有価証券報告書-第92期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策や日本銀行による金融緩和政策の効果などから企業業績や個人消費が回復基調となり、東京オリンピック開催決定の後押しもあり景気は回復しつつあります。
一方、世界経済は、不安定な国際政治情勢による懸念があるものの、米国および欧州では景気は緩やかな回復傾向が持続しております。しかしながら、中国では投資抑制策により固定資産投資の増勢が鈍化し、景気の先行き不透明感が強まり安定成長の持続に不安がでてきております。また、一部の新興国では通貨安などにより景気回復が鈍化傾向にあります。
このような環境のもと、当社製品の主要な需要先である国内の自動車市場は、前年度のエコカー補助金の反動で販売が低迷するとの見方もありましたが、それ以上の新型車投入による効果に加え、年度後半は消費税増税前の駆け込み需要により出荷高は平成18年度以来の高水準となりました。
また、建設機械市場は、消費税増税および排ガス規制の駆け込み需要等により内需は堅調に推移しましたが、外需は中国市場の油圧ショベルの需要回復が遅れ、建設機械需要全体としては微増となりました。
このような状況の中で、当社グループは主に次のような活動に取り組んでまいりました。
1)日本国内生産体制の充実
①ミニショベル用シリンダの革新的な生産体制を構築するための新工場建設
②モノブロックバルブ鋳物の生産を拡充するための新工場建設
③平成25年10月1日に日本における二輪車用油圧緩衝器事業の一部を分離し、ヤマハ発動機株式会社との合弁事業会社を発足
④免制震用オイルダンパの生産体制を強化するための新工場建設
2)グローバル生産・販売体制の充実
①メキシコの新生産拠点でのCVT(無段変速機)用ベーンポンプの生産体制を整備
②平成25年10月1日にインドにおいてヤマハ発動機株式会社との二輪車用油圧緩衝器生産のための事業開始
③インドネシアにおけるASEAN向け中型ショベル用油圧シリンダの現地生産化に向けた新拠点設立
④インドにおけるコンクリートミキサ車の生産開始
⑤ブラジルに四輪車用油圧緩衝器の輸入および販売会社を設立
3)研究開発体制の充実を図るため岐阜東工場に生産技術研究所および工機センターを建設
以上の活動を推し進めた結果、当社グループの売上高につきましては、3,527億円と前連結会計年度に比べ469億円の増収となりました。これは、主に海外での自動車向け製品販売が増加したことおよび為替の影響等によるものであり、前連結会計年度に比べ15.4%の増加となりました。
損益につきましては、グループ全体で原価低減活動を主とする事業構造改革を推し進めてまいりました結果、経常利益は203億90百万円、当期純利益は127億61百万円となりました。
当社グループの資産につきましては、主に生産体制整備拡充のために必要な設備投資を先行的に実施したこと等により、当連結会計年度末の総資産は3,610億円と前連結会計年度末に比べ331億円増加いたしました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
① AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業セグメント
当セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成されております。
ⅰ)四輪車用油圧緩衝器
四輪車用油圧緩衝器は、国内販売が好調であったほか、欧州ではドイツ・北欧を中心とした市場が回復基調であり、米国でも生産出荷は好調となりました。また、市販向けの販売も順調に推移した結果、売上高は1,515億円と前連結会計年度に比べ24.8%の増収となりました。
ⅱ)二輪車用油圧緩衝器
二輪車用油圧緩衝器は、売上高は前連結会計年度並みの244億円となりました。
ⅲ)四輪車用油圧機器
パワーステアリング製品を主とする四輪車用油圧機器は、電動パワーステアリングの新規受注やCVT(無段変速機)用ベーンポンプの販売好調により、売上高は367億円と前連結会計年度に比べ13.0%の増収となりました。
ⅳ)その他製品
ATV(全地形対応車)用機器を中心とするその他製品の売上高は62億円となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は2,189億円と前連結会計年度に比べ18.5%の増収となりました。営業利益は91億52百万円と前連結会計年度に比べ40億46百万円の増益となりました。
②HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業セグメント
当セグメントは、産業用油圧機器、航空機用油圧機器、その他製品から構成されております。
ⅰ)産業用油圧機器
建設機械向けを主とする産業用油圧機器は、国内は消費税増税および排ガス規制前の駆け込み需要で堅調に推移しました。また、海外では中国での生産出荷が増加し、ASEANでは石油価格低迷・通貨安等で微増となったことにより、売上高は1,027億円と前連結会計年度に比べ9.6%の増収となりました。
ⅱ)航空機用油圧機器
航空機用油圧機器は、補用部品の受注増により、売上高は72億円と前連結会計年度に比べ24.3%の増収となりました。
