有価証券報告書-第158期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 14:25
【資料】
PDFをみる
【項目】
181項目
②戦略
(ⅰ)TCFD提言への対応
2020年4月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の趣旨に賛同・署名しました。ステークホルダーに分かりやすい情報開示を進めるとともに、気候変動に対する強靭性をより強化するため、シナリオ分析の高度化や開示情報の充実化に努めていきます。
(ⅱ)気候関連リスクと機会、シナリオ分析
当社は、持続可能な事業活動を進めるために事業リスクや機会の特定を進めています。特に、気候変動の影響は根源的に不確実であるため、将来を幅広に捉えた上でリスク・機会の影響度を評価し、適切に対応することが重要であると認識しています。
この認識のもと、気候変動の物理影響が顕著になる「4℃シナリオ」と、パリ協定の実現に向けて気候変動対策が加速する「1.5℃/2℃シナリオ」の2つのシナリオを想定し、リスクと機会の影響の差異を評価しました。シナリオの想定にあたっては、IEA※1やIPCC※2等の科学知見に基づく、外部シナリオを参照しました。
※1 IEA:International Energy Agency の略。国際エネルギー機関。
※2 IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change の略。気候変動に関する政府間パネル。
■当社の気候関連リスクの一覧とシナリオ別の影響差異

(ⅲ)スズキの気候関連リスクと機会
気候変動の緩和策として、排出ガスやCO2・燃費規制などさまざまな法規制の強化が進められる中、これらの規制を遵守するための開発費用の負担増加は当社の業績に大きな影響を与える可能性があります。一方で、当社が得意とする「小さなクルマ」は、生産に必要な材料やエネルギーが少なく、また使用時のCO2排出量も抑えることができます。こうした当社独自の強みを活かし、リスクに適切に対処していくことで機会の創出につなげていくことができると考えます。
また今年度から、すでに開示している気候変動に伴うシナリオ分析をベースとした財務インパクト分析に着手しました。気温上昇による台風や洪水、高潮など自然災害リスクの影響度をグローバルベースで評価し、リスクの低減や回避、事業継続につなげることを目的とした取組みです。まずは国内およびインドの自社拠点に加えて国内1次取引先様の影響度評価を実施しました。
気候変動によるリスクの低減や回避、将来の機会獲得や競争力強化に向けて、今後も引き続き十分な検討を重ね、事業戦略への反映を進めていきます。
■特に重要なリスク項目の詳細と創出機会、当社の対応状況
  • 有価証券報告書-第158期(2023/04/01-2024/03/31)