訂正有価証券報告書-第77期(令和1年11月1日-令和2年10月31日)

【提出】
2021/03/19 11:00
【資料】
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【項目】
164項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、創業の理想「この仕事を通じて社会に貢献する。」、「この仕事を通じて立派な人を創る。」を経営の基本理念・企業文化とし、守り育ててまいりました。創業の理想を実現するための両輪として、経営信条「良品・安価・即納」を定めて社会貢献への道を示し、社訓「信義誠実」「和衷協力」「不撓不屈」「業務奉仕」を定めて人間形成の道を示しております。
この創業の理想の実践・実現に向けて努力し続けることが、企業価値の向上につながるものと考えております。
(2)経営環境、経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、環境規制対応により加速するEV化によるコントロールケーブル用途の減少、世界的原材料価格の上昇、国内外競合メーカーとの価格競争激化、コロナ禍にともなう中長期展望の見直し、各国通商政策の自動車業界への影響等、大きな変化に直面しており、経営環境が厳しいものになっております。そのような経営環境の中で、当社グループの強みであります世界17ヶ国に展開した拠点が相互に協力・連携しながら、お客様の要望に即応することでシェアを拡大していくことやお客様の期待を上回る新製品開発・拡販が、重要な経営課題となっております。
当社グループは、経営の原点に立ち帰り、創業時の経営理念の追求と実現の為、次の3つを基本戦略として、その経営課題に取り組んでまいります。
Ⅰ.原点に戻り新しい道を拓く
Ⅱ.安心品質・高付加価値・低価格製品の実現
Ⅲ.グローバル人材の育成
そのための方策として、以下の5つを柱としております。
①市場開拓
欧州自動車メーカーをはじめ中国およびインド市場における自動車メーカーから新規受注を獲得し、欧州やインド等に新生産拠点の構築と生産能力増強を図ってまいりました。これら事業の経営の安定化を早期に実現し、当社製品の更なる世界シェアアップを図ってまいります。
また、非自動車分野における新市場の開拓を積極的に推進してまいります。
②開発強化
製品の素材と設計の最適化によって低コストで高品質化を図り、電子制御技術の強化と製品のインテリジェント化を推進し、お客様の期待を上回る新たな価値を持った製品をスピーディーに提案し、世界中のお客様に安心と喜びを届けてまいります。
また、パワーリフトゲート、電動アクチュエータ等のシステム製品の開発および医療機器、福祉関連機器、住宅関連機器等の非自動車分野の新製品開発に注力してまいります。
③グローバル価格
世界的原材料価格の上昇および自動車メーカーの生産販売のボーダレス化に対応すべく、当社グループの強みであります世界17ヶ国に展開した拠点が相互に協力・連携し、どの地域であっても当社グループの有する安心品質・高付加価値・低価格な製品を供給し、お客様の多様なニーズを先取りし、当社グループがOne Teamとなってお客様の要望に即応してまいります。
④安心品質
4S(整理、整頓、清掃、整備)が自然にできるような仕事の流れで品質管理を徹底し、世界中のどの拠点からでも安心してお客様に買っていただける体制を築いてまいります。
⑤グローバル人材
世界中のどこでもプロの技術で教え導くことのできるスキルと国際適応力を持ち、新しい活動の場に自ら進んで打って出る人材を育て、世界各国のグループ会社に派遣することによって、グローバル人材を育成してまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響と対策について
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う各国でのロックダウン、顧客の稼働停止等により、グループ各社の生産活動が低下し、連結での売上高が減少する影響を受けております。
このような状況下において、同感染症の世界各地域セグメントにおける拡大動向、行政府による規制及び顧客の操業状況の変動等の未確定要素が、今後の当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。
これらの課題につきまして、当社グループは、上述①~⑤の対策に加え、各拠点において人員削減、資材コストダウン及び経費削減等の施策を着実に実行することで今後の利益確保に努めると同時に、資金面においても金融機関との借入枠の見直し等、手元流動性の確保に取り組んでまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは以下の指標の安定的な確保と拡大を重視しております。
①社業の健全性を示す自己資本と営業利益
②株主の皆様にとっての収益性を示すROE(自己資本利益率)と配当の原資となる親会社株主に帰属する当期純利益