有価証券報告書-第100期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、基本理念に立脚し、株主・投資家の皆様をはじめ、お客様、社会からの信頼をより高めるとともに、会社の迅速・果断かつリスクを勘案した意思決定を促し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をはかることで、「存在を期待される企業」となるために、経営の最重要課題の一つとして、コーポレートガバナンスの充実に取り組んでいます。
当社は、経営の監督機能と執行機能を明確に分離し、監督機能の強化と迅速かつ機動的な意思決定を行うため、過半数の社外取締役で構成される「指名委員会」、「監査委員会」、「報酬委員会」を有し、かつ取締役会から執行役に対して大幅に業務執行権限を委譲可能な指名委員会等設置会社を採用しています。
株主・投資家の皆様やお客様、社会からの信頼と共感をより一層高めるため、四半期ごとの決算や経営政策の迅速かつ正確な公表など、企業情報の適切な開示を行っており、今後も透明性の確保に努めていきます。
② 会社の機関の内容

<取締役会>取締役会は、6名の社外取締役を含む12名の取締役によって構成されています。
取締役会は、株主からの負託に応えるべく、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、経営の基本方針その他経営上の重要事項の決定を行うとともに、取締役および執行役の職務執行の監督を行います。また、法令・定款に定められた事項のほか、取締役会規則で定めた事項を審議・決定し、それ以外の事項は代表執行役または執行役に委任しています。 上記の役割を果たすため、取締役候補者は、性別・国籍等の個人の属性に関わらず、会社経営や法律、行政、会計、教育等の分野または当社の業務に精通するとともに、人格・見識に優れた人物とし、その指名にあたり指名委員会はジェンダーや国際性、各分野の経験や専門性のバランスを考慮しています。 構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
(注) 2024年6月19日をもって取締役を退任した倉石誠司は、1回欠席しました。なお、他の取締役の出席
率は100%です。
なお、当社は取締役会の機能の現状を確認し、さらなる「取締役会の実効性の向上」と「株主・ステークホルダーの理解促進」につなげることを目的に、毎年度、取締役会全体の実効性の評価を実施しています。当事業年度の取締役会の実効性評価の方法および結果の概要は以下のとおりです。
当事業年度は、評価にあたり、前回同様、取締役の自己評価を行いました。自己評価は、取締役に対して実施したアンケートとヒアリングの結果をもとに、取締役会で審議・決定しました。アンケートの質問項目は、外部の弁護士の監修のもとで設定し、またヒアリングおよび結果の集計は外部の弁護士により実施しました。
取締役会の実効性評価の結果、審議項目・開催頻度の適切な設定、事業所視察を含む社外取締役への情報提供や意見交換機会の充実、三委員会の適切な運営などにより、取締役会の実効性が適切に確保されていることを確認しました。
今後は、取締役会内外の議論をより活性化させるとともに、取締役会と三委員会の連携を一層強化することにより、モニタリング型取締役会としての実効性をさらに高めていきます。
<指名委員会>指名委員会は、株主総会に提案する取締役の選任および解任に関する議案の内容の決定、その他法令または定款に定められた職務を行っています。指名委員会は、社外取締役4名を含む5名の取締役で構成されています。また、委員長は、独立社外取締役の中から選定しています。
構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
<監査委員会>監査委員会は、株主からの負託に応えるべく、会社の健全で持続的な成長を確保するため、取締役および執行役の職務執行の監査その他法令または定款に定められた職務を行っています。監査委員会は、社外取締役3名を含む5名の取締役で構成されています。また、委員長は、独立社外取締役の中から選定しています。なお、当社は、監査の実効性を確保するため、取締役会の決議により常勤の監査委員を選定しています。
構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
取締役 小川陽一郎氏は公認会計士として豊かな知識と経験を有しており、また、取締役 森澤治郎氏は、当社および当社の子会社における財務・経理部門において十分な業務経験を有しており、両氏は会社法施行規則第121条第9号において規定される「財務及び会計に関する相当程度の知見を有しているもの」に該当します。また、当社の監査委員会は、小川陽一郎および森澤治郎の両氏を、米国企業改革法第407条に基づく米国証券取引委員会規則において規定される「監査委員会における財務専門家」に認定しています。なお、現在の監査委員5名全員は、米国証券取引委員会規則において規定される独立性を確保しています。
その他、監査委員会の活動状況の詳細については、「(3) 監査の状況」を参照ください。
<報酬委員会>報酬委員会は、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容の決定、その他法令または定款に定められた職務を行っています。報酬委員会は、社外取締役3名を含む4名の取締役で構成されています。また、委員長は、独立社外取締役の中から選定しています。
構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
<組織運営体制>「電動事業の更なる加速」とモビリティの拡がりによる「新たな価値創造」の実現をめざした運営体制を構築しています。二輪・四輪・パワープロダクツの電動領域の事業戦略機能および商品開発機能を集約した電動事業開発本部を設置するとともに、製品別の中長期展開を企画する四輪事業本部および二輪・パワープロダクツ事業本部を設置しています。各事業本部がグローバルでのリソースコントロールを行い、各地域における新たな成長・価値創造と事業運営の効率化をリードしています。
機能軸では、コーポレート戦略本部、コーポレート管理本部、品質改革本部、四輪生産本部およびサプライチェーン購買本部を設置し、各事業で直面する課題を横串で捉え、最適な対応を即断即決できる体制を構築しています。
各本部が連携しながら、電動化時代においても「存在を期待される企業」をめざしています。
なお、新技術の基礎応用研究と技術開発、新価値商品の研究開発は、主に独立した子会社である㈱本田技術研究所およびその子会社が担っており、世の中をリードする技術を創出することによって個性的で国際競争力のある新価値の創造をめざしています。
<執行体制>当社は、地域や現場での業務執行を強化し、迅速かつ適切な経営判断を行うため、地域・事業・機能別の各本部や主要な組織に、代表執行役からの権限委譲を受け、担当分野の業務を執行する責任者として、執行役その他業務執行責任者を配置しています。
