有価証券報告書-第98期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 13:00
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【項目】
91項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、建築物用免震・制振用オイルダンパーにおける不適切行為に関する外部調査委員会の原因分析および再発防止策の提言を踏まえ、今後は断じて不適切行為を発生させず、信頼回復に取り組むという覚悟を示すため、2019年10月1日付で経営理念の改定を行いました。具体的には、「規範の遵守」および「真摯に向き合う」という再発防止の趣意を新たに加えております。
当社グループは、持続的な成長と企業価値向上の実現を通してステークホルダーの期待に応えるとともに、社会に貢献するという企業の社会的責任を果たすため、この改定後の経営理念および以下の基本方針に基づき、取締役会を中心に迅速かつ効率的な経営体制の構築並びに公正性かつ透明性の高い経営監督機能の確立を追求し、コーポレート・ガバナンスの強化及び充実に取り組んでまいります。
<経営理念>「人々の暮らしを安全・快適にする技術や製品を提供し、社会に貢献するKYBグループ」
1.規範を遵守するとともに、何事にも真摯に向き合います。
2.高い目標に挑戦し、より活気あふれる企業風土を築きます。
3.優しさと誠実さを保ち、自然を愛し環境を大切にします。
4.常に独創性を追い求め、お客様・株主様・お取引先様・社会の発展に貢献します。
<基本方針>1.当社は、株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
2.当社は、株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーとの適切な協働に努める。
3.当社は、法令に基づく開示はもとより、ステークホルダーにとって重要または有用な情報についても主体的に開示する。
4.当社の取締役会は、株主受託者責任および説明責任を認識し、持続的かつ安定的な成長および企業価値の向上ならびに収益力および資本効率の改善のために、その役割および責務を適切に果たす。
5.当社は、株主との建設的な対話を促進し、当社の経営方針などに対する理解を得るとともに、当社への意見を経営の改善に繋げるなど適切な対応に努める。
(2) 経営環境
世界経済は米中の貿易摩擦の激化、英国のEU離脱等の混乱、中国やインド経済の伸び鈍化に加え、新型コロナウイルスの世界的感染拡大から更に不安定要素が増大しています。当社を取り巻く事業環境は、AC事業はCASEに代表される100年に一度と言われる変革期を迎え、その潮流に遅れることなく対応を迫られる一方、HC事業は欧米、日本の成熟市場、中国、ASEANといった新規・成長市場と発展段階に応じた戦略を求められています。航空機器事業では、新型コロナウイルスの世界的感染拡大により民需が減少、システム製品では、お客様からの信頼回復と早期適合化に向け、着実に交換工事を進めております。
一方、グローバルでの法規制の強化と企業のESGやSDGsに対する取り組みへの評価の高まり、更には、人口や社会の変化による働き方の多様化とグローバル化や経済成長に伴う賃金上昇の加速、IoT、AI、自動運転などの技術進化の加速と業界の垣根を越えた連携や異業種自体の台頭など、当社を取り巻く環境は急速な変化を見せています。今年度より開始した2020中期経営計画では、不適切行為の再発防止とコンプライアンス遵守を基盤とし高収益体質への変革を目指す各種施策を着実に実行してまいります。
(3) 事業上の対処すべき課題
今年度は2020中期経営計画の開始年度に当たります。前中期において、当社および当社子会社が製造した建築物用免震・制振用オイルダンパーの不適切行為をはじめ、不適切行為の判明が相次ぎ、再発防止と規範意識、コンプライアンス遵守を基盤とする方策に転換、免震・制振用オイルダンパーの早期適合化を図るとともに、失墜した信頼回復に努めた中期となりました。
2020中期経営計画においては、「取り戻そう信頼と誇り」をスローガンに、以下の方策を展開、強力に推進し高収益体質への変革を目指します。折から新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、著しく経済活動が阻害され世界経済の不透明さが増す中、困難の度を極めることが見込まれますが、KYBグループの生き残りを懸けた3年間をスタートしました。
