有価証券報告書-第38期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/21 11:38
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当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
第15次中期事業計画では、「電動化時代をリードできる柱の創造」「新価値商品の創造」「主幹部品の収益性追求と販路拡大」「デジタルを基軸とした経営基盤強化」「SDGs/Carbon Neutralへの挑戦」を戦略テーマとして設定し、グループ全体の事業基盤をさらに強固にすると共に、電動化を見据え新たな成長の創出を目指し事業を展開して参りました。
1.「電動化をリードできる柱の創造」
2023年2月1日から2023年6月30日の期間でBEV用モーター市場への参入/拡大を目的に「MOTOR事業拡大化プロジェクト」を発足し、モーター事業拡大のロードマップと実行計画を策定しました。その上で2023年7月に「新コア事業推進室」を発足し、計画の実行を推進して参りました。これまでの日本におけるモーターコアやローターコンプの量産実績に加え、巻線加工などあらゆる顧客ニーズに対応可能なオールラウンドサプライヤーを目指すべく、業容拡大に向け積極的に各機能本部・地域本部・拠点に施策を展開して参りました。
2.「新価値商品の創造」
新商品の事業化に向けたフローを新しく構築し、商品化に向けた進捗管理高度化及びスピードアップを図って参りました。
38期の実績として、環境問題の対策として今後拡大すると見込まれる小型EVなどの次世代モビリティ向けに、設計や組み立てのコストを大幅に削減することができる汎用フレーム「M-BASE」を上市しました。また、作業アシスト装具「BELT POWER」の上市に向け、テストマーケティングを開始しました。弊社のコア技術である流体技術を活用した「風力」を「熱」に変換し、住宅の暖房や給湯に利用する創エネ製品の研究開発を産学共同で開始しました。
3.「主幹部品の収益性追求と販路拡大」
各部品の戦略チームが中心となり各領域、各地域での戦略を見直し、課題抽出及び改善施策立案を確実に実行して参りました。主幹部品のライン最適化、生産拠点の品質体質の向上によるロスムダ削減などにより収益確保に向けた体質づくりを推進展開し、主幹部品の足固めを図ることができました。また、弊社グループの強みである技術力を生かし、高品質低価格製品の開発により海外地域を中心に新規顧客獲得提案を強化して参りました。
4.「デジタルを基軸とした運営基盤強化」
サイバーセキュリティ対策について全拠点において対策ソフト導入により24時間/365日の監視体制で運用安定化を強化して参りました。
管理領域ではマニュアル作業のデジタル化による効率改善でスリム化を実施し、製造領域では前期から進めておりますIoT化展開により、設備稼働状況自動監視やトレサビリティデータ管理自動化で最適生産活動ならびに顧客への搬入保証の精度アップを図って参りました。
5.「SDGs/Carbon Neutralへの挑戦」
気候変動への対応として中長期CO2排出量削減目標を策定し、具体的な行動計画に落とし込んでの省エネ施策等取り組みを進めております。世界では脱炭素社会に向けた取り組みがさらに加速する状況を認識し、当社グループとしてカーボンニュートラル達成に向けた対応をより一層強化しております。
また、人的資本の拡充に向けてありたい人財像を「“活き活き”と日々行動し、チャレンジを楽しむ人財」と新たに定義しました。このありたい人財像をベースに、人財の能力を継続的かつ最大限に引き出すための取り組みを強力に進めております。この取り組みを通じ、従業員の働く満足度向上、エンゲージメント強化に努めることで、組織全体の成長と競争力の強化へも繋がるものと考えております。また、職場環境改善にも取り組み、一人ひとりが活き活きと働ける環境整備に努めて参ります。今後もこれらの取組の深化により、経営戦略の実現に向け推進して参ります。
また、個別優先課題への対応状況としては、
①モーター部品の収益性向上・ビジネス拡大
稼働率の向上及びコストの削減により、継続的に収益性向上が図られています。38期は、中国やアジア地域中心に営業活動を強化して参りました。また、ビジネス拡大に向けた設備、開発投資も継続しております。
②生産体質・管理体質強化による国内黒字化
国内生産体質強化への取り組みとして各部品戦略チームによる各領域の戦略の見直し、課題抽出及び改善施策を実行して参りました。目標に向けた確実な施策実行により、生産体質強化へ繋がりました。管理体質に関しては、デジタルを基軸とした運営基盤強化により管理業務のスリム化を実施しました。
