有価証券報告書-第64期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
(1)業績
当連結会計年度(2017年3月期)の経済情勢を概観しますと、日本では、雇用・所得環境の改善にみられるように好循環が広がりつつある中で、2016年前半の新興国経済等の海外経済の弱さや資源価格の低下等の動きが一服したこと等により、企業の業況観も改善をみせ、生産面を中心に緩やかな回復基調が続いています。一方で、企業の設備投資や個人消費といった支出面への波及はまだ十分ではない状況です。また、物価についても、国内の賃金上昇による押上げ効果を輸入品の価格押下げ効果が相殺し、横ばいの動きが続いています。
海外では、2016年前半には、2015年来の中国経済の減速に加え、米国やユーロ圏の企業部門の一部にも弱めの動きが広がり、先行き不透明感が高まりました。国際金融市場では、中国経済に対する懸念、原油価格の下落、英国におけるEU離脱を問う国民投票、地政学的リスクの影響等を背景に、景気の下方リスクが意識され、投資家がリスクオフ姿勢を強める局面が繰り返しみられました。2016年後半には、中国経済に持ち直しの動きがみられるようになり、先進国にみられた弱めの動きも和らぐ中、世界経済は全体として緩やかな回復を続けました。
このような経営環境のもと、当社グループは成長市場に軸足をおいた現地生産の拡大を進めるとともに、環境と安心をテーマとした小型化・軽量化商品、先進・高付加価値商品の開発、提供により、足元の競争力強化と将来の成長基盤構築に努めてまいりました。
当連結会計年度における新製品の開発・量産につきましては、まず、四輪車用製品として、日本及び北米で生産されるスバルの「インプレッサ」にフロントナックル・リアナックルといった当社グループのアルミ製品が採用されました。また、ホンダの「CR-V」及び長安汽車の「CS95」等にも当社グループのブレーキ製品及びアルミ製品が採用されました。
次に、二輪車用製品として、ホンダの「CB Shine SP」に前後輪連動ブレーキ(CBS)用のフロントキャリパー及びマスターシリンダー等のブレーキ製品が採用されました。当社グループは今後もCBS用製品を世界各国へ順次展開していく予定です。この他にホンダの新型「CBR1000RR/SP」、BMWの「R nine Tシリーズ」及びTRIUMPH の「STREET SCRAMBLER/CUP」にそれぞれ当社グループのブレーキ製品・アルミ製品が採用されました。特にホンダの新型「CBR1000RR/SP」に採用された二輪車用アンチロックブレーキシステム(ABS)の新製品NK2R4iは、従来品より小型・軽量となった一方、慣性測位装置(IMU)と協調することで姿勢変化や走行状態を認識し、コーナリング中の横滑り抑制やスーパースポーツ向けのブレーキとして高減速度と安定した車両挙動を両立させる最新制御ロジックにより、フラグシップモデルに相応しいブレーキ性能を提供しています。
業績面では、当連結会計年度の売上高は、アジアに加えて日本及び北米で販売が増加したものの、為替換算による影響などにより、166,889百万円と前連結会計年度に比べ0.5%の減収となりました。営業利益は為替影響はあったものの、増収効果及び原価低減などにより、12,278百万円と前連結会計年度に比べ63.9%の増益となりました。税引前利益は12,880百万円(前連結会計年度比73.9%増)、当期利益は9,560百万円(同74.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,385百万円(同84.0%減)となりました。
なお、当社グループの連結財務諸表は、前連結会計年度からIFRSに準拠して作成しています。
前連結会計年度において、当社及び子会社が営む一部の事業を、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」の規定に基づき、非継続事業に分類しています。そのため、前連結会計年度の売上高、営業利益、税引前利益については継続事業からのものを記載すると共に、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益には、非継続事業からの当期利益をそれぞれ32,219百万円、31,928百万円含めています。これらの非継続事業からの当期利益には、事業分離における移転利益39,184百万円(税引前)が含まれています。
なお、セグメントごとの業績は以下のとおりです。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、38,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,508百万円減少しました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、8,974百万円(前期は25,842百万円の収入)となりました。これは主に法人所得税の支払いの一方、税引前利益、減価償却費及び償却費の計上によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、13,892百万円(前期は2,857百万円の支出)となりました。これは主に設備投資によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、8,628百万円(前期は4,902百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払い及び短期借入金の減少によるものです。
(3)並行開示情報
