有価証券報告書-第98期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
18 従業員給付
(1) 退職後給付
当社および連結子会社は、各種退職給付および年金制度を有しており、ほぼ全ての日本における従業員および一部の海外の従業員を対象としています。当社および日本の連結子会社は、日本の確定給付企業年金法に基づくキャッシュバランスプラン類似制度またはその他の確定給付型年金制度を設けています。また、当社および一部の連結子会社は、退職年金制度に加え退職一時金制度を設けており、これらの制度における給付額は、基本的に従業員の給与水準、勤続年数およびその他の要素に基づいて決定されます。これらの制度に加え、一部の北米の連結子会社は、健康保険や生命保険等の制度を退職後の従業員に提供しています。
当社が設けている年金制度は、当社より法的に独立したホンダ企業年金基金によって運営されており、基金の理事は、法令、法令に基づき行われる厚生労働大臣または地方厚生局長の処分、規約および代議員会の議決を遵守し、基金のために忠実にその職務を遂行する義務を負っています。当社には、ホンダ企業年金基金に対する掛金の拠出が要求されており、将来にわたってホンダ企業年金基金が定める掛金の拠出義務を負っています。また、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されています。
前連結会計年度において、一部の北米の連結子会社は、退職後の従業員に提供している健康保険等の制度を改訂し、一部制度の廃止や給付対象範囲の縮小等を行い、また、早期退職優遇制度を実施しました。制度改訂および早期退職優遇制度の実施による影響は、前連結会計年度において、過去勤務費用として純損益に含まれています。
① 確定給付制度債務と制度資産
前連結会計年度および当連結会計年度における当社および一部の連結子会社の確定給付制度債務の現在価値および制度資産の公正価値の変動は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末の確定給付負債(資産)の純額に含まれる退職給付に係る資産は、それぞれ168,488百万円、216,604百万円であり、連結財政状態計算書において、その他の非流動資産に含まれています。
② 制度資産の公正価値
当社および連結子会社の国内制度および海外制度に係る資産運用方針は、従業員の将来の給付を確保するため許容されるリスクのもとで中長期的に総運用収益の最適化をはかるべく策定されています。制度資産は、資産配分目標に基づいて主に国内外の株式および債券に幅広く分散投資されており、リスクの低減を図っています。資産配分については、長期的なリスク、リターンの予想および各資産の運用実績の相関に基づき、中長期的に維持すべき配分の目標を設定しています。この資産配分目標は、制度資産の運用環境等に重要な変化が生じた場合には、適宜見直しを行っています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における国内制度および海外制度の制度資産の公正価値の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2021年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2022年3月31日)
(単位:百万円)
③ 数理計算上の仮定
前連結会計年度末および当連結会計年度末における確定給付制度債務の現在価値の算定に用いた重要な数理計算上の仮定は、以下のとおりです。
④ 感応度分析
前連結会計年度末および当連結会計年度末における割引率が±0.5%変動した場合の確定給付制度債務に与える影響は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
感応度分析は、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、当社が合理的に考えうる数理計算上の仮定の変化による確定給付制度債務の変動を示したものです。これらの分析は、あくまで試算ベースであり、実際の結果はこれらの分析と異なる可能性があります。また、昇給率については変動を見込んでいません。
⑤ キャッシュ・フロー
当社および一部の連結子会社の制度資産への拠出額は、従業員の給与水準や勤続年数、制度資産の積立状態、数理計算等様々な要因により決定されます。また、確定給付企業年金法の規定により、ホンダ企業年金基金では、将来にわたって財政の均衡を保つことができるよう、5年毎に報告期間の期末日を基準日として掛金の額の再計算を行っています。当社および一部の連結子会社は、積立金の額が最低積立基準額を下回る場合には、必要な額の掛金を拠出する場合があります。
当社および一部の連結子会社は、次連結会計年度において国内制度に拠出する金額を19,919百万円、海外制度に拠出する金額を21,057百万円と見積っています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、以下のとおりです。
(2) 人件費
前連結会計年度および当連結会計年度における連結損益計算書に含まれる人件費は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
人件費には、給与、賞与、法定福利費および退職後給付に係る費用などを含めています。
(1) 退職後給付
当社および連結子会社は、各種退職給付および年金制度を有しており、ほぼ全ての日本における従業員および一部の海外の従業員を対象としています。当社および日本の連結子会社は、日本の確定給付企業年金法に基づくキャッシュバランスプラン類似制度またはその他の確定給付型年金制度を設けています。また、当社および一部の連結子会社は、退職年金制度に加え退職一時金制度を設けており、これらの制度における給付額は、基本的に従業員の給与水準、勤続年数およびその他の要素に基づいて決定されます。これらの制度に加え、一部の北米の連結子会社は、健康保険や生命保険等の制度を退職後の従業員に提供しています。
当社が設けている年金制度は、当社より法的に独立したホンダ企業年金基金によって運営されており、基金の理事は、法令、法令に基づき行われる厚生労働大臣または地方厚生局長の処分、規約および代議員会の議決を遵守し、基金のために忠実にその職務を遂行する義務を負っています。当社には、ホンダ企業年金基金に対する掛金の拠出が要求されており、将来にわたってホンダ企業年金基金が定める掛金の拠出義務を負っています。また、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されています。
