有価証券報告書-第86期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/30 11:37
【資料】
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【項目】
118項目

研究開発活動

当社グループの研究開発は、独創技術による独創的な商品の開発を基本姿勢としており、基礎研究及び比較的長期的視野に立った応用研究、商品開発を当社の研究開発センタが主として担当し、短期的な商品開発は各カンパニー及び関係会社が行っております。コア技術は、マイクロ波技術、ジャイロ技術、超音波技術、計測技術、制御技術、油圧技術、信号処理・画像処理技術等であります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は2,969百万円であり、事業の種類別セグメント毎の研究開発目的、主要課題、成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1) 船舶港湾機器事業
当事業における研究開発活動は、情報技術の革新に対応する次世代航海計器・船舶用無線機器の研究開発及び国際海事機関(IMO)による国際規格改定への対応等を主な目的としております。具体的には、ジャイロコンパス、オートパイロット、レーダー、電子海図情報表示装置、衛星通信機器等について研究開発を行っております。また、特に顧客の課題である「安全と省エネ」に貢献できる製品開発にも注力しております。
この結果、当連結会計年度は、昨年度リリースしたオートパイロットのオプション機能であるACE(Advanced Control for Ecology)機能を就航船のオートパイロット(PR-6000シリーズ)においても実現可能とするコース・コントロール・ユニットを開発し、市場投入しました。また従来の機械式ジャイロコンパスに加え、船舶用FOGコンパスをラインナップに追加しました。従来に比べ小型軽量、省電力、静定時間が短いといった特徴があります。
さらに従来の記録紙を使用するコースレコーダーの後継機としてペーパーレス化で環境対応に貢献するデジタルコースレコーダー、最新のIMO規格に適合した新レーダー等を開発し、市場投入しました。
当事業に係わる研究開発費は544百万円であります。
(2) 油空圧機器事業
当事業における研究開発活動は、建設機械、工作機械のニーズに対応した油空圧機器・システム及びそれらの電子制御に関する研究開発を主な目的としております。具体的には、各種ポンプ、各種制御弁、油圧ユニット、油圧制御システム、電子制御装置であります。中でも、海外特に中国の需要に対応した新商品及び「省エネ、エコ、セキュリティ」をキーワードにした製品開発に注力しております。
この結果、当連結会計年度は、建設機械市場向けにピストンポンプPHCシリーズ、クレーン用走行記録装置、タッチパネル式大型ディスプレイを開発し、市場投入しました。産業機械市場向けに回転数制御システムESSシリーズを開発し、市場投入しました。また、電磁切換弁のCEマーキング対応品の開発も完了しました。
当事業に係わる研究開発費は623百万円であります。
(3) 流体機器事業
当事業における研究開発活動は、上下水道、農業用水、プラント等で求められる超音波流量計及び電波レベル計等の流体管理用計測器・システムの研究開発を主な目的としております。
この結果、当連結会計年度は、短管付超音波流量計、高周波電波レベル計バリエーション機及び溢水対策レベル計の開発と、新型開水路流量計及び高精度クランプオン式超音波流量計の基礎研究を行いました。
当事業に係わる研究開発費は367百万円であります。
(4) 防衛・通信機器事業
当事業における研究開発活動は、官需市場では、電子戦機器、艦艇機器等の防衛向け装備品や海上保安庁向けVTS(船舶通航業務支援システム)関連製品の近代化対応を主な目的としており、具体的には、回転翼及び固定翼のレーダー警戒装置,潜水艦及び護衛艦の航海計器について研究開発を行っております。
この結果、当連結会計年度は、防衛省向けに護衛艦用統合化航海支援装置NOS-501、海上保安庁向けに新東京湾海上交通センタ用次世代管制支援業務システムを開発し、市場投入しました。
センサー機器市場では、高齢化が進む農業市場向けにトラクタ等の農業機械の作業ガイダンスが可能となるトラクタ作業ガイダンスAG-RiDER2や農業機械の自動操舵を補助するトラクタ自動操舵AG-GEAR2を開発し、市場投入しました。また、トンネル掘進工事向けにシールド工法に対応した高性能光ファイバージャイロコンパスTMG-32Fを開発し、市場投入しました。
通信機器市場では、電磁波エネルギー応用市場に半導体製造装置用SSPAモジュールを開発し、市場投入しました。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究による高効率GaN発振器、高効率UVC(紫外線)プラズマランプを開発しました。通信関係では、地上波デジタル中継局の換装工事が始まり、各種低歪SSPAユニット(1.5W~70W)を開発し、市場投入しました。また、衛星追尾用地上局向けに衛星追尾用通信用地上局向けマイクロ波ユニットを開発し、市場投入しました。
当事業に係わる研究開発費は1,281百万円であります。
(5) その他の事業
検品機器事業は当社が中心となって、印刷関連産業向けの印刷図柄及び無地シートの検査装置の開発及び機能拡充を行っております。この結果、当連結会計年度は、次世代印刷図柄検査装置「P-cap V6」を開発し、H29年2月にコンバーティングテクノロジー総合展に出展しました。
鉄道機器事業は主に東京計器レールテクノ(株)が中心となって、精密な保線用計測機器/装置の研究開発を行っております。
この結果、当連結会計年度は、レール探傷車用探傷器SM-760及びデータ・デポシステム用手元操作器HRW-5を開発し、市場投入しました。
当事業に係わる研究開発費は154百万円であります。