有価証券報告書-第100期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/17 11:35
【資料】
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【項目】
150項目
(2)戦略
当社グループは、価値観やビジョンを実現し、SDGs(持続可能な開発目標)を達成するため、2020年に2030年を目安としたサステナビリティに関する当社グループの重要課題(マテリアリティ)を特定し、4つの柱となるテーマと、15のマテリアリティ、注力するSDGsテーマを特定し、ありたい姿、主な取り組み、KPIを定めて取り組み、その内容をサステナビリティデータブックおよび当社WEBサイトで開示しています。
当社のサステナビリティに関するマテリアリティは、以下の通りとなります。
*ステークホルダーとの信頼醸成
・企業倫理・コンプライアンス ・責任ある調達 ・顧客満足度の向上 ・地域社会の発展
*製品を通じた社会・顧客課題の解決
・持続可能なモビリティ社会と豊かな暮らしへの貢献
・モビリティの安全性向上 ・環境配慮製品の開発
*環境負荷の極小化
・気候変動の緩和および適応 ・持続可能な資源の利用 ・水資源の保全
*人財の尊重と活躍
・人権の尊重 ・安定した雇用と働きやすい職場 ・従業員の安全と健康
・人財育成と挑戦できる風土の醸成 ・ダイバーシティ&インクルージョン
また、2023年4月には、「思いをこめて、あしたをつくる」を当社の存在意義として「パーパス」と改め、従業員一人ひとりが活躍し、新たなる価値を創造していくことをめざしています。同時に策定した中長期経営構想「Beyond the OCEAN」の経営目標である非財務価値目標および気候変動、人的資本に関しては、マテリアリティの中でも特に重要と思われ、財務的価値とも関連が深いと考えられます。

人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
◆人的資本
人財戦略の考え方(環境整備方針)
当社グループは、パーパス「思いをこめて、あしたをつくる」を実現するために、多様な従業員が「思い」をもって活躍できる企業となることが必要だと考えています。そのために、基盤充実施策としての「人的リソースと労働環境の改善」「人権の尊重」「安全と健康」、事業成長施策としての「人財の成長」「挑戦できる風土への変革」といった課題への取り組みを両輪で進めていきます。
これらの基盤充実と事業成長を効果的に推進するには、エンゲージメントの向上が特に重要と考えます。そのため、継続的に従業員エンゲージメントを測定し、高める取り組みを推進していきます。
併せて「ダイバーシティ&インクルージョン」を重視し、性別・外国人・障がい者・高齢者などの属性や、個性や強み・弱み、健康状態・性格・信条・性的指向など、一人ひとりの違いを認め、誰もが能力を発揮できる、心理的安全性が高い職場環境を整えていきます。
これらの取り組みにより、従業員のウェルビーイングと企業価値の向上の相乗効果を生み出していきたいと考えています。
従業員エンゲージメントの向上
当社グループは、従業員エンゲージメントの向上を人財戦略の要と位置づけ、2023年度に初回の測定を実施しました(対象は単体)。結果と目標については、「指標と目標」を参照ください。従業員エンゲージメント向上の取り組みで特に重要視しているのは、経営ビジョンへの共感、上司・同僚との関係性、仕事のやりがい、成長・学びの実感であり、これらを重点取り組み事項として、全体的に取り組みを進めています。
「経営ビジョンへの共感」については、ビジョン説明会を実施し、経営陣と直接意見交換をするグループディスカッションの場を設けたり、サステナビリティ教育の強化等を行っており、成長・学びの実感については、誰もが自由に学べるWEB教育を導入するなど、積極的に教育に投資しています。上司・同僚との関係性につながる心理的安全性の向上についても、誰もが意見を言いやすい職場風土づくりや、ハラスメント防止教育等含め、地道な取り組みを進めています。また、課題のある部門については個別で改善策を実施しているほか、順次空調設備の導入、残業時間の圧縮・平準化などにも取り組み、働きやすい職場づくりを進めています。