ⅲ)その他製品
鉄道用セミアクティブシステムおよび緩衝器を主とするその他製品の売上高は54億円となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,154億円と前連結会計年度に比べ9.9%の増収となりました。営業利益は79億94百万円と前連結会計年度に比べ37億39百万円の増益となりました。
③特装車両事業、システム製品および電子機器等
当セグメントは、特装車両とシステム製品および電子機器等から構成されております。
ⅰ)特装車両
コンクリートミキサ車を主とする特装車両は、東日本大震災の復興需要に更新需要が重なり、売上高は68億円と前連結会計年度に比べ66.1%の大幅な増収となりました。
ⅱ)システム製品および電子機器等
システム製品および電子機器等の売上高は114億円となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は182億円と前連結会計年度に比べ15.1%の増収となりました。営業利益は、11億23百万円と前連結会計年度に比べ2億52百万円の増益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、主に生産体制整備拡充のために必要な設備投資を先行的に実施したこと等により、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの差し引きが72億円の資金流出となり、また財務活動によるキャッシュ・フローは57億円の流入となりました。それらに加えて、連結範囲の変更等により現金及び現金同等物は前連結会計年度比29億円増加し、381億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度比51.6%増加の287億円となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益210億円、減価償却費172億円等の資金増加、法人税等の支払額41億円、売上債権の増加額39億円等の資金減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度比0.1%減少の360億円となりました。これは主に有形固定資産の取得355億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、57億円となりました。これは主に株式の発行による収入170億円、短期借入金の調達32億円(純額)等の資金増加、長期借入金の返済129億円(純額)等の資金減少によるものです。
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策や日本銀行による金融緩和政策の効果などから企業業績や個人消費が回復基調となり、東京オリンピック開催決定の後押しもあり景気は回復しつつあります。
一方、世界経済は、不安定な国際政治情勢による懸念があるものの、米国および欧州では景気は緩やかな回復傾向が持続しております。しかしながら、中国では投資抑制策により固定資産投資の増勢が鈍化し、景気の先行き不透明感が強まり安定成長の持続に不安がでてきております。また、一部の新興国では通貨安などにより景気回復が鈍化傾向にあります。
このような環境のもと、当社製品の主要な需要先である国内の自動車市場は、前年度のエコカー補助金の反動で販売が低迷するとの見方もありましたが、それ以上の新型車投入による効果に加え、年度後半は消費税増税前の駆け込み需要により出荷高は平成18年度以来の高水準となりました。
また、建設機械市場は、消費税増税および排ガス規制の駆け込み需要等により内需は堅調に推移しましたが、外需は中国市場の油圧ショベルの需要回復が遅れ、建設機械需要全体としては微増となりました。
このような状況の中で、当社グループは主に次のような活動に取り組んでまいりました。
1)日本国内生産体制の充実
①ミニショベル用シリンダの革新的な生産体制を構築するための新工場建設
②モノブロックバルブ鋳物の生産を拡充するための新工場建設
③平成25年10月1日に日本における二輪車用油圧緩衝器事業の一部を分離し、ヤマハ発動機株式会社との合弁事業会社を発足
④免制震用オイルダンパの生産体制を強化するための新工場建設
2)グローバル生産・販売体制の充実
①メキシコの新生産拠点でのCVT(無段変速機)用ベーンポンプの生産体制を整備
②平成25年10月1日にインドにおいてヤマハ発動機株式会社との二輪車用油圧緩衝器生産のための事業開始
③インドネシアにおけるASEAN向け中型ショベル用油圧シリンダの現地生産化に向けた新拠点設立
④インドにおけるコンクリートミキサ車の生産開始
⑤ブラジルに四輪車用油圧緩衝器の輸入および販売会社を設立
3)研究開発体制の充実を図るため岐阜東工場に生産技術研究所および工機センターを建設
以上の活動を推し進めた結果、当社グループの売上高につきましては、3,527億円と前連結会計年度に比べ469億円の増収となりました。これは、主に海外での自動車向け製品販売が増加したことおよび為替の影響等によるものであり、前連結会計年度に比べ15.4%の増加となりました。
