有価証券報告書-第163期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 15:14
【資料】
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【項目】
176項目
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、社是「科学技術で社会に貢献する」、経営理念「『人と地球の健康』への願いを実現する」のもと、永年の事業で培った技術、ノウハウを活かし、複雑化・多様化する社会の課題や要請に応える製品・サービスの提供、それを基にした社会課題解決の仕組み作りを行い、ステークホルダーからの信頼の獲得と、企業価値の向上に努めています。
また、社是・経営理念に基づく事業活動を通してサステナブルな社会を実現するために、「島津グループサステナビリティ憲章」を制定しました。グループ全体で、「地球環境とグローバル社会の持続可能性」、「島津グループの事業活動の持続と成長」、「従業員の健康とエンゲージメントの向上」を目指して、サステナビリティ経営を実践していきます。
これからも、地球・社会・人との調和を図りながら、“事業を通じた社会課題の解決”と“社会の一員としての責任ある活動”の両輪で企業活動を行い、明るい未来を創造します。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき課題
1) 4つの社会価値創生領域における各事業の取り組み
①ヘルスケア領域
ライフサイエンス分野では、低分子医薬品、バイオ医薬品市場および食品市場を中心に、液体クロマトグラフ(LC)や質量分析システム(MS)を重点機種と位置付け、AIとロボティクスによる分析プロセスの革新を提案し、お客様の業務効率化・省力化に貢献するとともに、製造工程の分離分析ニーズへも事業領域を広げていきます。
メドテック分野の臨床MS事業では、分析の安定化と迅速化、対応試薬の拡充、前処理機能の強化を進め、お客様へトータルソリューションを提供します。感染症検査事業では、微生物同定MALDIの展開と、試薬と培地の拡充を通じて診断の迅速化と検査対象拡大に貢献します。医用機器事業では、引き続き医療現場における患者負担の軽減や医療スタッフの業務効率向上に貢献するため、AI画像解析とIoT技術を融合した新製品投入とアフターサービスの強化を進めます。
②グリーン領域
地球の健康とカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを継続します。人体への影響から世界で問題となっている有機フッ素化合物(PFAS)規制への対応や、各国で進む水素やアンモニアなどの新エネルギー開発、温室効果ガス(GHG)低減への貢献を目指し、LCMSやガスクロマトグラフ(GC)などの分析装置に、前処理や自動化装置を組み合わせた用途別専用システムを開発投入し、幅広いニーズへの対応を進めていきます。
③マテリアル領域
新素材や高機能材料の開発とサーキュラーエコノミー実現に向けて必要とされる計測機器事業を強化します。特に、電池・半導体・樹脂や金属などの各種材料分野で進む新素材や高機能材料の開発に必要な最先端計測の、高機能・高性能化を進めます。加えて、自動化装置やインフォマティクスを活用した複合計測・解析も組み合わせ、付加価値の高いソリューションを提供します。また、走査電子顕微鏡を加えた表面観察事業を拡大し、ナノ領域の表面観察分野における高付加価値ソリューションの提供にも力を入れます。
④インダストリー領域
AIおよびデータセンターの発展を背景に成長が見込まれる半導体市場に対し、ターボ分子ポンプ(TMP)事業を通じ、世界の製造装置需要に対応するとともに、TMPの顧客基盤・サービス網を活用して、当社の保有する純水・ガス・表面分析・材料計測システムを展開します。特に、電子顕微鏡や非破壊検査装置を活用して、半導体製造プロセスにおける不良解析での貢献を目指します。
航空機器事業では、防衛および民間航空機市場での将来需要を予測しながら、中長期的に成長と収益を確保できる事業体制の確立を進めます。
2)リカーリングビジネスの拡大
アフターサービスと、試薬・カラムなどの消耗品の両輪で、リカーリングビジネスの拡大に取り組みます。特に、顧客の開発から製造までのワークフロー全体に密着し、自社開発・協業による商材拡充、マルチベンダーサービスの拡大、AI・IoTを活用した保守事業の高度化、Labの設計・運用から移設までの全てをカバーするLabTotal事業を展開し、製品のライフタイム全体での提供価値最大化を図ります。
3)海外事業の拡大
海外全地域で事業展開を強化・拡大し、世界のお客様ニーズに貢献します。特に、
①北米ではR&Dセンターを核に最先端市場の顧客との関係を深化させ、バイオ医薬、臨床、環境規制市場でのエコシステム提案により事業拡大を図ります。
②インドでは新工場建設を含むMake in India政策への対応を進め、製薬・受託分析に加え、次世代モビリティ、電池、環境市場への貢献を強化します。
③中国では国産優遇政策に対応する機種を拡充し、事業の維持拡大を図ります。
④欧州では臨床MSセンターを活用した臨床ビジネスと環境分野への貢献に取り組みます。
4)経営基盤の強化
AIを活用した経営基盤の強化を図り、お客様への提供価値を高めます。
①AI活用による研究開発の迅速化、アジャイル開発の拡大、グローバル拠点を活用した共同研究を推進します。
②戦略的成長投資とAIによる業務効率化・意思決定の高速化を進め、ROICを指標とした資本効率向上を図ります。
③自社開発に加え、「SHIMADZUみらい共創チャレンジ」やCVC「Shimadzu Future Innovation Fund」を通じた新事業創出を継続します。
④多様性を生かし、世界各地で活躍する人財の育成に向けて、次世代リーダー育成を含む人財育成プログラムを充実させます。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
上記の通り事業活動を進めていくものの、中東情勢の緊迫化に伴い、原材料価格や物流費の上昇、ならびに一部地域における顧客投資抑制等が懸念されています。当社においては、現時点で想定される影響を踏まえ、業績予想の前提条件に一定の影響を織り込んでいます。今後の情勢変化によっては、業績予想を見直す必要が生じる可能性があります。
(単位:百万円)
2027年3月期
連結業績予想
対前期増減率
売上高575,0002.5%
営業利益76,0003.1%
経常利益75,000△9.4%
親会社株主に帰属する当期純利益55,000△9.1%

※上記の業績予想は、2026年3月期決算短信公表時点(2026年5月12日)において入手可能な情報に基づき算出したものであり、実際の業績は、今後様々な要因によって予想値と異なる可能性があります。

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