは、中長期的な視点から、グループ全体でバランスの取れた従業員の年齢・地域・スキルのミックスを実現するとともに、ソフトウエアなどの重要分野や今後成長が見込まれる分野に従事する従業員を拡充することを目指し、様々な人事施策に取り組みます。当社グループでは、グローバルなタレント採用チームを組織化しており、全世界で整合された方針に基づく戦略的な採用活動を各地域において実施していくとともに、必要に応じてM&Aも活用しながら、グループ全体としてタレント構成の最適化に継続して取り組みます。
(7) 従業員エンゲージメントの向上と「ルネサスカルチャー」の浸透 当社グループは、「To Make Our Lives Easier」をパーパスとして掲げ、人々の生活を楽(ラク)にする製品・ソリューションを提供しております。このパーパスのもと、2020年以降、世界中の当社グループ組織とそこで働く従業員一人一人が絶えず変化する環境に迅速かつ柔軟に対応していくために共有する行動指針として、「Transparent、Agile、Global、Innovative、Entrepreneurial」という5つの要素からなる「ルネサスカルチャー」を策定し、定着に向けて取り組んでおります。
当期においても、「ルネサスカルチャー」の浸透を加速させるため、様々な施策に取り組みましたが、今後もこの「ルネサスカルチャー」について、採用、育成、評価などの人事サイクルの一つ一つに組み込みながら、従業員とさらに共有し、これを根付かせ、エンゲージメントのさらなる向上に努めます。
当社グループは、さらなる売上成長に向けて、注力分野に対して集中的に研究開発投資を行うとともに、M&Aを通じて、当社グループが保有していない製品ポートフォリオや技術の拡充・強化を推進していきます。
当社グループが集中的に研究開発投資を行う具体的な注力分野としては、AD(Autonomous Driving:自動運転)およびADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:自動運転支援)向けのSoC、車載ドメインコントロール向けマイクロコントローラ、xEV向けのIGBT製品、ADASおよびxEV向けミックスドシグナル製品、Arm社コアおよびRISC-Vコア搭載マイクロコントローラ/SoC、BMIC(Battery Management IC:バッテリ管理IC)、DRP-AI(Dynamically Reconfigurable Processor-AI:動的再構成プロセッサーAI)を内蔵したMPU、デーセンタや5G関連分野向けのアナログ・ミックスドシグナル製品などがあげられます。
一方、当社グループでは、過去に買収した旧インターシル社や、旧IDT社、Dialog社、Celeno社については、ウィニング・コンビネーションをはじめとして、シナジーの最大化に向けた取り組みを強化してきました。そして、当期においては、高効率な組み込みAI技術に強みを持つReality AI社と高いレーダ技術を有するSteradian社を買収し、半導体技術の目覚ましい進化にあわせて、早期に製品・技術の獲得を図りました。
今後も引き続き、買収候補先のリストアップ・更新を行い、当社グループが有していない製品・技術やソリューションの獲得を進めていきます。
次に、コスト面では、まず、Dialog社の買収に伴うコストシナジーとして、買収完了時から、売上原価、販売管理費および研究開発費の低減に向けた施策を実施しており、買収時に公表した目標値を達成する見込みであります。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響や人件費の上昇に伴い高止まりが続いている輸送コストについては、物流フローの整流化に向けた施策を継続して推進するとともに、Dialog社の買収を踏まえ、新たな物流経路を構築することにより、コスト低減を進めていきます。加えて、原材料のマルチソース化や長期供給契約の推進などにより、引き続き、サプライチェーンの安定化に努めていきます。
さらに、業務・ITシステム効率化の観点から、当社グループでは、当社グループの基幹ITシステムであるERPの統合に向けた戦略的投資も実施し、順次統合を進めております。2022年8月には一部機能の稼働を開始しており、中長期的に大きな貢献をするものと考えております。
当社グループでは、短期的には、将来の売上成長や事業の効率化に必要となる戦略的な投資を確実に実行しつつ、継続的に適切なコストコントロールに努めます。
また、生産面では、当期における当社グループの前工程生産拠点の稼働率は、150mm生産工場が63%、200mm生産工場は93%、300mm生産工場は80%、全工場平均で86%でした。
当社グループは、世界的な半導体の供給不足を背景に、その安定供給に向けて、グループ工場においては、その設備の増強に努めます。具体的には、今後拡大が期待されるパワー半導体の需要に応えるため、2024年を目処に甲府工場を300mm生産工場として再稼働させることを目指すとともに、車載制御向けマイクロコントローラや、データセンタ向けのアナログ半導体、パワー半導体などの需要に応えるため、那珂、西条、川尻の各工場においても、その設備の強化を行っていきます。これらに加え、レジリエンスを高めるため、引き続き、バックアップ電源装置の導入やダイバンクの構築などの施策の強化に取り組みます。
また、生産委託先での生産量の確保・拡大にも取り組んでいきます。