損益につきましては、グループ全体で原価低減活動を主とする事業構造改革を推し進めてまいりました結果、経常利益は203億90百万円、当期純利益は127億61百万円となりました。
当社グループの資産につきましては、主に生産体制整備拡充のために必要な設備投資を先行的に実施したこと等により、当連結会計年度末の総資産は3,610億円と前連結会計年度末に比べ331億円増加いたしました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
① AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業セグメント
当セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成されております。
ⅰ)四輪車用油圧緩衝器
四輪車用油圧緩衝器は、国内販売が好調であったほか、欧州ではドイツ・北欧を中心とした市場が回復基調であり、米国でも生産出荷は好調となりました。また、市販向けの販売も順調に推移した結果、売上高は1,515億円と前連結会計年度に比べ24.8%の増収となりました。
ⅱ)二輪車用油圧緩衝器
二輪車用油圧緩衝器は、売上高は前連結会計年度並みの244億円となりました。
ⅲ)四輪車用油圧機器
パワーステアリング製品を主とする四輪車用油圧機器は、電動パワーステアリングの新規受注やCVT(無段変速機)用ベーンポンプの販売好調により、売上高は367億円と前連結会計年度に比べ13.0%の増収となりました。
ⅳ)その他製品
ATV(全地形対応車)用機器を中心とするその他製品の売上高は62億円となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は2,189億円と前連結会計年度に比べ18.5%の増収となりました。営業利益は91億52百万円と前連結会計年度に比べ40億46百万円の増益となりました。
②HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業セグメント
当セグメントは、産業用油圧機器、航空機用油圧機器、その他製品から構成されております。
ⅰ)産業用油圧機器
建設機械向けを主とする産業用油圧機器は、国内は消費税増税および排ガス規制前の駆け込み需要で堅調に推移しました。また、海外では中国での生産出荷が増加し、ASEANでは石油価格低迷・通貨安等で微増となったことにより、売上高は1,027億円と前連結会計年度に比べ9.6%の増収となりました。
ⅱ)航空機用油圧機器
航空機用油圧機器は、補用部品の受注増により、売上高は72億円と前連結会計年度に比べ24.3%の増収となりました。
ⅲ)その他製品
鉄道用セミアクティブシステムおよび緩衝器を主とするその他製品の売上高は54億円となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,154億円と前連結会計年度に比べ9.9%の増収となりました。営業利益は79億94百万円と前連結会計年度に比べ37億39百万円の増益となりました。
③特装車両事業、システム製品および電子機器等
当セグメントは、特装車両とシステム製品および電子機器等から構成されております。
ⅰ)特装車両
コンクリートミキサ車を主とする特装車両は、東日本大震災の復興需要に更新需要が重なり、売上高は68億円と前連結会計年度に比べ66.1%の大幅な増収となりました。
ⅱ)システム製品および電子機器等
システム製品および電子機器等の売上高は114億円となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は182億円と前連結会計年度に比べ15.1%の増収となりました。営業利益は、11億23百万円と前連結会計年度に比べ2億52百万円の増益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、主に生産体制整備拡充のために必要な設備投資を先行的に実施したこと等により、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの差し引きが72億円の資金流出となり、また財務活動によるキャッシュ・フローは57億円の流入となりました。それらに加えて、連結範囲の変更等により現金及び現金同等物は前連結会計年度比29億円増加し、381億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度比51.6%増加の287億円となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益210億円、減価償却費172億円等の資金増加、法人税等の支払額41億円、売上債権の増加額39億円等の資金減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度比0.1%減少の360億円となりました。これは主に有形固定資産の取得355億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、57億円となりました。これは主に株式の発行による収入170億円、短期借入金の調達32億円(純額)等の資金増加、長期借入金の返済129億円(純額)等の資金減少によるものです。