有価証券報告書-第80期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 10:11
【資料】
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【項目】
156項目

有報資料

文中において将来に関する事項が含まれていますが、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社は2005年9月の創立50周年を機に、経営に対する普遍的かつ基本的な方針・姿勢を経営理念として制定しました。これは、経営基本方針や事業別方針の最上位に位置づけられるものです。
当社は航空業界において、製造と整備をベースとした「技術立社」として、誠実・公正、責任感と義務感をあらわす「士魂」の精神の下に、全役職員が等しく以下の経営理念を強く意識し、その実現に向けて努力してまいります。
[経営理念]
技術のジャムコは、士魂の気概をもって
○ 夢の実現にむけて挑戦しつづけます。
○ お客様の喜びと社員の幸せを求めていきます。
○ 自然との共生をはかり、豊かな社会づくりに貢献します。
[経営基本方針]
○ 飛行安全の確保と品質の向上を図る。
○ 航空業界を基軸に、技術力を生かした付加価値の高い製品及びサービスを供給する。
○ 株主への還元、社員の幸せを目指し、社業を通じて社会に貢献する。
○ 変化に柔軟に対応した企業構造及び事業内容を追求し、顧客満足度と企業価値の向上を図る。
又、連結子会社につきましては、各事業の顧客、市場及び所在地域の優位性を考慮のうえ、子会社単独の利益追求にとらわれず、各事業の最適化と企業集団としての企業価値増大を志向した運営を行っています。
当社の事業は4つの事業分野で構成されています。製造事業として航空機の客室内を対象とした「航空機内装品等製造関連事業」と「航空機シート等製造関連事業」、客室外を対象とした「航空機器等製造関連事業」があり、整備事業として「航空機整備等関連事業」があります。
それぞれの事業ごとに、市場、顧客及び必要とされる技術等が異なることから、以下の事業別方針を定め、事業ごとの経営戦略プランを策定しています。
[事業別方針]
○ 航空機内装品等製造関連事業
QCD:品質・コスト・納期の追求と生産・技術革新への挑戦を続け、他社を凌駕する高付加価値の製品・
サービスの提供により、内装品のトップ・メーカーとなる。
○ 航空機シート等製造関連事業
革新性と快適性を追求し、顧客満足度の高い、安全で高品質な製品を供給する。
当面は、標準化したプラットフォームを活用したプレミアムクラス・シートの提供に注力し、事業基盤
確立と、将来に向けた投資を行う。
○ 航空機器等製造関連事業
先端技術と熟練技能を融合させた高度な設計・生産技術を追求し、付加価値の高い製品及びサービスを
顧客に提供する。
○ 航空機整備等関連事業
飛行安全を基本に、継続性の高い事業を主体にすると共に、技術力主導の高付加価値を生む業務の比重
を高める。
(2)目標とする経営指標
目標とする経営指標につきましては、中期経営計画に沿った目標値として次のとおり設定し、効率的経営に努めてまいります。
・収益性指標: 連結売上高経常利益率 7%以上
・効率性指標: 連結ROA 7%以上 (総資産経常利益率)
・配当方針 : 持続的な成長や事業リスクに備えた財務の健全性とのバランスにも配慮の上、連結配当性向 20~30%を目安とする
(3)経営環境及び対処すべき課題
当社グループは中期ビジョンを「~航空機分野に特化し、内装品事業を基軸に、機器製造、航空機整備の能力を集約し、航空機内装品のリーディング・カンパニーとなる~」と掲げ、グループが一致団結して目標達成に向けて取り組んでいます。主な事業とその経営環境は次のとおりです。
航空機内装品等製造関連においては、ボーイング社と双通路型旅客機向けラバトリー及び787型機向けギャレー供給契約を結び、エアバス社とA350型機向けICE (Increased Cabin Efficiency)リヤギャレー供給契約を結んでいます。又、国内外の主要なエアラインへ新造機用ギャレーに加え、客室内改修用の各種内装品の供給とエンジニアリング・サービスを提供すると共に、航空機メーカーと主要なエアライン向けのサービス拠点(米国、欧州、アジア地域)を設置してサポートを充実させています。特に当社製品は国内外100社を超えるエアラインにご利用頂いていることから、内装品の補用部品(スペア・パーツ)販売は重要な収益基盤となっています。
航空機シート等製造関連においては、2014年4月に航空機用シート事業に本格参入してから6年間でお客様から高い評価を得ており、着実に当社製品の販売数量は増加しています。しかしながら、業績においては安定した利益創出に至らず、コスト削減に向けた業務プロセス改善と効率的なサプライチェーン構築に取り組んでいます。
航空機器等製造関連においては、エアバス社と炭素繊維構造部材の供給契約を結んでいます。更に当社製品が他の機体部位に採用されるよう研究開発に取り組んでいます。
航空機整備等関連においては、防衛省、海上保安庁、他官公庁等の機体整備のみならず、機体改修等技術的な支援サービスを充実させています。又、国内エアライン向けのサービスの拡大に向けた事業展開を進めています。