人財育成方針
当社グループは、従業員一人ひとりが「思いをこめて、あしたをつくる」ために、自ら考え行動できる意欲ある人財を育成していきます。
特に必要とするのは、グローバルに活躍できる人財、中核を担う人財、高い目標を掲げ挑戦する人財、持続可能な社会の実現に向け課題解決できる人財です。
そのために必要なスキル・人数を見える化し不足している部分を計画的に強化していきます。
また、チームで仕事の成果を出すために必要な「人間力」を高める教育も積極的に行っていきます。
誰もが力を伸ばし、発揮していけるよう、性別・国籍・年齢・働き方等に関係なく、個性や特長を伸ばしていける学びの場の提供やキャリア支援を行っていきます。
人財戦略の考え方は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境、中長期的な経営戦略及び対処すべき課題 ①パーパスを実現する人財戦略」の記載も参照ください。
◆環境負荷の極小化(及び気候変動)
当社グループは、地球環境への取り組みについて、中長期の視野で検討し行動する必要性を認識し、2050年までの方針と目標を定め、挑戦目標として掲げています。当社グループは、地球環境のめぐみをもとにグローバルに事業を行う企業として、将来世代が変わらず自然のめぐみとともに生きているように、限りなく地球環境の負荷を下げ、気候変動の緩和と適応に努め、持続可能な社会の実現に向け、グローバルで取り組んでいきます。
SDGsマテリアリティ取り組みの方向性中長期目標
13 気候変動に具体的
な対策を
7 エネルギーを
みんなに
そしてクリーンに
気候変動の
緩和
および適応
脱炭素社会の構築に向けたCO2排出量削減CO2排出量削減(スコープ1、2)
●生産技術開発・設備更新
●生産プロセス改善
●日常改善活動
●再生可能エネルギーの導入
2030年目標
50%削減
2019年度比
2050年目標
ネットゼロ
12 つくる責任
つかう責任
持続可能な
資源の利用
循環型資源利用を加速することで、持続可能な事業を希求廃棄物排出量削減
●生産技術開発・設備更新
●日常改善活動
●不良低減活動
●マテリアルリサイクル化
2030年目標
30%削減
2019年度比
2050年目標
極小化
6 安全な水とトイレを
世界中に
水資源の
保全
地域事情に即して水使用量の極小化や水汚染リスクの低減に取り組む水使用量削減
●生産技術開発・設備更新
●日常水使用量低減活動
●水再利用促進
●表面処理仕様変更
2030年目標
適正利用
2050年目標
極小化
地域事情に応じた使用


気候変動
当社は、2022年度にTCFDに基づき、気候変動に関する当社グループのリスクと機会を、1.5度シナリオ、4度シナリオを参照して把握し、リスクと機会認識を精緻化しました。これらのリスクと機会に関する戦略は、主に「移行策」「適応策」「環境配慮製品の開発」として取り組みを進めています。以下に、2023年に開示した更新版の情報を掲載しています。
重要なリスクと機会対策
移行リスクカーボンプライシングおよびエネルギー価格の高騰「PACIFIC環境チャレンジ2050」により、以下に取り組む
・省エネ推進
・ICP(内部炭素価格)運用
・化石燃料(重油、軽油、灯油、天然ガス)設備から
省電力設備への置換
・次世代エネルギー(グリーン水素・メタネーション)
の動向把握・活用
・再生可能エネルギー(太陽光発電システム)の導入
・CO₂フリー電力、再エネ電力証書の購入
原材料価格の高騰(鉄・アルミ・樹脂など)「PACIFIC環境チャレンジ2050」により、以下に取り組む
・リサイクル材の使用強化、樹脂製品のリサイクル技術
強化、合成ゴムの廃材活用
・軽量化部品の開発、客先への価格転嫁
BEV、FCEVへのシフトによる内燃機関向け部品の受注減少・電動車向け製品の開発・拡販
機関投資家・サステナビリティ調査会社によるサステナビリティ評価悪化による、投資対象からの除外・サステナビリティ経営の強化と、積極的な情報開示(2023年、新たにFTSE Blossom Japan Indexに採用)
物理リスク異常気象による洪水や暴風雨などにより操業が停止・リスクの高い拠点のBCPに異常気象対策の組み込み
・地域社会との連携推進
熱中症の増加(空調費の増加)・空調服支給、工場断熱推進・エアコン導入
・切り替えが完了するまで、あるいは屋外作業者には注意
喚起の徹底
異常気象による洪水(および渇水)で仕入先の操業が停止・リスクの高い仕入先のBCPに異常気象対策組み込み支援
・現地生産で仕入先分散
顧客要請に応えられない場合、または
顧客で稼働が停止した場合、発注量に影響
・LCAでのCO₂削減
・スコープ1、2で削減目標設定とフォロー
・BCPの整備
機会軽量化に資するプレス製品の販売増加。
燃費向上に役立つTPMS製品の販売増加
・軽量化製品の開発、次世代型TPMSの開発
BEV、FCEVへのシフトによるバッテリーや
モーター、樹脂製品、熱マネ製品などの
受注拡大
・電動車向け売上比率の向上(経営目標)
省エネカーが法制化され、軽量化ニーズが拡大し、超ハイテン製品の販売が増加・軽量化製品の開発
水リスクに対するサプライチェーンのレジリエンスが高い・グローバルな分散生産
・現地生産におけるサプライチェーンの分散