<経営会議>当社は、原則として代表執行役および執行役から構成される経営会議を設置し、取締役会の決議事項等について事前審議を行うとともに、取締役会から委譲された権限の範囲内で、経営の重要事項について審議しています。
構成員については以下のとおりです。
なお、各事業を強化し、世界での最適な事業運営を円滑に遂行するため、各領域におかれた事業執行会議等が、経営会議から委譲された権限の範囲内で、各領域における経営の重要事項について審議しています。
<現状の体制を採用している理由>当社は、経営の監督機能と執行機能を明確に分離し、監督機能の強化と迅速かつ機動的な意思決定を行うため、過半数の社外取締役で構成される「指名委員会」、「監査委員会」、「報酬委員会」を有し、かつ取締役会から執行役に対して大幅に業務執行権限を委譲可能な指名委員会等設置会社を採用しています。
<責任限定契約の内容の概要>当社は、全ての社外取締役との間で、会社法第427条第1項および当社定款第27条第2項に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任について、同法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度とする旨の責任限定契約を締結しています。
<補償契約の内容の概要>当社は、全ての取締役および執行役との間で会社法第430条の2第1項に基づく補償契約を締結しており、同項第1号に定める費用を法定の範囲内において当社が補償することとしています。
<役員等賠償責任保険契約の内容の概要>当社は、会社法第430条の3第1項に基づき、全ての取締役および執行役が被保険者に含まれる役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者が負担することとなる法律上の損害賠償金・争訟費用を当該保険契約により補填することとしています。
③ 内部統制システムに関する基本的な考え方およびその整備状況
当社の取締役会は、内部統制システム整備の基本方針について、以下のとおり決議しています。
1 執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
法令や社内規則の遵守等の当社役員および従業員が守るべき行動の規範を定め、周知徹底をはかる。
コンプライアンスに係る内部通報体制を整備する。
コンプライアンスに関する事項を統括する執行役を設置し、コンプライアンスに関する体制を整備する。
2 執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
執行役の職務の執行に係る情報については、管理方針を定め、適切に保存および管理を行う。
3 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
経営上の重要事項に関しては、会議体においてリスクを評価、検討した上で決定する体制を整備する。
リスク管理に関する事項を統括する執行役を設置するとともに、リスク管理に関する規程を定め、リスク管理体制を整備する。
4 執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
地域・事業・機能別の各本部や主要な組織に、代表執行役からの権限委譲を受け、担当分野の業務を執行する責任者として、執行役その他業務執行責任者を配置するとともに、当該責任者に授権される権限の範囲と意思決定のプロセスを明確にして、迅速かつ適切な経営判断を行える体制を整備する。
また、効率的かつ効果的な経営を行うため、中期経営計画および年度毎の事業計画などを定め、その共有をはかるとともに、その進捗状況を監督する。
5 当社および当社子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社の役員および従業員の行動の規範ならびに内部統制システム整備の基本方針を子会社と共有するとともに、子会社を監督する体制を整備し、当社グループとしてのコーポレートガバナンスの充実に努める。
子会社における経営の重要事項などを当社に報告する体制を整備する。
当社の定めるリスク管理方針を子会社と共有するとともに、子会社からの重要リスクの報告に関する規程を定めるなど、当社グループとしてのリスク管理体制を整備する。
当社グループにおける法令違反などの問題を早期に発見し、対応するため、当社グループとしての内部通報体制を整備する。
当社グループとしての内部監査体制の充実をはかる。
(注) 上記において、「当社グループ」とは、当社および当社子会社から成る企業集団を意味しています。
6 監査委員会の職務を補助すべき取締役および使用人に関する事項、当該取締役および使用人の執行役からの独立性に関する事項ならびに当該取締役および使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
取締役会直属のスタッフ組織を設置し、監査委員会へのサポートを実施する。
7 取締役、執行役および使用人が監査委員会に報告をするための体制ならびに当該報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
監査委員会に対して、当社や子会社の役員および従業員が報告を実施するための体制を整備する。また、当該報告を行ったことを理由に不利な取り扱いを行わない。
8 監査委員の職務執行について生ずる費用の処理に係る方針、その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員の職務執行に必要な費用は、法令に則って会社が負担する。
その他、監査委員会の監査が実効的に行われるために、必要な体制を整備する。
上記内部統制システム整備の基本方針に基づく、当社の体制整備および運用状況の概要は以下のとおりです。
1 執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
「Honda行動規範」を制定して、法令遵守などに関する当社の方針と役員および従業員が実践するべき誠実な行動を明確にし、役員研修、入社時研修および階層別の従業員研修の機会を通じて、周知徹底をはかっています。
また、当社は、法令遵守その他コンプライアンス(贈収賄防止、インサイダー取引禁止など)に関する規則などを定め、関連する研修を実施しています。
内部通報窓口として、企業倫理改善提案窓口を設置しています。窓口は、社内に加え、弁護士事務所による社外窓口も設けており、提案者保護などを含む運用規程を定めて運営しています。
取締役会決議に基づき、取締役 代表執行役副社長をコンプライアンス&プライバシーオフィサーに任命しています。
コンプライアンス&プライバシーオフィサーを委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンスに関する重要事項の審議を行っています。
コンプライアンス委員会の構成員については以下のとおりです。
当事業年度において、コンプライアンス委員会を4回(定期委員会4回)開催し、内部統制システムの整備・運用状況、企業倫理改善提案窓口の運用状況、コンプライアンス向上に係る施策などを審議しました。