これらの積極的な投資により、当期における当社グループの設備投資額は、売上収益比14%程度となりましたが、中長期的には売上収益比5%程度にコントロールしていきます。
(2) 地政学的問題への対応 米中貿易摩擦が長期化する中、それに端を発するサプライチェーンの分離は、今後も進展する見通しであります。そして、この分離は、短期的にも中長期的にも、当社グループが事業セグメントとする半導体市場や当社グループの事業機会に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、米国および中国を中心とした各サプライチェーンの分離にそれぞれ対応するため、設計、製造拠点の分散化・リソースの適正化を推進しております。
今後も、こうした地政学リスクの最小化と事業機会の最大化のための活動を継続していきます。
(3)ユーザ・エクスペリエンスの価値の最大化
当社グループでは、そのパーパスである「To Make Our Lives Easier」のもと、顧客の製品・サービスの開発を楽(ラク)にするため、ユーザ・エクスペリエンス(UX)の向上を推進しております。そして、当社グループは、その実現に向けて、顧客ができるだけ簡単かつスピーディーにその製品・サービスの開発を進めることができるよう、様々な取り組みを実施しております。
具体的な取り組みの一例として、当社グループでは、当社グループの幅広い製品ポートフォリオを組み合わせたウィニング・コンビネーションの拡充、ブロック図に留まらないボードやソフトウエアソリューションなどの強化を進めております。
また、顧客が開発の初期段階から物理的な設計完了を待たずにオンライン上で製品開発を進められる各種開発環境(統合開発環境、Lab on the Cloudなど)の整備や、顧客がわずかなソフトウエアコードを調整するだけですぐに製品を市場に投入できるクイックコネクトIoTなどの開発も進めております。
当社グループでは、今後もこれらの取り組みを拡大・強化し、一層のユーザ・エクスペリエンスの価値の最大化に取り組みます。
(4) サプライチェーンの最適化 当社グループのサプライチェーンには、生産と受注のリードタイムの整合、受注確定に関する商慣行などの点で課題があります。これらの課題に対応するため、当社グループでは、現在、新しいITシステムを導入し、意思決定のさらなる迅速化を進めております。
また、生産の実行面では、さらなる変動対応力とBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の強化に向けて、ダイバンクの構築を進めております。このうち、グループ内生産品については、一定の成果を得ることができましたが、外部への生産委託品については、引き続き需給が逼迫している状況にあるため、ダイバンクの構築に至っておりません。今後も市場動向を注視しながら、適切なダイバンクの構築を志向していきます。
当社グループとしては、引き続き、これらを含む諸施策を通じて、サプライチェーンの最適化に取り組みます。
(5) ESG活動と情報開示の推進 当社グループは、当期において、ESGやSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に関連する多くの取り組みを実施しましたが、今後も引き続き、持続可能な社会の実現に向けた「環境」に資する活動、人材の多様性や従業員の安全衛生、サプライチェーンマネジメントなどの「社会」に資する活動、そして、取締役会の機能強化などの「ガバナンス」に資する活動を推進します。
また、ESG活動に関する非財務情報の開示をより一層充実させ、ESG格付けの向上や当社グループを取り巻く様々なステークホルダーに対する情報提供に努め、さらなる企業価値の向上に努めます。
(6) タレント構成の最適化 当期末現在における当社グループの各拠点地域の人員構成は、日本が44%、北米が11%、欧州が11%、アジア太平洋が34%でした。当社グループは、中長期的な視点から、グループ全体でバランスの取れた従業員の年齢・地域・スキルのミックスを実現するとともに、ソフトウエアなどの重要分野や今後成長が見込まれる分野に従事する従業員を拡充することを目指し、様々な人事施策に取り組みます。当社グループでは、グローバルなタレント採用チームを組織化しており、全世界で整合された方針に基づく戦略的な採用活動を各地域において実施していくとともに、必要に応じてM&Aも活用しながら、グループ全体としてタレント構成の最適化に継続して取り組みます。
(7) 従業員エンゲージメントの向上と「ルネサスカルチャー」の浸透 当社グループは、「To Make Our Lives Easier」をパーパスとして掲げ、人々の生活を楽(ラク)にする製品・ソリューションを提供しております。このパーパスのもと、2020年以降、世界中の当社グループ組織とそこで働く従業員一人一人が絶えず変化する環境に迅速かつ柔軟に対応していくために共有する行動指針として、「Transparent、Agile、Global、Innovative、Entrepreneurial」という5つの要素からなる「ルネサスカルチャー」を策定し、定着に向けて取り組んでおります。
当期においても、「ルネサスカルチャー」の浸透を加速させるため、様々な施策に取り組みましたが、今後もこの「ルネサスカルチャー」について、採用、育成、評価などの人事サイクルの一つ一つに組み込みながら、従業員とさらに共有し、これを根付かせ、エンゲージメントのさらなる向上に努めます。