生産体質・管理体質強化に伴う効果に加え、円安効果や販売価格の改定などにより当社個別業績は営業黒字を達成致しました。
また、当社は、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得の見込み及び利益計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しておりますが、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合は、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。この会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積を伴う判断」に記載しております。
今後においては、引き続き施策を確実に実行し継続した国内黒字化に向けた取り組みを推進して参ります。
③主幹部品の他販拡大
各地域においてターゲットとなる顧客を定めニーズや困りごとを把握して営業推進を実施しました。また、各部品レベルで原価低減施策を強力に展開した結果、中国の顧客向けのサイレンサー量産開始やインドの顧客向け二輪ディスク生産の受注獲得などを実現しました。
④SDGs対応に向けた取り組み強化と発信
Yutakaフィロソフィーに基づき、「豊かな社会づくりへの貢献」や「新しい技術とアイデアでチャレンジする」など持続可能な社会の実現に貢献する企業行動を実践すると共にSDGsに賛同し、「事業活動を通じた社会課題の解決」とそれを支える「経営基盤の強化」のため、優先課題(マテリアリティ)を設定しました。
またホームページの刷新をはじめ、公式SNSの開設等により情報発信をより強化して参りました。。
⑤半導体不足、インフラ高騰等のリスクへの対応
急激な市場変化の影響を最小限とするため生産数量の増減に影響されにくいフレキシブルな生産・調達体制の構築を進めてきました。また、インフラ高騰等については、筋肉質な体質に向けたコスト削減と顧客への価格交渉を継続的に実施することで対応して参りました。
また、足元の環境変化に対応すべく、39期においては以下3点を個別優先課題として取り組んで参ります。
①主幹部品とモーター部品の他販拡大
②海外子会社の体質強化と収益性の向上
③SDGs対応に向けた取り組み強化
当連結会計年度の売上収益は、2,162億6千万円(前年同期比0.8%減)、営業利益111億1千7百万円(前年同期比188.6%増)、税引前利益120億2千2百万円(前年同期比143.7%増)、当期利益83億7千9百万円(前年同期比411.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益74億4千8百万円(前年同期比415.9%増)となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
(日本)
売上収益は顧客からの受注増及び海外からの収入増に加え為替変動により増収、利益面においては増収効果に加え費用削減施策の効果等により、売上収益420億6千3百万円(前年同期比16.1%増)、営業利益10億7百万円(前年同期は営業損失17億7千3百万円)となりました。
(北米)
売上収益は顧客からの受注増に加え為替変動により増収、利益面においては増収効果に加え原材料や輸送費高騰分の価格転嫁等により、売上収益652億1千3百万円(前年同期比13.4%増)、営業利益16億3千7百万円(前年同期比470.4%増)となりました。
(アジア)
主にインドネシアにおいて自動車部品二輪が好調に推移したことにより、売上収益358億9千6百万円(前年同期比24.1%増)、営業利益33億1千9百万円(前年同期比151.5%増)となりました。
(中国)
製品に含まれる貴金属の価格下落や顧客からの受注減の影響により減収したものの、利益面においては費用削減施策の効果等により、売上収益883億7千3百万円(前年同期比17.7%減)、営業利益49億8千2百万円(前年同期比23.4%増)となりました。
(その他)
顧客からの受注増や工場移転に伴う売却益の発生により、売上収益15億4百万円(前年同期比33.6%増)、営業利益3億9千5百万円(前年同期比172.8%増)となりました。
(注) 上記に記載しているセグメント別の売上収益は、外部顧客への売上収益とセグメント間の内部売上収益の合計であります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
1.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
日本31,5203.1
北米63,6795.1
アジア34,38322.7
中国84,645△15.5
その他1,56945.7
合計215,796△2.1