各部門は、法令遵守について、コントロールセルフアセスメント(CSA)の手法を用いた検証を行い、その 結果について、業務監査部による内部監査を実施しました。
2 執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
当社における情報管理の方針は、「文書管理規程」により定められており、執行役の職務の執行に係る情報の管理方針も規定されています。
取締役会および経営会議の議事録は、上記規程に従い、開催毎に作成され、担当部門により永年保存されています。
また、指名委員会、監査委員会および報酬委員会の議事録についても、上記規程に従い、開催毎に作成され、担当部門により10年間保存されています。
なお、会社情報の不正な使用・開示・漏洩を防止し、機密情報および個人情報を適切に取り扱うための「グローバル・コンフィデンシャリティ・ポリシー」や「グローバル・プライバシー・ポリシー」などを整備し、社内研修などを通じて、従業員などへの周知徹底をはかっています。
これらの情報管理に関する責任者として、コンプライアンス&プライバシーオフィサーを設置しています。
3 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
経営上の重要事項は、取締役会、経営会議、事業執行会議、地域執行会議などで各審議基準に従って審議され、リスクを評価、検討した上で決定されています。
取締役会決議に基づき、リスクマネジメントオフィサーとして、取締役 代表執行役副社長を任命しています。
リスクマネジメントオフィサーを委員長とするリスクマネジメント委員会を設置し、リスクマネジメントに関する重要事項の審議を行っています。
リスクマネジメント委員会の構成員については以下のとおりです。
当事業年度において、リスクマネジメント委員会を12回開催し、当社グループの重要なリスクの特定、対応、対応状況の確認などを実施しました。
「Hondaグローバルリスクマネジメント規程」を制定し、ビジネスリスク、災害リスクなど、当社におけるリスク管理の基本方針、リスク情報の収集および発生時の対応体制などを規定しています。
各部門は上記規程に従い、定期的にリスクアセスメントなどを行っています。
重大なリスクについては、リスクマネジメントオフィサーにより、その対応状況が監視、監督されており、必要に応じてグローバル危機対策本部を設置します。2024年1月に発生した能登半島地震においては、取引先の被災により国内の一部生産拠点において四輪車の減産といった影響が発生しました。当社グループにおいては、グローバル危機対策本部を設置し、取引先と連携のうえ、在庫活用や代替開発も含め、事業、業績への影響を最小化するための対応を行いました。
(注) 上記において、「当社グループ」とは、当社および当社子会社から成る企業集団を意味しています。
4 執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
地域や現場での業務執行を強化し、迅速かつ適切な経営判断を行うため、地域・事業・機能別の各本部や主要な組織に、代表執行役からの権限委譲を受け、担当分野の業務を執行する責任者として、執行役その他業務執行責任者を配置しています。
経営の重要事項を決定する機関として、取締役会のほか、経営会議や事業執行会議などが設置されており、各審議基準により執行役その他業務執行責任者に授権される権限の範囲と意思決定のプロセスが明確になっています。また、指名委員会等設置会社を採用し、取締役会の監督機能を強化するとともに、意思決定のさらなる迅速化のため取締役会から経営会議への権限委譲の拡大をはかっています。
取締役会が経営ビジョンおよび全社中長期経営計画を決定し、各本部長をはじめとする業務執行責任者を通じて全社で共有しています。
取締役会は、全社中長期経営計画および年次の事業計画について、定期的にそれぞれ進捗の報告を受け、その執行状況を監督しています。
5 当社および当社子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社の内部統制の担当部門が、直接または地域統括会社を通じて「Honda行動規範」および内部統制システム整備の基本方針の子会社への周知をはかっています。
また、当社は、法令遵守その他コンプライアンス(贈収賄防止、インサイダー取引禁止など)に関するグローバルポリシーなどを定め、そのポリシーに基づいた各子会社の規程を定めるよう求めています。また、各社においては、それらの規程に関する研修を実施しています。
上記の取り組みも含め、各子会社は、各国の法令や各社の業態に合わせた内部統制体制を整備、運用し、当社にその状況を定期的に報告しています。
子会社の監督責任を担う責任者は、各子会社の事業に関連する領域を管轄する執行役その他業務執行責任者の中から選定しています。当該責任者は、担当する子会社から、事業計画や経営状況などに関して定期的に報告を受け、事業管理関連部門やその他の関連部門と連携して、担当する各子会社を監督しています。
当社は、子会社の経営の重要事項に関して、当社の審議基準に従った当社の事前承認または当社への報告を求めており、子会社は当社の要請を含めた自社の決裁ルールの整備を行っています。
子会社は、当社の「Hondaグローバルリスクマネジメント規程」に基づき、規模や業態に応じたリスク管理体制を整備しており、重大なリスクについては当社に報告しています。なお、当社のリスク管理の担当部門が、子会社のリスク管理体制の整備、運用状況を確認しています。
当社の企業倫理改善提案窓口が、当社および子会社からの内部通報を受け付けるとともに、地域統括会社やその他の主要な子会社は、自社の内部通報窓口を設置しています。
社長直轄の業務監査部が、当社各部門の内部監査を行うほか、主要な子会社に設置された内部監査部門を監視、指導するとともに、必要に応じて子会社に対する直接監査を実施しています。
6 監査委員会の職務を補助すべき取締役および使用人に関する事項、当該取締役および使用人の執行役からの独立性に関する事項ならびに当該取締役および使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
取締役会および指名・監査・報酬の各委員会の職務を補助する専任の組織として取締役会室を設置しています。
取締役会室に所属する従業員は、取締役会および各委員会の指揮命令下で職務を遂行しています。またその人事評価および人事異動等については、監査委員会の同意を必要としており、執行役からの独立性および監査委員会からの指示の実効性を確保しています。
7 取締役、執行役および使用人が監査委員会に報告をするための体制ならびに当該報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
監査委員会への報告基準として「監査委員会報告基準」を定め、監査委員会に対して、当社の各担当部門が、当社や子会社などの事業の状況、コンプライアンスやリスク管理などの内部統制システムの整備および運用の状況などを定期的に報告するほか、会社に重大な影響を及ぼす事項がある場合には、これを報告しています。
