有価証券報告書-第157期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 9:45
【資料】
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【項目】
150項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、社是「科学技術で社会に貢献する」、経営理念「『人と地球の健康』への願いを実現する」のもと、永年の事業で培った技術、ノウハウを活用し、複雑化・多様化する社会の課題や要請に応える製品・サービスの提供と、それを基にした社会課題解決のための仕組み作りを行い、企業価値の向上に努めています。
また、社是、経営理念に次いで「地球・社会・人との調和を図りながら、社会課題に取り組み、明るい未来を創造する」という当社の基本姿勢を表したCSR憲章を制定し、「事業を通じた社会課題の解決」と「社会の一員としての責任ある活動」の両輪で企業活動を行い、社会的責任を果たすことを目指しています。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき課題
1) 経営環境および中期的な成長戦略
2020年は、新型コロナウイルス感染の拡大により、世界各地でビジネスへの影響が出ています。4月には、中国の経済活動に再開の兆しが見え始めましたが、欧・米・東南アジアの都市封鎖は継続し、また、今後南米やアフリカへも影響が出ると予想されています。その結果、世界経済の成長率はマイナス3%と予想されており、2008年に始まったリーマンショックを超える経済危機が訪れると見られています。一方で、2021年以降は、各国の経済支援策と相まって経済はプラス成長に転じることが期待されています。
当社においても、短期的には大変厳しい事業環境に直面することを想定した対処を進めます。リーマンショックの際には、売上高が大きく減少しましたが、今回はそれ以上の影響を受けることを想定した上で、利益を確保するために設備投資の見直し、研究開発テーマの優先順位付け、製造コストや管理可能経費の削減などにより、生産性向上と経営の健全性維持を図ります。
中長期的には、2017年より開始した『世界のパートナーと社会課題の解決に取り組む企業』への挑戦を継続発展させ、2020年から始まる新中期経営計画ではヘルスケア問題や環境問題をはじめとする『社会課題解決のための仕組み作り』を進め、持続的な事業成長を目指します。
2) 2020-2022中期経営計画期間の取り組み
新たな中期経営計画は、新型コロナウイルスの感染拡大という厳しい経営環境からのスタートとなりました。現在、新型コロナウイルスの感染有無を短時間で検査できるPCR検査試薬キットを開発販売し、緊急で大幅な増産体制を敷いて取り組んでいます。また、肺炎診断に使用される移動型のⅩ線撮影システムの増産にも取り組んでいます。島津グループ一丸となって、この新型コロナウイルスの感染拡大防止に寄与する活動に最優先で取り組むとともに、このような事態に対する危機管理を適切に遂行し、経営の健全性維持を図りつつ、事業成長の実現に取り組んでまいります。その際に、事業成長を支えるのは、当社の強みである液体クロマトグラフや質量分析システムといった重点製品です。これらを世界で販売強化するとともに、リカーリング事業を拡大させることで、持続的な事業成長の基盤強化に努めます。具体的には、以下の4つの成長戦略と成長基盤の強化を通じて、戦略パートナー・事業パートナーと共に当社の製品やサービスが社会課題解決に役立つ仕組みを構築することを目指します。
3) 4つの成長戦略と成長基盤の強化
① 重点事業の強化
計測機器事業の液体クロマトグラフと質量分析システムを中心に、全社のリソースを活用し、製品ラインナップの拡充と欧米でのシェア向上を目指します。そのために、世界各地のイノベーションセンターを強化・活用し、顧客・市場ニーズへの対応を速め、データ活用やロボットによる自動化を組み合わせたソリューション創出を推進します。
② 海外事業の強化
海外での事業成長を実現するために、重要拠点の機能を強化し、各地域での強い産業、強い顧客と連携した事業成長を推進します。地域の事業特性を踏まえ事業を拡大・育成・撤退に峻別し、メリハリのある投資により、海外売上高比率の向上を目指します。
③ リカーリング事業の拡大
前中期経営計画において新たに島津グループの一員となった海外各社と連携し、アフターマーケット事業の着実な成長を目指します。また、『社会課題解決のための仕組み作り』は当社の製品・サービスが繰り返し利用される状況を生み出すビジネスモデルそのものです。データやアプリケーションを活用し、課金方式などの新たな販売形態も取り入れ、業績基盤の構築を図ります。
④ 成長分野での事業拡大
パートナーと協力して社会課題を解決することで新市場を創出し、当社の中核となる製品・サービスを拡大することを目指します。北米イノベーションセンターや国内研究機関と進める機能性食品分析といった市場の創出を先行事例として、社外の事業パートナーとの協働を強化し、新市場創出を加速します。そのために、開所したヘルスケアR&Dセンターの活用や、世界各地のイノベーションセンターの機能強化、事業シーズを育成する新たな仕組みを構築します。
⑤ 事業ポートフォリオの見直し
当社は、2018年度まで6期連続で増収・増益を続けてきましたが、個別の事業や機種において成長のパターンは様々でした。既に、一部の機種の撤退を計画的に進めていますが、この動きを加速させ、新たな経営指標に基づき、拡大・育成・撤退の区別のもと、事業ポートフォリオの見直しを進めます。
事業別の対処すべき課題として、中長期で目指すことおよび中期経営計画の中で実施する主な取り組みテーマは、以下のとおりです。
・計測機器事業
液体クロマトグラフと質量分析システムを全社の重点事業と位置づけ、3年間の全社売上と営業利益の増加を牽引します。液体クロマトグラフ等の重点機種は海外の市場規模が8割以上を占めており、重点事業を伸ばすためには、海外で伸ばすことが必須となります。そのため北米・中国・欧州・アジアでの高い成長の実現に向けて新製品の開発はもとより、試薬・消耗品事業の拡大と、AIやIoTを活用した顧客課題解決型サービスなど、新しい価値の提供を目指します。
・医用機器事業
収益性が改善してきたⅩ線TVシステムの拡販と、新たな柱となる製品の創出を進めます。前者は直販化を進める米国での事業強化、後者は医用-分析融合による新たなビジネスモデルの確立に取り組みます。その上で、事業の新陳代謝を図り、中長期的には新しい島津医用ブランドを確立することを目指します。
・産業機器事業
情報機器向けなど継続的な需要増が見込まれる半導体の製造に不可欠なターボ分子ポンプを柱とした事業成長を継続しつつ、本セグメント事業全体を伸ばすため、工業炉等の既存製品の育成に取り組みます。同時に、安定した収益体質を構築するため、サービス事業の比率を高める施策を強化します。また、油圧機器分野では、日本と中国の2拠点生産体制を強化し、欧米において販売活動を強化し、事業規模の拡大を目指します。
・航空機器事業
長期的に安定した成長・収益が確保できる事業となるには、製品毎に拡大・育成・撤退を区分し、防衛・民間航空の区別なく選択と集中を進めることが必要です。その上で生み出した事業資源を、航空機器の試験検査事業の早期立ち上げに投入し、収益構造の転換を大胆に進めます。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、3ヵ年の中期経営計画において、連結売上高4,000億円以上、営業利益460億円以上、営業利益率11.5%以上、株主利益重視の観点から自己資本利益率10.0%以上を、最終年度である2023年3月期の目標数値としています。

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