有価証券報告書-第96期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/19 15:30
【資料】
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注記事項-金融商品の公正価値、連結財務諸表(IFRS)

26 公正価値
(1) 公正価値ヒエラルキーの定義
当社および連結子会社は、公正価値の測定に使われる評価手法における基礎条件を次の3つのレベルに順位付けしています。
レベル1 測定日現在において入手しうる同一の資産または負債の活発な市場における公表価格
レベル2 レベル1に分類される公表価格以外で、当該資産または負債について、直接または間接的に市場で
観察可能な基礎条件
レベル3 当該資産または負債について、市場で観察不能な基礎条件
これらの基礎条件に基づき測定された資産および負債の公正価値は、重要な基礎条件のうち、最も低いレベルの基礎条件に基づき分類しています。なお、当社および連結子会社は、資産および負債のレベル間の振替を、振替のあった報告期間の期末日に認識しています。
(2) 公正価値の測定方法
資産および負債の公正価値は、関連市場情報および適切な評価方法を使用して決定しています。
資産および負債の公正価値の測定方法および前提条件は、以下のとおりです。
(現金及び現金同等物、営業債権、営業債務)
これらの公正価値は、短期間で決済されるため、帳簿価額と近似しています。
(金融サービスに係る債権)
金融サービスに係る債権の公正価値は、主に類似の残存契約期間の債権に対し適用される直近の利率を使用し、将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引くことによって測定しています。したがって、金融サービスに係る債権の公正価値の測定は、レベル3に分類しています。
(負債性証券)
負債性証券は、主に投資信託、社債、地方債およびオークション・レート・セキュリティで構成されています。
活発な市場のある投資信託の公正価値は、市場における公表価格に基づいて測定しています。したがって、活発な市場のある投資信託の公正価値の測定は、レベル1に分類しています。
社債や地方債の公正価値は、金融機関等の独自の価格決定モデルに基づき、信用格付けや割引率などの市場で観察可能な基礎条件を用いて測定しています。したがって、社債および地方債の公正価値の測定は、レベル2に分類しています。
当社の連結子会社が保有するオークション・レート・セキュリティはA格からAAA格で、保証機関による保険および教育省や米国政府による再保険がかけられており、約95%は米国政府によって保証されています。オークション・レート・セキュリティの公正価値は、市場で観察可能な基礎条件に加えて、各オークションの成立確率のような市場で観察不能な基礎条件を用いる、第三者機関の評価を使用しています。したがって、オークション・レート・セキュリティの公正価値の測定は、レベル3に分類しています。
(資本性証券)
活発な市場のある資本性証券の公正価値は、市場における公表価格に基づいて測定しています。したがって、活発な市場のある資本性証券の公正価値の測定は、レベル1に分類しています。
活発な市場のない資本性証券の公正価値は、主に類似企業比較法またはその他の適切な評価方法を用いて測定しています。したがって、活発な市場のない資本性証券の公正価値の測定は、レベル3に分類しています。なお、活発な市場のない資本性証券について、取得原価が公正価値の最善の見積りを表す場合には、取得原価をもって公正価値としています。
レベル3に区分された資本性証券の公正価値の測定に関する重要な観測不能な基礎条件は、類似企業の株価純資産倍率です。公正価値は類似企業の株価純資産倍率の上昇(低下)により増加(減少)します。当該公正価値測定は、適切な権限者に承認された連結決算方針書に従い、当社および連結子会社の経理部門担当者等が評価方法を決定し、公正価値を測定しています。
(デリバティブ)
デリバティブは、主に為替予約、通貨オプション契約、通貨スワップ契約および金利スワップ契約で構成されています。
為替予約および通貨オプション契約の公正価値は、為替レートや割引率、ボラティリティなどの市場で観察可能な基礎条件に基づいて測定しています。通貨スワップ契約および金利スワップ契約の公正価値は、ロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)やスワップレート、為替レートなどの市場で観察可能な基礎条件を使用し、将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引くことによって測定しています。したがって、デリバティブの公正価値の測定は、レベル2に分類しています。
デリバティブの評価については、契約相手先の信用リスクを考慮しています。
(資金調達に係る債務)
資金調達に係る債務の公正価値は、条件および残存期間の類似する債務に対し適用される現在入手可能な利率を使用し、将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引くことによって測定しています。したがって、資金調達に係る債務の公正価値の測定は、主にレベル2に分類しています。
(3) 経常的に公正価値で測定する資産および負債
前連結会計年度末および当連結会計年度末における経常的に公正価値で測定する資産および負債の測定値の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2019年3月31日)
(単位:百万円)
レベル1レベル2レベル3合計
その他の金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
デリバティブ
為替商品-12,233-12,233
金利商品-34,164-34,164
合計-46,397-46,397
負債性証券21,09031,5515,43958,080
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
負債性証券-10,495-10,495
資本性証券108,879-98,156207,035
合計129,96988,443103,595322,007
その他の金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
デリバティブ
為替商品-35,449-35,449
金利商品-34,042-34,042
合計-69,491-69,491
合計-69,491-69,491

前連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替はありません。
当連結会計年度末(2020年3月31日)
(単位:百万円)
レベル1レベル2レベル3合計
その他の金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
デリバティブ
為替商品-19,215-19,215
金利商品-76,589-76,589
合計-95,804-95,804
負債性証券18,17534,9495,22458,348
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
負債性証券-9,069-9,069
資本性証券78,493-99,508178,001
合計96,668139,822104,732341,222
その他の金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
デリバティブ
為替商品-24,834-24,834
金利商品-90,334-90,334
合計-115,168-115,168
合計-115,168-115,168

当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替はありません。
前連結会計年度および当連結会計年度における経常的に公正価値により測定するレベル3の資産および負債の増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
負債性証券資本性証券
2018年4月1日残高5,20612,671
利得または損失
純損益△42-
その他の包括利益-△3,824
購入-89,651
売却-△295
在外営業活動体の為替換算差額275△47
2019年3月31日残高5,43998,156

純損益に含まれる報告期間の末日に保有する資産に係る
未実現損益
△42-

当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
負債性証券資本性証券
2019年4月1日残高5,43998,156
利得または損失
純損益△28-
その他の包括利益-△3,584
購入-5,222
売却-△40
在外営業活動体の為替換算差額△187△246
2020年3月31日残高5,22499,508

純損益に含まれる報告期間の末日に保有する資産に係る
未実現損益
△28-

(注) 1 前連結会計年度および当連結会計年度の純損益に含まれる利得または損失は、連結損益計算書の金融収益及び金融費用 その他(純額)に含まれています。
2 前連結会計年度および当連結会計年度の資本性証券のその他の包括利益に含まれる利得または損失は、連結包括利益計算書の純損益に振り替えられることのない項目のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の純変動に含まれています。
(4) 償却原価で測定する金融資産および金融負債
前連結会計年度末および当連結会計年度末における償却原価で測定する金融資産および金融負債の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末
(2019年3月31日)
当連結会計年度末
(2020年3月31日)
帳簿価額公正価値帳簿価額公正価値
金融サービスに係る債権5,405,2505,417,2975,161,1655,173,553
負債性証券54,96454,95262,20462,210
資金調達に係る債務7,331,1207,355,6327,469,6867,408,800

上記の表には、償却原価で測定する金融資産および金融負債のうち、帳簿価額が公正価値と近似するものを含めていません。