なお、気候変動の緩和に関する脱炭素への移行イメージは以下のとおりです。

2050年度のカーボンニュートラル(スコープ1、2、グループ)に向けて、非電力の電力化を進めるとともに、省エネルギー、再生可能エネルギー利用をベースに取り組みを進めていきます。マイルストーンとして、2030年度にはCO2排出量の50%削減(2019年比)、再エネ利用比率20%をめざしています。
エネルギー削減構成
<省エネルギー>・既設設備:省エネ・日常改善活動
・設備導入・更新
工程別
溶接、照明LED化、空調、プレス/塑性加工
<再生可能エネルギー>・電力:太陽光発電(オンサイトPPA)
再エネ証書、CO2フリー電力購入
・重油:LNGガスへの燃料置換
・ガス:CNガス購入
<カーボンオフセット>・森林由来等のクレジットによるオフセット
・CO2回収によるCO2直接削減
気候変動に関するTCFDに基づく開示(2023年10月開示)の詳細は当社WEBサイトに記載しています。
https://www.pacific-ind.co.jp/sustainability/environment/climate/
◆その他、サステナビリティ関連で認識している課題について
当社グループは、サステナビリティに関するマテリアリティを特定し、それを参考にしてリスクを抽出しています。特に、人的資本(労務・安全等)、気候変動、人権、コンプライアンス、情報セキュリティ、BCP(自然災害)等をサステナビリティに関連するリスクと認識しています。人的資本、気候変動については、前述のとおりです。
人権およびコンプライアンスについては、国内・海外の子会社および仕入先に「行動ガイドライン」や「仕入先サステナビリティガイドライン」を展開し、自己点検を実施することにより周知、浸透、定着を図っています。2023年度の従業員向けの「行動ガイドライン」の自己点検実施率はグループで74%となっています。また、仕入先向けの「仕入先サステナビリティガイドライン」については、当社国内購入金額全体の80%以上となる仕入先に対して自己点検を実施し、平均遵守率は94%となっています。海外会社については2022年度に実施し、11社中7社にて購入金額全体の80%以上となる仕入先に実施し、平均遵守率93%となっています。今後、サステナビリティ・デューデリジェンスの一環で、インパクトやリスクを特定し、より踏み込んだ取り組みをしていきます。
情報セキュリティ、BCPについては、「3 事業等のリスク ⑩情報セキュリティ、⑬災害などの影響、⑭気候変動による影響」を参照ください。
なお、上記に記載のないマテリアリティに関するテーマについても、今後の状況や課題認識の変化により、有価証券報告書に記載すべきと判断される場合は、その期の有価証券報告書に記載します。

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