前連結会計年度において、一部の北米の連結子会社は、退職後の従業員に提供している健康保険等の制度を改訂し、一部制度の廃止や給付対象範囲の縮小等を行い、また、早期退職優遇制度を実施しました。制度改訂および早期退職優遇制度の実施による影響は、前連結会計年度において、過去勤務費用として純損益に含まれています。
① 確定給付制度債務と制度資産
前連結会計年度および当連結会計年度における当社および一部の連結子会社の確定給付制度債務の現在価値および制度資産の公正価値の変動は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||||||
国内制度 | 海外制度 | 国内制度 | 海外制度 | ||||
確定給付制度債務の現在価値 | |||||||
期首残高 | 1,357,044 | 1,143,911 | 1,305,054 | 1,104,894 | |||
当期勤務費用 | 35,751 | 27,158 | 35,045 | 22,351 | |||
過去勤務費用 | - | 9,941 | - | - | |||
利息費用 | 7,530 | 29,445 | 8,360 | 29,822 | |||
従業員拠出 | - | 3,764 | - | 3,657 | |||
再測定 | |||||||
人口統計上の仮定の変更 | △30,860 | △11,669 | 6,346 | △777 | |||
財務上の仮定の変更 | △17,606 | 51,885 | △25,500 | △85,754 | |||
その他 | 1,654 | △7,040 | 5,502 | △3,603 | |||
給付額 | △48,459 | △200,249 | △72,562 | △82,561 | |||
在外営業活動体の為替換算差額 | - | 57,748 | - | 99,497 | |||
期末残高 | 1,305,054 | 1,104,894 | 1,262,245 | 1,087,526 | |||
制度資産の公正価値 | |||||||
期首残高 | 1,187,881 | 848,503 | 1,365,509 | 910,436 | |||
利息収益 | 6,645 | 22,458 | 8,865 | 24,981 | |||
利息収益を除く制度資産に係る収益 | 194,475 | 126,176 | 21,172 | 50,833 | |||
事業主拠出 | 21,770 | 49,487 | 20,484 | 17,404 | |||
従業員拠出 | - | 3,764 | - | 3,657 | |||
給付額 | △45,262 | △200,249 | △60,754 | △82,561 | |||
在外営業活動体の為替換算差額 | - | 60,297 | - | 88,300 | |||
期末残高 | 1,365,509 | 910,436 | 1,355,276 | 1,013,050 | |||
資産上限額の影響 | - | 2,774 | - | 35,321 | |||
確定給付負債(資産)の純額 | △60,455 | 197,232 | △93,031 | 109,797 |
前連結会計年度末および当連結会計年度末の確定給付負債(資産)の純額に含まれる退職給付に係る資産は、それぞれ168,488百万円、216,604百万円であり、連結財政状態計算書において、その他の非流動資産に含まれています。
② 制度資産の公正価値
当社および連結子会社の国内制度および海外制度に係る資産運用方針は、従業員の将来の給付を確保するため許容されるリスクのもとで中長期的に総運用収益の最適化をはかるべく策定されています。制度資産は、資産配分目標に基づいて主に国内外の株式および債券に幅広く分散投資されており、リスクの低減を図っています。資産配分については、長期的なリスク、リターンの予想および各資産の運用実績の相関に基づき、中長期的に維持すべき配分の目標を設定しています。この資産配分目標は、制度資産の運用環境等に重要な変化が生じた場合には、適宜見直しを行っています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における国内制度および海外制度の制度資産の公正価値の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2021年3月31日)
(単位:百万円)
国内制度 | 海外制度 | ||||||||||
活発な市場における 公表市場価格 | 合計 | 活発な市場における 公表市場価格 | 合計 | ||||||||
有 | 無 | 有 | 無 | ||||||||
現金及び現金同等物 | 17,708 | - | 17,708 | 17,736 | - | 17,736 | |||||
株式 | |||||||||||
日本 | 37,137 | 28 | 37,165 | 11,099 | - | 11,099 | |||||
米国 | 278,052 | 105 | 278,157 | 71,125 | - | 71,125 | |||||
その他 | 285,412 | 239 | 285,651 | 41,302 | - | 41,302 | |||||
債券 | |||||||||||
日本 | 63,856 | - | 63,856 | - | 343 | 343 | |||||
米国 | 3,867 | 151,484 | 155,351 | - | 45,842 | 45,842 | |||||
その他 | 168,460 | 64,850 | 233,310 | - | 8,697 | 8,697 | |||||
団体年金保険 | |||||||||||
一般勘定 | - | 38,822 | 38,822 | - | - | - | |||||
特別勘定 | - | 20,290 | 20,290 | - | - | - | |||||
合同運用 | |||||||||||
不動産 | - | 404 | 404 | - | 68,686 | 68,686 | |||||
未公開株式 | - | - | - | - | 148,038 | 148,038 | |||||
