有価証券報告書-第90期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 14:29
【資料】
PDFをみる
【項目】
122項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)を取り巻く経済環境は、米国・欧州を
中心とする堅調な個人消費、及び国内における輸出や鉱工業生産の好転により、緩やかな回復基調で推移しました。
自動車業界におきましては、世界最大マーケットの中国市場を中心として緩やかな市場拡大が続く中、業界内外
各社による自動車の電動化・知能化・サービス化等の産業構造変化に向けた取組が加速しております。
このような事業環境の中、当社グループは、ステークホルダーの皆様からの期待に応えながら、更なる成長に向
けて、グローバル生産販売及び商品開発力の強化、グローバルプラットフォーム※1の構築を図ってまいりました。
まず、グローバル生産販売及び商品開発力の強化については、欧州の大手鍛造・機械メーカーであるHAYグループの買収により欧州有力顧客網への販売を促進し、PT※2事業における商品ラインアップを拡充し、当社グループの技術の融合による商品開発力の強化に着手するとともに、米国及びカナダの現地法人内にテクニカルセンターを開設し、北米市場に密着したPT及びLS※3事業の商品開発体制の拡充を行いました。
グローバルプラットフォームの構築に関しては、平成28年8月に当社の基幹システムを世界標準システムのERP
システムに刷新し、当該基幹システムを当社グループ内における世界統一のグローバルプラットフォームとして、順次展開、活用する基盤を構築いたしました。
※1=グローバルオペレーションのベースとなる統一された基幹システム
※2=Power Train : パワートレイン(自動車の駆動系部品)
※3=Linkage & Suspension : リンケージ&サスペンション(自動車の操舵系・懸架系部品)
これらの施策の実施により、当連結会計年度における連結売上高は、買収したHAYグループの業績加算及び中国・インドネシアを中心としたアジア地域の増収により180,522百万円(前連結会計年度比9.8%増)となりました。
一方、収益面では、円高影響、買収費用、並びに無形固定資産及びのれんの償却費の計上により、連結営業利
益は11,166百万円(同16.7%減)となりました。同様に、連結経常利益は10,323百万円(同9.8%減)、親会社
株主に帰属する当期純利益は6,315百万円(同7.2%減)となりました。
日本地域は国内需要の伸び悩み、年度初めの熊本地震の影響により、売上高は27,221百万円(同1.8%減)、セ
グメント利益は2,138百万円(同15.0%減)となりました。北米地域は、主要顧客からの受注台数増加がありまし
たが、円高の影響により、売上高は42,274百万円(同9.9%減)、セグメント利益は2,371百万円(同19.5%減)
となりました。欧州地域は、HAYグループの連結業績加算により、売上高は34,269百万円(同415.7%増)となりましたが、買収に伴う無形固定資産及びのれんの償却費計上等によりセグメント損失は333百万円(前連結会計
年度は942百万円の利益)となりました。アジア地域は、主として中国・インドネシア地域では需要が増加したも
のの、円高の影響が大きく、売上高は69,779百万円(前連結会計年度比5.4%減)、セグメント利益は7,427百万
円(同3.9%減)となりました。南米地域は、ブラジル二輪市場低迷の継続により、主要顧客からの受注台数減少
が響き、売上高は6,977百万円(同25.3%減)、徹底的な構造改革を実施いたしましたが、セグメント損失は725
百万円(前連結会計年度は1,132百万円の損失)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ18,443百万円増加し、当連結会計年度末には32,697百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変化要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、19,445百万円(前連結会計年度比15.3%減)となりました。これは主に売上債権増加と法人税の支払額増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、41,236百万円(同303.8%増)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出ならびに有形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、40,892百万円(前連結会計年度は7,585百万円の使用)となりました。これは主に長期借入れによる収入ならびに連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入によるものです。