1.建築物用免震・制振用オイルダンパーにおける不適切行為に関する、再発防止策、対応の進捗
本問題に関する再発防止策および対応についての進捗状況は2019年7月5日以降、以下の当社ホームページ上で3か月に1回、公表しております。詳細につきましては、15頁の≪再発防止策の進捗状況≫をご参照ください。
再発防止策の進捗状況:https://www.kyb.co.jp/company/progress/prevent.html
対応の進捗状況:https://www.kyb.co.jp/company/progress/exchange_progress.html
2.新型コロナウイルスの世界的感染拡大
新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的感染拡大による各国政府・自治体等の外出禁止や移動制限等の措置により、当社グループにおいても主要顧客の減産による操業停止や生産調整、サプライチェーンの寸断といった業績悪化影響が生じております。また、現在収束に向かいつつある地域においても2次、3次の流行の恐れがあり、先行きを見通すことが困難な状況です。そのような中、域内サプライチェーンの確保による地産地消の拡大、徹底的な固定費削減や手元流動性の確保など柔軟な対応を進めてまいります。また、グループ各社は、感染拡大防止対策として各国政府・自治体等の要請、ガイドラインに従い、衛生管理の徹底、国内外の出張制限、テレワークやWeb会議の拡大展開等を図っております。
3.マネジメント
「規範意識とコンプライアンス遵守」「人財育成・健康経営」「安全第一・品質経営」「高収益体質」
前段に挙げた信頼回復への取組みとしては、その前提となる免震・制振用オイルダンパーの適合化を2020年度中に完了させるとともに、内部統制・監査機能の強化、企業風土改革を引き続き推進します。また、働き方改革については、あらゆるハラスメントを許さない姿勢を明確に、適材適所の人員配置・人事ローテーションの実施により、風通しの良い職場作りを進めてまいります。
安全・品質については、引き続き重大災害、品質問題ゼロの達成と定着、各拠点の自立化を進めてまいります。
高収益体質の実現に向け、原価低減活動や需要変動に強い生産体制作りを引き続き推進します。利益が確保できないビジネスについては撤退も辞さない姿勢で臨む一方、MaaSやCASE、DXといった新潮流を捉え、次世代の収益源に繋がる新市場、新製品創出の取組みは、歩みを止めることなく積極的に進めてまいります。
4.オートモーティブコンポーネンツ事業
「AC事業真価の発揮-深化-進化-新化-」
2020中期経営計画では「AC事業真価の発揮」をスローガンに既存事業の深堀り「深化」をはかり「進化」を進めるとともに、成長戦略として「新化」を図ってまいります。具体的には、各小事業部制による体制強化、投資効率を重視した入口/出口管理による利益確保、中国地場メーカー参入を視野に入れた標準化/革新によるコスト競争力の確保、また、欧州開発拠点の機能拡大と客先開発パートナーの地位確立によるCASEはじめ新潮流、システム、モジュールへの対応を、市販市場では「生・販・技」一体となって構造改革を進めてまいります。
5.ハイドロリックコンポーネンツ事業
「お客様に信頼され世界で採用され続けるHC事業~市場変化にスピードを持ってニーズの先取り~」
HC事業では、選択と集中による長期的収益性の向上を目指してまいります。欧米、日本の成熟市場においては高付加価値製品による収益の最大化を、中国、ASEANといった新規・成長市場においては安定した収益確保を目指し原価低減を重視した、市場の発展段階に応じた地域別戦略と製品別戦略を進めてまいります。また、HC事業の主たるお客様である建設機械市場の中でも非ショベル・新分野への取組み、農機、鉄道関連製品への取組みを強化し収益性の確保を図ります。更に中長期的観点から、中国に次ぐ販売、調達拠点としてインドでの活動を進めてまいります。
6.システム製品
「再び信頼される会社になろう」
免震・制振用オイルダンパーの早期適合化を図り、再発防止策の確実な実施と継続により、第三者からも認められる体制を構築します。
7.航空機器事業
「生産体制・コストの見直しを図り事業再生」
航空機器事業は、受注~納入までの納期・コストが成立する仕組みを作り、お客様からの信頼回復と採算性を向上し事業再生を図ります。
8.特装車両事業
「国内のさらなる体質強化と新たな海外展開に向けたグローバル体制の確立」
国内においては、コンクリートミキサトップメーカーとして高付加価値製品の市場投入により黒字体質の更なる強化を図ります。海外については、新たなビジネスプランの策定と実行による特装グローバル体制の確立を進めてまいります。