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。その内容等については、「第2「事業の状況」4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績の状況」に記載しております。
2.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期末比(%)
日本30,71221.32,47325.8
北米68,79520.28,083101.0
アジア34,06924.62,42043.8
中国84,131△14.15,888△28.6
その他1,50732.6968.2
合計219,2154.918,95918.5

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、受注高及び受注残高に著しい変動がありました。その内容等については、「第2「事業の状況」4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績の状況」に記載しております。
3.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
日本30,20516.9
北米64,73413.4
アジア33,33320.7
中国86,488△18.7
その他1,50033.3
合計216,260△0.8

(注) 1.金額は販売価額によっております。
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。その内容等については、「第2「事業の状況」4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績の状況に記載しております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
東風本田汽車有限公司80,11936.867,30631.1
ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シー29,70013.627,13912.5
本田技研工業株式会社22,35210.326,38612.2
ホンダカナダ・インコーポレーテッド16,8767.722,45110.4

(3) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては、主に現金及び現金同等物の増加はありましたが、営業債権及びその他の債権や有形固定資産の減少により、前連結会計年度末に比べ140億2千2百万円減少し、1,856億1千1百万円となりました。
負債につきましては、主に営業債務及びその他の債務や借入金及びその他の流動負債が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ264億2千2百万円減少し、757億9千1百万円となりました。
資本につきましては、利益剰余金やその他の資本の構成要素の増加により、前連結会計年度末に比べ123億9千9百万円増加し、1,098億2千万円となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況
①資金需要の動向
当社グループの財務戦略の基本的な考え方は、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを基本方針としております。
強固な財務体質の維持に関しては、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に厳格な財務規律の下で負債の活用も進めることにより、資本コストの低減及び資本効率の向上に努めて参ります。
当社グループの2024年3月期の資本コストは、加重平均資本コスト(WACC)で算出すると4.6%であります。今後も、利益の向上に努め資本コストを上回る高い付加価値を生み出し、企業価値の向上を目指します。
収益計画の基本的な方針については、事業環境の変化に対し、部門及び案件ごとの正確な収益分析を行い、主幹部品の収益性の向上、事業の選択と集中で事業性の向上を図り、利益を確保することとしております。
当社グループとしての、利益配分の基本方針としては、「成長投資への支出」「株主還元の充実」「有利子負債の返済」をバランスよく配分することを目標としております。
成長投資への支出としては利益成長への資本活用として、新機種投資、次世代製品投資、改善合理化、開発投資及びモーター事業拡大、販路拡大に向けた投資を行い収益拡大を図るとともに、将来に向けた人的資本投資を行って参ります。
株主還元の充実としては安定的及び持続的な配当額の向上を基本方針とし株主還元の充実を図って参ります。
有利子負債の返済については、事業活動により得られた資金のうち、投資と株主還元を差し引いたフリーキャッシュフローにより有利子負債の返済を進め、無借金経営を目指して参ります。
②資金調達の方法
当社グループは事業活動維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。
設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則としておりますが、安定的な資金調達手段としては、金融機関からの借入等を一部活用しております。
また、緊急時の対応として国内金融機関において、アンコミットメントラインを設定しており、柔軟な対応ができる流動性を確保しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、469億2千5百万円(前年同期末比45.0%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は223億5千万円(前連結会計年度比450.1%増)となりました。これは主に税引前利益や減価償却費及び償却費、営業債権及びその他の債権の減少額による収入が、営業債務及びその他の債務の減少額や預り金の減少及び法人所得税等の支払額による支出を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は31億5百万円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。これは主に新機種投資等に伴う有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は66億3千3百万円(前連結会計年度比13.6%減)となりました。これは主に借入金の返済や配当金の支払によるものであります。
4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

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