ヘッジファンド | - | 129,796 | 129,796 | - | 36,247 | 36,247 | |||||
年金投資基金信託及び その他の投資信託 | 2,309 | 119,493 | 121,802 | 7,197 | 401,755 | 408,952 | |||||
その他 | 112 | △16,915 | △16,803 | 541 | 51,828 | 52,369 | |||||
合計 | 856,913 | 508,596 | 1,365,509 | 149,000 | 761,436 | 910,436 |
当連結会計年度末(2022年3月31日)
(単位:百万円)
国内制度 | 海外制度 | ||||||||||
活発な市場における 公表市場価格 | 合計 | 活発な市場における 公表市場価格 | 合計 | ||||||||
有 | 無 | 有 | 無 | ||||||||
現金及び現金同等物 | 56,192 | - | 56,192 | 15,147 | - | 15,147 | |||||
株式 | |||||||||||
日本 | 32,349 | - | 32,349 | 9,483 | - | 9,483 | |||||
米国 | 260,424 | 58 | 260,482 | 72,349 | - | 72,349 | |||||
その他 | 248,143 | 276 | 248,419 | 51,606 | - | 51,606 | |||||
債券 | |||||||||||
日本 | 65,388 | - | 65,388 | - | 575 | 575 | |||||
米国 | 2,795 | 150,494 | 153,289 | - | 81,155 | 81,155 | |||||
その他 | 173,477 | 71,516 | 244,993 | - | 7,100 | 7,100 | |||||
団体年金保険 | |||||||||||
一般勘定 | - | 40,008 | 40,008 | - | - | - | |||||
特別勘定 | - | 22,317 | 22,317 | - | - | - | |||||
合同運用 | |||||||||||
不動産 | - | 402 | 402 | - | 87,540 | 87,540 | |||||
未公開株式 | - | - | - | - | 191,196 | 191,196 | |||||
ヘッジファンド | - | 145,474 | 145,474 | - | 34,341 | 34,341 | |||||
年金投資基金信託及び その他の投資信託 | 1,798 | 129,080 | 130,878 | 4,732 | 425,668 | 430,400 | |||||
その他 | 67 | △44,982 | △44,915 | 61 | 32,097 | 32,158 | |||||
合計 | 840,633 | 514,643 | 1,355,276 | 153,378 | 859,672 | 1,013,050 |
③ 数理計算上の仮定
前連結会計年度末および当連結会計年度末における確定給付制度債務の現在価値の算定に用いた重要な数理計算上の仮定は、以下のとおりです。
前連結会計年度末 (2021年3月31日) | 当連結会計年度末 (2022年3月31日) | ||||||||
国内制度 | 海外制度 | 国内制度 | 海外制度 | ||||||
割引率 | 0.7% | 2.1 ~ | 3.4% | 0.8% | 2.8 ~ | 4.0% | |||
昇給率 | 1.5% | 2.0 ~ | 3.1% | 1.5% | 2.0 ~ | 3.6% |
④ 感応度分析
前連結会計年度末および当連結会計年度末における割引率が±0.5%変動した場合の確定給付制度債務に与える影響は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末 (2021年3月31日) | 当連結会計年度末 (2022年3月31日) | ||||||
国内制度 | 海外制度 | 国内制度 | 海外制度 | ||||
0.5%減少 | 99,814(増加) | 103,059(増加) | 93,079(増加) | 86,569(増加) | |||
0.5%増加 | 88,788(減少) | 91,523(減少) | 83,077(減少) | 78,153(減少) |
感応度分析は、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、当社が合理的に考えうる数理計算上の仮定の変化による確定給付制度債務の変動を示したものです。これらの分析は、あくまで試算ベースであり、実際の結果はこれらの分析と異なる可能性があります。また、昇給率については変動を見込んでいません。
⑤ キャッシュ・フロー
当社および一部の連結子会社の制度資産への拠出額は、従業員の給与水準や勤続年数、制度資産の積立状態、数理計算等様々な要因により決定されます。また、確定給付企業年金法の規定により、ホンダ企業年金基金では、将来にわたって財政の均衡を保つことができるよう、5年毎に報告期間の期末日を基準日として掛金の額の再計算を行っています。当社および一部の連結子会社は、積立金の額が最低積立基準額を下回る場合には、必要な額の掛金を拠出する場合があります。
当社および一部の連結子会社は、次連結会計年度において国内制度に拠出する金額を19,919百万円、海外制度に拠出する金額を21,057百万円と見積っています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、以下のとおりです。
前連結会計年度末 (2021年3月31日) | 当連結会計年度末 (2022年3月31日) | ||||||
国内制度 | 海外制度 | 国内制度 | 海外制度 | ||||
確定給付制度債務の 加重平均デュレーション | 14年 | 17年 | 14年 | 14年 |
(2) 人件費
前連結会計年度および当連結会計年度における連結損益計算書に含まれる人件費は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | ||
人件費 | 1,470,748 | 1,502,364 |
人件費には、給与、賞与、法定福利費および退職後給付に係る費用などを含めています。