有価証券報告書-第119期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/23 10:34
【資料】
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【項目】
183項目
③ 戦略
気候変動は将来にわたって当社の事業に影響を及ぼす重要な経営課題と認識しています。その影響を評価し、気候変動対策を経営戦略に反映させるためTCFD提言に則ってシナリオ分析を実施しました。今回(2024年度)のシナリオ分析では、2050年までの期間を対象に1.5/2℃および4℃シナリオを設定、「政策/規制」、「技術」、「市場」、「評判」、「物理リスク(急性/慢性)」などの観点を踏まえた事業リスク・機会を評価しました。
本シナリオ分析の結果を踏まえ、NOKグループとして抽出されたリスク、機会への対応策を推進していきます。また、引き続きシナリオ分析を拡充し、その分析結果を事業戦略や経営計画に反映させることで、当社経営戦略のレジリエンス向上を図っていきます。
対象期間:2050年 対象範囲:連結
参照シナリオ:WEO STEPS、WEO APS、WEO NZE、RCP2.6、RCP4.5、RCP6.0、RCP8.5など
項目1.5℃/2℃シナリオ4℃シナリオ
規制や政策(法規)炭素税の導入等、脱炭素シフトが加速
経営への影響大
脱炭素政策は大きく進展せず、
経営への影響は限定的
調達脱石油の進展により石油由来原料の代替圧力高まる
森林破壊への規制強化等により天然ゴム価格上昇
脱炭素シフトにより、鉄鋼、銅の需給がひっ迫
上記により調達コスト増加・供給に影響生じる
調達コスト増加や供給への影響は限定的
製造電化の進展により電力需要増加
再エネ導入も大幅に拡大し、対応を迫られる
電力需要の増加、再エネ導入とともに進展はするものの、1.5/2℃シナリオに比して変化は穏やか
販売(自動車)販売台数は中期で増加が見込まれるものの、長期的には多くの地域で減少
ZEV化は総じて急速に進展、普及のスピードや構成は地域により異なり、地域に合わせた販売戦略が必要
1.5/2℃シナリオに比して販売台数減少、ZEV化の動きは緩やかながら、相応に進展する
その他市場動向
(自動車以外)
水素需要は2030 年までは限定的であるものの、2050 年までには大幅拡大
脱炭素化にともない半導体需要も増加
新規グリーン市場の拡大は限定的
物理(慢性):
気候パターン変化
変化はあるが、比較的小さい大幅な変化が発生
物理(急性):
異常気象
変化はあるが、影響は限定的大幅な変化が発生

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<リスクと機会>a.物理的リスクと対応
NOKグループの生産拠点の9割以上が日本を含むアジア圏に位置し、AQUEDUCT※の洪水(河川、沿岸)リスク評価において、全拠点76拠点のうち8拠点が高リスクと評価されています。今後、気候変動が深刻化することでアジア圏の洪水や台風被害の規模や頻度が大きくなることが想定されており、現状の高リスク拠点だけでなくNOK全拠点において操業ならびに上流、下流のサプライチェーンにマイナスの影響を与えるリスクがあります。今回のシナリオ分析結果においても、4℃シナリオの急性物理リスクは、2030年から2050年にかけて中から大程度のインパクトがあると示唆されました。そのリスクへの対応策として、各拠点の自然災害によるハザードリスク評価を行い、拠点ごとの洪水リスクに合わせ、中長期的(5年以上)に、止水などの災害対策を実施しています。また、リスクに応じた原材料、製品在庫の確保を行い、上流、下流のサプライチェーンへの影響低減を図っています。
※ AQUEDUCT:世界資源研究所(WRI)が発表した水リスク評価ツール。「水の量」「水の質」「規制」「評判」などの水リスクを世界地図情報として提供しています。
b.移行リスクと対応
■販売リスクと機会
NOKグループの代表的な製品であるオイルシールは過去から自動車の内燃機関に多数採用されてきました。低炭素社会への移行が電動車の普及及び内燃車の需要減少を加速させることで、内燃車向けオイルシールの販売が減少するリスクを想定しています。今回のシナリオ分析結果においても、1.5/2℃、4℃シナリオともに内燃車の需要減少によるネガティブインパクトは大きいことが判明しております。一方、電動車の需要増加は電動車向け電装ユニット、バッテリー向けのシール製品、フレキシブルプリント基板(FPC)など販売増加の機会でもあり、大きなポジティブインパクトが見込めます。そのため、今後市場が拡大する電動車向けの製品開発・拡販を進めることで、リスクへの対策としていく考えです。また、半導体や再生可能エネルギーなど今後需要増加が見込める成長産業向けの製品開発や拡販を合わせて推進していきます。
■政策/規制リスク
1.5/2℃シナリオにおいては、世界的な脱炭素の潮流がもたらす各国の炭素税規制の制定・強化の動向により、炭素税による操業コストのインパクトが大きいことが分かりました。NOKグループのCO2排出量の9割程度は電力由来によるものであり、NOKグループが直接排出するCO2排出量への課税だけでなく、電力費用に炭素税が課されることで、事業コストが増加する懸念があります。そこでNOKグループとしては、自社の排出するCO2排出量を削減するため、CN燃料の活用や再生可能エネルギーの導入拡大など推進するとともに、CNロードマップを策定し、製造における脱炭素化を推進していきます。

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