監査委員会に報告を行った者に対して、当該報告を行ったことを理由に不利な取り扱いは行っていません。
8 監査委員の職務執行について生ずる費用の処理に係る方針、その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員の職務執行に必要な費用を会社として負担するため、年度毎に、監査委員会からの提案に基づいて必要な予算を確保しています。
監査委員会は、内部監査部門である業務監査部と緊密に連携して、当社や子会社などの監査を実施するほか、常勤の監査委員2名を設置し、必要に応じ、経営会議その他の重要な会議に出席しています。
<反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方およびその体制整備状況>当社は、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して毅然とした姿勢を貫くことを基本方針とし、対応総括部署を定め、警察等の関連する外部機関と連携して対応しています。
④ 定款の定め
<取締役会にて決議できる株主総会決議事項>機動的な資本政策および配当政策が遂行できるようにするため、剰余金の配当等について、取締役会の決議によって決定することができる旨を定款で定めています。
また、取締役および執行役が期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項に基づき、取締役会の決議によって、同法第423条第1項の取締役および執行役(取締役および執行役であった者を含む。)の損害賠償責任を会社法で定める範囲内で免除することができる旨を定款に定めています。
<株主総会の特別決議要件>定足数の確保をより確実にするため、株主総会における特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めています。
<取締役選任の決議要件>取締役の選任の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めています。(取締役の選任の決議は、累積投票によらないこととしています。)
<取締役の定数>当社の取締役は、15名以内とする旨を定款で定めています。
⑤ 株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況
<株主総会の活性化および議決権行使の円滑化に向けての取り組み状況>株主総会の活性化をはかるため、スライドやプレゼンテーション等を用いてわかりやすく事業報告や議案に関する説明を行うなど、情報提供の充実に努めています。また、バーチャル出席型ハイブリッド株主総会を導入し、会場へ来場できない株主もオンラインで出席できるよう環境整備しています。
議決権行使の円滑化に向けては、株主総会の招集通知および参考書類を法定の期限より早い時期に発送するとともに、発送に先行して当社ウェブサイトで日本語および英語の招集通知および参考書類を掲載しています。また、パソコンやスマートフォンなどを用いたインターネットによる議決権行使手段を提供しているほか、機関投資家が議案検討に十分な期間を確保できるよう、議決権行使プラットフォームに参加しています。
国内外の株主ならびに投資家に向け、当社グループの事業内容等に対する理解を深めていただくために、同時通訳を活用した決算説明会を年4回実施しており、本決算においては、取締役 代表執行役社長も登壇しています。なお、会見に参加できない方に向けては、説明会の議事録を日本語と英語にて公開しています。また、取締役 代表執行役社長による会見や、事業説明会などを開催しています。
個人投資家に向けては、証券会社と共同で個人投資家向け説明会を開催しています。国内外の機関投資家向けには、適宜、当社グループの事業戦略等の説明を実施しています。また、証券会社主催のカンファレンスやESG説明会に参加するなど、積極的な発信に努めています。
情報開示については、当社ウェブサイト(日本語版 https://global.honda/jp/investors/、英語版 https://global.honda/en/investors/)において、当社の株主との対話に関する取り組み方針<ディスクロージャー・ポリシー>を開示するとともに、株主ならびに投資家向けに適時開示および各種会社情報を公開しています。
<ステークホルダーの立場の尊重に係る取り組み状況>当社では「ステークホルダーとの対話」が、当社の取り組みに対するより正しい理解につながるとともに、社会環境の変化やリスクを把握できる有益な手段でもあると考えています。こうした認識のもと、当社の事業活動により影響を受ける、もしくはその行動が事業活動に影響を与える主要なステークホルダーと社内各部門がグローバルでさまざまな機会を通じて対話を実施しています。その一環として、当社のめざす姿や価値創造の取り組みをステークホルダーの皆様にご理解いただくために統合報告書「Honda Report」を、そしてサステナビリティに関する基本的な考え方、ESG各領域の取り組みや関連データといった実績報告を主体としてまとめた「Honda ESG Data Book」を発行し、それぞれ当社ウェブサイトにて公開しています。
<企業情報の開示>決算発表や財務報告書による企業情報の開示にあたっては、取締役 代表執行役社長および取締役 執行役常務最高財務責任者による開示内容の正確性・的確性の確認を補佐するために、「ディスクロージャー委員会」を設置し、開示内容について審議しています。
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、基本理念に立脚し、株主・投資家の皆様をはじめ、お客様、社会からの信頼をより高めるとともに、会社の迅速・果断かつリスクを勘案した意思決定を促し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をはかることで、「存在を期待される企業」となるために、経営の最重要課題の一つとして、コーポレートガバナンスの充実に取り組んでいます。
当社は、経営の監督機能と執行機能を明確に分離し、監督機能の強化と迅速かつ機動的な意思決定を行うため、過半数の社外取締役で構成される「指名委員会」、「監査委員会」、「報酬委員会」を有し、かつ取締役会から執行役に対して大幅に業務執行権限を委譲可能な指名委員会等設置会社を採用しています。
株主・投資家の皆様やお客様、社会からの信頼と共感をより一層高めるため、四半期ごとの決算や経営政策の迅速かつ正確な公表など、企業情報の適切な開示を行っており、今後も透明性の確保に努めていきます。
② 会社の機関の内容

<取締役会>取締役会は、6名の社外取締役を含む12名の取締役によって構成されています。