いずれの事業においても、航空旅客需要の拡大を受けて堅調に事業拡大を進めてきましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けて経営環境が変化すると共に、品質事案に関する是正・再発防止施策も含めて、対処すべき課題を次のように認識しています。
世界経済は、米中貿易摩擦を背景に経済活動にブレーキが掛かり成長率は前年度から減速するなど先行き不透明な状況となりました。又、新型コロナウイルス感染症拡大による未曾有の事態により、移動制限や感染防止等により、深刻な経済損失が世界各国に及ぶなど急激に景気が後退する危機的状況となりました。
航空輸送業界においては、航空旅客需要の急激な減少に伴い、大規模な減便や運休が発生するなどエアラインは甚大な損失を被っております。
為替変動に関しては、米国政策金利の利下げや各国の経済政策の動向と地政学的リスクの高まりにより先行き不透明の状況にあり、リスク回避の動きが強まることで急激な為替変動リスクが懸念されております。
航空機内装品等製造関連においては、SMS(安全管理システム)の確実な実行と、QMS(品質管理システム)の見直しによる品質管理体制を強化すると共に、「技術と品質のジャムコ」として、QCD:品質・コスト・納期の更なる向上と、新規設計開発の確実な実行、次期内装品事業の成長の種(新規分野・新技術・新材料)へ投資を行い、競争力強化を推進してまいります。
航空機シート等製造関連では、安定的な収益基盤の構築のため、標準型プラットフォームを活用したビジネスクラス・シート(Venture)の販売拡大に取り組み、マネジメント力の向上及びサプライチェーンの連携強化を図り供給体制の整備を行うと共に、次期標準型シートの開発により、継続的な成長戦略を実行してまいります。
航空機器等製造関連では、設計製造能力の向上、NADCAP 認定を取得している特殊工程技術力の活用により競争力を強化し、技術的付加価値の高い製品の受注促進に努めてまいります。ADP事業は新製品の開発、新規分野への展開を含めてビジネスモデルの再構築に取り組み、又、機器製造の技術力を内装品・シート事業へ展開しシナジー効果を高めてまいります。
航空機整備等関連では、選択と集中により高付加価値を提供するMRO(Maintenance Repair Overhaul)事業への転換を推進し、安定した収益を上げると共に、整備事業を通じて得た情報を内装品・シート・機器事業へフィードバックすることで、グループ経営におけるシナジー効果を高めることに取り組んでまいります。
当社は、2019年3月26日付の「不適切な検査業務および第三者による特別調査委員会設置について」にて公表した不適切な品質事案に関しては、同年8月20日付で国土交通省東京航空局長殿より、航空機内装品・機器事業本部に係る認定事業場(認定番号第094号)に対する業務改善命令を受領いたしました。当社は、業務改善命令を厳粛に受けとめると共に、不適切な品質事案に関して調査を委託した第三者による特別調査委員会からの提言も踏まえ、策定した再発防止に係る諸施策を実施し、このような事態を再び繰り返すことがないよう、品質第一、コンプライアンス遵守の企業文化を再構築し、信頼回復に努めてまいります。
又、新型コロナウイルス感染症拡大は航空機による移動制限をもたらし、世界中のエアライン及び航空機メーカーは減便・減産を余儀なくされています。航空業界に事業の軸足を置く当社グループにとっても、かつてない厳しい状況下にあり、今後の市場動向を的確に捉え当面はその状況が続くものと想定し、業務のムリ・ムダ・ムラを排除して緊縮を図ると共に、全社レベルでの品質、生産、財務、人財、IT戦略を含めた業務プロセス改革を推進して、品質向上、収益力向上にスピード感をもって取り組んでまいります。
事業別の対処すべき課題は次のとおりです。
[航空機内装品等製造関連]
① 措置報告書の是正策を確実に実行すると共に、品質システムの改革に取り組む。
② 生産プロセスの改革を行い、生産管理基幹システム更新、資材管理プロセスと技術開発プロセスの改善を進め、安定した生産体制の構築に努める。
③部品内製化、スペア部品供給体制の充実と委託先管理の強化、海外委託先開拓などの施策を推進し、サプライチェーンマネジメントの強化に努める。
④ 開発コストとリードタイムの削減、グループ会社を含めた技術リソースの有効活用と作業量の平準化を実現し、技術競争力の向上を図る。
[航空機シート等製造関連]
① Venture Seatの受注拡大に向けて販売を強化すると共に、安定的な生産による量産化を進め、安定収益化を図る。
② 標準型プラットフォームを活用した次期プレミアム・シートへの投資と魅力的な製品開発を進め、継続的な成長戦略を策定して事業を推進する。
③ グループサプライチェーンの連携強化を図り、生産効率を向上する。
[航空機器等製造関連]
① 技術的付加価値の高い製品の受注拡大を図り、競争力を強化する。
② 設計製造能力の向上を図り、提案型の新たな製品開発により事業域拡大を推進する。
③ 機器製造の技術力を内装品事業・シート事業へ応用し、内製化製品の生産数増大を図り、新たな内製化製品の検討を進める。
[航空機整備等関連]
① 飛行安全の確保と品質保証体制のたゆまぬ強化を図る。
② 付加価値の高い新たなビジネスへの取組みを強化する。
③ 安定した収益を上げることのできる事業基盤を構築する。

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