IFRSにより作成した当連結会計年度に係る連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合のこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
(退職給付)
IFRSでは、数理計算上の差異及び制度資産に係る収益(確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額に含まれる金額を除く)は、税効果を調整した上でその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えていますが、日本基準では、税効果を調整した上でその他の包括利益として認識した後に、発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額を発生の翌年度から純損益に振り替えます。
また、IFRSでは、確定給付負債(資産)の純額に割引率を乗じて算定した利息純額を純損益として認識していますが、日本基準では、退職給付債務に割引率を乗じて算定した利息費用と年金資産に合理的に期待される収益率(長期期待運用収益率)を乗じて算定した期待運用収益をそれぞれ純損益に認識します。
そのため、IFRSでは日本基準に比べて、売上原価並びに販売費及び一般管理費が243百万円増加し、その他の包括利益が169百万円増加しています。
(有償支給取引)
後日、加工を行ったうえで販売することになる得意先から有償で支給を受けた部品等について、IFRSでは、仕入を認識せず売上高から当該部品等の価額を控除していますが、日本基準では、仕入を認識し売上高及び売上原価として表示します。
そのため、IFRSでは日本基準に比べて、売上高及び売上原価が1,038百万円減少しています。
(表示科目)
連結損益計算書における売上高、売上原価並びに販売費及び一般管理費以外の科目について、IFRSでは、財務関係損益については金融収益及び金融費用として計上し、それ以外の項目については、その他の収益、その他の費用及び持分法による投資損益として表示していますが、日本基準では営業外収益、営業外費用、特別利益及び特別損失として表示します。
当連結会計年度(2017年3月期)の経済情勢を概観しますと、日本では、雇用・所得環境の改善にみられるように好循環が広がりつつある中で、2016年前半の新興国経済等の海外経済の弱さや資源価格の低下等の動きが一服したこと等により、企業の業況観も改善をみせ、生産面を中心に緩やかな回復基調が続いています。一方で、企業の設備投資や個人消費といった支出面への波及はまだ十分ではない状況です。また、物価についても、国内の賃金上昇による押上げ効果を輸入品の価格押下げ効果が相殺し、横ばいの動きが続いています。
海外では、2016年前半には、2015年来の中国経済の減速に加え、米国やユーロ圏の企業部門の一部にも弱めの動きが広がり、先行き不透明感が高まりました。国際金融市場では、中国経済に対する懸念、原油価格の下落、英国におけるEU離脱を問う国民投票、地政学的リスクの影響等を背景に、景気の下方リスクが意識され、投資家がリスクオフ姿勢を強める局面が繰り返しみられました。2016年後半には、中国経済に持ち直しの動きがみられるようになり、先進国にみられた弱めの動きも和らぐ中、世界経済は全体として緩やかな回復を続けました。
このような経営環境のもと、当社グループは成長市場に軸足をおいた現地生産の拡大を進めるとともに、環境と安心をテーマとした小型化・軽量化商品、先進・高付加価値商品の開発、提供により、足元の競争力強化と将来の成長基盤構築に努めてまいりました。
当連結会計年度における新製品の開発・量産につきましては、まず、四輪車用製品として、日本及び北米で生産されるスバルの「インプレッサ」にフロントナックル・リアナックルといった当社グループのアルミ製品が採用されました。また、ホンダの「CR-V」及び長安汽車の「CS95」等にも当社グループのブレーキ製品及びアルミ製品が採用されました。
次に、二輪車用製品として、ホンダの「CB Shine SP」に前後輪連動ブレーキ(CBS)用のフロントキャリパー及びマスターシリンダー等のブレーキ製品が採用されました。当社グループは今後もCBS用製品を世界各国へ順次展開していく予定です。この他にホンダの新型「CBR1000RR/SP」、BMWの「R nine Tシリーズ」及びTRIUMPH の「STREET SCRAMBLER/CUP」にそれぞれ当社グループのブレーキ製品・アルミ製品が採用されました。特にホンダの新型「CBR1000RR/SP」に採用された二輪車用アンチロックブレーキシステム(ABS)の新製品NK2R4iは、従来品より小型・軽量となった一方、慣性測位装置(IMU)と協調することで姿勢変化や走行状態を認識し、コーナリング中の横滑り抑制やスーパースポーツ向けのブレーキとして高減速度と安定した車両挙動を両立させる最新制御ロジックにより、フラグシップモデルに相応しいブレーキ性能を提供しています。
業績面では、当連結会計年度の売上高は、アジアに加えて日本及び北米で販売が増加したものの、為替換算による影響などにより、166,889百万円と前連結会計年度に比べ0.5%の減収となりました。営業利益は為替影響はあったものの、増収効果及び原価低減などにより、12,278百万円と前連結会計年度に比べ63.9%の増益となりました。税引前利益は12,880百万円(前連結会計年度比73.9%増)、当期利益は9,560百万円(同74.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,385百万円(同84.0%減)となりました。
なお、当社グループの連結財務諸表は、前連結会計年度からIFRSに準拠して作成しています。