取締役会は、株主からの負託に応えるべく、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、経営の基本方針その他経営上の重要事項の決定を行うとともに、取締役および執行役の職務執行の監督を行います。また、法令・定款に定められた事項のほか、取締役会規則で定めた事項を審議・決定し、それ以外の事項は代表執行役または執行役に委任しています。 上記の役割を果たすため、取締役候補者は、性別・国籍等の個人の属性に関わらず、会社経営や法律、行政、会計、教育等の分野または当社の業務に精通するとともに、人格・見識に優れた人物とし、その指名にあたり指名委員会はジェンダーや国際性、各分野の経験や専門性のバランスを考慮しています。 構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
構成員 | 取締役 代表執行役社長(議長) | 三 部 敏 宏 |
取締役 代表執行役副社長 | 青 山 真 二 | |
取締役 代表執行役副社長 | 貝 原 典 也 | |
取締役 執行役常務 | 藤 村 英 司 | |
取締役 | 鈴 木 麻 子 | |
取締役 | 森 澤 治 郎 | |
取締役(社外) | 酒 井 邦 彦 | |
取締役(社外) | 國 分 文 也 | |
取締役(社外) | 小 川 陽 一 郎 | |
取締役(社外) | 東 和 浩 | |
取締役(社外) | 永 田 亮 子 | |
取締役(社外) | 我 妻 三 佳 | |
開催回数/出席率 | 12回/99.2%(注) | |
具体的な検討内容 | 中長期経営計画およびその進捗状況 | |
各四半期 連結決算および業績見通し | ||
各四半期 業務執行状況 | ||
各委員会 職務執行状況 | ||
内部統制システム 整備・運用状況 | ||
内部監査結果 等 |
(注) 2024年6月19日をもって取締役を退任した倉石誠司は、1回欠席しました。なお、他の取締役の出席
率は100%です。
なお、当社は取締役会の機能の現状を確認し、さらなる「取締役会の実効性の向上」と「株主・ステークホルダーの理解促進」につなげることを目的に、毎年度、取締役会全体の実効性の評価を実施しています。当事業年度の取締役会の実効性評価の方法および結果の概要は以下のとおりです。
当事業年度は、評価にあたり、前回同様、取締役の自己評価を行いました。自己評価は、取締役に対して実施したアンケートとヒアリングの結果をもとに、取締役会で審議・決定しました。アンケートの質問項目は、外部の弁護士の監修のもとで設定し、またヒアリングおよび結果の集計は外部の弁護士により実施しました。
取締役会の実効性評価の結果、審議項目・開催頻度の適切な設定、事業所視察を含む社外取締役への情報提供や意見交換機会の充実、三委員会の適切な運営などにより、取締役会の実効性が適切に確保されていることを確認しました。
今後は、取締役会内外の議論をより活性化させるとともに、取締役会と三委員会の連携を一層強化することにより、モニタリング型取締役会としての実効性をさらに高めていきます。
<指名委員会>指名委員会は、株主総会に提案する取締役の選任および解任に関する議案の内容の決定、その他法令または定款に定められた職務を行っています。指名委員会は、社外取締役4名を含む5名の取締役で構成されています。また、委員長は、独立社外取締役の中から選定しています。
構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
構成員 | 取締役(社外)(委員長) | 國 分 文 也 |
取締役 代表執行役社長 | 三 部 敏 宏 | |
取締役(社外) | 酒 井 邦 彦 | |
取締役(社外) | 東 和 浩 | |
取締役(社外) | 我 妻 三 佳 | |
開催回数/出席率 | 9回/100%(全委員) | |
具体的な検討内容 | 基本方針・年間活動計画 | |
取締役の後継者計画 | ||
取締役候補者 等 |
<監査委員会>監査委員会は、株主からの負託に応えるべく、会社の健全で持続的な成長を確保するため、取締役および執行役の職務執行の監査その他法令または定款に定められた職務を行っています。監査委員会は、社外取締役3名を含む5名の取締役で構成されています。また、委員長は、独立社外取締役の中から選定しています。なお、当社は、監査の実効性を確保するため、取締役会の決議により常勤の監査委員を選定しています。
構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
構成員 | 取締役(社外)(委員長) | 小 川 陽 一 郎 |
取締役(常勤) | 鈴 木 麻 子 | |
取締役(常勤) | 森 澤 治 郎 | |
取締役(社外) | 酒 井 邦 彦 | |
取締役(社外) | 永 田 亮 子 | |
開催回数/出席率 | 10回/100%(全委員) | |
具体的な検討内容 | 基本方針・年間活動計画 | |
各四半期 監査実施状況 | ||
各四半期 会計監査人 連結財務諸表レビュー | ||
内部監査実施状況 等 |
取締役 小川陽一郎氏は公認会計士として豊かな知識と経験を有しており、また、取締役 森澤治郎氏は、当社および当社の子会社における財務・経理部門において十分な業務経験を有しており、両氏は会社法施行規則第121条第9号において規定される「財務及び会計に関する相当程度の知見を有しているもの」に該当します。また、当社の監査委員会は、小川陽一郎および森澤治郎の両氏を、米国企業改革法第407条に基づく米国証券取引委員会規則において規定される「監査委員会における財務専門家」に認定しています。なお、現在の監査委員5名全員は、米国証券取引委員会規則において規定される独立性を確保しています。
その他、監査委員会の活動状況の詳細については、「(3) 監査の状況」を参照ください。
<報酬委員会>報酬委員会は、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容の決定、その他法令または定款に定められた職務を行っています。報酬委員会は、社外取締役3名を含む4名の取締役で構成されています。また、委員長は、独立社外取締役の中から選定しています。
構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
構成員 | 取締役(社外)(委員長) | 東 和 浩 |
取締役 執行役常務 | 藤 村 英 司 | |
取締役(社外) | 國 分 文 也 | |
取締役(社外) | 小 川 陽 一 郎 | |
開催回数/出席率 | 9回/100%(全委員) | |
具体的な検討内容 | 基本方針・年間活動計画 | |
役員実績評価 | ||
LTI(Long Term Incentive)および株式交付規程 | ||
クローバックポリシー 等 |
<組織運営体制>「電動事業の更なる加速」とモビリティの拡がりによる「新たな価値創造」の実現をめざした運営体制を構築しています。二輪・四輪・パワープロダクツの電動領域の事業戦略機能および商品開発機能を集約した電動事業開発本部を設置するとともに、製品別の中長期展開を企画する四輪事業本部および二輪・パワープロダクツ事業本部を設置しています。各事業本部がグローバルでのリソースコントロールを行い、各地域における新たな成長・価値創造と事業運営の効率化をリードしています。
