有価証券報告書-第160期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 13:36
【資料】
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【項目】
175項目
②戦略
a. TCFD提言への対応
2020年4月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の趣旨に賛同・署名しました。ステークホルダーに分かりやすい情報開示を進めるとともに、気候変動に対する強靭性をより強化するため、シナリオ分析の高度化や開示情報の充実化に努めていきます。
b. 気候関連リスクと機会、シナリオ分析
当社は、持続可能な事業活動を進めるために事業リスクや機会の特定を進めています。特に、気候変動の影響は根源的に不確実であるため、将来を幅広に捉えた上でリスク・機会の影響度を評価し、適切に対応することが重要であると認識しています。
この認識のもと、気候変動の物理影響が顕著になる「4℃シナリオ」と、パリ協定の実現に向けて気候変動対策が加速する「1.5℃/2℃シナリオ」の2つのシナリオを想定し、リスクと機会の影響の差異を評価しました。リスクの種類として、政策規制などの「移行リスク」と自然災害などの「物理リスク」の2つの観点からリスクと影響を考察しています。シナリオの想定にあたっては、IEA※1やIPCC※2等の科学知見に基づく、外部シナリオを参照しました。
※1 IEA:International Energy Agency の略。国際エネルギー機関。
※2 IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change の略。気候変動に関する政府間パネル。
■当社の気候関連リスクの一覧と当社事業への影響
移行リスク - 1.5℃/2℃シナリオで拡大が想定される主なリスク -
分類リスク当社事業への影響
政策規制
技術
①自動車のCO2・燃費規制の強化罰金発生や販売機会の逸失など
②炭素税などの導入・強化操業コストの増加など
評判③消費者の嗜好、投資家行動の変化企業価値の低下など

物理リスク - 4℃シナリオで拡大が想定される主なリスク -
分類リスク当社事業への影響
慢性④平均気温の上昇エネルギーコストの増加など
⑤水資源リスクの変化サプライチェーンの停滞や生産コストの増加など
急性⑥自然災害の頻発・激甚化事業拠点の被災、事業活動の停止など

※下線は特に重要度の高いリスク
c. スズキの気候関連リスクと機会
気候変動の緩和策として、排出ガスやCO2・燃費規制などさまざまな法規制の強化が進められる中、これらの規制を遵守するための開発費用の負担増加は当社の業績に大きな影響を与える可能性があります。一方で、当社が得意とする「小さなクルマ」は、生産に必要な材料やエネルギーが少なく、また使用時のCO2排出量も抑えることができます。こうした当社独自の強みを活かし、リスクに適切に対処していくことで機会の創出につなげていくことができると考えます。
2023年度から、すでに開示している気候変動に伴うシナリオ分析をベースとした財務インパクト分析に着手しています。気温上昇による台風や洪水、高潮など自然災害リスクの影響度をグローバルベースで評価し、リスクの低減や回避、事業継続につなげることを目的とした取組みです。先行して、国内及びインドの自社拠点に加えて国内1次お取引先様の影響度評価を実施しています。
気候変動によるリスクの低減や回避、将来の機会獲得や競争力強化に向けて、今後も引き続き十分な検討を重ね、事業戦略への反映を進めていきます。
■特に重要なリスク項目の詳細と創出機会、当社の対応状況

自動車のCO2・燃費規制の強化
リスク・カーボンニュートラル技術(電動化など)・コストの対応遅れによる市場シェア消失
・カーボンニュートラル技術の開発投資の増加
・カーボンニュートラル技術の生産設備投資(電池など)の増加
・規制未達による罰金発生や販売機会の逸失
機会・ライフサイクルでCO2排出が少ない「小さなクルマ」による競争力の維持・強化、企業価値の向上
・お求めやすい電動車及びカーボンニュートラル燃料対応車の開発による販売機会の獲得
・インドや新興国で電動化及びカーボンニュートラル燃料対応を牽引することによる、サステナブルな経済発展への貢献
スズキの対応状況・電動化技術を集中的に開発、ハイブリッドシステムの搭載拡大、軽自動車EV・小型車EVの開発の推進
・インドの電動化の推進(電動車市場投入、電池工場投資など)
・トヨタとの提携の深化
・インドでバイオガス実証事業を開始
CNG車の燃料用バイオガス(CBG)を生産・販売するバイオガス・プラント2基の稼働を2025年より開始しています

炭素税などの導入・強化
リスク・カーボンニュートラル技術を実装した生産設備投資の増加
・炭素税や排出枠取引、国境炭素調整措置などによる操業コストの増加
機会・「小・少・軽・短・美」の特長を活かした省エネ技術をグループ・お取引先様へ展開
・インドや新興国で再生可能エネルギー利用などを牽引することによる、サステナブルな経済発展への貢献
スズキの対応状況・施行中のCO2削減施策の推進
・カーボンニュートラルなエネルギー創出
・インドで再生可能エネルギー由来電力を調達
・本社及び静岡県内工場などに再生可能エネルギー由来のCO2フリー電気「静岡Greenでんき」を導入(静岡県内のスズキ拠点はすべてCO2フリー電気を使用し、電力使用によるCO2排出量はゼロ)

自然災害の 頻発・激甚化
リスク・事業拠点の被災による事業活動の停止
・お取引先様の被災による部品調達途絶
機会・被災時に電動車をライフラインとして活用することによる需要増加
スズキの対応状況・気候変動に伴うシナリオ分析をベースとした財務インパクト分析に着手
まずは日本及びインドの自社拠点、国内1次お取引先様を対象として影響度評価を実施(気温上昇による台風や洪水、高潮など自然災害リスクの影響度をグローバルベースで評価し、リスクの低減や回避、事業継続につなげる)
影響度評価の結果、リスクが高い拠点については固定資産に対する定量評価を実施
・想定浸水深に応じた水災対策の見直し
影響度評価によって算出した想定浸水深に応じて、移転計画やBCPの見直し、止水板の設置などの対策に着手
災害対策本部訓練の企画、運営、業務復旧対策の行動基準の改訂に着手

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