前連結会計年度において、当社及び子会社が営む一部の事業を、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」の規定に基づき、非継続事業に分類しています。そのため、前連結会計年度の売上高、営業利益、税引前利益については継続事業からのものを記載すると共に、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益には、非継続事業からの当期利益をそれぞれ32,219百万円、31,928百万円含めています。これらの非継続事業からの当期利益には、事業分離における移転利益39,184百万円(税引前)が含まれています。
なお、セグメントごとの業績は以下のとおりです。
| ①日本 | (売上) |
| 二輪車用製品の販売減少はあったものの、アルミ製品等の販売増加などにより、25,953百万円と前期に比べ5.1%の増収となりました。 | |
| (営業利益) | |
| 前期に事業分離による一時的な費用を計上していたこと及び増収効果・原価低減などにより、2,241百万円と前期に比べ2,999百万円の増益となりました。 | |
| ②北米 | (売上) |
| アルミ製品の販売増加はあったものの、為替換算による影響などにより、42,078百万円と前期に比べ4.0%の減収となりました。 | |
| (営業利益) | |
| 円高影響はあったものの、増収効果及び前期に減損損失を計上したことなどにより、447百万円の損失と前期に比べ1,486百万円の損失の減少となりました。 | |
| ③アジア | (売上) |
| 中国・ベトナム・タイの販売増加はあったものの、為替換算による影響などにより、86,830百万円とほぼ前期並みとなりました。 | |
| (営業利益) | |
| 為替影響はあったものの、増収効果及び原価低減などにより、10,336百万円とほぼ前期並みとなりました。 |
| ④南米・欧州 | (売上) |
| ブラジル市場の低迷及び為替換算による影響などにより、12,029百万円と前期に比べ5.5%の減収となりました。 | |
| (営業利益) | |
| ブラジル市場の低迷はあったものの、為替影響などにより、116百万円と前期に比べ492百万円の増益となりました。 |
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、38,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,508百万円減少しました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、8,974百万円(前期は25,842百万円の収入)となりました。これは主に法人所得税の支払いの一方、税引前利益、減価償却費及び償却費の計上によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、13,892百万円(前期は2,857百万円の支出)となりました。これは主に設備投資によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、8,628百万円(前期は4,902百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払い及び短期借入金の減少によるものです。
(3)並行開示情報
IFRSにより作成した当連結会計年度に係る連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合のこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
(退職給付)
IFRSでは、数理計算上の差異及び制度資産に係る収益(確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額に含まれる金額を除く)は、税効果を調整した上でその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えていますが、日本基準では、税効果を調整した上でその他の包括利益として認識した後に、発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額を発生の翌年度から純損益に振り替えます。
また、IFRSでは、確定給付負債(資産)の純額に割引率を乗じて算定した利息純額を純損益として認識していますが、日本基準では、退職給付債務に割引率を乗じて算定した利息費用と年金資産に合理的に期待される収益率(長期期待運用収益率)を乗じて算定した期待運用収益をそれぞれ純損益に認識します。
そのため、IFRSでは日本基準に比べて、売上原価並びに販売費及び一般管理費が243百万円増加し、その他の包括利益が169百万円増加しています。
(有償支給取引)
後日、加工を行ったうえで販売することになる得意先から有償で支給を受けた部品等について、IFRSでは、仕入を認識せず売上高から当該部品等の価額を控除していますが、日本基準では、仕入を認識し売上高及び売上原価として表示します。
そのため、IFRSでは日本基準に比べて、売上高及び売上原価が1,038百万円減少しています。
(表示科目)
連結損益計算書における売上高、売上原価並びに販売費及び一般管理費以外の科目について、IFRSでは、財務関係損益については金融収益及び金融費用として計上し、それ以外の項目については、その他の収益、その他の費用及び持分法による投資損益として表示していますが、日本基準では営業外収益、営業外費用、特別利益及び特別損失として表示します。