機能軸では、コーポレート戦略本部、コーポレート管理本部、品質改革本部、四輪生産本部およびサプライチェーン購買本部を設置し、各事業で直面する課題を横串で捉え、最適な対応を即断即決できる体制を構築しています。
各本部が連携しながら、電動化時代においても「存在を期待される企業」をめざしています。
なお、新技術の基礎応用研究と技術開発、新価値商品の研究開発は、主に独立した子会社である㈱本田技術研究所およびその子会社が担っており、世の中をリードする技術を創出することによって個性的で国際競争力のある新価値の創造をめざしています。
<執行体制>当社は、地域や現場での業務執行を強化し、迅速かつ適切な経営判断を行うため、地域・事業・機能別の各本部や主要な組織に、代表執行役からの権限委譲を受け、担当分野の業務を執行する責任者として、執行役その他業務執行責任者を配置しています。
<経営会議>当社は、原則として代表執行役および執行役から構成される経営会議を設置し、取締役会の決議事項等について事前審議を行うとともに、取締役会から委譲された権限の範囲内で、経営の重要事項について審議しています。
構成員については以下のとおりです。
構成員 | 取締役 代表執行役社長 最高経営責任者(議長) | 三 部 敏 宏 |
取締役 代表執行役副社長 | 青 山 真 二 | |
取締役 代表執行役副社長 | 貝 原 典 也 | |
取締役 執行役常務 | 藤 村 英 司 | |
執行役専務 | 井 上 勝 史 | |
執行役常務 | 小 澤 学 | |
執行役常務 | 伊 藤 裕 直 |
なお、各事業を強化し、世界での最適な事業運営を円滑に遂行するため、各領域におかれた事業執行会議等が、経営会議から委譲された権限の範囲内で、各領域における経営の重要事項について審議しています。
<現状の体制を採用している理由>当社は、経営の監督機能と執行機能を明確に分離し、監督機能の強化と迅速かつ機動的な意思決定を行うため、過半数の社外取締役で構成される「指名委員会」、「監査委員会」、「報酬委員会」を有し、かつ取締役会から執行役に対して大幅に業務執行権限を委譲可能な指名委員会等設置会社を採用しています。
<責任限定契約の内容の概要>当社は、全ての社外取締役との間で、会社法第427条第1項および当社定款第27条第2項に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任について、同法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度とする旨の責任限定契約を締結しています。
<補償契約の内容の概要>当社は、全ての取締役および執行役との間で会社法第430条の2第1項に基づく補償契約を締結しており、同項第1号に定める費用を法定の範囲内において当社が補償することとしています。
<役員等賠償責任保険契約の内容の概要>当社は、会社法第430条の3第1項に基づき、全ての取締役および執行役が被保険者に含まれる役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者が負担することとなる法律上の損害賠償金・争訟費用を当該保険契約により補填することとしています。
③ 内部統制システムに関する基本的な考え方およびその整備状況
当社の取締役会は、内部統制システム整備の基本方針について、以下のとおり決議しています。
1 執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
法令や社内規則の遵守等の当社役員および従業員が守るべき行動の規範を定め、周知徹底をはかる。
コンプライアンスに係る内部通報体制を整備する。
コンプライアンスに関する事項を統括する執行役を設置し、コンプライアンスに関する体制を整備する。
2 執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
執行役の職務の執行に係る情報については、管理方針を定め、適切に保存および管理を行う。
3 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
経営上の重要事項に関しては、会議体においてリスクを評価、検討した上で決定する体制を整備する。
リスク管理に関する事項を統括する執行役を設置するとともに、リスク管理に関する規程を定め、リスク管理体制を整備する。
4 執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
地域・事業・機能別の各本部や主要な組織に、代表執行役からの権限委譲を受け、担当分野の業務を執行する責任者として、執行役その他業務執行責任者を配置するとともに、当該責任者に授権される権限の範囲と意思決定のプロセスを明確にして、迅速かつ適切な経営判断を行える体制を整備する。
また、効率的かつ効果的な経営を行うため、中期経営計画および年度毎の事業計画などを定め、その共有をはかるとともに、その進捗状況を監督する。
5 当社および当社子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社の役員および従業員の行動の規範ならびに内部統制システム整備の基本方針を子会社と共有するとともに、子会社を監督する体制を整備し、当社グループとしてのコーポレートガバナンスの充実に努める。
子会社における経営の重要事項などを当社に報告する体制を整備する。
当社の定めるリスク管理方針を子会社と共有するとともに、子会社からの重要リスクの報告に関する規程を定めるなど、当社グループとしてのリスク管理体制を整備する。
当社グループにおける法令違反などの問題を早期に発見し、対応するため、当社グループとしての内部通報体制を整備する。
当社グループとしての内部監査体制の充実をはかる。
(注) 上記において、「当社グループ」とは、当社および当社子会社から成る企業集団を意味しています。
6 監査委員会の職務を補助すべき取締役および使用人に関する事項、当該取締役および使用人の執行役からの独立性に関する事項ならびに当該取締役および使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
取締役会直属のスタッフ組織を設置し、監査委員会へのサポートを実施する。
7 取締役、執行役および使用人が監査委員会に報告をするための体制ならびに当該報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
監査委員会に対して、当社や子会社の役員および従業員が報告を実施するための体制を整備する。また、当該報告を行ったことを理由に不利な取り扱いを行わない。
8 監査委員の職務執行について生ずる費用の処理に係る方針、その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員の職務執行に必要な費用は、法令に則って会社が負担する。
その他、監査委員会の監査が実効的に行われるために、必要な体制を整備する。