9.技術・製品開発
「デジタル技術の活用と融合でイノベーションを起こす」
効率的な技術・製品開発と高利益率の製品の創出を図るため、商品企画書の運用と定着を進める一方、開発段階でのコストの作りこみ、優位性のある特許取得、モデルベース開発(MBD)手法の全社展開等を進めてまいります。また、将来を見据えた技術/製品開発とモノづくりや技術革新への対応のため、中長期的視点に立った技術ロードマップの充実化、各事業と連携した革新的モノづくりの推進とデジタル技術を活用した競争力・独自性のあるモノづくりへの取組み、情報サービスの提供、クラウドを活用したIoTプラットフォームの構築など、新価値創出・新技術創造を図ってまいります。
10.人財育成
「信頼回復に向けた人事施策の推進」「心身ともに健康で働きがいのある職場の創出」
「海外拠点経営にふさわしい人財の育成」
健康経営推進の取組みとして健康経営優良法人2020の認定を取得、当社では従業員やその家族の健康を重要な経営資源、企業活力の源泉と位置付け、持続的な成長を実現するため、従業員一人ひとりが心身ともに健康で働きがいのある職場づくりに取り組んでおります。また、信頼回復に向けた規範意識醸成や風通しの良い、ハラスメントのない職場づくりを進める一方、間接業務の合理化や小集団活動を通じ次世代リーダーの育成、さらに、グローバルでの拠点経営者の育成に取り組んでまいります。
11.モノづくり
「量変動に追従できる革新的モノづくりの実現」
事業毎に最適な革新的モノづくりを実現し、安定して利益を生み出し続ける生産部門への改新を進めてまいります。その実現には、生産・物流改革、在庫低減によるコスト改善、革新的モノづくりを実現する生産設備、製品評価技術の開発、また設備投資の実効性向上、それらの改善を推進する人財の育成を進めてまいります。
KYBグループは、これらの重点方策活動を着実に実施し信頼回復を図る一方、筋肉質で高収益な企業体質への改革に取り組んでまいります。
株主の皆様におかれましては、今後とも引き続きご支援を賜りますことを心よりお願い申し上げます。
≪再発防止策の進捗状況≫
2019年2月13日付当社ホームページにて「当社及び当社の子会社が製造した建築物用免震・制振用オイルダンパーにおける不適切行為に関する原因究明・再発防止策について」を公表後、着実に再発防止策を遂行し、信頼回復に取り組んでまいりました。
2020年3月31日時点で、再発防止の具体策全67項目の約7割を「完了」しており、未了の具体策についても「完了」に向けた取り組みを継続しております。
主な進捗状況は、再発防止策の4つの切り口ごとに以下の通りとなります。
①『厳格な規範意識の醸成及び企業風土の改革』
経営理念ならびに企業行動指針の改定、品質基本方針の新規策定などを実施しました。また、企業倫理の繰返し教育の体系化、事業および製品特有の法令に関する教育について、さらに深堀を行っております。
②『事業性の評価、事業運営体制及び情報共有体制等の見直し』
内部通報制度の周知教育ならびに製品の品質や安全に関わる不適切行為などについての通報を義務化しました。また、新たに整備した受注決定判断の運用状況の確認、計画的な人事ローテーションの推進などを継続しております。
③『検査体制・方法の改善』
製品の性能検査員の製造部門以外の部署への異動を実施するとともに、人為作業を介さない形でのオイルダンパー検査結果の自動保存等、新しい検査システムの導入を進めております。
④『内部監査・統制体制の強化』
グループ企業に対して品質不正を念頭においた監査を実施し、また、グループ企業に対する管理体制強化として、内部統制部と不正リスク特別監査委員会を新設しました。
なお、「完了」とした具体策についても、継続して運用してまいります。


(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2021年3月期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染拡大が当社グループに与える影響を現時点で合理的に算定することが困難なため、未定としております。連結業績予想の見通しが得られ次第、速やかにお知らせいたします。
また、2020中期経営計画の開始年度にあたりますが、上記のとおり新型コロナウイルスの感染拡大による影響を現時点で見通すことは極めて困難であることから、見通しが得られ次第、目標とする経営指標を明確にいたします。

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