上記内部統制システム整備の基本方針に基づく、当社の体制整備および運用状況の概要は以下のとおりです。
1 執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
「Honda行動規範」を制定して、法令遵守などに関する当社の方針と役員および従業員が実践するべき誠実な行動を明確にし、役員研修、入社時研修および階層別の従業員研修の機会を通じて、周知徹底をはかっています。
また、当社は、法令遵守その他コンプライアンス(贈収賄防止、インサイダー取引禁止など)に関する規則などを定め、関連する研修を実施しています。
内部通報窓口として、企業倫理改善提案窓口を設置しています。窓口は、社内に加え、弁護士事務所による社外窓口も設けており、提案者保護などを含む運用規程を定めて運営しています。
取締役会決議に基づき、取締役 代表執行役副社長をコンプライアンス&プライバシーオフィサーに任命しています。
コンプライアンス&プライバシーオフィサーを委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンスに関する重要事項の審議を行っています。
コンプライアンス委員会の構成員については以下のとおりです。
構成員 | 取締役 代表執行役副社長(委員長) | 貝 原 典 也 |
取締役 執行役常務 | 藤 村 英 司 | |
執行役常務 | 伊 藤 裕 直 | |
執行役 | 松 尾 歩 | |
執行役 | 林 克 人 | |
執行役 | 小 沼 隆 史 |
当事業年度において、コンプライアンス委員会を4回(定期委員会4回)開催し、内部統制システムの整備・運用状況、企業倫理改善提案窓口の運用状況、コンプライアンス向上に係る施策などを審議しました。
各部門は、法令遵守について、コントロールセルフアセスメント(CSA)の手法を用いた検証を行い、その 結果について、業務監査部による内部監査を実施しました。
2 執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
当社における情報管理の方針は、「文書管理規程」により定められており、執行役の職務の執行に係る情報の管理方針も規定されています。
取締役会および経営会議の議事録は、上記規程に従い、開催毎に作成され、担当部門により永年保存されています。
また、指名委員会、監査委員会および報酬委員会の議事録についても、上記規程に従い、開催毎に作成され、担当部門により10年間保存されています。
なお、会社情報の不正な使用・開示・漏洩を防止し、機密情報および個人情報を適切に取り扱うための「グローバル・コンフィデンシャリティ・ポリシー」や「グローバル・プライバシー・ポリシー」などを整備し、社内研修などを通じて、従業員などへの周知徹底をはかっています。
これらの情報管理に関する責任者として、コンプライアンス&プライバシーオフィサーを設置しています。
3 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
経営上の重要事項は、取締役会、経営会議、事業執行会議、地域執行会議などで各審議基準に従って審議され、リスクを評価、検討した上で決定されています。
取締役会決議に基づき、リスクマネジメントオフィサーとして、取締役 代表執行役副社長を任命しています。
リスクマネジメントオフィサーを委員長とするリスクマネジメント委員会を設置し、リスクマネジメントに関する重要事項の審議を行っています。
リスクマネジメント委員会の構成員については以下のとおりです。
構成員 | 取締役 代表執行役副社長(委員長) | 青 山 真 二 |
取締役 執行役常務 | 藤 村 英 司 | |
執行役常務 | 小 澤 学 |
当事業年度において、リスクマネジメント委員会を12回開催し、当社グループの重要なリスクの特定、対応、対応状況の確認などを実施しました。
「Hondaグローバルリスクマネジメント規程」を制定し、ビジネスリスク、災害リスクなど、当社におけるリスク管理の基本方針、リスク情報の収集および発生時の対応体制などを規定しています。
各部門は上記規程に従い、定期的にリスクアセスメントなどを行っています。
重大なリスクについては、リスクマネジメントオフィサーにより、その対応状況が監視、監督されており、必要に応じてグローバル危機対策本部を設置します。2024年1月に発生した能登半島地震においては、取引先の被災により国内の一部生産拠点において四輪車の減産といった影響が発生しました。当社グループにおいては、グローバル危機対策本部を設置し、取引先と連携のうえ、在庫活用や代替開発も含め、事業、業績への影響を最小化するための対応を行いました。
(注) 上記において、「当社グループ」とは、当社および当社子会社から成る企業集団を意味しています。
4 執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
地域や現場での業務執行を強化し、迅速かつ適切な経営判断を行うため、地域・事業・機能別の各本部や主要な組織に、代表執行役からの権限委譲を受け、担当分野の業務を執行する責任者として、執行役その他業務執行責任者を配置しています。
経営の重要事項を決定する機関として、取締役会のほか、経営会議や事業執行会議などが設置されており、各審議基準により執行役その他業務執行責任者に授権される権限の範囲と意思決定のプロセスが明確になっています。また、指名委員会等設置会社を採用し、取締役会の監督機能を強化するとともに、意思決定のさらなる迅速化のため取締役会から経営会議への権限委譲の拡大をはかっています。
取締役会が経営ビジョンおよび全社中長期経営計画を決定し、各本部長をはじめとする業務執行責任者を通じて全社で共有しています。
取締役会は、全社中長期経営計画および年次の事業計画について、定期的にそれぞれ進捗の報告を受け、その執行状況を監督しています。
5 当社および当社子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社の内部統制の担当部門が、直接または地域統括会社を通じて「Honda行動規範」および内部統制システム整備の基本方針の子会社への周知をはかっています。
また、当社は、法令遵守その他コンプライアンス(贈収賄防止、インサイダー取引禁止など)に関するグローバルポリシーなどを定め、そのポリシーに基づいた各子会社の規程を定めるよう求めています。また、各社においては、それらの規程に関する研修を実施しています。
上記の取り組みも含め、各子会社は、各国の法令や各社の業態に合わせた内部統制体制を整備、運用し、当社にその状況を定期的に報告しています。
子会社の監督責任を担う責任者は、各子会社の事業に関連する領域を管轄する執行役その他業務執行責任者の中から選定しています。当該責任者は、担当する子会社から、事業計画や経営状況などに関して定期的に報告を受け、事業管理関連部門やその他の関連部門と連携して、担当する各子会社を監督しています。
当社は、子会社の経営の重要事項に関して、当社の審議基準に従った当社の事前承認または当社への報告を求めており、子会社は当社の要請を含めた自社の決裁ルールの整備を行っています。
子会社は、当社の「Hondaグローバルリスクマネジメント規程」に基づき、規模や業態に応じたリスク管理体制を整備しており、重大なリスクについては当社に報告しています。なお、当社のリスク管理の担当部門が、子会社のリスク管理体制の整備、運用状況を確認しています。
当社の企業倫理改善提案窓口が、当社および子会社からの内部通報を受け付けるとともに、地域統括会社やその他の主要な子会社は、自社の内部通報窓口を設置しています。
社長直轄の業務監査部が、当社各部門の内部監査を行うほか、主要な子会社に設置された内部監査部門を監視、指導するとともに、必要に応じて子会社に対する直接監査を実施しています。
6 監査委員会の職務を補助すべき取締役および使用人に関する事項、当該取締役および使用人の執行役からの独立性に関する事項ならびに当該取締役および使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
取締役会および指名・監査・報酬の各委員会の職務を補助する専任の組織として取締役会室を設置しています。
取締役会室に所属する従業員は、取締役会および各委員会の指揮命令下で職務を遂行しています。またその人事評価および人事異動等については、監査委員会の同意を必要としており、執行役からの独立性および監査委員会からの指示の実効性を確保しています。
7 取締役、執行役および使用人が監査委員会に報告をするための体制ならびに当該報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
監査委員会への報告基準として「監査委員会報告基準」を定め、監査委員会に対して、当社の各担当部門が、当社や子会社などの事業の状況、コンプライアンスやリスク管理などの内部統制システムの整備および運用の状況などを定期的に報告するほか、会社に重大な影響を及ぼす事項がある場合には、これを報告しています。
監査委員会に報告を行った者に対して、当該報告を行ったことを理由に不利な取り扱いは行っていません。
8 監査委員の職務執行について生ずる費用の処理に係る方針、その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員の職務執行に必要な費用を会社として負担するため、年度毎に、監査委員会からの提案に基づいて必要な予算を確保しています。
監査委員会は、内部監査部門である業務監査部と緊密に連携して、当社や子会社などの監査を実施するほか、常勤の監査委員2名を設置し、必要に応じ、経営会議その他の重要な会議に出席しています。
<反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方およびその体制整備状況>当社は、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して毅然とした姿勢を貫くことを基本方針とし、対応総括部署を定め、警察等の関連する外部機関と連携して対応しています。
④ 定款の定め
<取締役会にて決議できる株主総会決議事項>機動的な資本政策および配当政策が遂行できるようにするため、剰余金の配当等について、取締役会の決議によって決定することができる旨を定款で定めています。
また、取締役および執行役が期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項に基づき、取締役会の決議によって、同法第423条第1項の取締役および執行役(取締役および執行役であった者を含む。)の損害賠償責任を会社法で定める範囲内で免除することができる旨を定款に定めています。
<株主総会の特別決議要件>定足数の確保をより確実にするため、株主総会における特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めています。
<取締役選任の決議要件>取締役の選任の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めています。(取締役の選任の決議は、累積投票によらないこととしています。)
<取締役の定数>当社の取締役は、15名以内とする旨を定款で定めています。
⑤ 株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況
<株主総会の活性化および議決権行使の円滑化に向けての取り組み状況>株主総会の活性化をはかるため、スライドやプレゼンテーション等を用いてわかりやすく事業報告や議案に関する説明を行うなど、情報提供の充実に努めています。また、バーチャル出席型ハイブリッド株主総会を導入し、会場へ来場できない株主もオンラインで出席できるよう環境整備しています。
議決権行使の円滑化に向けては、株主総会の招集通知および参考書類を法定の期限より早い時期に発送するとともに、発送に先行して当社ウェブサイトで日本語および英語の招集通知および参考書類を掲載しています。また、パソコンやスマートフォンなどを用いたインターネットによる議決権行使手段を提供しているほか、機関投資家が議案検討に十分な期間を確保できるよう、議決権行使プラットフォームに参加しています。
個人投資家に向けては、証券会社と共同で個人投資家向け説明会を開催しています。国内外の機関投資家向けには、適宜、当社グループの事業戦略等の説明を実施しています。また、証券会社主催のカンファレンスやESG説明会に参加するなど、積極的な発信に努めています。
情報開示については、当社ウェブサイト(日本語版 https://global.honda/jp/investors/、英語版 https://global.honda/en/investors/)において、当社の株主との対話に関する取り組み方針<ディスクロージャー・ポリシー>を開示するとともに、株主ならびに投資家向けに適時開示および各種会社情報を公開しています。
<ステークホルダーの立場の尊重に係る取り組み状況>当社では「ステークホルダーとの対話」が、当社の取り組みに対するより正しい理解につながるとともに、社会環境の変化やリスクを把握できる有益な手段でもあると考えています。こうした認識のもと、当社の事業活動により影響を受ける、もしくはその行動が事業活動に影響を与える主要なステークホルダーと社内各部門がグローバルでさまざまな機会を通じて対話を実施しています。その一環として、当社のめざす姿や価値創造の取り組みをステークホルダーの皆様にご理解いただくために統合報告書「Honda Report」を、そしてサステナビリティに関する基本的な考え方、ESG各領域の取り組みや関連データといった実績報告を主体としてまとめた「Honda ESG Data Book」を発行し、それぞれ当社ウェブサイトにて公開しています。
<企業情報の開示>決算発表や財務報告書による企業情報の開示にあたっては、取締役 代表執行役社長および取締役 執行役常務最高財務責任者による開示内容の正確性・的確性の確認を補佐するために、「ディスクロージャー委員会」を設置し、開示内容について審議しています。